年金生活者支援給付金の支給に関する法律¶
年金生活者支援給付金の支給に関する法律(平成二十四年十一月二十六日法律第百二号)
最終改正:平成二六年六月一一日法律第六四号
第一章 総則(第一条)
第二章 老齢年金生活者支援給付金及び補足的老齢年金生活者支援給付金(第二条―第十四条)
第三章 障害年金生活者支援給付金(第十五条―第十九条)
第四章 遺族年金生活者支援給付金(第二十条―第二十四条)
第五章 不服申立て(第二十五条)
第六章 費用(第二十六条・第二十七条)
第七章 雑則(第二十八条―第五十二条)
附則
第一条
この法律は、公的年金等の収入金額と一定の所得との合計額が一定の基準以下の老齢基礎年金の受給者に国民年金の保険料納付済期間及び保険料免除期間を基礎とした老齢年金生活者支援給付金又は保険料納付済期間を基礎とした補足的老齢年金生活者支援給付金を支給するとともに、所得の額が一定の基準以下の障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給者に障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金を支給することにより、これらの者の生活の支援を図ることを目的とする。
第二章 老齢年金生活者支援給付金及び補足的老齢年金生活者支援給付金
第二条
国は、国民年金法
(昭和三十四年法律第百四十一号)の規定による老齢基礎年金(以下単に「老齢基礎年金」という。)の受給権者であって当該老齢基礎年金を受ける権利について同法第十六条
の規定による裁定の請求をしたもの(以下この条、第十条及び第十一条において「老齢基礎年金受給権者」という。)が、その者の前年(一月から七月までの月分のこの項に規定する老齢年金生活者支援給付金については、前々年とする。以下この項において同じ。)中の公的年金等の収入金額(所得税法
(昭和四十年法律第三十三号)第三十五条第二項第一号
に規定する公的年金等の収入金額をいう。)と前年の所得との合計額(政令で定める場合にあっては、当該合計額を基準として政令で定めるところにより算定した額とする。以下「前年所得額」という。)が国民年金法第二十七条
本文に規定する老齢基礎年金の額を勘案して政令で定める額(第十条第一項において「所得基準額」という。)以下であることその他その者及びその者と同一の世帯に属する者の所得の状況を勘案して政令で定める要件に該当するときは、当該老齢基礎年金受給権者に対し、老齢年金生活者支援給付金を支給する。
2
前項の規定にかかわらず、老齢年金生活者支援給付金は、当該老齢基礎年金受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第三号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定めるときに限る。)は、支給しない。
一
日本国内に住所を有しないとき。
二
当該老齢基礎年金の全額につきその支給が停止されているとき。
三
刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
3
第一項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
第三条
老齢年金生活者支援給付金は、月を単位として支給するものとし、その月額は、次に掲げる額(その額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数が生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。)を合算した額とする。
一
給付基準額に、その者の保険料納付済期間(国民年金法第五条第一項
に規定する保険料納付済期間をいい、他の法令の規定により同項
に規定する保険料納付済期間とみなされた期間を含む。)の月数を四百八十で除して得た数(その数が一を上回るときは、一)を乗じて得た額
二
国民年金法第二十七条
本文に規定する老齢基礎年金の額に、その者の保険料免除期間(同法第五条第二項
に規定する保険料免除期間をいい、他の法令の規定により同項
に規定する保険料免除期間とみなされた期間を含み、同法第九十条の三第一項
の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係る期間を除く。)の月数の六分の一(同法第五条第六項
に規定する保険料四分の一免除期間にあっては、同項
に規定する保険料四分の一免除期間の月数の十二分の一)に相当する月数(当該月数と同法第二十七条
各号に掲げる月数を合算した月数(四百八十を限度とする。以下この号において同じ。)とを合算した月数が四百八十を超えるときは、四百八十から当該各号に掲げる月数を合算した月数を控除した月数を限度とする。)を四百八十で除して得た数を乗じて得た額を十二で除して得た額
2
給付基準額については、総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数(以下この項において「物価指数」という。)がこの法律の施行の日の属する年の前年(この項の規定による給付基準額の改定の措置が講じられたときは、直近の当該措置が講じられた年の前年)の物価指数を超え、又は下回るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年の四月以降の給付基準額を改定する。
3
前項の規定による給付基準額の改定の措置は、政令で定める。
第五条
老齢年金生活者支援給付金の支給要件に該当する者(次条第一項及び第二項、第七条、第九条第一項並びに第十一条において「受給資格者」という。)は、老齢年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときは、厚生労働大臣に対し、その受給資格及び老齢年金生活者支援給付金の額について認定の請求をしなければならない。
2
前項の認定を受けた者が、老齢年金生活者支援給付金の支給要件に該当しなくなった後再びその要件に該当するに至った場合において、その該当するに至った後の期間に係る老齢年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。
2
受給資格者が災害その他やむを得ない理由により前条の規定による認定の請求をすることができなかった場合において、その理由がやんだ後十五日以内にその請求をしたときは、老齢年金生活者支援給付金の支給は、前項の規定にかかわらず、受給資格者がやむを得ない理由により認定の請求をすることができなくなった日の属する月の翌月から始める。
3
老齢年金生活者支援給付金は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれの前月までの分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであった老齢年金生活者支援給付金又は支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の老齢年金生活者支援給付金は、その支払期月でない月であっても、支払うものとする。
第七条
老齢年金生活者支援給付金は、受給資格者が、正当な理由がなくて、第三十六条第一項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかったときは、その額の全部又は一部を支給しないことができる。
第八条
老齢年金生活者支援給付金の支給を受けている者が、正当な理由がなくて、第三十五条第一項の規定による届出をせず、又は書類その他の物件を提出しないときは、老齢年金生活者支援給付金の支払を一時差し止めることができる。
第九条
受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき老齢年金生活者支援給付金でまだその者に支払っていなかったものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹又はこれらの者以外の三親等内の親族であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支払の老齢年金生活者支援給付金の支払を請求することができる。
2
未支払の老齢年金生活者支援給付金を受けることができる者の順位は、政令で定める。
3
未支払の老齢年金生活者支援給付金を受けることができる同順位者が二人以上あるときは、その一人がした請求は、その全額について全員のためにしたものとみなし、その一人に対してした支払は、全員に対してしたものとみなす。
第十条
国は、老齢基礎年金受給権者が、その者の前年所得額が所得基準額を超え、かつ、所得基準額を勘案して政令で定める額以下であることその他その者及びその者と同一の世帯に属する者の所得の状況を勘案して政令で定める要件に該当するときは、当該老齢基礎年金受給権者に対し、補足的老齢年金生活者支援給付金を支給する。
2
前項の規定にかかわらず、補足的老齢年金生活者支援給付金は、当該老齢基礎年金受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第三号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定めるときに限る。)は、支給しない。
一
日本国内に住所を有しないとき。
二
当該老齢基礎年金の全額につきその支給が停止されているとき。
三
刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
第十一条
補足的老齢年金生活者支援給付金は、月を単位として支給するものとし、その月額は、当該老齢基礎年金受給権者を受給資格者とみなして第三条の規定を適用するとしたならば同条第一号に規定する額として算定されることとなる額から、その者の前年所得額の逓増に応じ、逓減するように政令で定める額とする。
第十二条
補足的老齢年金生活者支援給付金の支給要件に該当する者は、補足的老齢年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときは、厚生労働大臣に対し、その受給資格及び補足的老齢年金生活者支援給付金の額について認定の請求をしなければならない。
2
前項の認定を受けた者が、補足的老齢年金生活者支援給付金の支給要件に該当しなくなった後再びその要件に該当するに至った場合において、その該当するに至った後の期間に係る補足的老齢年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。
第十五条
国は、国民年金法
の規定による障害基礎年金(以下単に「障害基礎年金」という。)の受給権者であって当該障害基礎年金を受ける権利について同法第十六条
の規定による裁定の請求をしたもの(以下この条において「障害基礎年金受給権者」という。)が、その者の前年の所得(一月から七月までの月分のこの項に規定する障害年金生活者支援給付金については、前々年の所得とする。)がその者の所得税法
に規定する控除対象配偶者及び扶養親族(第二十条第一項において「扶養親族等」という。)の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるときは、当該障害基礎年金受給権者に対し、障害年金生活者支援給付金を支給する。
2
前項の規定にかかわらず、障害年金生活者支援給付金は、当該障害基礎年金受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第三号及び第四号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定めるときに限る。)は、支給しない。
一
日本国内に住所を有しないとき。
二
当該障害基礎年金の全額につきその支給が停止されているとき。
三
刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
四
少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。
3
第一項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
第十六条
障害年金生活者支援給付金は、月を単位として支給するものとし、その月額は、給付基準額(障害の程度が国民年金法第三十条第二項
に規定する障害等級の一級に該当する者として障害基礎年金の額が計算されるものにあっては、給付基準額の百分の百二十五に相当する額(その額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数が生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。))とする。
第十七条
障害年金生活者支援給付金の支給要件に該当する者は、障害年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときは、厚生労働大臣に対し、その受給資格及び障害年金生活者支援給付金の額について認定の請求をしなければならない。
2
前項の認定を受けた者が、障害年金生活者支援給付金の支給要件に該当しなくなった後再びその要件に該当するに至った場合において、その該当するに至った後の期間に係る障害年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。
第十八条
障害年金生活者支援給付金の支給を受けている者につき、障害の程度が増進し、又は低下したことにより障害基礎年金の額が改定された場合における障害年金生活者支援給付金の額の改定は、当該障害基礎年金の額が改定された日の属する月の翌月から行う。
第二十条
国は、国民年金法
の規定による遺族基礎年金(以下単に「遺族基礎年金」という。)の受給権者であって当該遺族基礎年金を受ける権利について同法第十六条
の規定による裁定の請求をしたもの(以下この条において「遺族基礎年金受給権者」という。)が、その者の前年の所得(一月から七月までの月分のこの項に規定する遺族年金生活者支援給付金については、前々年の所得とする。)がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて、政令で定める額以下であるときは、当該遺族基礎年金受給権者に対し、遺族年金生活者支援給付金を支給する。
2
前項の規定にかかわらず、遺族年金生活者支援給付金は、当該遺族基礎年金受給権者が次の各号のいずれかに該当するとき(第三号及び第四号に該当する場合にあっては、厚生労働省令で定めるときに限る。)は、支給しない。
一
日本国内に住所を有しないとき。
二
当該遺族基礎年金の全額につきその支給が停止されているとき。
三
刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき。
四
少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき。
3
第一項に規定する所得の範囲及びその額の計算方法は、政令で定める。
2
遺族基礎年金であって国民年金法第三十九条の二
の規定によりその額が計算されているものを受給している子に支給する遺族年金生活者支援給付金は、前項の規定にかかわらず、給付基準額をその子の数で除して得た額(その額に五十銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、五十銭以上一円未満の端数が生じたときは、これを一円に切り上げるものとする。)とする。
第二十二条
遺族年金生活者支援給付金の支給要件に該当する者は、遺族年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときは、厚生労働大臣に対し、その受給資格及び遺族年金生活者支援給付金の額について認定の請求をしなければならない。
2
前項の認定を受けた者が、遺族年金生活者支援給付金の支給要件に該当しなくなった後再びその要件に該当するに至った場合において、その該当するに至った後の期間に係る遺族年金生活者支援給付金の支給を受けようとするときも、同項と同様とする。
第二十三条
第二十一条第二項の規定によりその額が計算される遺族年金生活者支援給付金の支給を受けている者につき、遺族基礎年金の受給権を有する国民年金法第三十七条の二第一項
に規定する子の数に増減を生じた場合における遺族年金生活者支援給付金の額の改定は、当該増減を生じた日の属する月の翌月から行う。
第二十四条
第六条から第九条までの規定は、遺族年金生活者支援給付金について準用する。この場合において、同条第一項中「できる」とあるのは、「できる。この場合において、その死亡した者の死亡の当時当該遺族基礎年金の支給の要件となり、又はその額の加算の対象となっていた国民年金の被保険者又は被保険者であった者の子は、当該死亡した者の子とみなす」とするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第二十五条
厚生労働大臣のした老齢年金生活者支援給付金、補足的老齢年金生活者支援給付金、障害年金生活者支援給付金又は遺族年金生活者支援給付金(以下「年金生活者支援給付金」と総称する。)の支給に関する処分は、国民年金法
に基づく処分とみなして、同法第百一条第一項
から第五項
まで及び第百一条の二
の規定並びに社会保険審査官及び社会保険審査会法
(昭和二十八年法律第二百六号)の規定を適用する。
2
国民年金法第百一条
の規定により老齢基礎年金、障害基礎年金又は遺族基礎年金に関する処分が確定したときは、その処分についての不服を当該処分に基づく年金生活者支援給付金に関する処分についての不服の理由とすることができない。
2
国庫は、毎年度、予算の範囲内で、年金生活者支援給付金に関する事務の執行に要する費用を負担する。
第二十七条
国は、政令で定めるところにより、市町村(特別区を含む。以下同じ。)に対し、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)がこの法律又はこの法律に基づく政令の規定によって行う事務の処理に必要な費用を交付する。
第二十八条
甲年金生活者支援給付金を支給すべき者に対して、乙年金生活者支援給付金を支給すべきでないにもかかわらず、乙年金生活者支援給付金の支給としての支払が行われたときは、その支払われた乙年金生活者支援給付金は、甲年金生活者支援給付金の内払とみなすことができる。
2
年金生活者支援給付金を支給すべきでないにもかかわらず、その年金生活者支援給付金としての支払が行われたときは、その支払われた年金生活者支援給付金は、その後に支払うべき年金生活者支援給付金の内払とみなすことができる。年金生活者支援給付金の額を減額して改定すべきにもかかわらず、その改定すべき月以降の分として減額しない額の年金生活者支援給付金が支払われた場合における当該年金生活者支援給付金の当該減額すべきであった部分についても、同様とする。
第二十九条
年金生活者支援給付金の支給を受けるべき者が死亡したためその支給すべき事由が消滅したにもかかわらず、その死亡の日の属する月の翌月以降の分として当該年金生活者支援給付金の過誤払が行われた場合において、当該過誤払による返還金に係る債権(以下この条において「返還金債権」という。)に係る債務の弁済をすべき者に支払うべき年金生活者支援給付金があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該年金生活者支援給付金の支払金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
第三十一条
偽りその他不正の手段により年金生活者支援給付金の支給を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、国税徴収の例により、その者から、その支給を受けた額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
2
国民年金法第九十六条第一項
から第五項
まで、第九十七条及び第九十八条の規定は、前項の規定による徴収金の徴収について準用する。この場合において、同法第九十七条第一項
中「年十四・六パーセント(当該督促が保険料に係るものであるときは、当該納期限の翌日から三月を経過する日までの期間については、年七・三パーセント)」とあるのは、「年十四・六パーセント」と読み替えるものとする。
第三十四条
この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、民法
(明治二十九年法律第八十九号)の期間に関する規定を準用する。
第三十五条
年金生活者支援給付金の支給を受けている者(次項において「年金生活者支援給付金受給者」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生労働省令で定める事項を届け出、かつ、厚生労働省令で定める書類その他の物件を提出しなければならない。
2
年金生活者支援給付金受給者が死亡したときは、戸籍法
(昭和二十二年法律第二百二十四号)の規定による死亡の届出義務者は、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、厚生労働省令で定める年金生活者支援給付金受給者の死亡について、同法
の規定による死亡の届出をした場合(厚生労働省令で定める場合に限る。)は、この限りでない。
第三十六条
厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、年金生活者支援給付金の支給要件に該当する者(以下「年金生活者支援給付金受給資格者」という。)に対して、受給資格の有無及び年金生活者支援給付金の額の決定のために必要な事項に関する書類その他の物件を提出すべきことを命じ、又は当該職員をしてこれらの事項に関し年金生活者支援給付金受給資格者その他の関係者に質問させることができる。
2
前項の規定によって質問を行う当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
第三十七条
厚生労働大臣は、年金生活者支援給付金の支給に関する処分に関し必要があると認めるときは、年金生活者支援給付金受給資格者若しくは年金生活者支援給付金受給資格者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産若しくは収入の状況又は年金生活者支援給付金受給資格者に対する年金たる給付であって政令で定めるものの支給状況につき、官公署、国民年金法第三条第二項
に規定する共済組合等に対し必要な書類の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは年金生活者支援給付金受給資格者の雇用主その他の関係者に報告を求めることができる。
第三十九条
市町村は、年金生活者支援給付金に関する処分に関し厚生労働大臣から求めがあったときは、その処分に必要な範囲内において、当該年金生活者支援給付金受給資格者又は年金生活者支援給付金受給資格者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の収入の状況に関して必要な情報の提供を行うものとする。
第四十一条
次に掲げる厚生労働大臣の権限に係る事務(第三十八条の規定により市町村長が行うこととされたものを除く。)は、日本年金機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする。ただし、第八号及び第九号に掲げる権限は、厚生労働大臣が自ら行うことを妨げない。
一
第五条、第六条第二項(第十四条において準用する場合を含む。)及び第十二条の規定による請求の受理
二
第十七条及び第十九条において準用する第六条第二項の規定による請求の受理
三
第二十二条及び第二十四条において準用する第六条第二項の規定による請求の受理
四
第三十一条第一項の規定により国税徴収の例によるものとされる徴収に係る権限(国税通則法
(昭和三十七年法律第六十六号)第三十六条第一項
の規定の例による納入の告知、同法第四十二条
において準用する民法第四百二十三条第一項
の規定の例による納付義務者に属する権利の行使、国税通則法第四十六条
の規定の例による納付の猶予その他の厚生労働省令で定める権限並びに次号に掲げる質問及び検査並びに捜索を除く。)
七
第三十五条の規定による届出の受理及び同条第一項の規定による書類その他の物件の受領
八
第三十六条第一項の規定による命令及び質問
九
第三十七条の規定による書類の閲覧及び資料の提供の求め並びに報告の求め
十
第三十九条の規定による情報の受領
十一
前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める権限
2
機構は、前項第五号に掲げる権限及び同項第六号に掲げる国税滞納処分の例による処分(以下「滞納処分等」という。)その他同項各号に掲げる権限のうち厚生労働省令で定める権限に係る事務を効果的に行うため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に当該権限の行使に必要な情報を提供するとともに、厚生労働大臣自らその権限を行うよう求めることができる。
3
厚生労働大臣は、前項の規定による求めがあった場合において必要があると認めるとき、又は機構が天災その他の事由により第一項各号に掲げる権限に係る事務の全部若しくは一部を行うことが困難若しくは不適当となったと認めるときは、同項各号に掲げる権限の全部又は一部を自ら行うものとする。
2
機構が第四十一条第一項第八号に掲げる権限に係る事務を行う場合における第七条(第十四条、第十九条及び第二十四条において準用する場合を含む。)及び第三十六条の規定の適用については、これらの規定中「当該職員」とあるのは、「日本年金機構の職員」とする。
2
前項の規定により地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。
第四十六条
厚生労働大臣は、機構に、次に掲げる事務(第三十八条の規定により市町村長が行うこととされたものを除く。)を行わせるものとする。
一
第二条第一項及び第二項、第七条(第十四条において準用する場合を含む。)並びに第十条の規定による老齢年金生活者支援給付金又は補足的老齢年金生活者支援給付金の支給に係る事務(当該老齢年金生活者支援給付金又は補足的老齢年金生活者支援給付金の支給の認定を除く。)
二
第五条及び第十二条の規定による認定に係る事務(第四十一条第一項第一号に掲げる請求の受理及び当該認定を除く。)
三
第八条(第十四条において準用する場合を含む。)の規定による老齢年金生活者支援給付金又は補足的老齢年金生活者支援給付金の支払の一時差止めに係る事務(当該支払の一時差止めに係る決定を除く。)
四
第九条第一項(第十四条において準用する場合を含む。)の規定による請求の内容の確認に係る事務
五
第十五条第一項及び第二項並びに第十九条において準用する第七条の規定による障害年金生活者支援給付金の支給に係る事務(当該障害年金生活者支援給付金の支給の認定を除く。)
六
第十七条の規定による認定に係る事務(第四十一条第一項第二号に掲げる請求の受理及び当該認定を除く。)
七
第十九条において準用する第八条の規定による障害年金生活者支援給付金の支払の一時差止めに係る事務(当該支払の一時差止めに係る決定を除く。)
八
第十九条において準用する第九条第一項の規定による請求の内容の確認に係る事務
九
第二十条第一項及び第二項並びに第二十四条において準用する第七条の規定による遺族年金生活者支援給付金の支給に係る事務(当該遺族年金生活者支援給付金の支給の認定を除く。)
十
第二十二条の規定による認定に係る事務(第四十一条第一項第三号に掲げる請求の受理及び当該認定を除く。)
十一
第二十四条において準用する第八条の規定による遺族年金生活者支援給付金の支払の一時差止めに係る事務(当該支払の一時差止めに係る決定を除く。)
十二
第二十四条において準用する第九条第一項の規定による請求の内容の確認に係る事務
十三
第三十一条第一項の規定による不正利得の徴収に係る事務(第四十一条第一項第四号から第六号までに掲げる権限を行使する事務及び次条第一項の規定により機構が行う収納、第三十一条第二項において準用する国民年金法第九十六条第一項
の規定による督促その他の厚生労働省令で定める権限を行使する事務並びに次号及び第十六号に掲げる事務を除く。)
十五
第三十一条第二項において準用する国民年金法第九十七条第一項
及び第四項
の規定による延滞金の徴収に係る事務(第四十一条第一項第四号から第六号までに掲げる権限を行使する事務及び次条第一項の規定により機構が行う収納、第三十一条第二項において準用する国民年金法第九十六条第一項
の規定による督促その他の厚生労働省令で定める権限を行使する事務並びに前号及び次号に掲げる事務を除く。)
十六
第四十一条第一項第四号に規定する厚生労働省令で定める権限に係る事務(当該権限を行使する事務を除く。)
十七
介護保険法
(平成九年法律第百二十三号)第二百三条
その他の厚生労働省令で定める法律の規定による求めに応じたこの法律の実施に関し厚生労働大臣が保有する情報の提供に係る事務(当該情報の提供及び厚生労働省令で定める事務を除く。)
十八
前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事務
第四十七条
厚生労働大臣は、会計法
(昭和二十二年法律第三十五号)第七条第一項
の規定にかかわらず、政令で定める場合における第三十一条第一項の規定による徴収金、年金生活者支援給付金の過誤払による返還金その他の厚生労働省令で定めるものの収納を、政令で定めるところにより、機構に行わせることができる。
2
厚生労働大臣及び機構は、この法律に基づく年金生活者支援給付金の支給に関する事業が、適正かつ円滑に行われるよう、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携の確保に努めるものとする。
第五十条
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要とされる範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
次条並びに附則第三条及び第二十三条の規定 公布の日
二
附則第五条第一項の規定 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前の政令で定める日
(準備行為)
第二条
厚生労働大臣、市町村長及び機構は、施行日前においても、この法律に基づく年金生活者支援給付金の支給に関する事業の実施に必要な準備行為をすることができる。
(検討)
第三条
年金生活者支援給付金の額その他の事項については、低所得である高齢者等の生活状況、低所得者対策の実施状況及び国民年金法第二十七条本文に規定する老齢基礎年金の額等を勘案し、総合的に検討が加えられ、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。
(財源の確保)
第四条
年金生活者支援給付金の支給に要する費用の財源は、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税の収入を活用して、確保するものとする。
(年金生活者支援給付金の認定の請求等に関する経過措置)
第五条
施行日において年金生活者支援給付金の支給要件に該当すべき者(施行日において当該支給要件を満たすこととなる者を除く。)は、施行日前においても、施行日にその要件に該当することを条件として、当該年金生活者支援給付金について第五条第一項、第十二条第一項、第十七条第一項又は第二十二条第一項の規定による認定の請求の手続をとることができる。
2
前項の手続をとった者が、この法律の施行の際当該手続に係る年金生活者支援給付金の支給要件に該当しているときは、その者に対する当該年金生活者支援給付金の支給は、第六条第一項(第十四条、第十九条及び第二十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、施行日の属する月から始める。
3
次の各号に掲げる者が、施行日から起算して三月を経過する日までの間に第五条第一項、第十二条第一項、第十七条第一項又は第二十二条第一項の規定による認定の請求をしたときは、その者に対する年金生活者支援給付金の支給は、第六条第一項(第十四条、第十九条及び第二十四条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める月から始める。
一
施行日において年金生活者支援給付金の支給要件に該当している者(施行日において当該支給要件を満たすこととなった者を除く。) 施行日の属する月
二
施行日以後施行日から起算して二月を経過する日までの間に年金生活者支援給付金の支給要件を満たすこととなった者 その者が当該認定の請求に係る年金生活者支援給付金の支給要件を満たすこととなった日の属する月の翌月
(老齢年金生活者支援給付金等の支給要件の特例)
第六条
第二条の規定の適用については、当分の間、同条第一項中「老齢基礎年金(」とあるのは「老齢基礎年金(国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)附則第十五条第一項又は第二項の規定による老齢基礎年金を除く。」と、「の受給権者」とあるのは「の受給権者(六十五歳に達している者に限る。)」と、「同法」とあるのは「国民年金法」とする。
(老齢年金生活者支援給付金等の額の計算の特例)
第七条
第三条の規定の適用については、当分の間、同条第一号中「他の法令」とあるのは、「その者の二十歳に達した日の属する月前の期間及び六十歳に達した日の属する月以後の期間に係る同法第七条第一項第二号に規定する第二号被保険者としての国民年金の被保険者期間に係る同法第五条第一項に規定する保険料納付済期間を除き、他の法令」とする。
第八条
第三条各号に規定する額を計算する場合においては、国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号。以下「昭和六十年国民年金等改正法」という。)附則別表第四の上欄に掲げる者については、同条中「四百八十」とあるのは、それぞれ同表の下欄のように読み替えるものとする。
第九条
国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第十条第一項に規定する特定月の前月以前の期間に係る保険料免除期間(国民年金法第五条第二項に規定する保険料免除期間をいい、他の法令の規定により同項に規定する保険料免除期間とみなされた期間を含む。)を有する者に支給する老齢年金生活者支援給付金についての第三条の規定の適用については、同条第二号中「同法第二十七条各号」とあるのは、「国民年金法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百四号)附則第十条第一項各号」とする。
(不正利得の徴収の特例)
第九条の二
第三十一条第二項において読み替えて準用する国民年金法第九十七条第一項の規定の適用については、当分の間、同項の規定にかかわらず、各年の特例基準割合(租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第九十三条第二項に規定する特例基準割合をいう。)が年七・三パーセントの割合に満たない場合には、その年中においては、第三十一条第二項において読み替えて準用する国民年金法第九十七条第一項中「年十四・六パーセントの割合」とあるのは、「租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)第九十三条第二項に規定する特例基準割合に年七・三パーセントの割合を加算した割合」とする。
(老齢年金生活者支援給付金等の額の改定時期)
第十条
老齢年金生活者支援給付金又は補足的老齢年金生活者支援給付金の支給を受けている者につき、国民年金法附則第七条の三第二項の規定による届出が行われた場合その他の政令で定める場合における老齢年金生活者支援給付金又は補足的老齢年金生活者支援給付金の額の改定は、当該政令で定める場合に該当するに至った日の属する月の翌月から行う。
(旧国民年金法による老齢年金受給者等に係る経過措置)
第十一条
昭和六十年国民年金等改正法第一条の規定による改正前の国民年金法(以下「旧国民年金法」という。)による老齢年金(旧国民年金法附則第九条の三第一項の規定に該当することにより支給される老齢年金及び老齢福祉年金を除く。)その他の老齢を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものについては、当該政令で定める年金たる給付を老齢基礎年金とみなし、かつ、当該給付の受給権者を老齢基礎年金の受給権者とみなして、この法律(第三章及び第四章を除く。)の規定を適用する。この場合において、これらの規定の適用に関し必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
第十二条
旧国民年金法による障害年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものについては、当該政令で定める年金たる給付を障害基礎年金とみなし、かつ、当該給付の受給権者を障害基礎年金の受給権者とみなして、この法律(第二章及び第四章を除く。)の規定を適用する。この場合において、これらの規定の適用に関し必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
(旧国共済法による退職年金受給者等に係る経過措置)
第十三条
国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百五号)第一条の規定による改正前の国家公務員等共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号。以下「旧国共済法」という。)による退職年金、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百八号)第一条の規定による改正前の地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号。以下「旧地共済法」という。)による退職年金又は私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第百六号)第一条の規定による改正前の私立学校教職員共済組合法(昭和二十八年法律第二百四十五号。以下「旧私学共済法」という。)による退職年金その他の退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものについては、当該政令で定める年金たる給付を老齢基礎年金とみなし、かつ、当該給付の受給権者(附則第十一条の政令で定める年金たる給付の受給権者を除く。)を老齢基礎年金の受給権者とみなして、この法律(第三章及び第四章を除く。)の規定を適用する。この場合において、これらの規定の適用に関し必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
第十四条
旧国共済法による障害年金、旧地共済法による障害年金又は旧私学共済法による障害年金その他の障害を支給事由とする年金たる給付であって政令で定めるものについては、当該政令で定める年金たる給付を障害基礎年金とみなし、かつ、当該給付の受給権者を障害基礎年金の受給権者とみなして、この法律(第二章及び第四章を除く。)の規定を適用する。この場合において、これらの規定の適用に関し必要な読替えその他必要な事項は、政令で定める。
第十五条
前二条の規定による年金生活者支援給付金の支給に関する事務の一部は、政令で定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団に行わせることができる。
(政令への委任)
第二十三条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成二六年六月一一日法律第六四号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成二十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第十三条の規定(次号に掲げる改正規定を除く。)並びに附則第十六条及び第十九条の規定 公布の日
二
第一条中国民年金法附則第九条の二の五の改正規定、第三条中厚生年金保険法附則第十七条の十四の改正規定、第六条から第十二条までの規定、第十三条中年金生活者支援給付金の支給に関する法律附則第九条の次に一条を加える改正規定及び第十四条の規定並びに附則第三条及び第十七条の規定 平成二十七年一月一日
(その他の経過措置の政令への委任)
第十九条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。