高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律¶
高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律(平成二十年十二月十九日法律第九十三号)
最終改正:平成二六年六月一三日法律第六七号
(最終改正までの未施行法令) | |
平成二十五年十二月十三日法律第百十一号 | (未施行) |
第一章 総則(第一条―第四条)
第二章 役員及び職員(第五条―第十二条)
第三章 業務(第十三条―第十九条)
第四章 財務及び会計(第二十条―第二十三条)
第五章 雑則(第二十四条―第二十八条)
第六章 罰則(第二十九条・第三十条)
附則
第一条
この法律は、国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行う独立行政法人の名称、目的、業務の範囲等に関する事項を定めることを目的とする。
第二条
この法律及び独立行政法人通則法
(平成十一年法律第百三号。以下「通則法」という。)の定めるところにより設立される通則法第二条第一項
に規定する独立行政法人の名称は、次の各号に掲げるとおりとし、それぞれ当該各号に定める都府県に主たる事務所を置く。
一
国立研究開発法人国立がん研究センター 東京都
二
国立研究開発法人国立循環器病研究センター 大阪府
三
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 東京都
四
国立研究開発法人国立国際医療研究センター 東京都
五
国立研究開発法人国立成育医療研究センター 東京都
六
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 愛知県
第三条
国立研究開発法人国立がん研究センター(以下「国立がん研究センター」という。)は、がんその他の悪性新生物に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、がんその他の悪性新生物に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
2
国立研究開発法人国立循環器病研究センター(以下「国立循環器病研究センター」という。)は、循環器病に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、循環器病に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
3
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(以下「国立精神・神経医療研究センター」という。)は、精神疾患、神経疾患、筋疾患及び知的障害その他の発達の障害(以下「精神・神経疾患等」という。)に係る医療並びに精神保健に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、精神・神経疾患等に関する高度かつ専門的な医療及び精神保健の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
4
国立研究開発法人国立国際医療研究センター(以下「国立国際医療研究センター」という。)は、感染症その他の疾患であって、その適切な医療の確保のために海外における症例の収集その他国際的な調査及び研究を特に必要とするもの(以下「感染症その他の疾患」という。)に係る医療並びに医療に係る国際協力に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、感染症その他の疾患に関する高度かつ専門的な医療、医療に係る国際協力等の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
5
国立研究開発法人国立成育医療研究センター(以下「国立成育医療研究センター」という。)は、母性及び父性並びに乳児及び幼児の難治疾患、生殖器疾患その他の疾患であって、児童が健やかに生まれ、かつ、成育するために特に治療を必要とするもの(以下「成育に係る疾患」という。)に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、成育に係る疾患に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
6
国立研究開発法人国立長寿医療研究センター(以下「国立長寿医療研究センター」という。)は、加齢に伴って生ずる心身の変化及びそれに起因する疾患であって高齢者が自立した日常生活を営むために特に治療を必要とするもの(以下「加齢に伴う疾患」という。)に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発並びにこれらの業務に密接に関連する医療の提供、技術者の研修等を行うことにより、国の医療政策として、加齢に伴う疾患に関する高度かつ専門的な医療の向上を図り、もって公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的とする。
第三条の二
第二条各号に掲げる国立研究開発法人(以下「国立高度専門医療研究センター」という。)は、通則法第二条第三項
に規定する国立研究開発法人とする。
2
政府は、必要があると認めるときは、予算で定める金額の範囲内において、国立高度専門医療研究センターに追加して出資することができる。
3
国立高度専門医療研究センターは、前項の規定による政府の出資があったときは、その出資額により資本金を増加するものとする。
2
各国立高度専門医療研究センターに、役員として、それぞれ次の各号に定める人数以内の理事を置く。
一
国立がん研究センター 五人
二
国立循環器病研究センター 三人
三
国立精神・神経医療研究センター 四人
四
国立国際医療研究センター 六人
五
国立成育医療研究センター 三人
六
国立長寿医療研究センター 三人
2
通則法第十九条第二項
の個別法で定める役員は、理事とする。ただし、理事が置かれていないときは、監事とする。
3
前項ただし書の場合において、通則法第十九条第二項
の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は、その間、監事の職務を行ってはならない。
第八条
通則法第二十二条
の規定にかかわらず、教育公務員又は研究公務員で政令で定めるもの(次条各号のいずれかに該当する者を除く。)は、理事又は監事となることができる。
第九条
通則法第二十二条
に定めるもののほか、次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。
一
物品の製造若しくは販売、工事の請負若しくは役務の提供を業とする者であって当該国立高度専門医療研究センターと取引上密接な利害関係を有するもの又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
二
前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)
第十条
国立高度専門医療研究センターの理事長の解任に関する通則法第二十三条第一項
の規定の適用については、同項
中「前条」とあるのは、「前条及び高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律(平成二十年法律第九十三号)第九条」とする。
2
国立高度専門医療研究センターの理事及び監事の解任に関する通則法第二十三条第一項
の規定の適用については、同項
中「前条」とあるのは、「前条並びに高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律(平成二十年法律第九十三号)第八条及び第九条」とする。
第十二条
国立高度専門医療研究センターの役員及び職員は、刑法
(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
第十三条
国立がん研究センターは、第三条第一項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
がんその他の悪性新生物に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発を行うこと。
二
前号に掲げる業務に密接に関連する医療を提供すること。
三
がんその他の悪性新生物に係る医療に関し、技術者の研修を行うこと。
四
前三号に掲げる業務に係る成果の普及及び政策の提言を行うこと。
五
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十四条
国立循環器病研究センターは、第三条第二項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
循環器病に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発を行うこと。
二
前号に掲げる業務に密接に関連する医療を提供すること。
三
循環器病に係る医療に関し、技術者の研修を行うこと。
四
前三号に掲げる業務に係る成果の普及及び政策の提言を行うこと。
五
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十五条
国立精神・神経医療研究センターは、第三条第三項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
精神・神経疾患等に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発を行うこと。
二
前号に掲げる業務に密接に関連する医療を提供すること。
三
精神保健に関し、調査及び研究を行うこと。
四
精神・神経疾患等に係る医療及び精神保健に関し、技術者の研修を行うこと。
五
前各号に掲げる業務に係る成果の普及及び政策の提言を行うこと。
六
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十六条
国立国際医療研究センターは、第三条第四項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
感染症その他の疾患に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発を行うこと。
二
前号に掲げる業務に密接に関連する医療を提供すること。
三
医療に係る国際協力に関し、調査及び研究を行うこと。
四
感染症その他の疾患に係る医療及び医療に係る国際協力に関し、技術者の研修を行うこと。
五
前各号に掲げる業務に係る成果の普及及び政策の提言を行うこと。
六
国立高度専門医療研究センターの職員の養成及び研修を目的として看護に関する学理及び技術の教授及び研究並びに研修を行う施設を設置し、これを運営すること。
七
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十七条
国立成育医療研究センターは、第三条第五項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
成育に係る疾患に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発を行うこと。
二
前号に掲げる業務に密接に関連する医療を提供すること。
三
成育に係る疾患に係る医療に関し、技術者の研修を行うこと。
四
前三号に掲げる業務に係る成果の普及及び政策の提言を行うこと。
五
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十八条
国立長寿医療研究センターは、第三条第六項の目的を達成するため、次の業務を行う。
一
加齢に伴って生ずる心身の変化に関し、調査及び研究を行うこと。
二
加齢に伴う疾患に係る医療に関し、調査、研究及び技術の開発を行うこと。
三
前号に掲げる業務に密接に関連する医療を提供すること。
四
加齢に伴う疾患に係る医療に関し、技術者の研修を行うこと。
五
前各号に掲げる業務に係る成果の普及及び政策の提言を行うこと。
六
前各号に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
第十九条
各国立高度専門医療研究センターは、それぞれ第十三条から前条までに規定する業務のほか、当該業務の遂行に支障のない範囲内で、その建物の一部、設備、器械及び器具を、当該国立高度専門医療研究センターに勤務しない医師、歯科医師その他の医療関係者の診療又は研究若しくは技術の開発のために利用させることができる。
第二十条
国立高度専門医療研究センターは、通則法第三十五条の四第二項第一号
に規定する中長期目標の期間(以下この項において「中長期目標の期間」という。)の最後の事業年度に係る通則法第四十四条第一項
又は第二項
の規定による整理を行った後、同条第一項
の規定による積立金があるときは、その額に相当する金額のうち厚生労働大臣の承認を受けた金額を、当該中長期目標の期間の次の中長期目標の期間に係る通則法第三十五条の五第一項
の認可を受けた中長期計画(同項
後段の規定による変更の認可を受けたときは、その変更後のもの)の定めるところにより、当該次の中長期目標の期間における当該国立高度専門医療研究センターが行う第十三条から前条までに規定する業務の財源に充てることができる。
2
国立高度専門医療研究センターは、前項に規定する積立金の額に相当する金額から同項の規定による承認を受けた金額を控除してなお残余があるときは、その残余の額を国庫に納付しなければならない。
3
前二項に定めるもののほか、納付金の納付の手続その他積立金の処分に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十一条
国立高度専門医療研究センターは、政令で定める施設の設置若しくは整備又は設備の設置に必要な費用に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は当該国立高度専門医療研究センターの名称を冠する債券(以下「債券」という。)を発行することができる。
2
前項に規定するもののほか、国立高度専門医療研究センターは、長期借入金又は債券で政令で定めるものの償還に充てるため、厚生労働大臣の認可を受けて、長期借入金をし、又は債券を発行することができる。ただし、その償還期間が政令で定める期間のものに限る。
3
前二項の規定による債券の債権者は、当該債券を発行した国立高度専門医療研究センターの財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
5
国立高度専門医療研究センターは、厚生労働大臣の認可を受けて、債券の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
7
前各項に定めるもののほか、第一項又は第二項の規定による長期借入金又は債券に関し必要な事項は、政令で定める。
第二十二条
政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律
(昭和二十一年法律第二十四号)第三条
の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、前条第一項又は第二項の規定による国立高度専門医療研究センターの長期借入金又は債券に係る債務(国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律
(昭和二十八年法律第五十一号)第二条
の規定に基づき政府が保証契約をすることができる債務を除く。)について保証することができる。
第二十三条
第二十一条第一項又は第二項の規定により、長期借入金をし、又は債券を発行する国立高度専門医療研究センターは、毎事業年度、長期借入金及び債券の償還計画を立てて、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
第二十四条
厚生労働大臣は、災害が発生し、若しくはまさに発生しようとしている事態又は国民の健康に重大な影響のある特定の疾患等に関して、公衆衛生上重大な危害が生じ、若しくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、国立高度専門医療研究センターに対し、第十三条第一号若しくは第二号、第十四条第一号若しくは第二号、第十五条第一号から第三号まで、第十六条第一号若しくは第二号、第十七条第一号若しくは第二号又は第十八条第一号から第三号までの業務のうち必要な業務の実施を求めることができる。
2
国立高度専門医療研究センターは、厚生労働大臣から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。
第二十五条
厚生労働大臣は、次の場合には、財務大臣に協議しなければならない。
一
第二十条第一項の承認をしようとするとき。
二
第二十一条第一項、第二項若しくは第五項又は第二十三条の認可をしようとするとき。
第二十六条
国は、国立高度専門医療研究センターの業務の特性にかんがみ、国立高度専門医療研究センターにおける調査、研究及び技術の開発(以下「研究開発」という。)の進捗状況を踏まえつつ、国立高度専門医療研究センターの研究開発を行う能力の強化並びにその研究開発の効果的な推進及びその成果の普及を図るため、必要な財政上の配慮をするものとする。
第二十七条
国立高度専門医療研究センターに係る通則法
における主務大臣及び主務省令は、それぞれ厚生労働大臣及び厚生労働省令とする。
第二十八条
医療法
(昭和二十三年法律第二百五号)その他政令で定める法令については、政令で定めるところにより、国立高度専門医療研究センターを国とみなして、これらの法令を準用する。
第二十九条
第十一条の規定に違反して秘密を漏らし、又は盗用した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第三十条
次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした国立高度専門医療研究センターの役員は、二十万円以下の過料に処する。
一
国立がん研究センターにあっては第十三条及び第十九条、国立循環器病研究センターにあっては第十四条及び第十九条、国立精神・神経医療研究センターにあっては第十五条及び第十九条、国立国際医療研究センターにあっては第十六条及び第十九条、国立成育医療研究センターにあっては第十七条及び第十九条又は国立長寿医療研究センターにあっては第十八条及び第十九条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
二
第二十条第一項の規定により厚生労働大臣の承認を受けなければならない場合において、その承認を受けなかったとき。
三
第二十一条第一項、第二項若しくは第五項又は第二十三条の規定により厚生労働大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったとき。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第二十七条並びに附則第三条、第八条、第十九条、第二十条及び第二十五条の規定 公布の日
二
附則第二十一条の規定 この法律の公布の日又は被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成二十年法律第 号)の公布の日のいずれか遅い日
三
附則第二十二条の規定 この法律の公布の日又は独立行政法人通則法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十年法律第 号)の公布の日のいずれか遅い日
(国立高度専門医療研究センターの成立)
第二条
国立高度専門医療研究センターは、通則法第十七条の規定にかかわらず、この法律の施行の時に成立する。
2
国立高度専門医療研究センターは、通則法第十六条の規定にかかわらず、国立高度専門医療研究センターの成立後遅滞なく、政令で定めるところにより、その設立の登記をしなければならない。
(職員の引継ぎ等)
第三条
国立高度専門医療研究センターの成立の際現に附則第二十三条の規定による改正前の厚生労働省設置法(平成十一年法律第九十七号)第十六条第一項に規定する国立高度専門医療センター(以下「旧センター」という。)の職員である者は、別に辞令を発せられない限り、国立高度専門医療研究センターの成立の日において、政令で定めるところにより、国立高度専門医療研究センターの職員となるものとする。
第四条
前条の規定により国立高度専門医療研究センターの職員となった者に対する国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第八十二条第二項の規定の適用については、国立高度専門医療研究センターの職員を同項に規定する特別職国家公務員等と、前条の規定により国家公務員としての身分を失ったことを任命権者の要請に応じ同項に規定する特別職国家公務員等となるため退職したこととみなす。
第五条
附則第三条の規定により国立高度専門医療研究センターの職員となる者に対しては、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)に基づく退職手当は、支給しない。
2
国立高度専門医療研究センターは、前項の規定の適用を受けた当該国立高度専門医療研究センターの職員の退職に際し、退職手当を支給しようとするときは、その者の国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員(同条第二項の規定により職員とみなされる者を含む。)としての引き続いた在職期間を当該国立高度専門医療研究センターの職員としての在職期間とみなして取り扱うべきものとする。
3
国立高度専門医療研究センターの成立の日の前日に旧センターの職員として在職する者が、附則第三条の規定により引き続いて国立高度専門医療研究センターの職員となり、かつ、引き続き国立高度専門医療研究センターの職員として在職した後引き続いて国家公務員退職手当法第二条第一項に規定する職員となった場合におけるその者の同法に基づいて支給する退職手当の算定の基礎となる勤続期間の計算については、その者の国立高度専門医療研究センターの職員としての在職期間を同項に規定する職員としての引き続いた在職期間とみなす。ただし、その者が国立高度専門医療研究センターを退職したことにより退職手当(これに相当する給付を含む。)の支給を受けているときは、この限りでない。
4
国立高度専門医療研究センターは、国立高度専門医療研究センターの成立の日の前日に旧センターの職員として在職し、附則第三条の規定により引き続いて国立高度専門医療研究センターの職員となった者のうち国立高度専門医療研究センターの成立の日から雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による失業等給付の受給資格を取得するまでの間に当該国立高度専門医療研究センターを退職したものであって、その退職した日まで旧センターの職員として在職したものとしたならば国家公務員退職手当法第十条の規定による退職手当の支給を受けることができるものに対しては、同条の規定の例により算定した退職手当の額に相当する額を退職手当として支給するものとする。
第六条
附則第三条の規定により国立高度専門医療研究センターの職員となった者であって、国立高度専門医療研究センターの成立の日の前日において厚生労働大臣又はその委任を受けた者から児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条第一項(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定による認定を受けているもの(同法第十条(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により児童手当又は同法附則第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項の給付(以下この条において「特例給付等」という。)の額の全部又は一部を支給されていない者、同法第十一条(同法附則第六条第二項、第七条第五項又は第八条第四項において準用する場合を含む。)の規定により子ども手当の支払を一時差し止められている者その他平成二十二年度等における子ども手当の支給に関する法律(平成二十二年法律第十九号)附則第三条の厚生労働大臣が定める者を除く。)が、国立高度専門医療研究センターの成立の日において平成二十二年度等における子ども手当の支給に関する法律第四条に規定する要件に該当するときは、その者に対する子ども手当の支給に関しては、国立高度専門医療研究センターの成立の日において同法第六条第一項の規定による市町村長(特別区の区長を含む。)に対する認定の請求があったものとみなす。この場合において、その認定の請求があったものとみなされた子ども手当の支給は、同法第七条第二項の規定にかかわらず、国立高度専門医療研究センターの成立の日の前日の属する月の翌月から始める。
(国立高度専門医療研究センターの職員となる者の職員団体についての経過措置)
第七条
国立高度専門医療研究センターの成立の際現に存する国家公務員法第百八条の二第一項に規定する職員団体であって、その構成員の過半数が附則第三条の規定により国立高度専門医療研究センターに引き継がれる者であるものは、国立高度専門医療研究センターの成立の際労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号)の適用を受ける労働組合となるものとする。この場合において、当該職員団体が法人であるときは、法人である労働組合となるものとする。
2
前項の規定により法人である労働組合となったものは、国立高度専門医療研究センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までに、労働組合法第二条及び第五条第二項の規定に適合する旨の労働委員会の証明を受け、かつ、その主たる事務所の所在地において登記しなければ、その日の経過により解散するものとする。
3
第一項の規定により労働組合となったものについては、国立高度専門医療研究センターの成立の日から起算して六十日を経過する日までは、労働組合法第二条ただし書(第一号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。
(権利義務の承継等)
第八条
国立高度専門医療研究センターの成立の際現に国が有する権利及び義務(特別会計に関する法律(平成十九年法律第二十三号)附則第六十七条第一項第十二号の規定により設置する国立高度専門医療センター特別会計(第七項及び附則第十条において「旧特別会計」という。)の財政融資資金からの負債に係る義務を含む。)のうち、各国立高度専門医療研究センターが行う第十三条から第十九条までに規定する業務に関するものは、政令で定めるところにより、政令で定めるものを除き、当該国立高度専門医療研究センターが承継する。
2
前項の規定により各国立高度専門医療研究センターが国の有する権利及び義務を承継したときは、当該国立高度専門医療研究センターに承継される権利に係る資産で政令で定めるものの価額の合計額から、当該国立高度専門医療研究センターに承継される義務に係る負債で政令で定めるものの価額及びその受け継ぐ当該国立高度専門医療研究センターがその成立の日において計上する引当金であって厚生労働省令で定めるものの金額の合計額を差し引いた額に相当する金額は、政令で定めるところにより、政府から当該国立高度専門医療研究センターに対し出資されたものとする。
3
前項の出資による権利は、一般会計に帰属するものとする。
4
厚生労働大臣は、第二項の厚生労働省令を定めようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
5
第二項の資産の価額は、国立高度専門医療研究センターの成立の日現在における時価を基準として評価委員が評価した価額とする。
6
前項の評価委員その他評価に関し必要な事項は、政令で定める。
7
各国立高度専門医療研究センターは、厚生労働大臣が定めるところにより、当該国立高度専門医療研究センター以外の国立高度専門医療研究センターが第一項の規定により承継した債務(旧特別会計の財政融資資金からの負債に係る義務に限る。)を保証するものとする。
8
第一項の規定により各国立高度専門医療研究センターが承継する債務のうち政令で定めるものの償還、当該債務に係る利子の支払及び前項の規定により行う債務の保証に関し必要な事項は、政令で定める。
9
前項の債務の償還及び当該債務に係る利子の支払については、第二十一条第二項に規定する長期借入金又は債券の発行による収入をもって充ててはならない。
(国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律に関する経過措置)
第九条
国立高度専門医療研究センターの成立の際現に係属している旧センターの所掌事務に関する訴訟事件又は非訟事件であって各国立高度専門医療研究センターが受け継ぐものについては、政令で定めるところにより、その受け継ぐ当該国立高度専門医療研究センターを国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律(昭和二十二年法律第百九十四号)に規定する国又は行政庁とみなし、同法を適用する。
(国立高度専門医療センター特別会計の廃止に伴う経過措置)
第十条
旧特別会計における平成二十一年度の収入及び支出並びに同年度以前の年度の決算に関する事務については、なお従前の例による。
2
前項に規定する事務は、国立高度専門医療研究センターの事務として、政令で定めるところにより、なお従前の例により国立高度専門医療研究センターが行う。
3
この法律の施行の際現に旧特別会計に所属する権利及び義務は、附則第八条第一項の規定により各国立高度専門医療研究センターに承継されるものを除き、政令で定めるところにより、一般会計に帰属するものとする。
(検討)
第二十四条
政府は、この法律の施行後三年以内に、その業務として研究及び開発を行う他の独立行政法人の見直しその他の独立行政法人に関する制度の見直しの状況を踏まえ、国立高度専門医療研究センターの業務についての社会的な評価を含む業務の実施状況その他この法律の施行の状況を勘案し、国立高度専門医療研究センターの組織及び業務について、独立行政法人として存続させることの適否を含めた検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第二十五条
附則第三条から第十条まで、第十三条及び第十五条に定めるもののほか、国立高度専門医療研究センターの設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(調整規定)
第二十六条
附則第十七条及び被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律第三条の規定が同一の日に施行されるときは、これらの規定により改正される国家公務員共済組合法の規定は、同条の規定によってまず改正され、次いで附則第十七条の規定によって改正されるものとする。
附 則 (平成二二年三月三一日法律第一九号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。ただし、附則第二十条の規定は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第二十条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二三年三月三一日法律第一四号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十三年四月一日(この法律の公布の日が同月一日後となる場合には、公布の日)から施行する。
附 則 (平成二五年一二月一三日法律第一一一号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第三条及び第八条の規定は、公布の日から施行する。
(政令への委任)
第八条
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二六年六月一三日法律第六七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
附則第十四条第二項、第十八条及び第三十条の規定 公布の日
(処分等の効力)
第二十八条
この法律の施行前にこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為であってこの法律による改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。以下この条において「新法令」という。)に相当の規定があるものは、法律(これに基づく政令を含む。)に別段の定めのあるものを除き、新法令の相当の規定によってした又はすべき処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
第二十九条
この法律の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなおその効力を有することとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令等への委任)
第三十条
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。