独立行政法人日本貿易振興機構法¶
独立行政法人日本貿易振興機構法(平成十四年十二月十三日法律第百七十二号)
最終改正:平成二六年六月一三日法律第六七号
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 役員及び職員(第六条―第十一条)
第三章 業務等(第十二条・第十三条)
第四章 雑則(第十四条―第十七条)
第五章 罰則(第十八条・第十九条)
附則
第二条
この法律及び独立行政法人通則法
(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項
に規定する独立行政法人の名称は、独立行政法人日本貿易振興機構とする。
第三条
独立行政法人日本貿易振興機構(以下「機構」という。)は、我が国の貿易の振興に関する事業を総合的かつ効率的に実施すること並びにアジア地域等の経済及びこれに関連する諸事情について基礎的かつ総合的な調査研究並びにその成果の普及を行い、もってこれらの地域との貿易の拡大及び経済協力の促進に寄与することを目的とする。
第三条の二
機構は、通則法第二条第二項
に規定する中期目標管理法人とする。
2
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に追加して出資することができる。
3
機構は、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
2
機構に、役員として、副理事長一人及び理事六人以内を置くことができる。
2
理事は、理事長の定めるところにより、理事長(副理事長が置かれているときは、理事長及び副理事長)を補佐して機構の業務を掌理する。
3
通則法第十九条第二項
の個別法で定める役員は、副理事長とする。ただし、副理事長が置かれていない場合であって理事が置かれているときは理事、副理事長及び理事が置かれていないときは監事とする。
4
前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項
の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第九条
通則法第二十二条
の規定にかかわらず、教育公務員で政令で定めるものは、理事となることができる。
第十条
機構の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、第十二条第一号から第五号までに掲げる業務及び同条第十号に掲げる業務(同条第一号から第五号までに掲げる業務に附帯するものに限る。)に係る職務に関して知ることができた秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
第十一条
機構の役員及び職員は、刑法
(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第十二条
機構は、第三条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
貿易に関する調査をし、及びその成果を普及すること。
二
我が国の産業及び商品の紹介及び宣伝を行うこと。
三
貿易取引のあっせんを行うこと。
四
貿易に関する出版物の刊行及び頒布その他の貿易に関する広報を行うこと。
五
博覧会、見本市その他これらに準ずるものを開催し、若しくはこれらに参加し、又はその開催若しくは参加のあっせんを行うこと。
六
アジア地域その他の地域の経済及びこれに関連する諸事情に関する資料を収集すること。
七
アジア地域その他の地域の経済及びこれに関連する諸事情に関し、文献その他の資料により調査研究を行い、又は現地調査を行うこと。
八
前二号に掲げる業務に係る成果を定期的に、若しくは時宜に応じて、又は依頼に応じて、提供すること。
九
前三号に掲げる業務に係る施設をアジア地域その他の地域の経済及びこれに関連する諸事情に関する調査研究を行う者の共用に供すること。
十
前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
第十三条
機構は、通則法第二十九条第二項第一号
に規定する中期目標の期間(以下この項において「中期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項
又は第二項
の規定による整理を行った後、同条第一項
の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち経済産業大臣の承認を受けた金額を、当該中期目標の期間の次の中期目標の期間に係る通則法第三十条第一項
の認可を受けた中期計画(同項
後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中期目標の期間における前条に規定する業務の財源に充てることができる。
2
経済産業大臣は、前項の規定による承認をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
3
機構は、第一項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4
前三項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第十四条
経済産業大臣は、国際経済事情の急激な変化その他の事情により我が国及び国際経済社会の健全な発展が阻害され、又は阻害されるおそれがある場合において、機構の業務を貿易の振興に関係する政府の方針と整合的なものとするため緊急の必要があると認めるときは、機構に対し、第十二条第一号から第三号まで及び第五号に掲げる業務(これらに附帯する業務を含む。)に関し必要な措置をとることを求めることができる。
2
機構は、経済産業大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
第十五条
機構に係る通則法
における主務大臣及び主務省令は、それぞれ経済産業大臣及び経済産業省令とする。
第十六条
国家公務員宿舎法
(昭和二十四年法律第百十七号)の規定は、機構の役員及び職員には、適用しない。
第十七条
削除
第十八条
第十条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
第十九条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一
第十二条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二
第十三条第一項の規定により経済産業大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第五条から第七条まで及び第九条から第十二条までの規定は、平成十五年十月一日から施行する。
(振興会の解散等)
第二条
日本貿易振興会(以下「振興会」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において機構が承継する。
2
機構の成立の際現に振興会が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3
前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4
振興会の解散の日の前日を含む事業年度は、その日に終わるものとする。
5
振興会の解散の日の前日を含む事業年度に係る決算並びに貸借対照表及び損益計算書並びに利益及び損失の処理については、なお従前の例による。
6
第一項の規定により機構が振興会の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。
7
前項の資産の価額は、機構成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
8
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
9
第一項の規定により振興会が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(業務の特例)
第三条
機構は、附則第五条の規定による廃止前の日本貿易振興会法(昭和三十三年法律第九十五号)第二十一条第一項第六号の規定により経済産業大臣の委託を受けて貸し付けられた資金(次条第一項において「貸付金」という。)に係る債権(前条第一項の規定により機構が承継したものに限る。)の回収が終了するまでの間、第十二条に規定する業務のほか、当該債権の管理及び回収を行う。
2
前項の規定により機構が同項に規定する業務を行う場合には、第十九条第一号中「第十二条」とあるのは、「第十二条及び附則第三条第一項」とする。
(機構の納付金等)
第四条
機構は、前条第一項の債権の回収が終了するまでの間において、経済産業大臣が、償還された貸付金の金額のうち、機構の業務に必要な資金に充てるべき金額を勘案して機構が国庫に納付すべき金額を定めたときは、政令で定めるところにより、当該金額を国庫に納付しなければならない。
2
機構は、平成二十年三月三十一日までの間において、経済産業大臣が、返還された預託金(輸入の促進を目的とした展示場その他の政令で定める施設を運営するため平成五年一月二十五日から平成十三年三月三十日までに振興会が民間事業者に預託した金銭(附則第二条第一項の規定により機構が承継した権利に係るものに限る。)をいう。)の金額のうち、機構の業務に必要な資金に充てるべき金額を勘案して機構が国庫に納付すべき金額を定めたときは、政令で定めるところにより、当該金額を国庫に納付しなければならない。
3
経済産業大臣は、前二項の規定により金額を定めようとするときは、あらかじめ、経済産業省の独立行政法人評価委員会の意見を聴くとともに、財務大臣に協議しなければならない。
4
機構は、第一項又は第二項の規定により納付金を納付したときは、その納付額により資本金を減少するものとする。
(日本貿易振興会法の廃止)
第五条
日本貿易振興会法は、廃止する。
(日本貿易振興会法の廃止に伴う経過措置)
第六条
前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の日本貿易振興会法(第十条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第七条
附則第五条の規定の施行前にした行為及びこの法律の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第八条
この附則に規定するもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成一六年六月二三日法律第一三〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
二
第二条、第七条、第十条、第十三条及び第十八条並びに附則第九条から第十五条まで、第二十八条から第三十六条まで及び第三十八条から第七十六条の二までの規定 平成十七年四月一日
附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日
(処分等の効力)
第二十八条
この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第二十九条
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第三十条
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。