原子力損害賠償・廃炉等支援機構法

原子力損害賠償・廃炉等支援機構法
(平成二十三年八月十日法律第九十四号)


最終改正:平成二六年五月二一日法律第四〇号


 第一章 総則(第一条―第八条)
 第二章 設立(第九条―第十三条)
 第三章 運営委員会及び廃炉等技術委員会
  第一節 運営委員会(第十四条―第二十二条)
  第二節 廃炉等技術委員会(第二十二条の二―第二十二条の七)
 第四章 役員等(第二十三条―第三十四条)
 第五章 業務
  第一節 業務の範囲等(第三十五条―第三十七条)
  第二節 負担金(第三十八条―第四十条)
  第三節 資金援助
   第一款 通則(第四十一条―第四十四条)
   第二款 特別事業計画の認定等(第四十五条―第四十七条)
   第三款 特別資金援助に対する政府の援助(第四十八条―第五十一条)
   第四款 負担金の額の特例(第五十二条)
  第四節 損害賠償の円滑な実施等に資するための相談その他の業務(第五十三条―第五十五条の二)
 第六章 財務及び会計(第五十六条―第六十三条)
 第七章 監督(第六十四条・第六十五条)
 第八章 雑則(第六十六条―第七十二条)
 第九章 罰則(第七十三条―第七十九条)
 附則

   第一章 総則

第一条  原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、原子力損害の賠償に関する法律 (昭和三十六年法律第百四十七号。以下「賠償法」という。)第三条 の規定により原子力事業者(第三十八条第一項に規定する原子力事業者をいう。以下この条及び第三十七条において同じ。)が賠償の責めに任ずべき額が賠償法第七条第一項 に規定する賠償措置額(第四十一条第一項において単に「賠償措置額」という。)を超える原子力損害(賠償法第二条第二項 に規定する原子力損害をいう。以下同じ。)が生じた場合において、当該原子力事業者が損害を賠償するために必要な資金の交付その他の業務を行うことにより、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給その他の原子炉の運転等(第三十八条第一項に規定する原子炉の運転等をいう。)に係る事業の円滑な運営の確保を図るとともに、原子力事業者が設置した発電用原子炉施設(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 (昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第四十三条の三の五第二項第五号 に規定する発電用原子炉施設をいう。以下この条において同じ。)又は実用再処理施設(第三十八条第一項第二号に規定する実用再処理施設をいう。以下この条において同じ。)が原子炉等規制法第六十四条の二第一項 の規定により特定原子力施設として指定された場合において、当該原子力事業者が廃炉等(当該指定に係る発電用原子炉施設に係る実用発電用原子炉(第三十八条第一項第一号に規定する実用発電用原子炉をいう。)の廃止(放射性物質によって汚染された水に係る措置を含む。)又は当該指定に係る実用再処理施設に係る再処理(原子炉等規制法第二条第十項 に規定する再処理をいう。第三十八条第一項第二号において同じ。)の事業の廃止をいう。以下同じ。)を実施するために必要な技術に関する研究及び開発、助言、指導及び勧告その他の業務を行うことにより、廃炉等の適正かつ着実な実施の確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

第二条  国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が前条の目的を達することができるよう、万全の措置を講ずるものとする。
 国は、廃炉等に関し前項の措置を講ずるに当たっては、放射性物質によって汚染された水による環境への悪影響の防止その他の環境の保全について特に配慮しなければならない。

第三条  原子力損害賠償・廃炉等支援機構(以下「機構」という。)は、法人とする。

第四条  機構は、一を限り、設立されるものとする。

第五条  機構の資本金は、その設立に際し、政府及び政府以外の者が出資する額の合計額とする。
 機構は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けて、その資本金を増加することができる。

第六条  機構は、その名称中に原子力損害賠償・廃炉等支援機構という文字を用いなければならない。
 機構でない者は、その名称中に原子力損害賠償・廃炉等支援機構という文字を用いてはならない。

第七条  機構は、政令で定めるところにより、登記しなければならない。
 前項の規定により登記しなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができない。

第八条  一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 (平成十八年法律第四十八号)第四条 及び第七十八条 の規定は、機構について準用する。

   第二章 設立

第九条  機構を設立するには、電気事業に関して専門的な知識と経験を有する者三人以上が発起人になることを必要とする。

第十条  発起人は、速やかに、機構の定款を作成し、政府以外の者に対し機構に対する出資を募集しなければならない。
 前項の定款には、次の事項を記載しなければならない。
 目的
 名称
 事務所の所在地
 資本金及び出資に関する事項
 運営委員会及び廃炉等技術委員会に関する事項
 役員に関する事項
 業務及びその執行に関する事項
 財務及び会計に関する事項
 定款の変更に関する事項
 公告の方法

第十一条  発起人は、前条第一項の募集が終わったときは、速やかに、定款を主務大臣に提出して、設立の認可を申請しなければならない。

第十二条  発起人は、前条の認可を受けたときは、遅滞なく、その事務を機構の理事長となるべき者に引き継がなければならない。
 機構の理事長となるべき者は、前項の規定による事務の引継ぎを受けたときは、遅滞なく、政府及び出資の募集に応じた政府以外の者に対し、出資金の払込みを求めなければならない。

第十三条  機構の理事長となるべき者は、前条第二項の規定による出資金の払込みがあったときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、設立の登記をしなければならない。
 機構は、設立の登記をすることにより成立する。

   第三章 運営委員会及び廃炉等技術委員会

    第一節 運営委員会

第十四条  機構に、運営委員会を置く。

第十五条  この法律で別に定めるもののほか、次に掲げる事項は、運営委員会の議決を経なければならない。
 定款の変更
 業務方法書の作成又は変更
 予算及び資金計画の作成又は変更
 決算
 その他運営委員会が特に必要と認める事項

第十六条  運営委員会は、委員十人以内並びに機構の理事長、副理事長及び理事をもって組織する。
 運営委員会に委員長一人を置き、委員のうちから、委員の互選によってこれを定める。
 委員長は、運営委員会の会務を総理する。
 運営委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代理する者を定めておかなければならない。

第十七条  委員は、電気事業、経済、金融、法律又は会計に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、機構の理事長が主務大臣の認可を受けて任命する。

第十八条  委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
 委員は、再任されることができる。

第十九条  機構の理事長は、委員が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、主務大臣の認可を受けて、その委員を解任することができる。
 破産手続開始の決定を受けたとき。
 禁錮以上の刑に処せられたとき。
 心身の故障のため職務を執行することができないと認められるとき。
 職務上の義務違反があるとき。

第二十条  運営委員会は、委員長又は第十六条第四項に規定する委員長の職務を代理する者のほか、委員並びに機構の理事長、副理事長及び理事の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
 運営委員会の議事は、出席した委員並びに機構の理事長、副理事長及び理事の過半数をもって決する。可否同数のときは、委員長が決する。

第二十一条  委員は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。委員がその職を退いた後も、同様とする。

第二十二条  委員は、刑法 (明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

    第二節 廃炉等技術委員会

第二十二条の二  機構に、廃炉等技術委員会を置く。

第二十二条の三  この法律で別に定めるもののほか、次に掲げる事項は、廃炉等技術委員会の議決を経なければならない。
 廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発に関する業務を実施するための方針(第三十六条の二において「廃炉等技術研究開発業務実施方針」という。)の作成又は変更
 その他廃炉等技術委員会が特に必要と認める事項

第二十二条の四  廃炉等技術委員会は、委員八人以内及び機構の役員(監事を除く。)のうちから理事長が指名する者四人以内をもって組織する。
 廃炉等技術委員会に委員長一人を置き、委員のうちから、委員の互選によってこれを定める。
 委員長は、廃炉等技術委員会の会務を総理する。
 廃炉等技術委員会は、あらかじめ、委員のうちから、委員長に事故がある場合に委員長の職務を代理する者を定めておかなければならない。

第二十二条の五  委員は、原子力工学、土木工学その他の廃炉等を実施するために必要な技術に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、機構の理事長が主務大臣の認可を受けて任命する。

第二十二条の六  廃炉等技術委員会は、委員長又は第二十二条の四第四項に規定する委員長の職務を代理する者のほか、委員及び同条第一項の規定により指名された者の過半数が出席しなければ、会議を開き、議決をすることができない。
 廃炉等技術委員会の議事は、出席した委員及び第二十二条の四第一項の規定により指名された者の過半数をもって決する。可否同数のときは、委員長が決する。

第二十二条の七  第十八条、第十九条、第二十一条及び第二十二条の規定は、廃炉等技術委員会の委員について準用する。

   第四章 役員等

第二十三条  機構に、役員として理事長一人、副理事長一人、理事六人以内及び監事一人を置く。

第二十四条  理事長は、機構を代表し、その業務を総理する。
 副理事長は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。
 理事は、理事長の定めるところにより、機構を代表し、理事長及び副理事長を補佐して機構の業務を掌理し、理事長及び副理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長及び副理事長が欠員のときはその職務を行う。
 監事は、機構の業務を監査する。
 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、運営委員会、理事長又は主務大臣に意見を提出することができる。

第二十五条  理事長及び監事は、主務大臣が任命する。
 副理事長及び理事は、理事長が主務大臣の認可を受けて任命する。

第二十六条  役員の任期は、二年とする。ただし、役員が欠けた場合における補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
 役員は、再任されることができる。

第二十七条  政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。

第二十八条  主務大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
 主務大臣又は理事長は、それぞれその任命に係る役員が第十九条各号のいずれかに該当するに至ったときその他役員たるに適しないと認めるときは、第二十五条の規定の例により、その役員を解任することができる。

第二十九条  役員(非常勤の者を除く。)は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、主務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。

第三十条  監事は、理事長、副理事長、理事、運営委員会の委員、廃炉等技術委員会の委員又は機構の職員を兼ねてはならない。

第三十一条  機構と理事長、副理事長又は理事との利益が相反する事項については、これらの者は、代表権を有しない。この場合においては、監事が機構を代表する。

第三十二条  理事長は、機構の職員のうちから、機構の業務の一部に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する代理人を選任することができる。

第三十三条  機構の職員は、理事長が任命する。

第三十四条  第二十一条及び第二十二条の規定は、役員及び職員について準用する。

   第五章 業務

    第一節 業務の範囲等

第三十五条  機構は、第一条の目的を達成するため、次の業務を行う。
 次節の規定による負担金の収納
 第三節の規定による資金援助その他同節の規定による業務
 第四節の規定による相談その他同節の規定による業務
 廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発
 廃炉等の適正かつ着実な実施の確保を図るための助言、指導及び勧告
 廃炉等に関する情報の提供
 前各号に掲げる業務に附帯する業務

第三十五条の二  機構は、毎事業年度、主務省令で定めるところにより、廃炉等を実施するために必要な技術に関する研究及び開発の内容及び成果、助言、指導及び勧告の内容その他の廃炉等に係る業務の実施の状況について主務大臣に報告しなければならない。
 主務大臣は、前項の報告を受けたときは、速やかに、これを公表しなければならない。

第三十六条  機構は、業務開始の際、業務方法書を作成し、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 前項の業務方法書には、負担金に関する事項その他主務省令で定める事項を記載しなければならない。

第三十六条の二  機構は、廃炉等技術研究開発業務実施方針を定めなければならない。
 機構は、廃炉等技術研究開発業務実施方針を定めようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

第三十七条  機構は、その業務を行うため必要があるときは、原子力事業者に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
 前項の規定により報告又は資料の提出を求められた原子力事業者は、遅滞なく、報告又は資料の提出をしなければならない。

    第二節 負担金

第三十八条  原子力事業者(次に掲げる者(これらの者であった者を含む。)であって、原子炉の運転等(賠償法第二条第一項 に規定する原子炉の運転等のうち第一号 に規定する実用発電用原子炉又は第二号 に規定する実用再処理施設に係るものをいう。以下同じ。)をしているものをいう。以下同じ。)は、機構の事業年度ごとに、機構の業務に要する費用に充てるため、機構に対し、負担金を納付しなければならない。
 実用発電用原子炉(原子炉等規制法第四十三条の四第一項 に規定する実用発電用原子炉をいう。次号において同じ。)に係る原子炉等規制法第四十三条の三の五第一項 の許可を受けた者
 実用再処理施設(原子炉等規制法第四十四条第二項第二号 に規定する再処理施設のうち実用発電用原子炉において燃料として使用した核燃料物質(原子力基本法 (昭和三十年法律第百八十六号)第三条第二号 に規定する核燃料物質をいう。)に係る再処理を行うものとして政令で定めるものをいう。)に係る原子炉等規制法第四十四条第一項 の指定を受けた者
 前項の負担金は、当該事業年度の終了後三月以内に納付しなければならない。ただし、当該負担金の額の二分の一に相当する金額については、当該事業年度終了の日の翌日以後六月を経過した日から三月以内に納付することができる。
 機構は、負担金をその納期限までに納付しない原子力事業者があるときは、遅滞なく、その旨を主務大臣に報告しなければならない。
 主務大臣は、前項の規定による報告を受けたときは、その旨を公表するものとする。

第三十九条  前条第一項の負担金の額は、各原子力事業者につき、一般負担金年度総額(機構の事業年度ごとに原子力事業者から納付を受けるべき負担金の額(第五十二条第一項に規定する特別負担金額を除く。)の総額として機構が運営委員会の議決を経て定める額をいう。以下この条において同じ。)に負担金率(一般負担金年度総額に対する各原子力事業者が納付すべき額の割合として機構が運営委員会の議決を経て各原子力事業者ごとに定める割合をいう。以下この条において同じ。)を乗じて得た額とする。
 一般負担金年度総額は、次に掲げる要件を満たすために必要なものとして主務省令で定める基準に従って定められなければならない。
 機構の業務に要する費用の長期的な見通しに照らし、当該業務を適正かつ確実に実施するために十分なものであること。
 各原子力事業者の収支の状況に照らし、電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営に支障を来し、又は当該事業の利用者に著しい負担を及ぼすおそれのないものであること。
 負担金率は、各原子力事業者の原子炉の運転等に係る事業の規模、内容その他の事情を勘案して主務省令で定める基準に従って定められなければならない。
 機構は、一般負担金年度総額若しくは負担金率を定め、又はこれらを変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
 主務大臣は、一般負担金年度総額について前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
 機構は、第四項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可に係る一般負担金年度総額又は負担金率を原子力事業者に通知しなければならない。
 主務大臣は、機構の業務の実施の状況、各原子力事業者の原子炉の運転等に係る事業の状況その他の事情に照らし必要と認めるときは、機構に対し、一般負担金年度総額又は負担金率の変更をすべきことを命ずることができる。

第四十条  原子力事業者は、負担金をその納期限までに納付しない場合には、機構に対し、延滞金を納付しなければならない。
 延滞金の額は、未納の負担金の額に納期限の翌日からその納付の日までの日数に応じ年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額とする。

    第三節 資金援助

     第一款 通則

第四十一条  原子力事業者は、賠償法第三条 の規定により当該原子力事業者が損害を賠償する責めに任ずべき額(以下この条及び第四十三条第一項において「要賠償額」という。)が賠償措置額を超えると見込まれる場合には、機構が、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保に資するため、次に掲げる措置(以下「資金援助」という。)を行うことを、機構に申し込むことができる。
 当該原子力事業者に対し、要賠償額から賠償措置額を控除した額を限度として、損害賠償の履行に充てるための資金を交付すること(以下「資金交付」という。)。
 当該原子力事業者が発行する株式の引受け
 当該原子力事業者に対する資金の貸付け
 当該原子力事業者が発行する社債又は主務省令で定める約束手形の取得
 当該原子力事業者による資金の借入れに係る債務の保証
 前項の規定による申込みを行う原子力事業者は、機構に対し、次に掲げる事項を記載した書類を提出しなければならない。
 原子力損害の状況
 要賠償額の見通し及び損害賠償の迅速かつ適切な実施のための方策
 資金援助を必要とする理由並びに実施を希望する資金援助の内容及び額
 事業及び収支に関する中期的な計画
 廃炉等を実施する原子力事業者が第一項の規定による申込みを行う場合には、前項の書類のほか、次に掲げる事項を記載した書類を提出しなければならない。
 廃炉等の実施の状況
 廃炉等の実施に必要な経費の見通し及び廃炉等を適正かつ着実に実施するための体制の整備に関する事項

第四十二条  機構は、前条第一項の規定による申込みがあったときは、遅滞なく、運営委員会の議決を経て、当該申込みに係る資金援助を行うかどうか並びに当該資金援助を行う場合にあってはその内容及び額を決定しなければならない。
 機構は、前項の規定による決定をしたときは、遅滞なく、当該決定に係る事項を当該申込みを行った原子力事業者に通知するとともに、主務大臣に報告しなければならない。
 主務大臣は、前項の規定による報告を受けた場合において、当該報告に係る決定を受けた原子力事業者の原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を図るため必要があると認めるときは、機構に対し、当該決定の変更を命ずることができる。

第四十三条  前条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定を受けた原子力事業者は、要賠償額の増加その他の事情により必要が生じた場合には、当該資金援助の内容又は額の変更の申込みをすることができる。
 前項の申込みを行う原子力事業者は、機構に対し、第四十一条第二項各号に掲げる事項(当該原子力事業者が廃炉等を実施する場合には、当該事項及び同条第三項各号に掲げる事項)を記載した書類を提出しなければならない。
 機構は、第一項の申込みがあったときは、遅滞なく、運営委員会の議決を経て、当該申込みに係る資金援助の内容又は額の変更を行うかどうかを決定しなければならない。
 前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による決定について準用する。

第四十四条  機構は、資金交付を受けた原子力事業者の損害賠償の履行の状況に照らし、当該原子力事業者に対する当該資金交付の額から当該履行に充てられた額を控除した額の全部又は一部が、当該履行に充てられる見込みがなくなったと認めるときは、その額を機構に対し納付することを求めなければならない。

     第二款 特別事業計画の認定等

第四十五条  機構は、第四十二条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定をしようとする場合において、当該資金援助に係る資金交付に要する費用に充てるため第四十八条第二項の規定による国債の交付を受ける必要があり、又はその必要が生ずることが見込まれるときは、運営委員会の議決を経て、当該資金援助の申込みを行った原子力事業者と共同して、当該原子力事業者による損害賠償の実施その他の事業の運営及び当該原子力事業者に対する資金援助に関する計画(以下「特別事業計画」という。)を作成し、主務大臣の認定を受けなければならない。
 特別事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 第四十一条第二項第一号、第二号及び第四号に掲げる事項(原子力事業者が廃炉等を実施する場合には、当該事項及び同条第三項各号に掲げる事項)
 原子力事業者の経営の合理化のための方策
 前号に掲げるもののほか、原子力損害の賠償の履行に充てるための資金を確保するための原子力事業者による関係者に対する協力の要請その他の方策
 原子力事業者の資産及び収支の状況に係る評価に関する事項
 原子力事業者の経営責任の明確化のための方策
 原子力事業者に対する資金援助の内容及び額
 交付を希望する国債の額その他資金援助に要する費用の財源に関する事項
 その他主務省令で定める事項
 機構は、特別事業計画を作成しようとするときは、当該原子力事業者の資産に対する厳正かつ客観的な評価及び経営内容の徹底した見直しを行うとともに、当該原子力事業者による関係者に対する協力の要請が適切かつ十分なものであるかどうかを確認しなければならない。
 主務大臣は、第一項の認定の申請があった特別事業計画が次に掲げる要件の全てに該当すると認める場合に限り、同項の認定をすることができる。
 当該原子力事業者による原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施及び電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保を図る上で適切なものであること。
 第二項第二号に掲げる事項が、当該原子力事業者が原子力損害の賠償の履行に充てるための資金を確保するため最大限の努力を尽くすものであること。
 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
 主務大臣は、第一項の認定をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣その他関係行政機関の長に協議しなければならない。
 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨及び当該認定に係る特別事業計画(以下「認定特別事業計画」という。)を公表するものとする。ただし、当該特別事業計画を提出した原子力事業者の取引者の秘密を害するおそれのある事項及び当該原子力事業者の業務の遂行に不当な不利益を与えるおそれのある事項については、この限りでない。

第四十六条  機構及び原子力事業者は、認定特別事業計画の変更(主務省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、主務大臣の認定を受けなければならない。
 機構は、前項の認定の申請をしようとするときは、運営委員会の議決を経なければならない。
 主務大臣は、第一項の認定の申請があったときは、次に掲げる要件の全てに該当すると認める場合に限り、同項の認定をするものとする。
 変更後の特別事業計画が前条第四項各号に掲げる要件を満たしていること。
 損害賠償の実施の状況その他の事情に照らし、認定特別事業計画の変更をすることについてやむを得ない事情があること。
 前条第五項及び第六項の規定は、第一項の認定について準用する。

第四十七条  主務大臣は、第四十五条第一項の認定の日から次に掲げる条件の全てが満たされたと認めて主務大臣が告示する日までの間(第三項及び第五十二条第一項において「特別期間」という。)、認定特別事業計画(変更があったときは、その変更後のもの。以下この項において同じ。)の履行の確保のために必要があると認めるときは、第四十五条第一項の認定(前条第一項の認定を含む。第六十九条第二項において同じ。)を受けた原子力事業者(以下「認定事業者」という。)に対し、認定特別事業計画の履行状況につき報告を求め、又は必要な措置を命ずることができる。
 認定事業者の損害賠償の履行の状況及び認定特別事業計画に基づく資金援助(以下「特別資金援助」という。)の実施の状況に照らし、当該認定事業者に対する特別資金援助に係る資金交付を行うために新たに次条第二項の規定による国債の交付を行う必要が生ずることがないと認められること。
 次条第二項の規定により機構に交付された国債のうち第四十九条第二項の規定により償還を受けていないものが政府に返還されていること。
 第五十九条第四項の規定により機構が国庫に納付した額の合計額が第四十九条第二項の規定により国債の償還を受けた額の合計額に達していること。
 主務大臣は、前項の規定により報告を求めた場合には、当該報告を公表することができる。
 認定事業者が、当該認定に係る特別期間中に原子力事業者でなくなった場合には、当該原子力事業者でなくなった認定事業者は、当該特別期間中においては、引き続き原子力事業者であるものとみなして、この章の規定(これらの規定に係る罰則を含む。)を適用する。

     第三款 特別資金援助に対する政府の援助

第四十八条  政府は、機構が特別資金援助に係る資金交付を行うために必要となる資金の確保に用いるため、国債を発行することができる。
 政府は、前項の規定により、予算で定める額の範囲内において、国債を発行し、これを機構に交付するものとする。
 第一項の規定により発行する国債は、無利子とする。
 第一項の規定により発行する国債については、譲渡、担保権の設定その他の処分をすることができない。
 前三項に定めるもののほか、第一項の規定により発行する国債に関し必要な事項は、財務省令で定める。

第四十九条  機構は、特別資金援助に係る資金交付を行うために必要となる額を限り、前条第二項の規定により交付された国債の償還の請求をすることができる。
 政府は、前条第二項の規定により交付した国債の全部又は一部につき機構から償還の請求を受けたときは、速やかに、その償還をしなければならない。
 前項の規定による償還は、この法律の規定により行う原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を確保するための財政上の措置に関する措置の経理を明確にすることを目的としてエネルギー対策特別会計に設けられる勘定の負担において行うものとする。
 前項に規定する勘定の負担は、特別の資金の設置及び当該資金の適切な受払いその他の当該勘定における資金の確保に必要な措置により円滑に行われなければならない。
 前各項に定めるもののほか、前条第二項の規定により政府が交付した国債の償還に関し必要な事項は、財務省令で定める。

第五十条  機構は、第四十八条第二項の規定により交付された国債のうち償還されていないものがある場合において、認定事業者の損害賠償の履行の状況及び特別資金援助の実施の状況に照らし、当該認定事業者に対する特別資金援助に係る資金交付を行うために新たに前条第一項の規定により国債の償還の請求を行う必要が生ずることがないと認めるときは、その償還されていない国債を政府に返還しなければならない。
 政府は、前項の規定により国債が返還された場合には、直ちに、これを消却しなければならない。
 前二項に定めるもののほか、第四十八条第二項の規定により政府が交付した国債の返還及び消却に関し必要な事項は、財務省令で定める。

第五十一条  政府は、機構が特別資金援助に係る資金交付を行う場合において、第四十八条第二項の規定による国債の交付がされてもなお当該資金交付に係る資金に不足を生ずるおそれがあると認めるときに限り、当該資金交付を行うために必要となる資金の確保のため、予算で定める額の範囲内において、機構に対し、必要な資金を交付することができる。

     第四款 負担金の額の特例

第五十二条  認定事業者が、当該認定に係る特別期間内にその全部又は一部が含まれる機構の事業年度について納付すべき負担金の額は、第三十九条第一項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した額に特別負担金額(認定事業者に追加的に負担させることが相当な額として機構が事業年度ごとに運営委員会の議決を経て定める額をいう。以下この条において同じ。)を加算した額とする。
 特別負担金額は、認定事業者の収支の状況に照らし、電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営の確保に支障を生じない限度において、認定事業者に対し、できるだけ高額の負担を求めるものとして主務省令で定める基準に従って定められなければならない。
 機構は、特別負担金額を定め、又はこれを変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。
 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
 機構は、第三項の認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可に係る特別負担金額を認定事業者に通知しなければならない。

    第四節 損害賠償の円滑な実施等に資するための相談その他の業務

第五十三条  機構は、原子力事業者に対する資金援助を行った場合には、当該原子力事業者に係る原子力損害を受けた者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うものとする。この場合において、機構は、当該業務を第三者に委託することができる。

第五十四条  機構は、資金援助を受けた原子力事業者からの申込みに基づき、当該資金援助に係る原子力損害の賠償の履行に充てるための資金の確保に資するため、当該原子力事業者の保有する資産の買取りを行うことができる。
 機構は、前項の資産の買取りの申込みがあったときは、遅滞なく、運営委員会の議決を経て、当該資産の買取りを行うかどうかを決定しなければならない。
 第四十二条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による決定について準用する。

第五十五条  機構は、資金援助を受けた原子力事業者の委託を受けて、当該原子力事業者に係る原子力損害の賠償の全部又は一部の支払を行うことができる。
 機構は、前項の規定による支払を行うため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
 機構は、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律(平成二十三年法律第九十一号)の定めるところにより、同法第十五条に規定する主務大臣又は同法第八条第一項の規定により仮払金の支払に関する事務の一部を行う都道府県知事の委託を受けて、同法第三条第一項の規定による仮払金の支払に関する事務の一部(会計法(昭和二十二年法律第三十五号)に基づく支出の決定及び交付の事務を除く。)を行うことができる。

第五十五条の二  機構は、廃炉等技術委員会の議決を経て、廃炉等を実施する原子力事業者の委託を受けて、当該原子力事業者に係る廃炉等の一部を実施することができる。

   第六章 財務及び会計

第五十六条  機構の事業年度は、毎年四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。

第五十七条  機構は、毎事業年度、予算及び資金計画を作成し、当該事業年度の開始前に、主務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。

第五十八条  機構は、毎事業年度、貸借対照表、損益計算書、利益の処分又は損失の処理に関する書類その他主務省令で定める書類及びこれらの附属明細書(以下この条において「財務諸表」という。)を作成し、当該事業年度の終了後三月以内に主務大臣に提出し、その承認を受けなければならない。
 機構は、前項の規定により財務諸表を主務大臣に提出するときは、これに当該事業年度の事業報告書及び予算の区分に従い作成した決算報告書並びに財務諸表及び決算報告書に関する監事の意見書を添付しなければならない。
 機構は、第一項の規定による主務大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、財務諸表並びに前項の事業報告書、決算報告書及び監事の意見書を、各事務所に備えて置き、主務省令で定める期間、一般の閲覧に供しなければならない。
 機構は、負担金について、原子力事業者ごとに計数を管理しなければならない。

第五十九条  機構は、毎事業年度、損益計算において利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失を埋め、なお残余があるときは、その残余の額は、積立金として整理しなければならない。
 機構は、毎事業年度、損益計算において損失を生じたときは、前項の規定による積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、繰越欠損金として整理しなければならない。
 機構は、予算をもって定める額に限り、第一項の規定による積立金を第三十五条第二号から第六号までに掲げる業務に要する費用に充てることができる。
 機構は、特別資金援助に係る資金交付を行った場合には、毎事業年度、第一項に規定する残余があるときは、当該資金交付を行うために既に第四十九条第二項の規定により国債の償還を受けた額の合計額からこの項の規定により既に国庫に納付した額を控除した額までを限り、国庫に納付しなければならない。この場合において、第一項中「なお残余があるとき」とあるのは、「なお残余がある場合において、第四項の規定により国庫に納付しなければならない額を控除してなお残余があるとき」とする。
 前項の規定による納付金に関し、納付の手続その他必要な事項は、政令で定める。

第六十条  機構は、主務大臣の認可を受けて、金融機関その他の者から資金の借入れ(借換えを含む。)をし、又は原子力損害賠償・廃炉等支援機構債(以下「機構債」という。)の発行(機構債の借換えのための発行を含む。)をすることができる。この場合において、機構は、機構債の債券を発行することができる。
 主務大臣は、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
 第一項の規定による借入金の現在額及び同項の規定により発行する機構債の元本に係る債務の現在額の合計額は、政令で定める額を超えることとなってはならない。
 第一項の規定による機構債の債権者は、機構の財産について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
 前項の先取特権の順位は、民法 (明治二十九年法律第八十九号)の規定による一般の先取特権に次ぐものとする。
 機構は、主務大臣の認可を受けて、機構債の発行に関する事務の全部又は一部を銀行又は信託会社に委託することができる。
 会社法 (平成十七年法律第八十六号)第七百五条第一項 及び第二項 並びに第七百九条 の規定は、前項の規定により委託を受けた銀行又は信託会社について準用する。
 第一項、第二項及び第四項から前項までに定めるもののほか、機構債に関し必要な事項は、政令で定める。

第六十一条  政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律 (昭和二十一年法律第二十四号)第三条 の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、機構の前条第一項の借入れ又は機構債に係る債務の保証をすることができる。

第六十二条  機構は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。
 国債その他主務大臣の指定する有価証券の保有
 主務大臣の指定する金融機関への預金
 その他主務省令で定める方法

第六十三条  この法律に定めるもののほか、機構の財務及び会計に関し必要な事項は、主務省令で定める。

   第七章 監督

第六十四条  機構は、主務大臣が監督する。
 主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対し、その業務に関して監督上必要な命令をすることができる。

第六十五条  主務大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、機構に対しその業務に関し報告をさせ、又はその職員に機構の事務所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない。
 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

   第八章 雑則

第六十六条  定款の変更は、主務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。

第六十七条  機構は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、これを各出資者に対し、その出資額を限度として分配するものとする。
 前項に規定するもののほか、機構の解散については、別に法律で定める。

第六十八条  政府は、著しく大規模な原子力損害の発生その他の事情に照らし、機構の業務を適正かつ確実に実施するために十分なものとなるように負担金の額を定めるとしたならば、電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な運営に支障を来し、又は当該事業の利用者に著しい負担を及ぼす過大な額の負担金を定めることとなり、国民生活及び国民経済に重大な支障を生ずるおそれがあると認められる場合に限り、予算で定める額の範囲内において、機構に対し、必要な資金を交付することができる。

第六十九条  原子力事業者が第三十八条の規定に基づき機構の事業年度について機構の業務に要する費用に充てることとされる負担金を納付する場合には、その納付する負担金の額は、当該事業年度終了の日の属する当該原子力事業者の事業年度(法人税法 (昭和四十年法律第三十四号)第十三条 及び第十四条 に規定する事業年度をいう。次項において同じ。)の所得の金額又は連結事業年度(同法第十五条の二 に規定する連結事業年度をいう。次項において同じ。)の連結所得(同法第二条第十八号の四 に規定する連結所得をいう。次項において同じ。)の金額の計算上、損金の額に算入する。
 原子力事業者が第四十五条第一項の認定を受けたときは、その特別資金援助(第四十一条第一項第一号に掲げる措置に限る。)による収益の額については、機構から交付を受けた資金の額を当該交付を受けた日の属する事業年度の所得の金額又は連結事業年度の連結所得の金額の計算上、益金の額に算入する。
 前二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第七十条  機構が第五十四条第一項の規定により特別資金援助に係る資金交付を受けた認定事業者から資産の買取りを行う場合における当該資産の買取りに伴う不動産の所有権の移転の登記については、財務省令で定めるところにより当該買取り後三月以内に登記を受けるものに限り、登録免許税を課さない。

第七十一条  この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、主務省令で定める。

第七十二条  この法律における主務大臣及び主務省令は、政令で定める。

   第九章 罰則

第七十三条  第二十一条(第二十二条の七及び第三十四条において準用する場合を含む。)の規定に違反してその職務上知ることのできた秘密を漏らした者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

第七十四条  第四十七条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

第七十五条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
 第四十二条第二項(第四十三条第四項及び第五十四条第三項において準用する場合を含む。)の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
 第六十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

第七十六条  第三十七条第二項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第七十七条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第七十四条又は前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

第七十八条  次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
 この法律により主務大臣の認可又は承認を受けなければならない場合において、その認可又は承認を受けなかったとき。
 第七条第一項の規定による政令に違反して登記することを怠ったとき。
 第三十五条に規定する業務以外の業務を行ったとき。
 第三十八条第三項の規定に違反して、報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
 第三十九条第七項、第四十二条第三項(第四十三条第四項及び第五十四条第三項において準用する場合を含む。)又は第六十四条第二項の規定による主務大臣の命令に違反したとき。
 第五十八条第三項の規定に違反して、書類を備え置かず、又は閲覧に供しなかったとき。
 第六十二条の規定に違反して業務上の余裕金を運用したとき。

第七十九条  第六条第二項の規定に違反した者は、二十万円以下の過料に処する。

   附 則 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、第五十五条第三項の規定は、平成二十三年原子力事故による被害に係る緊急措置に関する法律の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律の施行の際現にその名称中に原子力損害賠償支援機構という文字を用いている者については、第六条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。

第三条  第四十一条の規定は、この法律の施行前に生じた原子力損害についても適用する。
 この法律の施行前に生じた原子力損害に関し資金援助を機構に申し込む原子力事業者は、その経営の合理化及び経営責任の明確化を徹底して行うとともに、当該原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施のため、当該原子力事業者の株主その他の利害関係者に対し、必要な協力を求めなければならない。

第四条  機構の最初の事業年度は、第五十六条の規定にかかわらず、その成立の日に始まり、その後最初の三月三十一日に終わるものとする。

第五条  機構の最初の事業年度の予算及び資金計画については、第五十七条第一項中「当該事業年度の開始前に」とあるのは、「機構の成立後遅滞なく」とする。

(検討)
第六条  政府は、この法律の施行後できるだけ早期に、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故(以下「平成二十三年原子力事故」という。)の原因等の検証、平成二十三年原子力事故に係る原子力損害の賠償の実施の状況、経済金融情勢等を踏まえ、原子力損害の賠償に係る制度における国の責任の在り方、原子力発電所の事故が生じた場合におけるその収束等に係る国の関与及び責任の在り方等について、これを明確にする観点から検討を加えるとともに、原子力損害の賠償に係る紛争を迅速かつ適切に解決するための組織の整備について検討を加え、これらの結果に基づき、賠償法の改正等の抜本的な見直しをはじめとする必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、この法律の施行後早期に、平成二十三年原子力事故の原因等の検証、平成二十三年原子力事故に係る原子力損害の賠償の実施の状況、経済金融情勢等を踏まえ、平成二十三年原子力事故に係る資金援助に要する費用に係る当該資金援助を受ける原子力事業者と政府及び他の原子力事業者との間の負担の在り方、当該資金援助を受ける原子力事業者の株主その他の利害関係者の負担の在り方等を含め、国民負担を最小化する観点から、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。
 政府は、国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展を図る観点から、電気供給に係る体制の整備を含むエネルギーに関する政策の在り方についての検討を踏まえつつ、原子力政策における国の責任の在り方等について検討を加え、その結果に基づき、原子力に関する法律の抜本的な見直しを含め、必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成二四年六月二七日法律第四七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第七条第一項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)並びに附則第二条第三項(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)、第五条、第六条、第十四条第一項、第三十四条及び第八十七条の規定 公布の日
 附則第十七条、第二十一条から第二十六条まで、第三十七条、第三十九条、第四十一条から第四十八条まで、第五十条、第五十五条、第六十一条、第六十五条、第六十七条、第七十一条及び第七十八条の規定 施行日から起算して十月を超えない範囲内において政令で定める日

(罰則の適用に関する経過措置)
第八十六条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第八十七条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (平成二六年五月二一日法律第四〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条第二項、第三項及び第六項の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)
第二条  この法律の施行の際現にその名称中に原子力損害賠償・廃炉等支援機構という文字を用いている者については、この法律による改正後の原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(以下「新法」という。)第六条第二項の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
 原子力損害賠償支援機構は、この法律の施行の日(以下この条において「施行日」という。)までに、必要な定款の変更をし、主務大臣の認可を受けるものとする。
 前項の認可があったときは、同項に規定する定款の変更は、施行日にその効力を生ずる。
 この法律による改正前の原子力損害賠償支援機構法第六十条第一項の規定により原子力損害賠償支援機構が発行した原子力損害賠償支援機構債は、新法の規定の適用については、新法第六十条第一項の規定による原子力損害賠償・廃炉等支援機構債とみなす。
 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 前各項に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に起因する放射性物質によって汚染された水の流出への対処)
第三条  国は、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下この条において「原子力発電所」という。)の事故に起因する放射性物質によって汚染された水(以下この条において「放射性汚染水」という。)の原子力発電所からの流出を制御していくことが喫緊の課題であることに鑑み、当該流出の制御に関し、放射性汚染水に係る正確な情報が適時に提供され、かつ、廃炉等(新法第一条に規定する廃炉等をいう。)を実施するために必要な技術に関する国内外の知見が活用されることにより、国内外の不安が早期に解消されるよう、万全の措置を講ずるものとする。