首都直下地震対策特別措置法¶
首都直下地震対策特別措置法(平成二十五年十一月二十九日法律第八十八号)
第一章 総則(第一条―第三条)
第二章 緊急対策推進基本計画(第四条)
第三章 行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画等(第五条・第六条)
第四章 首都中枢機能維持基盤整備等地区における特別の措置
第一節 首都中枢機能維持基盤整備等地区の指定等(第七条)
第二節 首都中枢機能維持基盤整備等計画の認定等(第八条―第十五条)
第三節 認定基盤整備等計画に係る特別の措置(第十六条―第二十条)
第五章 地方緊急対策実施計画の作成等(第二十一条―第二十三条)
第六章 特定緊急対策事業推進計画に係る特別の措置
第一節 特定緊急対策事業推進計画の認定等(第二十四条―第三十一条)
第二節 認定推進計画に基づく事業に対する特別の措置(第三十二条―第三十四条)
第七章 雑則(第三十五条―第四十二条)
附則
第一条
この法律は、首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに、首都直下地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、首都直下地震緊急対策区域の指定、緊急対策推進基本計画の作成、行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画の作成、首都中枢機能維持基盤整備等地区の指定並びに首都中枢機能維持基盤整備等計画の認定及び認定基盤整備等計画に係る特別の措置、地方緊急対策実施計画の作成並びに特定緊急対策事業推進計画の認定及び認定推進計画に基づく事業に対する特別の措置について定めるとともに、地震観測施設等の整備等について定めることにより、首都直下地震に係る地震防災対策の推進を図ることを目的とする。
第二条
この法律において「首都直下地震」とは、東京圏(東京都、埼玉県、千葉県及び神奈川県の区域並びに茨城県の区域のうち政令で定める区域をいう。次項において同じ。)及びその周辺の地域における地殻の境界又はその内部を震源とする大規模な地震をいう。
2
この法律において「首都中枢機能」とは、東京圏における政治、行政、経済等の中枢機能をいう。
3
この法律において「地震災害」とは、地震動により直接に生ずる被害及びこれに伴い発生する津波、火事、爆発その他の異常な現象により生ずる被害をいう。
4
この法律において「地震防災」とは、地震災害の発生の防止又は地震災害が発生した場合における被害の軽減をあらかじめ図ることをいう。
第三条
内閣総理大臣は、首都直下地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域を、首都直下地震緊急対策区域(以下「緊急対策区域」という。)として指定するものとする。
2
内閣総理大臣は、前項の規定による緊急対策区域の指定をしようとするときは、あらかじめ中央防災会議に諮問しなければならない。
3
内閣総理大臣は、第一項の規定による緊急対策区域の指定をしようとするときは、あらかじめ関係する都県の意見を聴かなければならない。この場合において、当該都県が意見を述べようとするときは、あらかじめ関係する市町村の意見を聴かなければならない。
4
内閣総理大臣は、第一項の規定による緊急対策区域の指定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
5
前三項の規定は、内閣総理大臣が第一項の規定による緊急対策区域の指定の解除をする場合に準用する。
第四条
政府は、前条第一項の規定による緊急対策区域の指定があったときは、首都直下地震に係る地震防災上緊急に講ずべき対策(以下「緊急対策」という。)の推進に関する基本的な計画(以下「緊急対策推進基本計画」という。)を定めなければならない。
2
緊急対策推進基本計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
緊急対策区域における緊急対策の円滑かつ迅速な推進の意義に関する事項
二
緊急対策区域における緊急対策の円滑かつ迅速な推進のために政府が着実に実施すべき地方公共団体に対する支援その他の施策に関する基本的な方針
三
首都直下地震が発生した場合における首都中枢機能の維持に関し次に掲げる事項
イ 首都中枢機能の維持を図るための施策に関する基本的な事項
ロ 首都中枢機能の全部又は一部を維持することが困難となった場合における当該首都中枢機能の一時的な代替に関する基本的な事項
ハ 緊急輸送を確保する等のために必要な港湾、空港等の機能の維持に係る施策に関する基本的な事項
ニ イからハまでに掲げるもののほか、首都中枢機能の維持に関し必要な事項
四
第七条第一項に規定する首都中枢機能維持基盤整備等地区の指定及び第八条第一項に規定する基盤整備等計画の同条第十項の認定に関する基本的な事項
五
第二十一条第一項に規定する地方緊急対策実施計画の基本となるべき事項
六
第二十四条第一項に規定する特定緊急対策事業推進計画の同条第八項の認定に関する基本的な事項
七
緊急対策区域における緊急対策の円滑かつ迅速な推進に関し政府が講ずべき措置についての計画
八
前各号に掲げるもののほか、緊急対策区域における緊急対策の円滑かつ迅速な推進に関し必要な事項
3
内閣総理大臣は、緊急対策推進基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4
内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、緊急対策推進基本計画を公表しなければならない。
5
政府は、情勢の推移により必要が生じた場合には、緊急対策推進基本計画を変更しなければならない。
6
第三項及び第四項の規定は、前項の規定による緊急対策推進基本計画の変更について準用する。
第五条
政府は、緊急対策推進基本計画を基本として、首都直下地震が発生した場合における国の行政に関する機能のうち中枢的なもの(以下この条において「行政中枢機能」という。)の維持に係る緊急対策の実施に関する計画(以下この条において「緊急対策実施計画」という。)を定めなければならない。
2
緊急対策実施計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
政府全体の見地からの政府の業務の継続に関する事項
二
業務の継続に必要な職員の確保、非常用食糧、救助用資機材等の物資の備蓄その他の首都直下地震が発生した場合における円滑かつ迅速な業務の継続に係る体制の整備に関する事項を内容とする各行政機関における業務の継続に係る計画の作成に関する事項
三
行政中枢機能の全部又は一部を維持することが困難となった場合における当該行政中枢機能の一時的な代替に関する事項
四
前三号に掲げるもののほか、行政中枢機能の維持に関し必要な事項
3
前条第三項から第六項までの規定は、緊急対策実施計画について準用する。
第七条
内閣総理大臣は、緊急対策区域のうち、首都直下地震が発生した場合における首都中枢機能の維持を図るために必要な基盤の整備及び滞在者、来訪者又は居住者(以下「滞在者等」という。)の安全の確保を図るために必要な退避のために移動する経路、一定期間退避するための施設、備蓄倉庫その他の施設(以下「安全確保施設」という。)の整備等を緊急に行う必要がある地区を、首都中枢機能維持基盤整備等地区(以下「基盤整備等地区」という。)として指定するものとする。
2
第三条第三項から第五項までの規定は、前項の規定による基盤整備等地区の指定について準用する。この場合において、同条第五項中「前三項」とあるのは、「前二項」と読み替えるものとする。
第八条
前条第一項の規定による基盤整備等地区の指定があったときは、その全部又は一部の区域が基盤整備等地区である地方公共団体(以下この章において「関係地方公共団体」という。)は、共同して、基盤整備等地区について、首都直下地震が発生した場合における首都中枢機能の維持を図るために必要な基盤の整備及び滞在者等の安全の確保を図るために必要な安全確保施設の整備等に関する計画(以下「基盤整備等計画」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。
2
基盤整備等計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
首都中枢機能の維持を図るために必要な次に掲げる事項
イ ロ(1)から(4)までに掲げる事業(以下「基盤整備事業」という。)を通じた首都中枢機能の維持に関する基本的な方針
ロ 首都中枢機能の維持を図るために必要な次に掲げる事業並びにその実施主体及び実施期間に関する事項
(1) 電気、ガス、水道等の供給体制に係る基盤の整備に関する事業
(2) 情報通信システムに係る基盤の整備に関する事業
(3) 道路、公園、広場その他政令で定める公共の用に供する施設その他の公益的施設(ハにおいて「公共公益施設」という。)の整備に関する事業
(4) (1)から(3)までに掲げるもののほか、首都中枢機能の維持を図るために必要な基盤の整備に関する事業
ハ ロ(3)及び(4)に掲げる事業により整備された公共公益施設の適切な管理のために必要な事項
ニ イからハまでに掲げるもののほか、首都中枢機能の維持を図るために必要な事項
二
滞在者等の安全の確保を図るために必要な次に掲げる事項
イ 安全確保施設の整備等を通じた滞在者等の安全の確保に関する基本的な方針
ロ 安全確保施設の整備に関する事業並びにその実施主体及び実施期間に関する事項
ハ ロに規定する事業により整備された安全確保施設の適切な管理のために必要な事項
ニ 安全確保施設を有する建築物の耐震改修(建築物の耐震改修の促進に関する法律
(平成七年法律第百二十三号)第二条第二項
に規定する耐震改修をいう。)その他の滞在者等の安全の確保を図るために必要な事業及びその実施主体に関する事項
ホ 滞在者等の誘導、滞在者等に対する情報提供その他の滞在者等の安全の確保を図るために必要な事務及びその実施主体に関する事項
ヘ イからホまでに掲げるもののほか、滞在者等の安全の確保を図るために必要な事項
3
基盤整備事業に関する事項には、道路法
(昭和二十七年法律第百八十号)第三十二条第一項第一号
、第二号又は第七号に掲げる施設、工作物又は物件(次項並びに第十九条第一項及び第三項において「施設等」という。)のうち、首都中枢機能の維持を図るためのものとして政令で定めるものの設置であって、同法第三十二条第一項
又は第三項
の許可に係るものに関する事項を記載することができる。
4
関係地方公共団体は、基盤整備等計画に前項の施設等の設置に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、あらかじめ、同項の許可の権限を有する道路管理者(道路法第十八条第一項
に規定する道路管理者をいう。第十九条第一項から第三項までにおいて同じ。)及び都道府県公安委員会に協議し、その同意を得なければならない。
6
次に掲げる者は、関係地方公共団体に対して、第一項の規定による申請(以下この条及び次条第一項において単に「申請」という。)をすることについての提案をすることができる。
一
当該提案に係る基盤整備等地区において基盤整備事業及び第二項第二号ロ又はニに規定する事業(以下この章において「基盤整備事業等」という。)を実施しようとする者
二
前号に掲げる者のほか、当該提案に係る基盤整備等地区における基盤整備事業等の実施に関し密接な関係を有する者
7
前項の提案を受けた関係地方公共団体は、当該提案に基づき申請をするか否かについて、遅滞なく、当該提案をした者に通知しなければならない。この場合において、申請をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
8
関係地方公共団体は、基盤整備等計画を作成しようとするときは、当該基盤整備等計画に定める事項について第十五条第一項の首都中枢機能維持基盤整備等協議会における協議をしなければならない。
10
内閣総理大臣は、申請があった基盤整備等計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
一
緊急対策推進基本計画に適合するものであること。
二
当該基盤整備等計画の実施が当該基盤整備等地区における首都中枢機能の維持を図るために必要な基盤の整備及び滞在者等の安全の確保を図るために必要な安全確保施設の整備等の円滑かつ迅速な推進に寄与するものであると認められること。
三
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
11
内閣総理大臣は、前項の認定(次項、次条及び第十条第一項において単に「認定」という。)をしようとするときは、基盤整備等計画に定められた基盤整備事業等に関する事項について、当該基盤整備事業等に係る関係行政機関の長(以下この節において単に「関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。
12
内閣総理大臣は、認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
2
関係行政機関の長は、内閣総理大臣が前項の処理期間中に認定に関する処分を行うことができるよう、速やかに、前条第十一項の同意について同意又は不同意の旨を通知しなければならない。
第十条
認定を受けた関係地方公共団体は、認定を受けた基盤整備等計画(以下この章において「認定基盤整備等計画」という。)の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2
第八条第五項から第十二項まで及び前条の規定は、認定基盤整備等計画の変更について準用する。
第十一条
内閣総理大臣は、第八条第十項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。第十三条第一項において単に「認定」という。)を受けた関係地方公共団体(以下この節において「認定地方公共団体」という。)に対し、認定基盤整備等計画(認定基盤整備等計画の変更があったときは、その変更後のもの。以下この章において同じ。)の実施の状況について報告を求めることができる。
2
関係行政機関の長は、認定地方公共団体に対し、認定基盤整備等計画に定められた基盤整備事業等の実施の状況について報告を求めることができる。
2
関係行政機関の長は、認定基盤整備等計画に定められた基盤整備事業等の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定地方公共団体に対し、当該基盤整備事業等の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
第十三条
内閣総理大臣は、認定基盤整備等計画が第八条第十項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。この場合において、内閣総理大臣は、あらかじめ関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。
2
関係行政機関の長は、内閣総理大臣に対し、前項の規定による認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出ることができる。
3
第八条第十二項の規定は、第一項の規定による認定基盤整備等計画の認定の取消しについて準用する。
2
関係行政機関の長その他の執行機関は、認定基盤整備等計画に係る基盤整備事業等の実施に関し、法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該基盤整備事業等が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。
3
前二項に定めるもののほか、内閣総理大臣、国の関係行政機関その他の関係機関の長、認定地方公共団体及び基盤整備事業等の実施主体は、認定基盤整備等計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第十五条
関係地方公共団体は、第八条第一項の規定により作成しようとする基盤整備等計画並びに認定基盤整備等計画及びその実施に関し必要な事項について協議するため、首都中枢機能維持基盤整備等協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織するものとする。
3
第一項の規定により協議会を組織する関係地方公共団体は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる者のほか、協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一
当該関係地方公共団体が作成しようとする基盤整備等計画又は認定基盤整備等計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
二
前号に掲げる者のほか、当該関係地方公共団体が必要と認める者
4
関係地方公共団体は、前項の規定により協議会の構成員を加えるに当たっては、協議会の構成員の構成が、当該関係地方公共団体が作成しようとする基盤整備等計画又は認定基盤整備等計画及びその実施に関する多様な意見が適切に反映されるものとなるよう配慮しなければならない。
5
次に掲げる者であって協議会の構成員でないものは、第一項の規定により協議会を組織する関係地方公共団体に対して、自己を協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。
一
基盤整備事業等を実施し、又は実施しようとする者
二
前号に掲げる者のほか、当該関係地方公共団体が作成しようとする基盤整備等計画又は認定基盤整備等計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
6
前項の規定による申出を受けた関係地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該申出に応じなければならない。
7
第一項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
8
前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第十六条
関係地方公共団体は、基盤整備等計画に基盤整備事業に関する事項として都市計画法
(昭和四十三年法律第百号)第四条第十二項
に規定する開発行為(同法第二十九条第一項
各号に掲げるものを除き、同法第三十二条第一項
の同意又は同条第二項
の規定による協議を要する場合にあっては、当該同意が得られ、又は当該協議が行われているものに限る。)に関する事項を記載しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、同法第二十九条第一項
の許可の権限を有する者に協議し、その同意を得ることができる。
2
前項の規定による同意を得た事項が記載された基盤整備等計画につき第八条第十二項の規定による公示があったときは、当該公示の日に当該事項に係る事業の実施主体に対する都市計画法第二十九条第一項
の許可があったものとみなす。
第十七条
関係地方公共団体は、基盤整備等計画に基盤整備事業に関する事項として土地区画整理法
(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業(同法第五十五条第一項
から第六項
までに規定する手続を行ったものに限る。)に関する事項を記載しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、同法第五十二条第一項
の認可の権限を有する者に協議し、その同意を得ることができる。
2
前項の規定による同意を得た事項が記載された基盤整備等計画につき第八条第十二項の規定による公示があったときは、当該公示の日に当該事項に係る事業の実施主体に対する土地区画整理法第五十二条第一項
の認可があったものとみなす。
第十八条
関係地方公共団体は、基盤整備等計画に基盤整備事業に関する事項として都市再開発法
(昭和四十四年法律第三十八号)による第一種市街地再開発事業(同法第五十三条第一項
及び同条第二項
において準用する同法第十六条第二項
から第五項
までに規定する手続を行ったもの並びに同法第五十三条第四項
において準用する同法第七条の十二
の規定による協議を要する場合にあっては、当該協議を行ったものに限る。)に関する事項を記載しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、同法第五十一条第一項
の認可の権限を有する者に協議し、その同意を得ることができる。
2
前項の規定による同意を得た事項が記載された基盤整備等計画につき第八条第十二項の規定による公示があったときは、当該公示の日に当該事項に係る事業の実施主体に対する都市再開発法第五十一条第一項
の認可があったものとみなす。
第十九条
基盤整備等地区内の道路の道路管理者は、道路法第三十三条第一項
の規定にかかわらず、認定基盤整備等計画に記載された第八条第三項に規定する事項に係る施設等のための道路の占用(同法第三十二条第二項第一号
に規定する道路の占用をいい、同法第三十三条第二項
に規定するものを除く。)で次に掲げる要件のいずれにも該当するものについて、同法第三十二条第一項
又は第三項
の許可を与えることができる。
一
道路管理者が施設等の種類ごとに指定した道路の区域内に設けられる施設等(当該指定に係る種類のものに限る。)のためのものであること。
二
道路法第三十三条第一項
の政令で定める基準に適合するものであること。
三
前二号に掲げるもののほか、安全かつ円滑な交通を確保するために必要なものとして政令で定める基準に適合するものであること。
2
道路管理者は、前項第一号の道路の区域(以下この条において「特例道路占用区域」という。)を指定しようとするときは、あらかじめ当該特例道路占用区域を管轄する警察署長に協議しなければならない。
3
道路管理者は、特例道路占用区域を指定するときは、その旨並びに指定の区域及び施設等の種類を公示しなければならない。
4
前二項の規定は、特例道路占用区域の指定の変更又は解除について準用する。
第二十条
認定基盤整備等計画(第八条第二項第二号に掲げる事項について記載された部分に限る。)については、都市再生特別措置法(平成十四年法律第二十二号)第十九条の十三第一項に規定する都市再生安全確保計画とみなして、同法第十九条の十五から第十九条の十八までの規定を適用する。この場合において、同法第十九条の十五第一項中「協議会は、都市再生安全確保計画に第十九条の十三第二項第二号又は第四号」とあるのは「首都直下地震対策特別措置法(平成二十五年法律第八十八号)第八条第一項に規定する関係地方公共団体(以下「関係地方公共団体」という。)は、同項に規定する基盤整備等計画(以下「基盤整備等計画」という。)に同条第二項第二号ロ又はニ」と、同条第三項中「協議会は、都市再生安全確保計画に第十九条の十三第二項第二号又は第四号」とあるのは「関係地方公共団体は、基盤整備等計画に首都直下地震対策特別措置法第八条第二項第二号ロ又はニ」と、同条第四項中「都市再生安全確保計画が第十九条の十三第五項の規定により公表されたときは、当該公表の日」とあるのは「基盤整備等計画につき首都直下地震対策特別措置法第八条第十二項の規定による公示があったときは、当該公示の日」と、同法第十九条の十六第一項中「協議会は、都市再生安全確保計画に第十九条の十三第二項第二号又は第四号」とあるのは「関係地方公共団体は、基盤整備等計画に首都直下地震対策特別措置法第八条第二項第二号ロ又はニ」と、同条第三項中「都市再生安全確保計画が第十九条の十三第五項の規定により公表されたときは、当該公表の日」とあるのは「基盤整備等計画につき首都直下地震対策特別措置法第八条第十二項の規定による公示があったときは、当該公示の日」と、同法第十九条の十七第一項中「都市再生安全確保計画に記載された第十九条の十三第二項第二号又は第四号」とあるのは「基盤整備等計画に記載された首都直下地震対策特別措置法第八条第二項第二号ロ又はニ」と、「都市再生安全確保施設」とあるのは「首都直下地震対策特別措置法第七条第一項に規定する安全確保施設(以下「安全確保施設」という。)」と、同条第二項中「協議会は、都市再生安全確保計画に第十九条の十三第二項第二号又は第四号」とあるのは「関係地方公共団体は、基盤整備等計画に首都直下地震対策特別措置法第八条第二項第二号ロ又はニ」と、「都市再生安全確保施設」とあるのは「安全確保施設」と、同条第三項中「都市再生安全確保計画が第十九条の十三第五項の規定により公表されたときは、当該公表の日」とあるのは「基盤整備等計画につき首都直下地震対策特別措置法第八条第十二項の規定による公示があったときは、当該公示の日」と、同法第十九条の十八第一項中「協議会は、都市再生安全確保計画に第十九条の十三第二項第二号」とあるのは「関係地方公共団体は、基盤整備等計画に首都直下地震対策特別措置法第八条第二項第二号ロ」と、「都市再生安全確保施設」とあるのは「安全確保施設」と、同条第二項中「都市再生安全確保計画が第十九条の十三第五項の規定により公表された日」とあるのは「基盤整備等計画の認定につき首都直下地震対策特別措置法第八条第十二項の規定による公示があった日」と、「当該都市再生安全確保計画」とあるのは「当該認定を受けた基盤整備等計画」とする。
第二十一条
第三条第一項の規定による緊急対策区域の指定があったときは、その全部又は一部の区域が緊急対策区域である都県(以下「関係都県」という。)の知事(以下「関係都県知事」という。)は、緊急対策推進基本計画を基本として、当該緊急対策区域において実施すべき緊急対策に関する計画(以下「地方緊急対策実施計画」という。)を作成することができる。
3
地方緊急対策実施計画には、前項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項のうち必要なものを定めるものとする。
一
次に掲げる施設等の整備等であって、当該緊急対策区域において首都直下地震に係る地震防災上緊急に実施する必要があるものに関する事項
イ 高層建築物、地下街、駅その他不特定かつ多数の者が利用する施設又は当該施設内におけるエレベーター等の設備のうち、地震防災上その利用者の安全の確保を要するもの
ロ 工場、事業場等の施設が集積している地域における工場その他の施設又は石油コンビナート等災害防止法
(昭和五十年法律第八十四号)第二条第二号
に規定する石油コンビナート等特別防災区域における石油、高圧ガス等の貯蔵所、製造所その他の施設のうち、地震防災上改築又は補強を要するもの
ハ イ及びロに掲げるもののほか、首都直下地震に係る地震防災上緊急に整備すべき施設等
二
首都直下地震に係る被害の発生を防止し、又は軽減するための住宅その他の建築物等に係る地震防災対策に関し次に掲げる事項
イ 住宅その他の建築物の耐震診断(地震に対する安全性を評価することをいう。)の促進その他建築物の耐震化(地震に対する安全性の向上を目的として、増築、改築、修繕、模様替若しくは一部の除却又は敷地の整備をすることをいう。)に関する事項
ロ 住宅その他の建築物の不燃化、延焼の防止その他の火災の発生の防止及び火災による被害の軽減に関する事項
ハ 延焼の防止、避難路の確保等のための街区の整備に関する事項
ニ 住居内における安全の確保に関する事項
ホ 土砂災害及び地盤の液状化の防止に関する事項
三
次に掲げる事項のうち、当該緊急対策区域において首都直下地震に係る災害応急対策及び災害復旧の円滑かつ的確な実施に必要なもの
イ 被災者の救難及び救助の実施に関する事項
ロ 地震災害が発生した時(以下「地震災害時」という。)における医療の提供に関する事項
ハ 地震災害時における滞在者等に対する支援に関する事項
ニ 地震災害時における電気、ガス、水道等の供給体制の確保に関する事項
ホ 災害応急対策及び災害復旧に必要な物資の流通に関する事項
ヘ 地震災害時における通信手段の確保に関する事項
ト ボランティアによる防災活動の環境の整備に関する事項
チ 海外からの防災に関する支援の円滑な受入れに関する事項
リ 応急仮設住宅の建設に係る用地の確保に関する事項
ヌ 災害廃棄物の一時的な保管場所の確保に関する事項
四
住民等の協働による防災対策の推進に関する事項
五
首都直下地震に係る防災訓練に関する事項
六
地震防災に関する技術の研究開発に関する事項
七
前各号に掲げる事項に係る事業又は事務(以下「事業等」という。)と一体となってその効果を増大させるために必要な事業等その他の首都直下地震に係る地震防災対策の推進のため前各号に掲げる事項に係る事業等に関連して地域の特性に即して自主的かつ主体的に実施する事業等に関する事項
八
前各号に掲げるもののほか、緊急対策の推進に関し必要な事項で内閣府令で定めるもの
4
前項各号に掲げる事項には、関係都県が実施する事業等に係るものを記載するほか、必要に応じ、当該関係都県以外の者が実施する事業等に係るものを記載することができる。
5
関係都県知事は、地方緊急対策実施計画に当該関係都県以外の者が実施する事業等に係る事項を記載しようとするときは、当該事項について、あらかじめ、その者の同意を得なければならない。
6
関係都県知事は、地方緊急対策実施計画を作成しようとするときは、あらかじめ、その全部又は一部の区域が当該地方緊急対策実施計画に係る緊急対策区域である市町村の長の意見を聴かなければならない。
7
関係都県知事は、地方緊急対策実施計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
8
前三項の規定は、地方緊急対策実施計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。
第二十三条
関係都県知事は、その区域内における住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織のうち、緊急対策区域内において首都直下地震による被害の軽減を図る上で効果的な活動を行うと認められるものを、住民防災組織として認定することができる。
2
国及び特定地方公共団体(関係都県又はその全部若しくは一部の区域が緊急対策区域である市町村(特別区を含む。以下「関係市町村」という。)をいう。以下同じ。)は、前項の認定を受けた住民防災組織に対し、緊急対策区域内における首都直下地震による被害の軽減を図るための活動に関し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うものとする。
第二十四条
特定地方公共団体は、単独で又は共同して、当該特定地方公共団体に係る緊急対策区域内の区域について、内閣府令で定めるところにより、特定緊急対策事業(次節の規定による特別の措置の適用を受ける事業をいう。以下同じ。)の実施又はその実施の促進による首都直下地震に係る地震防災対策の円滑かつ迅速な推進を図るための計画(以下「特定緊急対策事業推進計画」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。
2
特定緊急対策事業推進計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
特定緊急対策事業推進計画の区域
二
特定緊急対策事業推進計画の目標
三
前号の目標を達成するために推進しようとする取組の内容
四
第二号の目標を達成するために実施し又はその実施を促進しようとする特定緊急対策事業の内容及び実施主体に関する事項
五
前号に規定する特定緊急対策事業ごとの次節の規定による特別の措置の内容
六
前各号に掲げるもののほか、第四号に規定する特定緊急対策事業に関する事項その他特定緊急対策事業の実施等による地震防災対策の円滑かつ迅速な推進に関し必要な事項
3
特定地方公共団体は、特定緊急対策事業推進計画を作成しようとするときは、関係地方公共団体及び前項第四号に規定する実施主体(以下この章において単に「実施主体」という。)の意見を聴かなければならない。
4
次に掲げる者は、特定地方公共団体に対して、第一項の規定による申請(以下この節において単に「申請」という。)をすることについての提案をすることができる。
一
当該提案に係る区域において特定緊急対策事業を実施しようとする者
二
前号に掲げる者のほか、当該提案に係る区域における特定緊急対策事業の実施に関し密接な関係を有する者
5
前項の提案を受けた特定地方公共団体は、当該提案に基づき申請をするか否かについて、遅滞なく、当該提案をした者に通知しなければならない。この場合において、申請をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
6
特定地方公共団体は、特定緊急対策事業推進計画を作成しようとする場合において、第三十一条第一項の地震防災対策推進協議会が組織されているときは、当該特定緊急対策事業推進計画に定める事項について当該地震防災対策推進協議会における協議をしなければならない。
7
申請には、次に掲げる事項を記載した書面を添付しなければならない。
一
第三項の規定により聴いた関係地方公共団体及び実施主体の意見の概要
二
第四項の提案を踏まえた申請をする場合にあっては、当該提案の概要
三
前項の規定による協議をした場合にあっては、当該協議の概要
8
内閣総理大臣は、申請があった特定緊急対策事業推進計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
一
緊急対策推進基本計画に適合するものであること。
二
当該特定緊急対策事業推進計画の実施が当該特定緊急対策事業推進計画の区域における首都直下地震に係る地震防災対策の円滑かつ迅速な推進に寄与するものであると認められること。
三
円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
9
内閣総理大臣は、前項の認定(以下この条、次条及び第二十六条第一項において単に「認定」という。)をしようとするときは、特定緊急対策事業推進計画に定められた特定緊急対策事業に関する事項について、当該特定緊急対策事業に係る関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関)(以下この章において単に「関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。
10
内閣総理大臣は、認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。
2
関係行政機関の長は、内閣総理大臣が前項の処理期間中に認定に関する処分を行うことができるよう、速やかに、前条第九項の同意について同意又は不同意の旨を通知しなければならない。
第二十六条
認定を受けた特定地方公共団体は、認定を受けた特定緊急対策事業推進計画(以下「認定推進計画」という。)の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2
第二十四条第三項から第十項まで及び前条の規定は、前項の認定推進計画の変更について準用する。
第二十七条
内閣総理大臣は、第二十四条第八項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。以下この章において単に「認定」という。)を受けた特定地方公共団体(以下「認定地方公共団体」という。)に対し、認定推進計画(認定推進計画の変更があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)の実施の状況について報告を求めることができる。
2
関係行政機関の長は、認定地方公共団体に対し、認定推進計画に定められた特定緊急対策事業の実施の状況について報告を求めることができる。
2
関係行政機関の長は、認定推進計画に定められた特定緊急対策事業の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定地方公共団体に対し、当該特定緊急対策事業の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
第二十九条
内閣総理大臣は、認定推進計画が第二十四条第八項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。この場合において、内閣総理大臣は、あらかじめ関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。
2
関係行政機関の長は、内閣総理大臣に対し、前項の規定による認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出ることができる。
3
第二十四条第十項の規定は、第一項の規定による認定推進計画の認定の取消しについて準用する。
2
関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長その他の執行機関は、認定推進計画に係る特定緊急対策事業の実施に関し、法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該特定緊急対策事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。
3
前二項に定めるもののほか、内閣総理大臣、関係行政機関の長、認定地方公共団体、関係地方公共団体及び実施主体は、認定推進計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。
第三十一条
特定地方公共団体は、第二十四条第一項の規定により作成しようとする特定緊急対策事業推進計画並びに認定推進計画及びその実施に関し必要な事項について協議するため、地震防災対策推進協議会(以下この条において「地域協議会」という。)を組織することができる。
3
第一項の規定により地域協議会を組織する特定地方公共団体は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる者のほか、地域協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一
当該特定地方公共団体が作成しようとする特定緊急対策事業推進計画又は認定推進計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
二
前号に掲げる者のほか、当該特定地方公共団体が必要と認める者
4
特定地方公共団体は、前項の規定により地域協議会の構成員を加えるに当たっては、地域協議会の構成員の構成が、当該特定地方公共団体が作成しようとする特定緊急対策事業推進計画又は認定推進計画及びその実施に関する多様な意見が適切に反映されるものとなるよう配慮しなければならない。
5
次に掲げる者は、地域協議会が組織されていない場合にあっては、特定地方公共団体に対して、地域協議会を組織するよう要請することができる。
一
特定緊急対策事業を実施し、又は実施しようとする者
二
前号に掲げる者のほか、当該特定地方公共団体が作成しようとする特定緊急対策事業推進計画又は認定推進計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
6
前項の規定による要請を受けた特定地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該要請に応じなければならない。
7
特定地方公共団体は、第一項の規定により地域協議会を組織したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
8
第五項各号に掲げる者であって地域協議会の構成員でないものは、第一項の規定により地域協議会を組織する特定地方公共団体に対して、自己を地域協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。
9
前項の規定による申出を受けた特定地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該申出に応じなければならない。
10
第一項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、地域協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
11
前各項に定めるもののほか、地域協議会の運営に関し必要な事項は、地域協議会が定める。
第三十二条
特定地方公共団体が、第二十四条第二項第四号に規定する特定緊急対策事業として、緊急防災建築物整備事業(特定緊急対策事業推進計画の区域内において避難施設その他の地震防災対策の円滑かつ迅速な推進のために必要な建築物の整備を促進する事業をいう。次項において同じ。)を定めた特定緊急対策事業推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該特定緊急対策事業推進計画に定められた建築物に対する建築基準法
(昭和二十五年法律第二百一号)第四十八条第一項
から第十二項
まで(これらの規定を同法第八十七条第二項
又は第三項
において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第四十八条第一項
ただし書中「特定行政庁が」とあるのは「特定行政庁が、首都直下地震対策特別措置法(平成二十五年法律第八十八号)第三十二条第一項の認定を受けた同項に規定する特定緊急対策事業推進計画に定められた同条第二項に規定する基本方針(以下この条において「認定計画基本方針」という。)に適合すると認めて許可した場合その他」と、同項から同条第十項まで及び同条第十二項の規定のただし書の規定中「認め、」とあるのは「認めて許可した場合、」と、同条第二項から第十二項までの規定のただし書の規定中「特定行政庁が」とあるのは「特定行政庁が、認定計画基本方針に適合すると認めて許可した場合その他」とする。
2
前項の特定緊急対策事業推進計画には、第二十四条第二項第六号に掲げる事項として、当該特定緊急対策事業推進計画において定められた緊急防災建築物整備事業に係る建築物の整備に関する基本方針を定めるものとする。この場合において、当該基本方針は、当該特定緊急対策事業推進計画の区域内の用途地域(建築基準法第四十八条第十三項
に規定する用途地域をいう。)の指定の目的に反することのないよう定めなければならない。
第三十三条
特定地方公共団体が、第二十四条第二項第四号に規定する特定緊急対策事業として、特別用途地区緊急防災建築物整備事業(建築基準法第四十九条第二項
の規定に基づく条例で同法第四十八条第一項
から第十二項
までの規定による制限を緩和することにより、特定緊急対策事業推進計画の区域内の特別用途地区(都市計画法第八条第一項第二号
に掲げる特別用途地区をいう。次項において同じ。)内において、避難施設その他の地震防災対策の円滑かつ迅速な推進のために必要な建築物の整備を促進する事業をいう。次項において同じ。)を定めた特定緊急対策事業推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた特定地方公共団体については、当該認定を建築基準法第四十九条第二項
の承認とみなして、同項
の規定を適用する。
2
前項の特定緊急対策事業推進計画には、第二十四条第二項第六号に掲げる事項として、当該特別用途地区緊急防災建築物整備事業に係る特別用途地区について建築基準法第四十九条第二項
の規定に基づく条例で定めようとする同法第四十八条第一項
から第十二項
までの規定による制限の緩和の内容を定めるものとする。
第三十四条
特定地方公共団体が、第二十四条第二項第四号に規定する特定緊急対策事業として、首都直下地震に係る地震防災対策の円滑かつ迅速な推進に資する事業の活動の基盤を充実するため、補助金等交付財産(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律
(昭和三十年法律第百七十九号)第二十二条
に規定する財産をいう。)を当該補助金等交付財産に充てられた補助金等(同法第二条第一項
に規定する補助金等をいう。)の交付の目的以外の目的に使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供することにより行う事業を定めた特定緊急対策事業推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定を受けたことをもって、同法第二十二条
に規定する各省各庁の長の承認を受けたものとみなす。
第三十六条
第十四条第一項、第二十二条及び第三十条第一項に定めるもののほか、国は、関係都県及び関係市町村に対し、首都直下地震に係る地震防災対策の実施に関し、当該地域の実情に応じ、情報の提供、技術的な助言その他必要な援助を行うよう努めなければならない。
第三十七条
緊急対策区域に係る災害対策基本法第二条第三号
に規定する指定行政機関の長(当該指定行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該指定行政機関)及び関係都県知事は、必要に応じ、当該区域に係る関係市町村の長その他の者と連携して、首都直下地震に係る総合的な防災訓練を行わなければならない。
第三十八条
国及び地方公共団体は、首都直下地震が発生した場合において、災害応急対策、災害復旧、災害廃棄物の処理その他の関係都県及び関係市町村の業務が円滑かつ適切に実施されるよう、関係都県及び関係市町村と関係都県及び関係市町村以外の地方公共団体その他の関係機関との広域的な連携協力体制の構築に努めなければならない。
2
国は、前項の広域的な連携協力体制の構築が推進されるよう、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
第四十二条
この法律の規定に基づき命令又は条例を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ命令又は条例で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第五条の規定は、公布の日から施行する。
(検討)
第二条
政府は、この法律の施行状況、最新の科学的知見等を勘案し、首都直下地震に係る地震防災対策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
(政令への委任)
第五条
この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。