独立行政法人日本芸術文化振興会法

独立行政法人日本芸術文化振興会法
(平成十四年十二月十三日法律第百六十三号)


最終改正:平成二六年六月一三日法律第六七号


 第一章 総則(第一条―第六条)
 第二章 役員及び職員(第七条―第十一条)
 第三章 評議員会(第十二条・第十三条)
 第四章 業務等(第十四条―第十七条)
 第五章 雑則(第十八条―第二十条)
 第六章 罰則(第二十一条・第二十二条)
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、独立行政法人日本芸術文化振興会の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。

第二条  この法律及び独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項 に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人日本芸術文化振興会とする。

第三条  独立行政法人日本芸術文化振興会(以下「振興会」という。)は、芸術家及び芸術に関する団体が行う芸術の創造又は普及を図るための活動その他の文化の振興又は普及を図るための活動に対する援助を行い、あわせて、我が国古来の伝統的な芸能(第十四条第一項において「伝統芸能」という。)の公開、伝承者の養成、調査研究等を行い、その保存及び振興を図るとともに、我が国における現代の舞台芸術(同項において「現代舞台芸術」という。)の公演、実演家等の研修、調査研究等を行い、その振興及び普及を図り、もって芸術その他の文化の向上に寄与することを目的とする。

第三条の二  振興会は、通則法第二条第二項 に規定する中期目標管理法人とする。

第四条  振興会は、主たる事務所を東京都に置く。

第五条  振興会の資本金は、附則第二条第六項の規定により政府から出資があったものとされた金額とする。
 政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、振興会に追加して出資することができる。この場合において、政府は、当該出資した金額の全部又は一部が第十六条第一項の芸術文化振興基金に充てるべきものであるときは、その金額を示すものとする。
 政府は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、土地、建物その他の土地の定着物及びその建物に附属する工作物(第五項において「土地等」という。)を出資の目的として、振興会に追加して出資することができる。
 振興会は、前二項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
 政府が出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
 前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。

第六条  振興会でない者は、日本芸術文化振興会という名称を用いてはならない。

   第二章 役員及び職員

第七条  振興会に、役員として、その長である理事長及び監事二人を置く。
 振興会に、役員として、理事三人以内を置くことができる。

第八条  理事は、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して振興会の業務を掌理する。
 通則法第十九条第二項 の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
 前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項 の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。

第九条  理事の任期は、四年とする。

第十条  通則法第二十二条 の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、非常勤の理事又は監事となることができる。
 振興会の非常勤の理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項 の規定の適用については、同項 中「前条」とあるのは、「前条及び独立行政法人日本芸術文化振興会法第十条第一項」とする。

第十一条  振興会の役員及び職員は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

   第三章 評議員会

第十二条  振興会に、評議員会を置く。
 評議員会は、二十人以内の評議員で組織する。
 評議員会は、理事長の諮問に応じ、振興会の業務の運営に関する重要事項を審議する。

第十三条  評議員は、振興会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部科学大臣の認可を受けて、理事長が任命する。
 評議員の任期は、二年とする。
 通則法第二十一条第三項 ただし書及び第四項 並びに第二十三条第二項 の規定は、評議員について準用する。
 理事長は、前項において準用する通則法第二十三条第二項 の規定により評議員を解任しようとするときは、あらかじめ、文部科学大臣の認可を受けなければならない。

   第四章 業務等

第十四条  振興会は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
 次に掲げる活動に対し資金の支給その他必要な援助を行うこと。
 芸術家及び芸術に関する団体が行う芸術の創造又は普及を図るための公演、展示等の活動
 文化施設において行う公演、展示等の活動又は文化財を保存し、若しくは活用する活動で地域の文化の振興を目的とするもの
 イ及びロに掲げるもののほか、文化に関する団体が行う公演及び展示、文化財である工芸技術の伝承者の養成、文化財の保存のための伝統的な技術又は技能の伝承者の養成その他の文化の振興又は普及を図るための活動
 劇場施設(伝統芸能の公開又は現代舞台芸術の公演のための施設をいう。)を設置し、伝統芸能の公開及び現代舞台芸術の公演を行うこと。
 その設置する施設において、伝統芸能の伝承者を養成し、及び現代舞台芸術の実演家その他の関係者の研修を行うこと。
 伝統芸能及び現代舞台芸術に関して調査研究を行い、並びに資料を収集し、及び利用に供すること。
 第二号の劇場施設を伝統芸能の保存若しくは振興又は現代舞台芸術の振興若しくは普及を目的とする事業の利用に供すること。
 前各号の業務に附帯する業務
 振興会は、前項に規定する業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内で、同項第二号の劇場施設を一般の利用に供する業務を行うことができる。

第十五条  振興会は、通則法第二十九条第二項第一号 に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項 又は第二項 の規定による整理を行った後、同条第一項 の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち文部科学大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項 の認可を受けた中期計画(同項 後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。
 文部科学大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
 振興会は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
 前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。

第十六条  振興会は、第十四条第一項第一号の業務及びこれに附帯する業務(以下この条において「助成業務」という。)に必要な経費の財源をその運用によって得るために芸術文化振興基金(以下「基金」という。)を設け、附則第二条第十項の規定により政府から出資があったものとされた金額及び同条第十一項の規定により政府以外の者から出えんがあったものとされた金額並びに第五条第二項後段の規定により政府が示した金額及び基金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額の合計額に相当する金額をもってこれに充てるものとする。
 通則法第四十七条 及び第六十七条 (第七号に係る部分に限る。)の規定は、基金の運用について準用する。この場合において、通則法第四十七条第三号 中「金銭信託」とあるのは、「金銭信託で元本補てんの契約があるもの」と読み替えるものとする。

第十七条  補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 (昭和三十年法律第百七十九号)の規定(罰則を含む。)は、第十四条第一項第一号の規定により振興会が支給する資金について準用する。この場合において、同法 (第二条第七項を除く。)中「各省各庁」とあるのは「独立行政法人日本芸術文化振興会」と、「各省各庁の長」とあるのは「独立行政法人日本芸術文化振興会の理事長」と、同法第二条第一項 (第二号を除く。)及び第四項 、第七条第二項、第十九条第一項及び第二項、第二十四条並びに第三十三条中「国」とあるのは「独立行政法人日本芸術文化振興会」と、同法第十四条 中「国の会計年度」とあるのは「独立行政法人日本芸術文化振興会の事業年度」と読み替えるものとする。

   第五章 雑則

第十八条  振興会に係る通則法 における主務大臣及び主務省令は、それぞれ文部科学大臣及び文部科学省令とする。

第十九条  削除

国家公務員宿舎法 の適用除外)
第二十条  国家公務員宿舎法 (昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、振興会の役員及び職員には、適用しない。

   第六章 罰則

第二十一条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした振興会の役員は、二十万円以下の過料に処する。
 この法律の規定により文部科学大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
 第十四条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
 第十六条第二項において準用する通則法第四十七条 の規定に違反して基金を運用したとき。

第二十二条  第六条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。

   附 則 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第三条から第五条まで及び第七条の規定 平成十五年十月一日
 附則第八条の規定 平成十五年十月一日又は独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十四年法律第   号)の施行の日のいずれか遅い日

(日本芸術文化振興会の解散等)
第二条  日本芸術文化振興会(以下「旧振興会」という。)は、振興会の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、その時において、次項の規定により国が承継する資産を除き、振興会が承継する。
 振興会の成立の際現に旧振興会が有する権利のうち、振興会がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、振興会の成立の時において国が承継する。
 前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
 旧振興会の平成十五年四月一日に始まる事業年度(以下この条において「最終事業年度」という。)は、その解散の日の前日に終わるものとする。
 旧振興会の最終事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、解散の日から起算して二月を経過する日とする。
 第一項の規定により振興会が旧振興会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、振興会が承継する資産の価額(次に掲げる金額の合計額に相当する金額を除く。)から負債の金額を差し引いた額は、政府から振興会に出資されたものとする。
 次条の規定による廃止前の日本芸術文化振興会法(昭和四十一年法律第八十八号。以下「旧振興会法」という。)第二十五条の二の規定により設けられている旧振興会法第十九条第一項第二号から第五号までの業務及びこれらに附帯する業務並びに同条第三項の規定による業務に係る勘定並びにその他の業務に係る勘定において積立金として整理されている金額のうち、それぞれ文部科学大臣が財務大臣と協議して定める金額
 旧振興会法第二十九条の二第一項の芸術文化振興基金(以下この条において「旧基金」という。)に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額
 前項の資産の価額は、振興会成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
 前項の評価委員その他評価に関して必要な事項は、政令で定める。
 第一項の規定により振興会が旧振興会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、第六項第一号に規定する文部科学大臣が財務大臣と協議して定める金額に相当する金額は、振興会に係る通則法第四十四条第一項の積立金として整理しなければならない。
10  第一項の規定により振興会が旧振興会の権利及び義務を承継したときは、旧基金に充てるべきものとして政府から出資された金額(第二項の規定により国が承継することとされた資産のうち、旧基金に充てるべきものとして政府から出資されたものに相当する金額を除く。)に相当する金額は、振興会の成立に際し、第十六条第一項の基金に充てるべきものとして政府から振興会に対し出資されたものとする。
11  第一項の規定により振興会が旧振興会の権利及び義務を承継したときは、旧基金に充てることを条件として政府以外の者から出えんされた金額に相当する金額は、振興会の成立に際し、第十六条第一項の基金に充てることを条件として政府以外の者から振興会に対し出えんされたものとする。
12  第一項の規定により旧振興会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。

(日本芸術文化振興会法の廃止)
第三条  日本芸術文化振興会法は、廃止する。

(日本芸術文化振興会法の廃止に伴う経過措置)
第四条  前条の規定の施行前に旧振興会法(第九条及び第十八条第一項を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。

(罰則の適用に関する経過措置)
第五条  附則第三条の規定の施行前にした行為及び附則第二条第五項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第六条  附則第二条、第四条及び前条に定めるもののほか、振興会の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成一六年六月二三日法律第一三〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
 第二条、第七条、第十条、第十三条及び第十八条並びに附則第九条から第十五条まで、第二十八条から第三十六条まで及び第三十八条から第七十六条の二までの規定 平成十七年四月一日

   附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日

(処分等の効力)
第二十八条  この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第二十九条  この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令等への委任)
第三十条  附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。