国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法¶
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成十六年十二月三日法律第百五十五号)
最終改正:平成二七年七月八日法律第五一号
(最終改正までの未施行法令) | |
平成二十七年七月八日法律第五十一号 | (未施行) |
第一章 総則(第一条―第九条)
第二章 役員及び職員(第十条―第十六条)
第三章 業務(第十七条―第十九条)
第四章 財務及び会計(第二十条―第二十四条)
第五章 雑則(第二十五条―第三十一条)
第六章 罰則(第三十二条―第三十四条)
附則
2
この法律において「核燃料物質」とは、原子力基本法第三条第二号
に規定する核燃料物質をいう。
3
この法律において「使用済燃料」とは、原子炉に燃料として使用した核燃料物質をいう。
4
この法律において「核燃料サイクル」とは、使用済燃料を再度原子炉に燃料として使用することにより核燃料物質を有効に利用するために必要な一連の行為の体系をいう。
5
この法律において「高速増殖炉」とは、原子炉のうち、その原子核分裂の連鎖反応が主として高速中性子により行われるものであって、核燃料物質のうち政令で定めるものの当該連鎖反応に伴い生成する量のその消滅する量に対する比率が一を超えるものをいう。
6
この法律において「核燃料物質の再処理」とは、使用済燃料から核燃料物質その他の有用物質を分離するために、使用済燃料を化学的方法により処理することをいう。
7
この法律において「高レベル放射性廃棄物」とは、使用済燃料から核燃料物質その他の有用物質を分離した後に残存する物(固型化したものを含む。)をいう。
第三条
この法律及び独立行政法人通則法
(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項
に規定する独立行政法人の名称は、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構とする。
第四条
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「機構」という。)は、原子力基本法第二条
に規定する基本方針に基づき、原子力に関する基礎的研究及び応用の研究並びに核燃料サイクルを確立するための高速増殖炉及びこれに必要な核燃料物質の開発並びに核燃料物質の再処理に関する技術及び高レベル放射性廃棄物の処分等に関する技術の開発を総合的、計画的かつ効率的に行うとともに、これらの成果の普及等を行い、もって人類社会の福祉及び国民生活の水準向上に資する原子力の研究、開発及び利用の促進に寄与することを目的とする。
第四条の二
機構は、通則法第二条第三項
に規定する国立研究開発法人とする。
2
機構は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。
3
政府は、前項の規定により機構がその資本金を増加するときは、予算で定める金額の範囲内において、機構に出資することができる。
4
政府は、機構に出資するときは、土地又は建物その他の土地の定着物(以下この条において「土地等」という。)を出資の目的とすることができる。
5
前項の規定により出資の目的とする土地等の価額は、出資の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
7
政府及び政府以外の者は、第二項の認可があった場合において、機構に出資しようとするときは、第二十条第一項各号に掲げる業務のそれぞれに必要な資金に充てるべき金額(土地等を出資の目的とする場合にあっては、土地等)を示すものとする。
2
出資証券は、記名式とする。
3
前項に規定するもののほか、出資証券に関し必要な事項は、政令で定める。
第八条
機構は、通則法第四十六条の二第一項
若しくは第二項
の規定による国庫への納付又は通則法第四十六条の三第三項
の規定による払戻しをする場合を除くほか、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。
2
機構は、出資者の持分を取得し、又は質権の目的としてこれを受けることができない。
2
機構に、役員として、副理事長一人及び理事七人以内を置くことができる。
2
理事は、理事長の定めるところにより、理事長(副理事長が置かれているときは、理事長及び副理事長)を補佐して機構の業務を掌理する。
3
通則法第十九条第二項
の個別法で定める役員は、副理事長とする。ただし、副理事長が置かれていない場合であって理事が置かれているときは理事、副理事長及び理事が置かれていないときは監事とする。
4
前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項
の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第十二条
文部科学大臣は、通則法第二十条第一項
の規定により理事長を任命しようとするときは、あらかじめ、原子力委員会の意見を聴かなければならない。
第十三条
副理事長及び理事の任期は、当該副理事長及び理事について理事長が定める期間(その末日が通則法第二十一条の二第一項
の規定による理事長の任期の末日以前であるものに限る。)とする。
第十四条
通則法第二十二条
に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一
物品の製造若しくは販売若しくは工事の請負を業とする者であって機構と取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二
前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
2
機構の役員の解任に関する通則法第二十三条第一項
の規定の適用については、同項
中「前条」とあるのは、「前条及び国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成十六年法律第百五十五号)第十四条第一項」とする。
第十六条
機構の役員及び職員は、刑法
(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第十七条
機構は、第四条の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
原子力に関する基礎的研究を行うこと。
二
原子力に関する応用の研究を行うこと。
三
核燃料サイクルを技術的に確立するために必要な業務で次に掲げるものを行うこと。
イ 高速増殖炉の開発(実証炉を建設することにより行うものを除く。)及びこれに必要な研究
ロ イに掲げる業務に必要な核燃料物質の開発及びこれに必要な研究
ハ 核燃料物質の再処理に関する技術の開発及びこれに必要な研究
ニ ハに掲げる業務に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の処理及び処分に関する技術の開発及びこれに必要な研究
四
前三号に掲げる業務に係る成果を普及し、及びその活用を促進すること。
五
放射性廃棄物の処分に関する業務で次に掲げるもの(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律
(平成十二年法律第百十七号)第五十六条第一項
及び第二項
に規定する原子力発電環境整備機構の業務に属するものを除く。)を行うこと。
イ 機構の業務に伴い発生した放射性廃棄物(附則第二条第一項及び第三条第一項の規定により機構が承継した放射性廃棄物(以下「承継放射性廃棄物」という。)を含む。)及び機構以外の者から処分の委託を受けた放射性廃棄物(実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
(昭和三十二年法律第百六十六号)第四十三条の四第一項
に規定する実用発電用原子炉をいう。第二十八条第一項第四号ロにおいて同じ。)及びその附属施設並びに原子力発電と密接な関連を有する施設で政令で定めるものから発生したものを除く。)の埋設の方法による最終的な処分(以下「埋設処分」という。)
ロ 埋設処分を行うための施設(以下「埋設施設」という。)の建設及び改良、維持その他の管理並びに埋設処分を終了した後の埋設施設の閉鎖及び閉鎖後の埋設施設が所在した区域の管理
六
機構の施設及び設備を科学技術に関する研究及び開発並びに原子力の開発及び利用を行う者の利用に供すること。
七
原子力に関する研究者及び技術者を養成し、及びその資質の向上を図ること。
八
原子力に関する情報を収集し、整理し、及び提供すること。
九
第一号から第三号までに掲げる業務として行うもののほか、関係行政機関又は地方公共団体の長が必要と認めて依頼した場合に、原子力に関する試験及び研究、調査、分析又は鑑定を行うこと。
十
前各号の業務に附帯する業務を行うこと。
3
機構は、前二項の業務のほか、前二項の業務の遂行に支障のない範囲内で、国、地方公共団体その他政令で定める者の委託を受けて、これらの者の核原料物質(原子力基本法第三条第三号
に規定する核原料物質をいう。)、核燃料物質又は放射性廃棄物を貯蔵し、又は処理する業務を行うことができる。
2
基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
埋設処分業務の対象とすべき放射性廃棄物の種類
二
埋設施設の設置に関する事項
三
埋設処分の実施の方法に関する事項
四
その他埋設処分業務の実施に関する重要事項
3
主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
2
前項の計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
埋設処分業務の対象とする放射性廃棄物の種類及びその量の見込み
二
前号の放射性廃棄物の埋設処分を行う時期及びその量並びにこれに必要な埋設施設の規模及び能力に関する事項
三
埋設施設の設置に関する事項
四
埋設処分の実施の方法に関する事項
五
埋設処分業務の実施に関する収支計画及び資金計画
六
その他主務省令で定める事項
3
機構は、第一項の認可を受けたときは、遅滞なく、その計画を公表しなければならない。
第二十条
機構は、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
一
第十七条第一項第二号から第四号(同号中同項第一号に掲げる業務に係るものを除く。)まで、第七号及び第八号に掲げる業務並びにこれらに附帯する業務のうち、特別会計に関する法律
(平成十九年法律第二十三号)第八十五条第五項
に規定する電源利用対策に関する業務
二
埋設処分業務及びこれに附帯する業務(以下「埋設処分業務等」という。)
三
前二号に掲げる業務以外の業務
2
機構は、前項第一号及び第三号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定から、当該業務に伴い発生した放射性廃棄物(当該業務に係る承継放射性廃棄物を含む。)に係る埋設処分業務等に要する経費の財源に充てるべき額として主務省令で定めるところにより算定した額を、毎事業年度、埋設処分業務等に係る勘定に繰り入れるものとする。
第二十一条
機構は、前条第一項第一号及び第三号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定において、通則法第三十五条の四第二項第一号
に規定する中長期目標の期間(以下この項において「中長期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項
又は第二項
の規定による整理を行った後、同条第一項
の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち主務大臣の承認を受けた金額を、当該中長期目標の期間の次の中長期目標の期間に係る通則法第三十五条の五第一項
の認可を受けた中長期計画(同項
後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中長期目標の期間における第十七条第一項及び第二項に規定する業務の財源に充てることができる。
2
機構は、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
4
機構は、埋設処分業務等に係る勘定において、通則法第四十四条第一項
本文又は第二項
の規定による整理を行った後、同条第一項
本文の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額を、翌事業年度以降の埋設処分業務等の財源に充てなければならない。
5
前各項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
2
前項の規定による債券の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
3
前項の先取特権の順位は、民法(明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
4
機構は、主務大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
5
会社法(平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項及び第二項並びに第七百九条の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
6
前各項に定めるもののほか、債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十三条
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
2
機構は、主務大臣から前項の規定による求めがあったときは、その求めに応じなければならない。
第二十七条
機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、当該残余財産のうち、第二十条第一項各号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定に属する額に相当する額をそれぞれの業務に係る各出資者に対し、それぞれ、その出資額に応じて分配するものとする。
2
前項の規定により各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。
第二十八条
機構に係るこの法律及び通則法における主務大臣は、次のとおりとする。
一
役員及び職員並びに財務及び会計その他管理業務(次号に規定するものを除く。)に関する事項については、文部科学大臣
二
第六条、第二十一条、第二十二条及び第二十四条並びに通則法第三十八条、第四十四条、第四十六条の二(第五号に規定する業務に係る政府出資等に係る不要財産に係る部分に限る。)、第四十六条の三(同号に規定する業務に係る民間等出資に係る不要財産に係る部分に限る。)及び第四十八条(同号に規定する業務の用に供する重要な財産に係る部分に限る。)に規定する管理業務に関する事項については、文部科学大臣及び経済産業大臣
三
第十七条に規定する業務(次号及び第五号に規定するものを除く。)に関する事項については、文部科学大臣
四
第十七条に規定する業務(次号に規定するものを除く。)のうち、原子力の研究、開発及び利用における安全の確保に関する事項(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関する事項並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関する事項を含む。)については、文部科学大臣及び原子力規制委員会
五
第十七条第一項第三号に掲げる業務及びこれに関連する同項第四号に掲げるもの(これらに附帯する業務を含む。)並びに埋設処分業務等(次に掲げる放射性廃棄物に係るものに限る。)に関する事項については、文部科学大臣及び経済産業大臣(原子力の研究、開発及び利用における安全の確保に関する事項(原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関する事項並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関する事項を含む。)については、文部科学大臣、経済産業大臣及び原子力規制委員会)
イ 第十七条第一項第三号に掲げる業務に伴い発生した放射性廃棄物(当該業務に係る承継放射性廃棄物を含む。)
ロ 機構以外の者から処分の委託を受けた放射性廃棄物であって、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第二条第五項に規定する発電用原子炉(実用発電用原子炉を除く。)及びその附属施設並びに原子力発電と密接な関連を有する施設で政令で定めるものから発生したもの
2
経済産業大臣は、専ら前項第五号に規定する業務の適正かつ確実な実施を図る観点から、同項第二号に規定する規定に基づく認可又は承認を行うものとする。
3
機構に係るこの法律及び通則法における主務省令は、主務大臣の発する命令とする。ただし、第一項第五号に規定する業務に係る通則法第五十条に規定する主務省令は、文部科学省令・経済産業省令とする。
第二十九条
削除
第三十条
主務大臣は、次の場合には、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
一
第六条第二項、第二十二条第一項若しくは第四項又は第二十四条の規定による認可をしようとするとき。
二
第二十一条第一項の規定による承認をしようとするとき。
第三十二条
第十五条の規定に違反して秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十三条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
一
この法律の規定により主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
二
第十七条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
第三十四条
第九条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十条から第十二条まで、第十四条から第十七条まで、第十八条第一項及び第三項並びに第十九条から第三十二条までの規定は、平成十七年十月一日から施行する。
(日本原子力研究所の解散等)
第二条
日本原子力研究所(以下「旧研究所」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、権利及び義務の承継に関し必要な事項を定めた承継計画書において定めるところに従い、その時において機構及び独立行政法人理化学研究所(以下「理化学研究所」という。)が承継する。
2
機構の成立の際現に旧研究所が有する権利のうち、機構及び理化学研究所がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3
前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4
第一項の規定により承継する権利及び義務の範囲は、次の各号に掲げる法人ごとに当該各号に定めるところによる。
一
機構 旧研究所が有する権利及び義務のうち次号に定めるもの以外のもの
二
理化学研究所 附則第二十七条の規定による改正前の特定放射光施設の共用の促進に関する法律(平成六年法律第七十八号)第五条に規定する業務に係る権利及び義務
5
第一項の承継計画書は、旧研究所が、政令で定める基準に従って作成して文部科学大臣の認可を受けたものでなければならない。
6
旧研究所の平成十七年四月一日に始まる事業年度は、旧研究所の解散の日の前日に終わるものとする。
7
前項の規定により終わるものとされる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、機構及び理化学研究所が従前の例により行うものとする。この場合において、当該決算の完結の期限は、解散の日から起算して三月を経過する日とする。
8
第一項の規定により機構が旧研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、国並びに同項に規定する承継計画書において定めるところに従い機構及び理化学研究所が承継する資産の価額の合計額から機構及び理化学研究所が承継する負債の金額を差し引いた額に、旧研究所に対する政府以外の者の出資額の割合を乗じて得た額は、当該政府以外の者から機構に対し第十八条第二号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
9
第一項の規定により機構が旧研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項に規定する承継計画書において定めるところに従い機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額から、前項の規定により政府以外の者から機構に出資があったものとされた額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。この場合において、文部科学大臣は、財務大臣と協議の上、第十八条各号に掲げる業務のそれぞれに必要な資金に充てるべき金額を示すものとする。
10
前項の規定による出資による権利のうち、第十八条第一号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとされた金額に係る権利は電源開発促進対策特別会計法第二条の二に規定する電源利用勘定に、第十八条第二号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとされた金額に係る権利は一般会計に、それぞれ帰属するものとする。
11
第一項の規定により理化学研究所が旧研究所の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、同項に規定する承継計画書において定めるところに従い理化学研究所が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額は、政府から理化学研究所に対し出資されたものとする。
12
第八項、第九項及び前項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
13
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
14
旧研究所が発行した出資証券の上に存在する質権は、第七条第一項の規定により出資者が受けるべき機構の出資証券の上に存在する。
15
第一項の規定により旧研究所が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(核燃料サイクル開発機構の解散等)
第三条
核燃料サイクル開発機構(以下「旧機構」という。)は、機構の成立の時において解散するものとし、その一切の権利及び義務は、次項の規定により国が承継する資産を除き、その時において機構が承継する。
2
機構の成立の際現に旧機構が有する権利のうち、機構がその業務を確実に実施するために必要な資産以外の資産は、機構の成立の時において国が承継する。
3
前項の規定により国が承継する資産の範囲その他当該資産の国への承継に関し必要な事項は、政令で定める。
4
旧機構の平成十七年四月一日に始まる事業年度は、旧機構の解散の日の前日に終わるものとする。
5
前項の規定により終わるものとされる事業年度に係る決算並びに財産目録、貸借対照表及び損益計算書については、なお従前の例による。この場合において、当該決算の完結の期限は、解散の日から起算して三月を経過する日とする。
6
第一項の規定により機構が旧機構の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、国及び機構が承継する資産の価額の合計額から機構が承継する負債の金額を差し引いた額(当該差し引いた額が旧機構の資本金の額を超えるときは、当該資本金の額に相当する金額)に、旧機構に対する政府以外の者の出資額の割合を乗じて得た額は、当該政府以外の者から機構に対し第十八条第一号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとして示して出資されたものとする。
7
第一項の規定により機構が旧機構の権利及び義務を承継したときは、その承継の際、機構が承継する資産の価額から負債の金額を差し引いた額から、前項の規定により政府以外の者から機構に出資があったものとされた額を差し引いた額は、政府から機構に対し出資されたものとする。この場合において、文部科学大臣及び経済産業大臣は、財務大臣と協議の上、第十八条各号に掲げる業務のそれぞれに必要な資金に充てるべき金額を示すものとする。
8
前項の規定による出資による権利のうち、第十八条第一号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとされた金額に係る権利は電源開発促進対策特別会計法第二条の二に規定する電源利用勘定に、第十八条第二号に掲げる業務に必要な資金に充てるべきものとされた金額に係る権利は一般会計に、それぞれ帰属するものとする。
9
第六項及び第七項の資産の価額は、機構の成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
10
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
11
旧機構が発行した出資証券の上に存在する質権は、第七条第一項の規定により出資者が受けるべき機構の出資証券の上に存在する。
12
旧機構の解散については、附則第十条の規定による廃止前の核燃料サイクル開発機構法(昭和四十二年法律第七十三号。以下「旧機構法」という。)第四十三条第一項の規定による残余財産の分配は、行わない。
13
第一項の規定により旧機構が解散した場合における解散の登記については、政令で定める。
(権利及び義務の承継に伴う経過措置)
第四条
前条第一項の規定により機構が承継する旧機構法第三十四条第一項の規定による旧機構の長期借入金に係る債務について政府がした旧機構法第三十五条の規定による保証契約は、その承継後においても、当該長期借入金に係る債務について従前の条件により存続するものとする。
(持分の払戻し)
第五条
附則第二条第八項及び第三条第六項の規定により政府以外の者が機構に出資したものとされた金額については、当該政府以外の者は、機構に対し、その成立の日から起算して一月を経過する日までの間に限り、当該持分の払戻しを請求することができる。
2
機構は、前項の規定による請求があったときは、第八条第一項の規定にかかわらず、当該持分に係る出資額に相当する金額により払戻しをしなければならない。この場合において、機構は、その払戻しをした金額により資本金を減少するものとする。
(理事長となるべき者の指名の際の原子力委員会の意見の聴取)
第六条
第十二条の規定は、通則法第十四条第一項の規定による機構の理事長となるべき者の指名について準用する。
(理事長の任期の特例)
第七条
通則法第十四条第二項の規定により機構の成立の時に理事長に任命されたものとされる理事長の任期については、第十三条第一項中「任命の日」とあるのは、「機構の成立の日」とする。
(業務の特例)
第八条
機構は、当分の間、第十七条に規定する業務のほか、旧機構法附則第十条第二項の規定により旧機構が当分の間行うものとされた業務を行うものとする。
2
機構は、第十七条及び前項に規定する業務のほか、同項の規定により機構が行うものとされる旧機構法附則第十条第二項に規定する特定業務に係る施設を廃止する業務の実施に必要な限りにおいてその廃止に伴う措置に関する技術の開発及びこれに必要な研究を行うことができる。
3
前二項の規定によりこれらの規定に規定する業務が行われる場合には、第十七条第一項第四号中「前三号に掲げる業務」とあるのは「前三号に掲げる業務及び附則第八条第二項に規定する業務」と、第二十条第一項第一号中「これらに附帯する業務」とあるのは「これらに附帯する業務、附則第八条第一項に規定する業務(次号に掲げる業務に該当するものを除く。)並びに同条第二項に規定する業務」と、同項第三号中「以外の業務」とあるのは「以外の業務(附則第八条第一項及び第二項に規定する業務を含む。)」と、第二十一条第一項中「第十七条第一項及び第二項に規定する業務」とあるのは「第十七条第一項及び第二項に規定する業務並びに附則第八条第一項及び第二項に規定する業務」と、第二十八条第一項第四号中「含む。)並びに」とあるのは「含む。)、」と、「限る。)」とあるのは「限る。)並びに附則第八条第一項及び第二項に規定する業務」と、第三十三条第二号中「第十七条に規定する業務」とあるのは「第十七条に規定する業務並びに附則第八条第一項及び第二項に規定する業務」とする。
(名称の使用制限に関する経過措置)
第九条
この法律の施行の際現に日本原子力研究開発機構という名称を使用している者については、第九条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
(日本原子力研究所法及び核燃料サイクル開発機構法の廃止)
第十条
次に掲げる法律は、廃止する。
一
日本原子力研究所法(昭和三十一年法律第九十二号)
二
核燃料サイクル開発機構法
(日本原子力研究所法及び核燃料サイクル開発機構法の廃止に伴う経過措置)
第十一条
前条の規定の施行前に同条の規定による廃止前の日本原子力研究所法(第十二条及び第十九条を除く。)又は旧機構法(第十三条及び第二十三条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法又はこの法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第十二条
附則第十条の規定の施行前にした行為並びに附則第二条第七項及び第三条第五項の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係る附則第十条の規定の施行の日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十三条
この附則に定めるもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成一七年七月二六日法律第八七号) 抄
この法律は、会社法の施行の日から施行する。
附 則 (平成一九年三月三一日法律第二三号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十九年四月一日から施行し、平成十九年度の予算から適用する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行し、第二条第一項第四号、第十六号及び第十七号、第二章第四節、第十六節及び第十七節並びに附則第四十九条から第六十五条までの規定は、平成二十年度の予算から適用する。
(罰則に関する経過措置)
第三百九十一条
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三百九十二条
附則第二条から第六十五条まで、第六十七条から第二百五十九条まで及び第三百八十二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要となる経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成一九年四月二〇日法律第二八号)
この法律は、イーター事業の共同による実施のためのイーター国際核融合エネルギー機構の設立に関する協定の効力発生の日又は核融合エネルギーの研究分野におけるより広範な取組を通じた活動の共同による実施に関する日本国政府と欧州原子力共同体との間の協定の効力発生の日のうちいずれか早い日から施行する。
附 則 (平成二〇年六月六日法律第五一号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
2
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成二一年六月三日法律第四六号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十一年七月一日から施行する。
附 則 (平成二二年五月二八日法律第三七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
(罰則の適用に関する経過措置)
第三十四条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第三十五条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二四年六月二七日法律第四七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第七条第一項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)並びに附則第二条第三項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)、第五条、第六条、第十四条第一項、第三十四条及び第八十七条の規定 公布の日
三
附則第十六条、第二十条、第三十一条、第三十二条、第五十八条、第六十九条、第九十一条及び第九十六条の規定 平成二十五年四月一日
(罰則の適用に関する経過措置)
第八十六条
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第八十七条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二五年一一月二二日法律第八二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日
(独立行政法人日本原子力研究開発機構法の一部改正に伴う経過措置)
第十八条
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標の策定に関する通則法改正法附則第二条第一項の規定の適用については、同項中「の規定の」とあるのは、「並びに独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成二十六年法律第六十七号)第九十七条の規定による改正後の国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法(平成十六年法律第百五十五号)第二十五条の規定の」とする。
(処分等の効力)
第二十八条
この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第二十九条
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第三十条
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
附 則 (平成二七年七月八日法律第五一号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。