司法制度改革推進法¶
司法制度改革推進法(平成十三年十一月十六日法律第百十九号)
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 基本方針(第五条・第六条)
第三章 司法制度改革推進計画(第七条)
第四章 司法制度改革推進本部(第八条―第十八条)
附則
第一条
この法律は、国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、司法の果たすべき役割がより重要になることにかんがみ、平成十三年六月十二日に内閣に述べられた司法制度改革審議会の意見の趣旨にのっとって行われる司法制度の改革と基盤の整備(以下「司法制度改革」という。)について、その基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、司法制度改革推進本部を設置すること等により、これを総合的かつ集中的に推進することを目的とする。
第二条
司法制度改革は、国民がより容易に利用できるとともに、公正かつ適正な手続の下、より迅速、適切かつ実効的にその使命を果たすことができる司法制度を構築し、高度の専門的な法律知識、幅広い教養、豊かな人間性及び職業倫理を備えた多数の法曹の養成及び確保その他の司法制度を支える体制の充実強化を図り、並びに国民の司法制度への関与の拡充等を通じて司法に対する国民の理解の増進及び信頼の向上を目指し、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとする。
第五条
司法制度改革は、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。
一
国民がより容易に利用できるとともに、公正かつ適正な手続の下、より迅速、適切かつ実効的にその使命を果たすことができる司法制度を構築するため、民事に関し、その解決のため専門的な知見を要する事件その他の事件に関する裁判所における手続の一層の充実及び迅速化、裁判所における手続を利用する機会を拡大するために必要な制度の整備、裁判外における紛争処理制度の拡充等を図るとともに、刑事に関し、裁判所における手続の一層の充実及び迅速化、被疑者及び被告人に対する公的な弁護制度の整備、検察審査会の機能の強化等を図ること。
二
司法制度を支える体制を充実強化させるため、法曹人口の大幅な増加、裁判所、検察庁等の人的体制の充実、法曹養成のための教育を行う大学院に関する制度の整備その他の法曹養成のための制度の見直し、裁判官、検察官及び弁護士の能力及び資質の一層の向上のための制度の整備等を図ること。
三
国民の司法制度への関与の拡充等を通じて司法に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上させるため、国民が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与する制度の導入等を図ること。
2
内閣総理大臣は、司法制度改革推進計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
3
内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4
前二項の規定は、司法制度改革推進計画の変更について準用する。
第九条
本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
一
司法制度改革の推進に関する総合調整に関すること。
二
司法制度改革推進計画の作成及び推進に関すること。
三
司法制度改革の総合的かつ集中的な推進のために必要な法律案及び政令案の立案に関すること。
四
司法制度改革の推進に関する関係機関及び関係団体との連絡調整に関すること。
2
本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
2
副本部長は、本部長の職務を助ける。
2
本部員は、本部長及び副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。
2
本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
2
事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3
事務局長は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。
4
事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
第十七条
本部に係る事項については、内閣法
(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
附 則
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。