犬等の輸出入検疫規則¶
平成十一年農林水産省令第六十八号
犬等の輸出入検疫規則
検疫法及び狂犬病予防法の一部を改正する法律(平成十年法律第百十五号)の施行に伴い、狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)第七条第二項の規定に基づき、犬の輸出入検疫規則(昭和二十五年農林省令第百三号)の全部を改正する省令を次のように定める。
(犬等の輸入)
第一条 狂犬病予防法(以下「法」という。)第二条第一項各号に掲げる動物(以下「犬等」という。)を輸入しようとする者は、その犬等を搭載した船舶又は航空機が入港し、又は着陸することとなっている日の四十日前までに、別記様式第一号により、次に掲げる事項を動物検疫所に届け出なければならない。ただし、動物検疫所長がこれによることが困難な特別の事情があると認める場合には、この限りでない。
一 輸入しようとする犬等の種類及び数量
二 輸入の時期及びその場所
三 荷受人及び荷送人の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
四 輸入しようとする犬等の性、年齢及び仕出国
五 輸入しようとする犬等の搭載予定地、搭載予定年月日及び搭載予定船舶名又は搭載予定航空機名
六 その他参考となるべき事項
2 動物検疫所長は、前項の規定による届出があった場合において、次条の規定による検疫を円滑に実施するため特に必要があると認めるときは、当該届出をした者に対し、当該届出に係る輸入の時期又は場所を変更すべきことを指示することができる。
第二条 犬等を輸入しようとする者は、その犬等を搭載した船舶又は航空機の入港又は着陸後遅滞なく、別記様式第二号による申請書を動物検疫所に提出し、その犬等につき家畜防疫官の行う検疫を受けなければならない。
(犬等の輸出)
第三条 犬等を輸出しようとする者は、あらかじめ別記様式第三号による申請書を動物検疫所に提出し、その犬等につき家畜防疫官の指示した日時に家畜防疫官の行う検疫を受けなければならない。
(検疫の場所及び係留期間)
第四条 家畜防疫官は、前二条の規定による検疫のため、次の表に掲げる区分に従い、検疫に係る犬等を同表の下欄に定める期間(以下「係留期間」という。)動物検疫所に係留しなければならない。ただし、第八条第一項の規定により検疫を行った場合において、当該検疫に係る犬等の係留期間が十二時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間であり、かつ、その犬等につき家畜防疫官が狂犬病にかかっているおそれがなく、かつ、かかるおそれもないと認めたときは、この限りでない。
犬等の区分 |
係留期間 |
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輸入 |
一 農林水産大臣の指定する地域(以下「指定地域」という。)から直接輸入される犬等のうち、当該犬等が、狂犬病にかかっていず、又は狂犬病にかかっている疑いがない旨、当該地域に過去二年間狂犬病の発生がなかった旨及び当該地域において過去百八十日間又はその生産(本邦から輸出された犬等にあってはその輸出)以来飼養されていた旨を記載した輸出国政府機関の発行する証明書が添付されているもの又は当該犬等につき当該証明書に記載されるべき事項が記録され、かつ、輸出国政府機関が作成したと認められる電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)が作成されているもの(農林水産大臣の定める方法により、当該証明書がいずれの個体に係るものであるかを識別するための措置(以下「個体識別措置」という。)が講じられているものに限る。) |
十二時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間 |
二 指定地域から直接輸入される犬等のうち、前号に掲げるもの以外のものであって、当該犬等が、狂犬病にかかっていず、又は狂犬病にかかっている疑いがない旨、当該地域に過去二年間狂犬病の発生がなかった旨及び当該地域において飼養が開始された日から本邦へ輸出された日までの継続する期間の日数(以下「輸出前飼養日数」という。)を記載した輸出国政府機関の発行する証明書が添付されているもの又は当該犬等につき当該証明書に記載されるべき事項が記録され、かつ、輸出国政府機関が作成したと認められる電磁的記録が作成されているもの(個体識別措置が講じられているものに限る。) |
輸出前飼養日数を百八十日から差し引いて得た日数 |
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三 次に掲げる書類が添付されている犬、猫又は犬若しくは猫のうち、当該犬若しくは猫につき次に掲げる書類に記載されるべき事項が記録され、かつ、輸出国政府機関が作成したと認められる電磁的記録が作成されているもの(個体識別措置が講じられているものに限る。) イ 狂犬病にかかっていず、又は狂犬病にかかっている疑いがない旨を記載した輸出国政府機関の発行する証明書 ロ 狂犬病の予防注射(農林水産大臣の定める方法によるものに限る。以下同じ。)を受けている旨、本邦に到着する日(以下「到着日」という。)前二年以内に採取された血液中の抗体価(農林水産大臣の定める基準に適合するもの又はこれと同等以上の検査能力を有するものとして農林水産大臣の指定する検査施設において、農林水産大臣の定める方法により測定したものに限る。以下同じ。)が血清一ミリリットル当たり〇・五国際単位以上である旨及び当該血液が採取された日(以下「採血日」という。)を記載した輸出国政府機関の発行する証明書又は家畜防疫官の発行する証明書若しくはその写し |
採血日から到着日までの日数(以下「採血後日数」という。)を百八十日から差し引いて得た日数(採血後日数が百八十日を超える場合、採血後日数が百八十日を超えない場合において最後の採血日が前回の採血日から百八十日以上経過した日であるとき又は家畜防疫官の発行する証明書若しくはその写しに採血日が記載されている場合には、十二時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間) |
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四 狂犬病に感染するおそれのある動物の侵入を防止するために必要な設備を備えているものとして農林水産大臣の定める基準に適合するものとして農林水産大臣が指定する施設(試験研究用の動物のみを生産するものに限る。以下「指定施設」という。)から直接輸入される試験研究用の犬又は猫のうち、当該犬又は猫が、狂犬病にかかっていず、又は狂犬病にかかっている疑いがない旨、指定施設において生産され、過去百八十日間又はその生産以来他の施設(当該指定施設内で集団ごとに区分して飼養されている場合には、当該犬又は猫の属する集団以外の集団)の動物と隔離されていた旨及び過去百八十日間当該指定施設(当該指定施設内で集団ごとに区分して飼養されている場合には、当該犬又は猫の属する集団)への犬又は猫の導入が行われておらず、かつ、当該指定施設に過去二年間狂犬病の発生がなかった旨を記載した輸出国政府機関の発行する証明書が添付されているもの又は当該犬等につき当該証明書に記載されるべき事項が記録され、かつ、輸出国政府機関が作成したと認められる電磁的記録が作成されているもの(個体識別措置が講じられているものに限る。) |
十二時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間 |
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五 その他の犬等 |
百八十日 |
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輸出 |
犬等 |
十二時間以内であって家畜防疫官が必要と認める時間 |
2 前項本文の場合において、当該検疫に係る犬等を係留すべき動物検疫所の係留場所は、家畜防疫官がその犬等を輸入又は輸出しようとする者に、あらかじめ指示するものとする。
3 第一項の係留期間は、狂犬病にかかっている疑いのある犬等及び狂犬病にかかっている犬等若しくは狂犬病にかかっている疑いのある犬等と同居していたため、又はその他の理由により狂犬病にかかるおそれのある犬等については、その疑い又はおそれがなくなるまでの期間、これを延長しなければならない。
4 家畜防疫官は、動物検疫所長が、博物館、動物園その他これに類する施設において展示される犬等であって、特別な管理を必要とするものにつき動物検疫所以外の場所で検疫を実施しても差し支えないと認めたときは、第一項の規定にかかわらず、当該犬等を輸入しようとする者に対し、狂犬病予防上必要な管理方法等を指示し、防疫上安全と認めて指定した場所に当該犬等を係留させることができる。
5 家畜防疫官は、動物検疫所長が、係留中の犬等につき災害救助のため必要であることその他の特別な事情があると認めたときは、第一項の規定にかかわらず、当該犬等を輸入しようとする者に対し、狂犬病予防上必要な管理方法等を指示し、一時的に動物検疫所の敷地外に当該犬等を出させることができる。
(狂犬病発生時の措置)
第五条 法第十条又は第十五条の規定による命令等が行われた場合においてこれらの規定による期間内及び当該期間の満了する日の翌日から三十日の期間内に輸出される犬は、前条第一項の規定にかかわらず、三十一日の期間動物検疫所に係留しなければならない。
2 前条第三項及び第四項の規定は、前項の場合に準用する。
(検疫信号)
第六条 外国から入港した船舶で犬等を搭載するものは、入港後直ちに検疫信号を掲げなければならない。
2 前項の信号は、昼間は前檣頭に別記様式第四号の旗を掲げ、夜間は同所に紅灯一箇その下に白灯二箇を連掲して置かなければならない。
3 第一項の信号は、同項の犬等について第八条第一項の規定による検疫若しくは同条第二項の規定による検査が行われ、当該犬等を搬出し、又は出港するまでは、おろしてはならない。
(搬出禁止)
第七条 何人も、第四条第二項又は第四項の規定による家畜防疫官の指示を受けなければ、検疫終了前の犬等を船舶又は飛行場から搬出してはならない。
(船舶又は飛行場内の検疫等)
第八条 家畜防疫官は、必要と認めるときは、輸入される犬等について、搭載船舶内又は飛行場内(搭載航空機内を含む。次項において同じ。)で、検疫を行うことができる。
2 家畜防疫官は、輸入される犬等の検疫のため必要と認めるときは、外国から到着した犬等(輸入されるものを除く。)又は外国から到着した犬等の死体について、搭載船舶内又は飛行場内で、その犬等又はその犬等の死体について検査を行うことができる。
(検疫証明書等)
第九条 家畜防疫官は、検疫が終わったときは、輸入される犬にあっては一頭ごとに別記様式第五号の一、輸入される法第二条第一項第二号に掲げる動物(以下「猫等」という。)にあっては別記様式第五号の二、輸出される犬にあっては一頭ごとに別記様式第五号の三、輸出される猫等にあっては別記様式第五号の四の証明書を交付しなければならない。
2 電子情報処理組織(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項に規定する電子情報処理組織をいう。)を使用して第二条の申請書の提出をした者又は第三条の申請書の提出をした者から、それぞれ証明書の交付の請求があったときの当該証明書は、前項の規定にかかわらず、当該者が別記様式第二号に記載すべき事項についてその者の使用に係る電子計算機から入力した事項又は別記様式第三号に記載すべき事項についてその者の使用に係る電子計算機から入力した事項を、それぞれ動物検疫所の使用に係る電子計算機から出力した書面に、家畜防疫官が第二条又は第三条の規定により制規の検疫を終了したことを証明する旨及び氏名を記載したものとする。
3 第一項の規定による証明書の交付に代えて電子情報処理組織(情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律第七条第一項に規定する電子情報処理組織をいう。)を使用して証明の通知を行う場合の当該通知の内容は、第二条又は第三条の規定により制規の検疫を終了したことを証明する旨とする。
第十条 家畜防疫官は、その職務を執行する場合には、別記様式第六号によるその身分を示す証票を携帯し、関係者の要求があるときは、何時でもこれを呈示しなければならない。
附 則
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十二年一月一日から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令による改正後の犬等の輸出入検疫規則(以下「新規則」という。)第一条第一項の規定による届出は、その犬等を搭載した船舶又は航空機が平成十二年二月十一日までの間に入港し、又は着陸することとなっているときは、新規則第一条第一項の規定にかかわらず、この省令の施行後遅滞なく、新規則別記様式第一号による書面によりしなければならない。ただし、動物検疫所長がこれによることが困難な特別の事情があると認める場合は、この限りでない。
第三条 この省令の施行の際、現にこの省令による改正前の犬の輸出入検疫規則の規定により検疫を行っている犬については、なお従前の例による。
第四条 平成十二年六月三十日までの間に入港し、又は着陸した船舶又は航空機に搭載された猫等についての新規則第四条第一項の規定の適用については、同項の表の輸入の項の犬等の区分の欄の四中「指定地域以外の地域から直接輸入される犬等で、輸出国政府機関が、当該犬等が狂犬病にかかっていず、又は狂犬病にかかっている疑いがない旨、狂犬病に感染するおそれのある動物の侵入を防止することができる施設として輸出国政府機関が指定し農林水産大臣に通知したものにおいて、過去六箇月間又はその生産以来隔離されていた旨及び過去六箇月間当該施設への犬等の導入が行われておらず、かつ、当該施設に過去六箇月間狂犬病の発生がなかった旨」とあるのは「指定地域以外の地域から直接輸入される猫等で、輸出国政府機関が、当該猫等が狂犬病にかかっていず、又はかかっている疑いがない旨」とする。
第五条 この省令による改正前の犬の輸出入検疫規則第八条の規定により交付された家畜防疫官の身分を示す証票であって、この省令の施行の際現に効力を有するものは、新規則別記様式第六号によるものとみなす。
(係留期間の特例)
第六条 平成二十四年一月一日から同年七月三十一日までの間に対象地域(アイルランド、スウェーデン、ノルウェー(スヴァルバルト、ヤン・マイエン及び欧州外にある属領を除く。)及び英国(グレート・ブリテン及び北アイルランドに限る。)をいう。以下同じ。)から直接輸入される犬等のうち、次の各号のいずれにも該当するものは、第四条第一項の規定の適用については、指定地域から直接輸入される犬等とみなす。
一 当該犬等が平成二十四年一月一日以降に本邦、指定地域及び対象地域以外の地域から対象地域に輸入された犬等並びに同日以降に対象地域内の一の地域から対象地域内の他の地域に輸入された犬等でない旨を記載した輸出国政府機関の発行する証明書が添付されていること。
二 狂犬病の予防注射の実施状況及び血液中の抗体価を勘案して、平成二十四年一月一日から到着日までの間狂犬病に対する免疫の効果を有していたと認められること。
附 則 (平成一五年三月二八日農林水産省令第二二号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一六年一〇月六日農林水産省令第七五号) 抄
(施行期日)
第一条 この省令は、平成十六年十一月六日(以下「施行日」という。)から施行する。
(経過措置)
第二条 施行日前にこの省令による改正前の犬等の輸出入検疫規則(以下「旧規則」という。)第一条第一項の規定により行われた届出であって、当該届出に係る犬等を搭載した船舶又は航空機が入港し、又は着陸することとなっている日が施行日以後のものは、施行日以後は、この省令による改正後の犬等の輸出入検疫規則(以下「新規則」という。)第一条第一項の規定により行われた届出とみなす。
第三条 この省令の施行の際、現に旧規則の規定により検疫を行っている犬等の検疫については、なお従前の例による。
第四条 平成十七年六月六日までの間に入港し、又は着陸する船舶又は航空機に搭載される犬等のうち、指定地域から輸入される犬等、輸出の際生産の日から十箇月を経過していることを証明する輸出国政府機関の発行する証明書が添付されている犬又は猫、輸出国政府機関の発行する証明書により平成十七年六月六日までの間に生産の日から十箇月を経過することが確認され、かつ、本邦に輸出された後生産の日から十箇月を経過する日までの間動物検疫所に係留されている犬又は猫及び試験研究用の犬又は猫についての新規則第四条第一項及び同条第四項の規定の適用については、なお従前の例によることができる。
附 則 (平成一九年一〇月三一日農林水産省令第八四号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の犬等の輸出入検疫規則別記様式第六号(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この省令による改正後の犬等の輸出入検疫規則別記様式第六号によるものとみなす。
2 この省令の施行の際現にある旧様式により調製した用紙は、この省令の施行後においても当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附 則 (平成二〇年一〇月一〇日農林水産省令第六五号)
この省令は、平成二十年十月十二日から施行する。
附 則 (平成二二年四月六日農林水産省令第三三号)
この省令は、平成二十二年四月十五日から施行する。
附 則 (平成二三年一二月二七日農林水産省令第六七号)
この省令は、平成二十四年一月一日から施行する。
附 則 (平成二四年一月二〇日農林水産省令第三号)
この省令は、公布の日から施行する。
附 則 (令和元年六月二七日農林水産省令第一〇号)
(施行期日)
第一条 この省令は、不正競争防止法等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年七月一日)から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この省令による改正後の様式によるものとみなす。
2 この省令の施行の際現にある旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附 則 (令和元年一二月一六日農林水産省令第四七号)
この省令は、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日(令和元年十二月十六日)から施行する。
附 則 (令和二年一二月二一日農林水産省令第八三号)
(施行期日)
第一条 この省令は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 この省令の施行の際現にあるこの省令による改正前の様式(次項において「旧様式」という。)により使用されている書類は、この省令による改正後の様式によるものとみなす。
2 この省令の施行の際現にある旧様式による用紙については、当分の間、これを取り繕って使用することができる。
附 則 (令和四年一二月一日農林水産省令第六九号)
この省令は、公布の日から施行する。
様式第一号(第一条関係)
様式第二号(第二条関係)
様式第三号(第三条関係)
様式第四号(第六条関係)
様式第五号の一(第九条関係)
様式第五号の二(第九条関係)
様式第五号の三(第九条関係)
様式第五号の四(第九条関係)
様式第六号(第十条関係)