使用施設等の溶接の技術基準に関する規則¶
昭和六十一年総理府令第七十三号
使用施設等の溶接の技術基準に関する規則
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第十六条の四第三項第二号、第四十六条の二第三項第二号及び第五十五条の三第二項の規定に基づき、加工施設、再処理施設及び使用施設等の溶接の技術基準に関する総理府令を次のように定める。
目次
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 使用施設等(第四条―第十二条)
附則
第一章 総則
(定義)
第一条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 「使用第一種機器」とは、使用施設等に属する容器又は管のうち、次に掲げるものをいう。
イ 使用済燃料を溶解した液体(以下「使用済燃料溶解液」という。)、プルトニウムの放射能濃度が三十七キロベクレル毎立方センチメートル以上の液体又は使用済燃料溶解液から核燃料物質その他の有用物質を分離した残りの液体であつて放射性物質の濃度が三十七メガベクレル毎立方センチメートル以上のもの(以下「使用済燃料溶解液等」という。)を内包する容器又は管
ロ 使用済燃料溶解液等を内包する容器の排気処理系統に属する容器又は管であつて、プルトニウムの放射能濃度が三十七ミリベクレル毎立方センチメートル以上の気体又は放射性物質の濃度が三十七ベクレル毎立方センチメートル以上の気体を内包するもの
二 「使用第一種容器」とは、使用第一種機器に属する容器をいう。
三 「使用第一種管」とは、使用第一種機器に属する管をいう。
四 「使用第二種機器」とは、使用施設等に属する容器又は管のうち、使用第一種機器及び第七号に規定する使用第三種機器以外のものをいう。
五 「使用第二種容器」とは、使用第二種機器に属する容器をいう。
六 「使用第二種管」とは、使用第二種機器に属する管をいう。
七 「使用第三種機器」とは、使用施設等に属する容器又は管のうち、次に掲げるものをいう。
イ 使用済燃料溶解液等の漏えいの拡大防止のために設置されるドリップトレイその他の容器
ロ 六ふつ化ウランの加熱容器
ハ ダクト
八 「使用第三種容器」とは、使用第三種機器に属する容器をいう。
九 「使用第三種管」とは、使用第三種機器に属する管をいう。
(特殊な方法による溶接)
第二条 この省令の規定によらないで使用施設等の溶接をすることにつき特別の理由がある場合にあつては、原子力規制委員会の認可を受けて、この省令の規定によらないで使用施設等の溶接をすることができる。
2 前項の認可を受けようとする者は、その理由及び溶接方法を記載した申請書に関係図面を添付して申請しなければならない。
(溶接部の強度及び耐食性)
第三条 溶接部は、母材の強度(母材の強度が異なる場合は、弱い方の強度)と同等以上の強度を有するものでなければならない。ただし、母材及び溶接材料に耐食性を向上させたオーステナイト系ステンレス鋼を使用する溶接部であつて、最高使用圧力が九十八キロパスカル未満のものにあつては、設計上要求される強度以上の強度を有するものとすることができる。
2 溶接部は、溶込みが十分であり、割れがなく、かつ、アンダーカット、オーバーラップ、クレータ、スラグ巻込み、ブローホール等で溶接部の強度及び耐食性を確保する上で有害なものがないものでなければならない。
第二章 使用施設等
(使用施設等の溶接の方法)
第四条 使用施設等に属する容器又は管の溶接に係る溶接の方法は、次の各号に適合しているものでなければならない。
一 溶接部の設計及び溶接施行法が次のイ及びロに適合したものであること。
イ 溶接部の設計は、突合せ両側溶接又はこれと同等以上の効果が得られる設計であること。ただし、平板、管台、管板等を取り付ける溶接を完全溶込み溶接で行う場合その他機器及び継手の種類に応じて設計上要求される強度を有することが明らかな場合は、この限りでない。
ロ 溶接施行法は、日本工業規格Z三〇四〇(一九八一)「溶接施工方法の確認試験方法」又はこれと同等の方法により確認されたものであり、かつ、日本工業規格B八二四三(一九八一)「圧力容器の構造」の「十二・六 溶接後熱処理」又はこれと同等の規格等による溶接後熱処理の条件に適合したものであること。
二 溶接設備の種類及び容量が溶接施行法に適したものであること。
三 溶接を行う者が次のイ又はロに適合した者であること。
イ 手溶接による溶接士は、日本工業規格Z三八二一(一九八九)「ステンレス鋼溶接技術検定における試験方法及び判定基準」又はこれと同等の方法により、その技能が確認された者であること。
ロ 自動溶接機による溶接士は、十分な作業経歴を持つた者であること。
(材料の制限)
第五条 使用施設等に属する容器又は管の溶接に用いられる母材は、炭素含有量が〇・三五パーセント以下のものでなければならない。
(開先面)
第六条 使用施設等に属する容器又は管の溶接における開先面及びその付近の母材の表面の水分、塗料、油脂、ごみ、有害なさび、溶けかすその他有害な異物は、溶接に先立ち、除去しなければならない。
2 裏はつりを行う場合は、溶込み不良部を完全に除去しなければならない。
(突合せ溶接による継手面の食い違い)
第七条 使用第一種機器、使用第二種機器及び使用第三種機器(第一条第七号ロに規定するものに限る。)の突合せ溶接による継手面の食い違いは、次の表の第一欄に掲げる機器、同表の第二欄に掲げる継手の種類及び同表の第三欄に掲げる母材の厚さ(母材の厚さが異なる場合は、薄い方の厚さ)の区分に応じ、それぞれその区分に対応する同表の第四欄に掲げる値を超えてはならない。ただし、応力計算を行つて構造上要求される強度を有することが明らかである場合は、この限りでない。
機器 |
継手の種類 |
母材の厚さ |
食い違いの値 |
使用第一種機器及び使用第二種機器 |
長手継手 |
二十ミリメートル以下 |
一ミリメートル |
二十ミリメートルを超え百二十ミリメートル以下 |
母材の厚さの五パーセント |
||
百二十ミリメートルを超えるもの |
六ミリメートル |
||
周継手 |
十五ミリメートル以下 |
一・五ミリメートル |
|
十五ミリメートルを超え百二十ミリメートル以下 |
母材の厚さの十パーセント |
||
百二十ミリメートルを超えるもの |
十二ミリメートル |
||
使用第三種機器(第一条第七号ロに規定するものに限る。) |
長手継手 |
六ミリメートル以下 |
一・五ミリメートル |
六ミリメートルを超え二十四ミリメートル以下 |
母材の厚さの二十五パーセント |
||
二十四ミリメートルを超えるもの |
六ミリメートル |
||
周継手 |
六ミリメートル以下 |
一・五ミリメートル |
|
六ミリメートルを超え四十八ミリメートル以下 |
母材の厚さの二十五パーセント |
||
四十八ミリメートルを超えるもの |
十二ミリメートル |
(継手の仕上げ)
第八条 使用施設等に属する容器又は管の溶接部(第三項に規定するものを除く。)であつて次条又は第十一条第一項若しくは第二項の規定により非破壊試験を行うこととされているものの表面は、滑らかで、母材の表面より高く、又は母材の表面と同じ高さであり、かつ、母材の表面と段がつかないように仕上げなければならない。
2 使用施設等に属する容器又は管の突合せ溶接による溶接部(次項に規定するものを除く。)であつて次条又は第十一条第一項の規定により放射線透過試験を行うこととされているものの余盛りの高さは、次の表の上欄に掲げる母材の厚さ(母材の厚さが異なる場合は、薄い方の厚さ)の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下でなければならない。
母材の厚さ |
余盛りの高さ |
十二ミリメートル以下 |
一・五ミリメートル |
十二ミリメートルを超え二十五ミリメートル以下 |
二・五ミリメートル |
二十五ミリメートルを超え五十ミリメートル以下 |
三ミリメートル |
五十ミリメートルを超え百ミリメートル以下 |
四ミリメートル |
百ミリメートルを超えるもの |
五ミリメートル |
3 使用第一種機器の溶接部の接液面は、耐食性を著しく損うおそれがある場合は、第一項に規定する表面の仕上げを行つてはならない。
4 前項の溶接部の接液面は、次の表の上欄に掲げる項目について、それぞれ同表の下欄に掲げる合格基準に適合するものでなければならない。ただし、構造上当該合格基準によることが著しく困難である場合は、この限りでない。
項目 |
合格基準 |
余盛りの高さ |
一 母材の厚さが三ミリメートル未満のとき 二ミリメートル以下 二 母材の厚さが三ミリメートル以上のとき 二・五ミリメートル以下 |
裏波の高さ |
一 母材の厚さが三ミリメートル未満のとき 一・五ミリメートル以下 二 母材の厚さが三ミリメートル以上で七・五ミリメートル未満のとき 二ミリメートル以下 三 母材の厚さが七・五ミリメートル以上のとき 三・五ミリメートル以下 ただし、部分的なたれ落ちについてはこの限りでない。 |
アンダーカット及びオーバーラップ |
〇・五ミリメートル以下 |
その他 |
溶込み不良、ピット、クレータ及び割れがないこと。 |
(溶接部の非破壊試験)
第九条 別表第一の区分の欄に掲げる区分(機器及び溶接部により区分されるものをいう。)のいずれかに該当する使用施設等に属する容器又は管の溶接部は、当該区分に対応する同表の規定試験の欄に掲げる非破壊試験を行い、これに合格するものでなければならない。ただし、容器又は管の構造上当該試験を行うことが著しく困難である場合であつて、当該試験の代わりに、当該区分に対応する同表の代替試験の欄に掲げる非破壊試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
(溶接部の機械試験)
第十条 別表第二の区分の欄に掲げる区分(機器及び溶接部により区分されるものをいう。)のいずれかに該当する使用第一種機器及び使用第二種機器(最高使用圧力が次に定める値以上のものに限る。)の突合せ溶接による溶接部は、当該区分に対応する同表の試験板の作成方法の欄に掲げる方法により作成した試験板について、別表第三の区分の欄に掲げる区分(機器及び溶接部により区分されるものをいう。)に応じ、それぞれ同表の試験の種類の欄に掲げる機械試験を行い、これに合格するものでなければならない。
一 液体用の容器又は管であつて、最高使用温度がその液体の沸点未満のものについては、千九百六十キロパスカル
二 前号に規定する容器以外の容器にあつては、九十八キロパスカル
三 第一号に規定する管以外の管にあつては、九百八十キロパスカル(長手継手の部分にあつては、四百九十キロパスカル)
2 前項の機械試験は、別表第四の試験の種類の欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の試験片の欄に掲げる試験片を用い、同表の試験の方法の欄に掲げる試験の方法によらなければならない。
3 前項の機械試験を行つた場合において、別表第四の試験の種類の欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の合格基準の欄に掲げる基準に適合するときは、これを合格とする。
4 第一項の機械試験を行い、別表第五の試験の種類の欄に掲げる試験に不合格となつた場合において、それぞれ同表の再試験が行えるときの欄に該当する場合にあつては、当該不合格となつた試験に用いられた試験片(別表第四の規定により分割する場合にあつては、分割された試験片)の試験板又はこれと同時に作成した試験板からとつた別表第五の再試験片の数の欄に掲げる数の再試験片について、当該不合格となつた試験の再試験を行い、これに合格するときは、これを当該不合格となつた試験に合格したものとみなす。
(溶接部の耐圧試験等)
第十一条 別表第六の機器の欄に掲げる使用施設等に属する容器又は管の溶接部(ライニング型貯槽(コンクリート製の貯槽にステンレス鋼等の内張りを施した容器をいう。以下同じ。)の溶接部を除く。)は、同欄に掲げる区分に応じ、それぞれ同表の試験圧力の欄に掲げる圧力で耐圧試験を行い、これに耐え、かつ、漏えいがないものでなければならない。ただし、容器又は管の構造上当該圧力で試験を行うことが著しく困難である場合であつて、可能な限り高い圧力で試験を行い、これに耐え、かつ、漏えいがなく、放射線透過試験、超音波探傷試験、磁粉探傷試験又は浸透探傷試験のうちいずれか適当な非破壊試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
2 ライニング型貯槽の溶接部は、発泡試験(減圧法)による漏えい試験を行い、これに合格するものでなければならない。ただし、構造上漏えい試験を行うことが著しく困難である場合であつて、浸透探傷試験を行い、これに合格するときは、この限りでない。
3 前項の漏えい試験は、別表第七の発泡試験(減圧法)の項の試験の方法の欄に掲げる方法によつて行うこととし、同項の合格基準の欄に掲げる基準に適合するときは、これを合格とする。
(非破壊試験の方法と合格基準)
第十二条 第九条並びに前条第一項及び第二項の非破壊試験は、次の各号によらなければならない。
一 放射線透過試験にあつては、別表第八の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。
二 超音波探傷試験にあつては、別表第九の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。
三 磁粉探傷試験にあつては、別表第十の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。
四 浸透探傷試験にあつては、別表第十一の試験の方法の項に掲げる試験の方法により行うこと。
2 前項の非破壊試験を行つた場合において、次の各号に該当するときは、これを合格とする。
一 前項第一号の場合にあつては、別表第八の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。
二 前項第二号の場合にあつては、別表第九の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。
三 前項第三号の場合にあつては、別表第十の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。
四 前項第四号の場合にあつては、別表第十一の合格基準の項に掲げる基準に適合するとき。
附 則
1 この府令は、公布の日から施行する。
2 加工施設又は再処理施設に属する容器又は管であつて核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律(昭和六十一年法律第七十三号。以下「改正法」という。)の施行の日の前日までに溶接作業に着手したものについての核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)第十六条の四第三項第二号又は第四十六条の二第三項第二号に規定する技術上の基準は、この府令の規定にかかわらず、改正法による改正前の法第十六条の二又は第四十五条の規定により認可を受けた設計及び工事の方法とする。
3 使用施設等に属する容器又は管であつて改正法の施行の日の前日までに溶接作業に着手したものについての法第五十五条の三第二項に規定する技術上の基準は、この府令の規定にかかわらず、核燃料物質の使用等に関する規則の一部を改正する総理府令(昭和六十一年総理府令第六十号)による改正前の核燃料物質の使用等に関する規則(昭和三十二年総理府令第八十四号)第二条の五に規定する工事の技術上の基準とする。
附 則 (昭和六三年七月二六日総理府令第四一号) 抄
1 この府令は、昭和六十四年四月一日から施行する。
附 則 (昭和六三年一一月七日総理府令第四七号) 抄
(施行期日)
第一条 この府令は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和六三年一一月二二日総理府令第四八号)
この府令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成九年九月二六日総理府令第五二号)
この府令は、平成九年十月一日から施行する。
附 則 (平成一一年九月三〇日総理府令第四六号)
この府令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一二年一〇月二〇日総理府令第一一八号)
この府令は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日(平成十三年一月六日)から施行する。
附 則 (平成二四年九月一四日文部科学省令第三二号) 抄
1 この省令は、原子力規制委員会設置法(平成二十四年法律第四十七号)の施行の日(平成二十四年九月十九日)から施行する。
附 則 (令和二年三月一七日原子力規制委員会規則第一一号)
(施行期日)
第一条 この規則は、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律第三条の規定の施行の日(令和二年四月一日)から施行する。
(使用施設等の溶接の技術基準に関する規則の廃止)
第二条 使用施設等の溶接の技術基準に関する規則(昭和六十一年総理府令第七十三号)は、廃止する。
別表第1 溶接部の非破壊試験(第9条関係)
区分 |
規定試験 |
代替試験 |
|
機器 |
溶接部 |
||
使用第1種機器 |
1 閉じ込め部(内包する液体又は気体の閉じ込め障壁を構成する部分をいう。以下同じ。)の溶接部であつて,次のイ又はロのいずれかに掲げるもの以外のもの イ 突合せ溶接以外の管台を取り付ける溶接部,管板に管を取り付ける溶接部及び栓等を取り付ける溶接部 ロ 最高使用温度100℃未満の開放容器(開放部により内気と外気が通じている容器をいう。以下同じ。)及びこれに接続される管のうち当該容器から最も近い止め弁までの部分並びに外径61mm以下の管の溶接部 |
放射線透過試験及び溶接金属部に隣接する幅13mmの範囲内の母材を含めた部分における浸透探傷試験 |
溶接深さの2分の1(溶接深さの2分の1が13mmを超える場合は13mm)ごとの浸透探傷試験(最終層は溶接金属部に隣接する幅13mmの範囲内の母材の部分を含むこと。)又は超音波探傷試験及び溶接金属部に隣接する幅13mmの範囲内の母材を含めた部分における浸透探傷試験 |
2 閉じ込め部の溶接部のうち突合せ溶接による溶接部であつて,長手継手を有する母材相互又は周継手を有する母材相互を取り付ける継手と長手継手又は周継手とが接する箇所(以下「継手接続箇所」という。)から100mm以内の溶接部(1に掲げるものを除く。) | |||
3 閉じ込め部の溶接部のうち突合せ溶接以外の管台を取り付ける溶接部(最高使用温度100℃未満の開放容器及びこれに接続される管であつて,当該容器から最も近い止め弁までの部分並びに外径61mm以下の管の溶接部を除く。) |
溶接深さの2分の1(溶接深さの2分の1が13mmを超える場合は13mm)ごとの浸透探傷試験。ただし,最終層は溶接金属部に隣接する幅13mmの範囲内の母材の部分を含むこと。 |
放射線透過試験又は超音波探傷試験及び溶接金属部に隣接する幅13mmの範囲内の母材を含めた部分における浸透探傷試験 |
|
4 閉じ込め部の溶接部のうち突合せ溶接以外の管板に管を取り付ける溶接部 |
浸透探傷試験 |
―― |
|
5 閉じ込め部の溶接部(1から4までに掲げるものを除く。) |
浸透探傷試験 |
放射線透過試験又は超音波探傷試験 |
|
6 クラッド溶接による溶接部 |
浸透探傷試験 |
―― |
|
7 ラグ,ブラケット,強め材,控え,強め輪等であつて,重要なものを取り付ける溶接部 |
浸透探傷試験 |
放射線透過試験又は超音波探傷試験 |
|
使用第2種機器 |
1 閉じ込め部の溶接部のうち,突合せ溶接による溶接部であつて,次のイからホまでのいずれかに掲げるもの(最高使用温度100℃未満の開放容器及びこれに接続される管のうち当該容器から最も近い止め弁までの部分並びに外径61mm以下の管の溶接部を除く。) イ 次の(1)又は(2)のいずれかに掲げるもの (1) オーステナイト系ステンレス鋼で作られた容器であつて,厚さが38mmを超えるものの溶接部 (2) 炭素鋼で作られた容器であつて,厚さが32mmを超えるものの溶接部 ロ 管の長手継手の溶接部であつて,厚さが19mmを超えるもの ハ 管の周継手(管台を取り付ける継手を除く。)の溶接部であつて,次の(1)又は(2)のいずれかに掲げるもの (1) 外径が410mm(液体用のものにあつては,275mm)を超え,かつ,厚さが19mmを超える管の溶接部 (2) 厚さが41mm(液体用のものにあつては,29mm)を超える管の溶接部((1)に掲げるものを除く。) ニ 内包するプルトニウムの濃度が37μBq/cm3(内包するプルトニウムが液体中にある場合は,37Bq/cm3)以上の容器若しくは管又は内包する放射性物質の濃度が37mBq/cm3(内包する放射性物質が液体中にある場合は37kBq/cm3)以上の容器若しくは管の溶接部(イからハまでに掲げるものを除く。)であつて次の(1)から(3)までのいずれかに掲げるもの以外のもの (1) 液体用の容器又は管であつて,最高使用温度がその液体の沸点未満であり,かつ,最高使用圧力が1960kPa未満のものの溶接部 |
放射線透過試験 |
超音波探傷試験又は溶接深さの2分の1(溶接深さの2分の1が13mmを超える場合は13mm)ごとの浸透探傷試験 |
(2) 最高使用圧力が98kPa未満の容器の溶接部((1)に掲げるものを除く。) (3) 最高使用圧力が980kPa(長手継手の場合は490kPa)未満の管の溶接部((1)に掲げるものを除く。) ホ 継手接続箇所から100mm以内の溶接部(イからニまでに掲げるもの及びライニング型貯槽の溶接部を除く。) |
|||
2 閉じ込め部の溶接部(1に掲げるものを除く。) |
浸透探傷試験又は磁粉探傷試験 |
放射線透過試験又は超音波探傷試験 |
|
3 ラグ,ブラケット,強め材,控え,強め輪等であつて,重要なものを取り付ける溶接部 |
|||
使用第3種機器 |
1 閉じ込め部の溶接部 |
浸透探傷試験又は磁粉探傷試験 |
放射線透過試験又は超音波探傷試験 |
2 ラグ,ブラケット,強め材,控え,強め輪等であつて,重要なものを取り付ける溶接部 |
別表第2 溶接部の機械試験板(第10条関係)
区分 |
試験板の作成方法 |
||
機器 |
溶接部 |
||
使用第1種容器 使用第2種容器 |
胴の内径が600mmを超えるもの |
長手継手の溶接部 |
当該容器について1個(溶接が同一の条件で行われない場合は,条件の異なる部分ごとに1個とする。) |
周継手の溶接部 |
当該容器について1個(溶接が同一の条件で行われない場合は,条件の異なる部分ごとに1個とする。)を当該容器の溶接に引き続き同一の条件で別個に溶接を行つて作ること。ただし,長手継手の試験板の作成と同一の条件で溶接を行う場合は,この限りでない。 |
||
胴の内径が600mm以下のもの |
長手継手の溶接部 |
当該容器について1個(溶接が同一の条件で行われない場合は,条件の異なる部分ごとに1個とする。ただし,外径の差が150mm以下,厚さの差が6mm以下で,かつ,同一の規格の材料の継手を同一の条件で引き続き溶接を行う場合は,溶接線の長さが60m又はその端数ごとに1個とすることができる。) |
|
周継手の溶接部 |
当該容器について1個(溶接が同一の条件で行われない場合は,条件の異なる部分ごとに1個とする。ただし,外径の差が150mm以下,厚さの差が6mm以下で,かつ,同一の規格の材料の継手を同一の条件で引き続き溶接を行う場合は,溶接線の長さが60m又はその端数ごとに1個とすることができる。)を当該容器の溶接に引き続き同一の条件で別個に溶接を行つて作ること。ただし,長手継手の試験板の作成と同一の条件で溶接を行う場合は,この限りでない。 |
||
使用第1種管 使用第2種管 |
長手継手の溶接部 |
当該管について1個(溶接が同一の条件で行われない場合は,条件の異なる部分ごとに1個とする。ただし,外径の差が150mm以下,厚さの差が6mm以下で,かつ,同一の規格の材料の継手を同一の条件で引き続き溶接を行う場合は,溶接線の長さが60m又はその端数ごとに1個とすることができる。) |
|
周継手(管台を取り付ける継手を除く。)の溶接部 |
当該管について1個(溶接が同一の条件で行われない場合は,条件の異なる部分ごとに1個とする。ただし,外径の差が150mm以下,厚さの差が6mm以下で,かつ,同一の規格の材料の継手を同一の条件で引き続き溶接を行う場合は,溶接線の長さが60m又はその端数ごとに1個とすることができる。)を当該管の溶接に引き続き同一の条件で別個に溶接を行つて作ること。ただし,長手継手の試験板の作成と同一の条件で行う場合は,この限りでない。 |
(備考)
1 試験板は,母材と同一の規格に適合し,かつ,母材と同一の厚さ(母材の厚さが異なる場合は,薄い方の厚さ)であること。
2 本体の溶接部について溶接後熱処理(曲げ加工に伴う熱処理及びその他の熱処理を含む。以下この表において同じ。)を行う場合は,試験板にこれと同等の溶接後熱処理を行うこと。
3 試験板が溶接によりそりを生じた場合は,溶接後熱処理を行う前に整形すること。
別表第3 機械試験(第10条関係)
区分 |
試験の種類 |
|||
機器 |
溶接部 |
|||
使用第1種容器 |
胴の内径が600mmを超えるもの |
胴 |
長手継手及び周継手の溶接部 |
継手引張試験,型曲げ試験,衝撃試験 |
管台及び管 |
長手継手の溶接部 |
|||
周継手の溶接部 |
衝撃試験 |
|||
胴の内径が600mm以下のもの |
長手継手の溶接部 |
継手引張試験,型曲げ試験,衝撃試験 |
||
周継手の溶接部 |
衝撃試験 |
|||
使用第2種容器 |
胴の内径が600mmを超えるもの |
胴 |
長手継手及び周継手の溶接部 |
継手引張試験,型曲げ試験 |
管台及び管 |
長手継手の溶接部 |
|||
胴の内径が600mm以下のもの | ||||
使用第1種管 |
長手継手の溶接部 |
継手引張試験,型曲げ試験,衝撃試験 |
||
周継手(管台を取り付ける継手を除く。)の溶接部 |
衝撃試験 |
|||
使用第2種管 |
長手継手の溶接部 |
継手引張試験,型曲げ試験 |
(備考)
1 型曲げ試験は,厚さが19mm以上の場合にあつては側曲げ試験及び裏曲げ試験,厚さが19mm未満の場合にあつては表曲げ試験及び裏曲げ試験とする。
2 1回の試験において使用する試験片の数は,次の表のとおりとする。
試験の種類 |
試験片の数 |
継手引張試験 |
1個 |
型曲げ試験 |
2個 |
衝撃試験 |
溶接金属部について1組(3個) |
熱影響部について1組(3個) |
3 次のイ又はロのいずれかに掲げる場合は,型曲げ試験の代わりに,長手表曲げ試験及び長手裏曲げ試験(以下「長手曲げ試験」という。)とすることができる。
イ 溶接されたそれぞれの母材の伸び又は降伏点が著しく異なる場合
ロ 母材と溶接金属の伸び又は降伏点が著しく異なる場合
4 厚さが10mm未満の場合であつて,裏曲げ試験又は長手曲げ試験を行うことが困難な場合は,ローラ曲げ試験とすることができる。
5 次のイからニまでのいずれかに掲げる溶接部については,衝撃試験を行うことを要しない。
イ 厚さが16mm未満の溶接部
ロ 外径が169mm未満の管の溶接部
ハ 厚さが16mm又は外径が169mm未満の管にフランジ又は管を取り付ける継手の溶接部
ニ イからハまでに掲げるもの以外の溶接部であつて,次の(1)又は(2)のいずれかに掲げる溶接部
(1) 熱影響部であつて,母材がオーステナイト系ステンレス合金,ニッケルクロム鉄合金又は非鉄金属であるもの
(2) 溶接金属部であつて,溶接金属がオーステナイト系ステンレス合金,ニッケルクロム鉄合金又は非鉄金属であるもの
別表第4 継手引張試験,型曲げ試験,ローラ曲げ試験及び衝撃試験(第10条関係)
試験の種類 |
試験片 |
試験の方法 |
合格基準 |
||||||||||
継手引張試験 |
1 形状及び寸法は,日本工業規格Z3121(1984)「突合せ溶接継手の引張試験方法」(以下この表において「JIS Z3121」という。)の「3 試験片」によること。 2 試験機の能力が不足で,試験片の厚さのままで試験ができない場合は,薄のこぎりでこれを所要の厚さに分割することができる。 |
JIS Z3121の「5 試験方法」によること。 |
試験片(試験片の欄の2の場合にあつては,それぞれの試験片)の引張強さが母材の規格による引張強さの最小値以上であるとき。 |
||||||||||
型曲げ試験 |
側曲げ試験 |
1 形状及び寸法は,日本工業規格Z3122(1984)「突合せ溶接継手の型曲げ試験方法」(以下この表において「JIS Z3122」という。)の「3 試験片」によること。ただし,試験片の厚さは10mmとすること。この場合において試験片の幅は,溶接部の厚さとし,試験片の幅が50mmを超え試験ができない場合は,薄のこぎりでこれを分割(分割された当該試験片の幅は同一とし,かつ,25mm以上とする。)することができる。 2 溶接部の表面は,滑らかで,かつ,試験片の長手方向以外に刃物跡がないこと。 |
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表曲げ試験 裏曲げ試験 |
1 形状及び寸法は,JIS Z3122の「3 試験片」によること。ただし,試験片の厚さは,溶接部の厚さとし,10mmを超える場合は,10mmとすること。 2 溶接部の表面は,滑らかで,かつ,試験片の長手方向以外に刃物跡がないこと。 |
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長手表曲げ試験及び長手裏曲げ試験 |
1 試験片の形状及び寸法は,次の図1及び図2によること。 |
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JIS Z3122の「5 試験用ジグ」を使用し,JIS Z3122の「6 試験方法」によること。この場合において,次の表の母材の欄に掲げる母材にあつては,その区分に応じ,JIS Z3122の「表3 試験用ジグの寸法」中R,B及びR'の欄に掲げる値は,それぞれ次の表のジグの寸法の欄に掲げるR,B及びR'の値とする。 |
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図1 長手表曲げ試験片の場合 |
溶接部が,次の1から3までに適合するとき。 1 長さ3mmを超える割れ(縁角に発生するものを除く。)がないこと。 2 長さ3mm以下の割れの長さの合計(試験片を分割した場合にあつては,それぞれの試験片の長さ3mm以下の割れの長さの合計)が7mmを超えないこと。 3 割れ及びブローホールの個数の合計(試験片を分割した場合にあつては,それぞれの試験片の割れ及びブローホールの個数の合計)が10個を超えないこと。 |
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![]() |
母材 |
ジグの寸法 |
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図2 長手裏曲げ試験片の場合 |
R |
B |
R' |
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![]() |
チタンであつて,規格による最小引張り強さが340MPa以下のもの |
4t |
8t |
5t+1.6 |
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チタンであつて,規格による最小引張り強さが340MPaを超えるもの |
5t |
10t |
6t+1.6 |
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(備考) (1) 寸法の単位は,mmとする。 (2) wは,試験片の幅とし,aは,溶接部の広い方の側の幅とする。ただし,aの値に12mmを加えた値が40mm以下の場合にあつては,wは,40mmとする。 (3) tは,試験片の厚さとし,試験片の厚さが10mmを超える場合は,10mmとする。 (4) Rは,1.5mm以下とする。 2 溶接部の表面は,母材と同一面まで削ること。 3 溶接部の表面は,滑らかで,かつ,試験片の長手方向以外に刃物跡がないこと。 4 試験片の切り取りが熱切断による場合は,削り代を3mm以上とすること。 |
(備考) 1 寸法の単位は,mmとする。 2 tは,試験片の厚さとする。 |
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ローラ曲げ試験 |
1 形状及び寸法は,日本工業規格 Z3124(1984)「突合せ溶接継手のローラ曲げ試験方法」(以下この表において「JIS Z3124」という。)の「3 試験片」によること。ただし,試験片の厚さは,溶接部の厚さとする。 2 溶接部の表面は,滑らかで,かつ,試験片の長手方向以外に刃物跡がないこと。 |
JIS Z3124の「5 試験用ジグ」を使用し,JIS Z3124の「6 試験方法」により180度曲げること。この場合において,JIS Z3124の「表2 試験用ジグの寸法」中Rは,次の表の左欄に掲げる母材の区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値とする。 |
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母材 |
R |
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チタンであつて,規格による最小引張り強さが340MPa以下のもの |
4t |
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チタンであつて,規格による最小引張り強さが340MPaを超えるもの |
5t |
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前各項に掲げるもの以外のもの |
2t |
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(備考) 1 寸法の単位は,mmとする。 2 tは,試験片の厚さとする。 | |||||||||||||
衝撃試験 |
1 試験片の形状及び寸法は,日本工業規格 Z2202(1980)「金属材料衝撃試験片」の「2 種類」の4号試験片によるものとし,かつ,切欠きの深さ方向は,試験板の厚さ方向に直角な方向とすること。 2 試験片の長手中心軸は,溶接線の方向と直角であること。 3 試験板の厚さが25mm以下の場合は,試験片の長手中心軸が試験板の内外面の中央と一致するようにすること。 4 試験板の厚さが25mmを超える場合は,試験片の長手中心軸が溶接金属部にあつては,試験板の表面から13mm以上深い所にあるようにし,熱影響部にあつては,試験板の表面から厚さの4分の1の所にあるようにすること。 |
最低使用温度以下の温度で日本工業規格 Z2242(1980)「金属材料衝撃試験方法」(シャルピー衝撃試験に係る部分に限る。)により行うこと。この場合において横膨出量は,次の計算式により計算した値とすること。 δ=(δ1又はδ4のうちいずれか大きい値)+(δ2又はδ3のうちいずれか大きい値) δは,横膨出量 δ1,δ2,δ3及びδ4は,破断後の試験片の変形量であつて,それぞれ次の図に示す値(mmを単位とする。) |
それぞれの試験片の横膨出量が,次の表の左欄に掲げる厚さの区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値以上であるとき。 |
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厚さ(mm) |
横膨出量(mm) |
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16以上19以下 |
0.50 |
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19を超え38以下 |
0.65 |
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38を超えるもの |
1.00 |
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![]() |
(備考)
この表において「最低使用温度」とは,機器の運転状態又は試験状態において生ずる最低の温度以下の温度であつて,設計上定めるものをいう。
別表第5 再試験(第10条関係)
試験の種類 |
再試験が行えるとき |
再試験片の数 |
|||
継手引張試験 |
試験片が溶接部で切れたときの引張強さが母材の規格による引張強さの最小値の90%以上であるとき。 |
試験片1個について2個 |
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側曲げ試験 表曲げ試験 裏曲げ試験 長手表曲げ試験 長手裏曲げ試験 ローラ曲げ試験 |
割れの原因が溶接部の欠陥以外にあることが明らかであるとき。 |
試験片1個について2個 |
|||
衝撃試験 |
次の1及び2に適合しているとき。 1 1組の試験片の横膨出量の平均値が別表第4の合格基準の欄に掲げる合格基準(以下この表において「衝撃試験の合格基準」という。)に,それぞれ適合するとき。 2 衝撃試験の合格基準に適合しない試験片が1個であり,かつ,当該試験片の横膨出量が,次の表の左欄に掲げる厚さの区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値以上であるとき。 |
1組の試験片について1組 |
|||
厚さ(mm) |
横膨出量(mm) |
||||
16以上19以下 |
0.35 |
||||
19を超え38以下 |
0.50 |
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38を超えるもの |
0.85 |
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別表第6 耐圧試験(第11条関係)
機器 |
試験圧力 |
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使用第1種容器 使用第2種容器 使用第3種容器 |
内圧を受けるもの |
開放容器 |
胴板の頂部(屋根がない場合は,頂部の山形鋼の下部)より50mm下部(いつ出口がある場合は,いつ出口の下部)まで液体を満たしたときの圧力 |
その他のもの |
最高使用圧力の1.5倍以上の水圧(水圧で試験を行うことが困難である場合は,最高使用圧力の1.25倍以上の気圧) |
||
外圧を受けるもの |
内部が大気圧未満になることにより大気圧により外圧を受けるもの(開放容器を除く。) |
大気圧と内面に受ける圧力との最高の差の1.5倍以上の水圧又は気圧 |
|
その他のもの |
外圧と内面に受ける圧力との最高の差の1.5倍以上の水圧(水圧で試験を行うことが困難である場合は,当該差の1.25倍以上の気圧) |
||
使用第1種管 使用第2種管 |
内圧を受けるもの |
試験圧力の異なる容器又は管と一体で試験を行う必要のあるもの(当該容器又は管と直接接続される継手の溶接部に限る。) |
低い方の試験圧力による水圧(水圧で試験を行うことが困難である場合は,気圧) |
開放容器に接続されるもの(当該容器の静水頭圧以外の圧力が加わらない部分に限る。) |
当該容器の胴板の頂部(当該容器に屋根がない場合は,頂部の山形鋼の下部)より50mm下部(いつ出口がある場合は,いつ出口の下部)まで液体を満たしたときの圧力 |
||
その他のもの |
最高使用圧力の1.5倍以上の水圧(水圧で試験を行うことが困難である場合は,最高使用圧力の1.25倍以上の気圧) |
||
外圧を受けるもの |
内部が大気圧未満になることにより,大気圧により外圧を受けるもの(開放容器に接続されるものであつて,当該容器の静水頭圧以外の圧力が加わらない部分を除く。) |
大気圧と内面に受ける圧力との最高の差の1.5倍以上の水圧又は気圧 |
|
その他のもの |
外圧と内面に受ける圧力との最高の差の1.5倍以上の水圧(水圧で試験を行うことが困難である場合は,当該差の1.25倍以上の気圧) |
||
使用第3種管 |
内圧を受けるもの |
最高使用圧力の1.25倍以上の気圧又は水圧 |
|
外圧を受けるもの |
内部が大気圧未満になることにより,大気圧により外圧を受けるもの(開放部により内部と外部が通じている管を除く。) |
大気圧と内面に受ける圧力との最高の差の1.5倍以上の気圧又は水圧 |
|
その他のもの |
外圧と内面に受ける圧力との最高の差の1.25倍以上の気圧又は水圧 |
(備考)
1 外圧を受けるものの試験圧力については,容器又は管の内部から加える圧力とすることができる。
2 最高使用圧力が98kPa未満の容器又は管にあつては,水圧による試験を気圧で行うことができる。この場合における試験圧力は,水圧による試験の場合と同じ圧力とする。
別表第7 漏えい試験(第11条関係)
試験の種類 |
試験の方法 |
合格基準 |
アンモニアリーク試験 |
内圧を29kPa以上に加圧すること。 アンモニア濃度は10%以上とすること。 |
溶接部の欠陥からの漏えいによる青色像が認められないこと。 |
ヘリウムリーク試験(加圧法) |
ヘリウム混合ガスの圧力は,最高使用圧力の15%又は410kPaの小さい方の値以上とすること。 ヘリウム濃度は10%以上とすること。 |
溶接部の欠陥からの漏えいが認められないこと。 |
ヘリウムリーク試験(真空法) |
真空度は13.3Pa以上とすること。 |
溶接部の欠陥からの漏えいが認められないこと。 |
ハロゲンリーク試験 |
内圧を29kPa以上に加圧すること。 ハロゲン濃度は20%以上とすること。 |
溶接部の欠陥からの漏えいが認められないこと。 |
発泡試験(減圧法) |
減圧する圧力は-20kPa以下とすること。 |
溶接部の欠陥からの漏えいによる発泡が認められないこと。 |
別表第8 放射線透過試験(第12条関係)
試験の方法 |
増感紙を使用する場合 |
増感紙にあつては,蛍光性のものでないこと。 |
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撮影 |
撮影原則 |
撮影は,原則として試験部の透過する厚さが最小となる方向に放射線源を置き,かつ,単壁撮影とすること。(周継手の溶接部の全周を同時に撮影する場合にあつては,放射線源をその中心軸上に置くこと。)ただし,周継手の溶接部であつて,単壁撮影が困難な場合は,二重壁撮影とすることができる。 |
||||||||||||||||||
二重壁撮影 |
外径が90mmを超える場合 |
撮影は,二重壁片面撮影とし,像が重ならないように等間隔に4回以上で,かつ,フィルム側の溶接部が観察できるように行うこと。 |
||||||||||||||||||
外径が90mm以下の場合 |
次の1及び2に適合すること。ただし,撮影を,二重壁片面撮影とし,像が重ならないように等間隔に4回以上で,かつ,フィルム側の溶接部が観察できるように行う場合は,この限りでない。 1 撮影は,二重壁両面撮影とし,像が重ならないように互いに90度離れた方向から2回以上行うこと。像が重なる場合は,等間隔に3回以上行わなければならない。 2 透過度計は,溶接部の線源側に置くこと。 |
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フィルムの位置 |
フィルムは,溶接部の放射線源と反対の側にできるだけ接近して置くこと。 |
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放射線源と溶接部の線源側との距離(全周を同時に撮影する場合を除く。) |
透過度計(透過度計をフィルム側に置く場合は,溶接部の線源側の表面)とフィルムとの間の距離の2.5倍に線源寸法(mmを単位とした値)を乗じた値又は試験部の有効長さの2倍の値のうち,いずれか大きい方に等しい距離以上であること。ただし,機器等の構造上これによることが著しく困難である場合は,この限りでない。 |
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散乱線の防止 |
散乱線の影響のおそれのある場合は,当該散乱線の影響を防止する措置を講ずること。 |
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透過度計等の使用方法 |
透過度計の使用区分 |
線形透過度計又は有孔形透過度計を使用すること。 |
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材厚の測定方法 |
突合せ溶接による溶接部の場合 |
材厚の測定方法は,日本工業規格 Z3104(1968)「鋼溶接部の放射線透過試験方法および透過写真の等級分類方法」(以下この表において「JIS Z3104」という。)の「2.3 母材の厚さおよび材厚」,日本工業規格 Z3106(1971)「ステンレス鋼溶接部の放射線透過試験方法および透過写真の等級分類方法」(以下この表において「JIS Z3106」という。)の「2.3 母材の厚さ及び材厚」又は日本工業規格Z3107(1973)「チタン溶接部の放射線透過試験方法および透過写真の等級分類方法」(以下この表において「JIS Z3107」という。)の「2.3 母材の厚さ及び材厚」によること。 |
||||||||||||||||||
突合せ溶接以外による溶接部の場合 |
材厚の測定方法は,放射線が透過する方向の母材の厚さ(二重壁撮影の場合は,それぞれの母材の厚さの合計)に,溶接部,裏あて金等の厚さを加えたものとすること。 |
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設置方法 |
線形透過度計を使用する場合 |
透過度計の配置 |
JIS Z3104の「2.7 撮影配置」,JIS Z3106の「2.7 撮影配置」又はJIS Z3107の「2.7 撮影配置」によること。この場合において,透過度計を溶接部の線源側に置くことが困難な場合は,記号「F」を付してフィルム側に置くことができる。また,全周を同時に撮影する場合は,透過度計を等間隔に3個以上写るように置くこと。 |
|||||||||||||||||
階調計の使用 |
炭素鋼又はステンレス鋼等であつて,材厚20mm以下の平板の突合せ溶接部について撮影条件を設定する場合には,階調計を用いて試験部と同時に撮影する。また,連続して同一条件で撮影する場合には,階調計は原則として10回以下の撮影を1群として,1群に1回以上使用する。階調計の位置は,JIS Z3104の「2.7 撮影配置」又はJIS Z3106の「2.7 撮影配置」によること。ただし,階調計の厚さの変化する方向が試験部と平行になるように置くことが困難な場合にあつては,試験部と直角になるように置くことができる。この場合,階調計の厚い方を内側に置くものとする。 |
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線質計の使用 |
チタン等であつて,材厚25mm以下の溶接部について撮影条件を決定する場合には,線質計を用い,試験部と同時に撮影する。また,同一条件で撮影する場合には,原則として,連続する10回以下の撮影を1群として,1群に1回以上使用する。ただし,線質計の厚さの変化する方向が試験部と平行になるように置くことが困難な場合にあつては,試験部と直角になるように置くことができる。この場合,線質計の厚い方を内側に置くものとする。 |
|||||||||||||||||||
有孔形透過度計を使用する場合 |
配置 |
透過度計は,溶接部の線源側(溶接部の線源側に置くことが困難な場合は,記号「F」を付してフィルム側)にこれに接近して置くこと。ただし,溶接部に接近して置くことが困難な場合は,溶接部の上に置くことができる。 |
||||||||||||||||||
個数 |
透過度計は,各フィルムに1個(全周を同時に撮影する場合は,等間隔に3個)以上写るように置くこと。 |
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全厚さ整合 |
透過度計を置く部分の母材の全厚さ(放射線が透過する母材の厚さをいい,二重壁撮影の場合は,それぞれの母材の厚さの合計をいう。)と溶接部の全厚さ(放射線が透過する溶接部の厚さをいい,二重壁撮影の場合は,それぞれの溶接部の厚さの合計をいう。)が同等でない場合は,透過度計と母材との間にはさみ金を置き,母材の全厚さと溶接部の全厚さとが放射線透過に関して同等であるようにすること。 |
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使用すべき透過度計 |
線形透過度計等 |
透過度計の構造 |
JIS Z3104の「2.5 透過度計の構造」,JIS Z3106の「2.5 透過度計の構造」又はJIS Z3107の「2.5 透過度計の構造」によるものであること。 |
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階調計の構造 |
JIS Z3104の「2.6 階調計の構造」又はJIS Z3106の「2.6 階調計の構造」によるものであること。 |
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線質計の構造 |
JIS Z3107の「2.6 線質計の構造」によるものであること。 |
|||||||||||||||||||
有孔形透過度計 |
材質 |
試験される溶接部と同等のものであること。 |
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形状,寸法 |
透過度計の形状及び寸法は,その厚さの区分に応じ,次の図1から図3までによること。 図1 厚さが1.27mm以下の場合 |
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![]() | ||||||||||||||||||||
(備考) (1) 寸法の単位は,mmとする。 (2) Tは,透過度計の厚さとする。 (3) a1は,Tの2倍の値(0.5mm未満の場合は,0.5mm)とする。 (4) a2は,Tの値(0.25mm未満の場合は,0.25mm)とする。 (5) a3は,Tの4倍の値(1.0mm未満の場合は,1.0mm)とする。 | ||||||||||||||||||||
図2 厚さが1.52mm以上4.0mm以下の場合 | ||||||||||||||||||||
![]() | ||||||||||||||||||||
(備考) (1) 寸法の単位は,mmとする。 (2) Tは,透過度計の厚さとする。 (3) a1は,Tの2倍の値とする。 (4) a2は,Tの値とする。 (5) a3は,Tの4倍の値とする。 | ||||||||||||||||||||
図3 厚さが4.0mmを超える場合 | ||||||||||||||||||||
![]() | ||||||||||||||||||||
(備考) (1) 寸法の単位は,mmとする。 (2) Tは,透過度計の厚さとする。 (3) a1は,Tの2倍の値とする。 (4) a2は,Tの値とする。 (5) a3は,Tの4倍の値とする。 (6) a4は,Tの1.33倍の値とする。 (7) a5は,Tの0.83倍の値とする。 | ||||||||||||||||||||
寸法の許容差 |
次の表の左欄に掲げる区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値以下であること。 |
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区分 |
許容差(%) |
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厚さ |
10 |
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穴の径 |
10 |
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材厚に応じた使用区分 |
次の1及び2によること。 1 透過度計の厚さ及び基準穴の径は,次の表の材厚の欄に掲げる材厚の区分に応じ,それぞれ同表の透過度計の欄に掲げる厚さ及び基準穴とする。 2 透過度計には,次の表の透過度計の欄に掲げる厚さに応じ,それぞれ同欄に掲げる記号を試験に影響を及ぼさない位置に表示しなければならない。 |
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材厚(mm) |
透過度計 |
|||||||||||||||||||
放射線源側の場合 |
フィルム側の場合 |
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厚さ(mm) |
記号 |
基準穴 |
厚さ(mm) |
記号 |
基準穴 |
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6以下 |
0.12 |
5 |
a3 |
0.12 |
5 |
a3 |
||||||||||||||
6を超え9.5以下 |
0.19 |
7 |
a3 |
0.19 |
7 |
a3 |
||||||||||||||
9.5を超え13以下 |
0.25 |
10 |
a3 |
0.25 |
10 |
a3 |
||||||||||||||
13を超え16以下 |
0.31 |
12 |
a3 |
0.31 |
12 |
a3 |
||||||||||||||
16を超え19以下 |
0.38 |
15 |
a3 |
0.31 |
12 |
a3 |
||||||||||||||
19を超え22以下 |
0.43 |
17 |
a3 |
0.38 |
15 |
a3 |
||||||||||||||
22を超え25以下 |
0.50 |
20 |
a1 |
0.38 |
15 |
a3 |
||||||||||||||
25を超え32以下 |
0.63 |
25 |
a1 |
0.43 |
17 |
a1 |
||||||||||||||
32を超え38以下 |
0.76 |
30 |
a1 |
0.50 |
20 |
a1 |
||||||||||||||
38を超え51以下 |
0.89 |
35 |
a1 |
0.63 |
25 |
a1 |
||||||||||||||
51を超え64以下 |
1.00 |
40 |
a1 |
0.76 |
30 |
a1 |
||||||||||||||
64を超え76以下 |
1.14 |
45 |
a1 |
0.89 |
35 |
a1 |
||||||||||||||
76を超え102以下 |
1.27 |
50 |
a1 |
1.00 |
40 |
a1 |
||||||||||||||
102を超え152以下 |
1.52 |
60 |
a1 |
1.14 |
45 |
a1 |
||||||||||||||
152を超え203以下 |
2.00 |
80 |
a1 |
1.27 |
50 |
a1 |
||||||||||||||
203を超え254以下 |
2.50 |
100 |
a1 |
1.52 |
60 |
a1 |
||||||||||||||
254を超え305以下 |
3.00 |
120 |
a1 |
2.00 |
80 |
a1 |
||||||||||||||
305を超え406以下 |
4.00 |
160 |
a1 |
2.50 |
100 |
a1 |
||||||||||||||
406を超え508以下 |
5.00 |
200 |
a1 |
3.00 |
120 |
a1 |
||||||||||||||
合格基準 |
透過写真の具備すべき条件 |
透過度計識別度 |
線形透過度計を使用した場合 |
炭素鋼又はステンレス鋼等 |
JIS Z3104の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.1」の普通級又はJIS Z3106の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.1」の普通級に適合すること。ただし,構造上やむを得ない場合であつて材厚16mm以下でγ線を用いた場合は,0.32mmの線が識別できること。 |
|||||||||||||||
チタン等 |
JIS Z3107の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.1」に適合すること。 |
|||||||||||||||||||
有孔形透過度計を使用した場合 |
透過度計の記号及び基準穴が明らかに現れていること。 |
|||||||||||||||||||
溶接部の位置 |
溶接部の位置を示す記号が,明らかに現れていること。 |
|||||||||||||||||||
写真濃度 |
次の計算式により計算した試験部の欠陥以外の部分の透過写真の濃度が,以下のイ,ロ又はハに適合するように撮影されていること。ただし,有孔形透過度計を使用する場合にあつては,更に,透過度計が置かれた部分の濃度より15%以上低いか又は30%以上高い濃度の部分がないように撮影されていること。 |
|||||||||||||||||||
D=log10(F0/F) |
||||||||||||||||||||
Dは,透過写真の濃度 F0は,透過写真の濃度を測定する装置から透過写真を取り外した場合の透過光束 Fは,透過写真の濃度を測定する装置に透過写真を取り付けた場合の透過光束 |
||||||||||||||||||||
イ 炭素鋼にあつては,JIS Z3104の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.2」に適合するように撮影されていること。また,撮影条件を決定するため階調計を使用した透過写真においては,JIS Z3104の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.3」の普通級の条件に適合するものでなければならない。連続する撮影において,撮影条件に変化のないことを確認するために階調計を使用した透過写真においては,JIS Z3104の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.4」の普通級の条件に適合するものでなければならない。 ロ ステンレス鋼等にあつては,JIS Z3106の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.2」に適合するように撮影されていること。また,撮影条件を決定するため階調計を使用した透過写真においては,JIS Z3106の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.3」の普通級の条件に適合するものでなければならない。連続する撮影において,撮影条件に変化のないことを確認するために階調計を使用した透過写真においては,JIS Z3106の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.4」の普通級の条件に適合するものでなければならない。 ハ チタン等にあつては,JIS Z3107の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.3」に適合するように撮影されていること。また,線質計を使用した透過写真においては,JIS Z3107の「2.8 透過写真の具備すべき条件」の「2.8.2」に適合するものでなければならない。 | ||||||||||||||||||||
判定基準 |
次の1から4までに適合すること。 1 JIS Z3104の「3 透過写真の等級分類方法」の1級,JIS Z3106の「3 透過写真の等級分類方法」の1級又はJIS Z3107の「3 透過写真の等級分類方法」の1級であること。ただし,ステンレス鋼等における第1種及び第4種の欠陥の欠陥点数として算定しない欠陥の長径は,母材の厚さが5mm以下の場合にあつては,母材の厚さの0.1倍とする。また,炭素鋼におけるタングステン巻込みは,第1種の欠陥とみなし,その欠陥点数を2分の1として判定するものとする。使用第2種機器及び使用第3種機器の場合にあつては,炭素鋼における第1種の欠陥,ステンレス鋼等における第1種及び第4種の欠陥並びにチタン等におけるブローホール及びタングステン巻込み(以下この表において「第1種欠陥等」という。)については,試験視野を3倍に拡大して欠陥点数を求め,その3分の1の値を欠陥点数とすることができる。 2 第1種欠陥等がある場合には,その長径は,それぞれの欠陥の隣接する他の第1種欠陥等との間の距離が25mm未満の場合にあつては母材の厚さの0.2倍(3.2mmを超える場合は,3.2mm),隣接する他の第1種欠陥等との間の距離が25mm以上の場合にあつては母材の厚さの0.3倍(6.4mmを超える場合は,6.4mm)の値を超えないこと。この場合において,1において欠陥点数として算定しない欠陥については,欠陥とみなさない。 3 炭素鋼又はステンレス鋼等においては,母材の厚さの12倍の長さの範囲内に連続して直線的に並んでいる第2種の欠陥であつて,隣接する第2種の欠陥の間の距離が長い方の第2種の欠陥の長さの6倍未満であるものの長さの合計が母材の厚さを超えないこと。 |
(備考)
1 この表において「ステンレス鋼等」とは,ステンレス鋼又はニッケルクロム鉄合金をいい,「チタン等」とはチタン又はチタンに5%のタンタルを加えた合金をいう。
2 この表においてJIS Z3104は炭素鋼に,JIS Z3106はステンレス鋼等に,JIS Z3107はチタン等に適用する。
別表第9 超音波探傷試験(第12条関係)
試験の方法 |
方法 |
斜角法又は垂直法によること。 |
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使用すべき装置 |
種類 |
パルス反射法によるものであること。 |
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増幅直線性 |
増幅直線性は,ブラウン管上の可読波高値の20%以上80%以下の範囲内において,±5%以内であること。 |
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周波数 |
超音波の周波数は,0.5MHz以上5MHz以下のものであること。ただし,超音波の周波数が5MHzを超えるものであつて,十分な探傷能力を有する場合にあつては,この限りでない。 |
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斜角探触子の屈折角 |
斜角法による場合は,探触子の屈折角は,溶接部の表面の凹凸等からの反射波により試験に支障を及ぼさないものであること。 |
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基準感度 |
斜角法 |
対比試験片の標準穴又はこれと同等の反射効果を有する反射体からの反射波(以下この表において「標準穴反射波」という。)の伝ぱ距離が肉盛り部の厚さが25mm以下のものにあつては,4分の1スキップ,25mmを超えるものにあつては,8分の3スキップのときにおいて,標準穴反射波のブラウン管上の高さが飽和値又は可読波高値の高さの75%以上であること。 |
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垂直法 |
溶接部の厚さが25mm以下のものにあつては,対比試験片の厚さの2分の1.25mmを超えるものにあつては,対比試験片の厚さの4分の1の深さにある試験片の標準穴反射波のブラウン管上の高さが飽和値又は可読波高値の高さの50%以上であること。 |
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接触媒質 |
液体状又はのり状の媒質を用いること。 |
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探傷面 |
探傷面は,清浄で,かつ,滑らかであること。ただし,探傷面に固着したスケール又は塗料であつて,その表面が滑らかで,はく離するおそれがなく,かつ,超音波の伝ぱを妨げるおそれのないものは,取り除くことを要しない。 |
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走査 |
走査は,次の1及び2により行うこと。 1 反射波の高さが基準感度の2倍以上(自動超音波探傷試験装置を用いる場合を除く。)の感度で行うこと。ただし,欠陥の評価は,基準感度で行わなければならない。 2 超音波が試験部全体に伝ぱするように行うこと。 |
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試験片 |
材質 |
対比試験片の材質は,超音波伝ぱに関して,探傷部の材質と同等のものであること。 |
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形状,寸法 |
対比試験片の形状及び寸法は,次の図1又は図2によること。この場合において,標準穴は,探触子を接触させる面と直角の面に設けなければならない。 図1 接触部の半径が254mmを超える場合 |
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(備考) |
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(1) 寸法の単位は,mmとする。 (2) lは,試験に必要な長さとする。 (3) T,a及びdは,それぞれ次の表のとおりとする。 |
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溶接部の厚さ(mm) |
T(mm) |
a |
d(mm) |
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25以下 |
溶接部の厚さ又は19 |
Tの2分の1 |
2.4 |
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25を超え51以下 |
溶接部の厚さ又は38 |
Tの4分の3又はTの4分の1 |
3.2 |
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51を超え102以下 |
溶接部の厚さ又は76 |
Tの4分の3又はTの4分の1 |
4.8 |
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102を超え152以下 |
溶接部の厚さ又は127 |
Tの4分の3又はTの4分の1 |
6.4 |
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152を超え203以下 |
溶接部の厚さ又は178 |
Tの4分の3又はTの4分の1 |
8.0 |
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203を超え254以下 |
溶接部の厚さ又は229 |
Tの4分の3又はTの4分の1 |
9.6 |
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254を超えるもの |
溶接部の厚さ |
Tの4分の3又はTの4分の1 |
9.6に厚さが254を超える51又はその端数ごとに1.6を加えた値 |
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図2 接触部の半径が254mm以下の場合 | ||||||||||||
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(備考) (1) 寸法の単位は,mmとする。 (2) Rは,接触部の半径の0.7倍から1.1倍までの値とする。 (3) l,T,a及びdは,図1に定めるところによる。 |
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複数の穴 |
1つの試験片に複数の穴を設ける場合は,標準穴以外の穴からの反射波の影響を受けないようそれぞれの穴の間に十分な距離を置くこと。 |
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表面 |
探触子を接触させる表面は,清浄で,かつ,滑らかであること。 |
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合格基準 |
次の1又は2のいずれかに適合すること。 1 溶接部の欠陥からの反射波(以下この表において「欠陥部反射波」という。)のブラウン管上の高さが,標準穴反射波のブラウン管上の高さを探触子と欠陥との間の距離について補正した値以下であること。 2 欠陥部反射波のブラウン管上の高さが,標準穴反射波のブラウン管上の高さを探触子と欠陥との間の距離について補正した値を超える部分の長さが,次の表の左欄に掲げる溶接部の厚さの区分に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる値以下であること。 |
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溶接部の厚さ(mm) |
長さ(mm) |
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18以下 |
6 |
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18を超え57以下 |
溶接部の厚さの3分の1 |
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57を超えるもの |
19 |
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(備考)
「自動超音波探傷試験装置」とは,探触子の走査及び試験結果の記録が自動的に行われるものをいう。
別表第10 磁粉探傷試験(第12条関係)
試験の方法 |
磁場の方向 |
直交する2方向に対して行うこと。 |
磁化の方法 |
日本工業規格G0565(1982)「鉄鋼材料の磁粉探傷試験方法及び欠陥磁粉模様の等級分類」(以下この表において「JIS G0565」という。)の「8.4 磁化」のプロッド法,コイル法又は極間法によること。 |
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磁粉及び検査液 |
JIS G0565の「5.2 磁粉及び検査液」によること。 |
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試験部の表面 |
清浄で,かつ,試験に支障を及ぼすことがないように滑らかであること。 |
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磁場の強さ |
JIS G0565の「6.1 A形標準試験片」のA形標準試験片(A1―15/50又はA1―30/100のものに限る。)を用いて磁化したとき,磁場の方向が明確となる磁粉模様が現れる強さ以上であること。 |
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磁粉の適用 |
JIS G0565の「8.5 磁粉の適用」によること。 |
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合格基準 |
次の1から3までに適合すること。 1 JIS G0565の「9.2 欠陥磁粉模様の種類の分類」の線状欠陥磁粉模様がないこと。 2 JIS G0565の「9.2 欠陥磁粉模様の種類の分類」の円形状欠陥磁粉模様(以下この表において「円形状欠陥磁粉模様」という。)がJIS G0565の「9.3 欠陥磁粉模様の等級分類」の1級又は2級であること。 3 面積が3750mm2の長方形(短辺の長さは,25mm以上とする。)内に円形状欠陥磁粉模様が10個以上含まれないこと。ただし,円形状欠陥磁粉模様であつて,長さが1.5mm以下のものは算定することを要しない。 |
別表第11 浸透探傷試験(第12条関係)
試験の方法 |
試験方法 |
日本工業規格 Z2343(1982)「浸透探傷試験方法及び欠陥指示模様の等級分類」(以下この表において「JIS Z2343」という。)の「4 試験方法」によること。 |
試験装置及び探傷剤 |
JIS Z2343の「5 試験装置及び探傷剤」によること。 |
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合格基準 |
使用第1種機器の接液面の場合 |
JIS Z2343の「8.2 欠陥指示模様の種類の分類」の線状欠陥指示模様及び円形状欠陥指示模様(以下この表において「線状欠陥指示模様」及び「円形状欠陥指示模様」という。)がないこと。 |
使用第1種機器の接液面以外並びに使用第2種機器及び使用第3種機器の場合(第11条第2項に規定する場合を除く。) |
次の1から3までに適合すること。 1 線状欠陥指示模様がないこと。 2 円形状欠陥指示模様がJIS Z2343の「8.3 欠陥指示模様の等級分類」の1級又は2級であること。 3 面積が3750mm2の長方形(短辺の長さは,25mm以上とする。)内に円形状欠陥指示模様が10個以上含まれないこと。ただし,円形状欠陥指示模様であつて,長さが1.5mm以下のものは算定することを要しない。 |