花きの振興に関する法律¶
花きの振興に関する法律(平成二十六年六月二十七日法律第百二号)
第一条
この法律は、花き産業が、農地や農業の担い手の確保を図る上で重要な地位を占めているとともに、その国際競争力の強化が緊要な課題となっていること及び花きに関する伝統と文化が国民の生活に深く浸透し、国民の心豊かな生活の実現に重要な役割を担っていることに鑑み、花き産業及び花きの文化の振興を図るため、農林水産大臣による基本方針の策定について定めるとともに、花きの生産者の経営の安定、花きの加工及び流通の高度化、花きの輸出の促進、公共施設及びまちづくりにおける花きの活用等の措置を講じ、もって花き産業の健全な発展及び心豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とする。
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この法律において「花き産業」とは、花きの生産、流通、販売又は新品種の育成の事業をいう。
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基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一
花き産業及び花きの文化の振興の意義及び基本的な方向に関する事項
二
花きの需要の長期見通しに即した生産量その他の花き産業の振興の目標に関する事項
三
花き産業の振興のための施策に関する事項
四
花きの文化の振興のための施策に関する事項
五
花きの需要の増進のための施策に関する事項
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農林水産大臣は、基本方針を定めるに当たって花きの需給事情を把握するため必要があると認めるときは、都道府県知事、花き産業を行う者が組織する団体(以下「花き団体」という。)その他の関係者に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
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農林水産大臣は、花きの需給事情、農業事情その他の事情の変動により必要があるときは、基本方針を変更するものとする。
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農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議しなければならない。
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農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
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都道府県は、振興計画を定めるに当たって花きの需給事情を把握するため必要があると認めるときは、花き団体その他の関係者に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。
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都道府県は、振興計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第五条
国は、国、地方公共団体、事業者、大学等の研究機関等が相互に連携を図りながら協力することにより、花き産業及び花きの文化の振興の効果的な推進が図られることに鑑み、これらの者の間の連携の強化に必要な施策を講ずるものとする。
第六条
国及び地方公共団体は、花きの生産者の経営の安定を図るため、エネルギーの使用の合理化その他の花きの生産基盤の整備、知的財産の適切な保護及び活用、災害による損失、使用するエネルギーの価格の急激な高騰等が発生した場合における合理的な補てんその他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
第七条
国及び地方公共団体は、花きの栽培の生産性及び花きの品質の向上(以下「生産性及び品質の向上」という。)を促進するため、花き産業を行う者による生産性及び品質の向上のための取組への支援その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
第十一条
研究開発事業(花きの新品種の育成及び増殖技術の高度化に関する研究開発を行う事業であって、我が国の花き産業の国際競争力の強化に特に資するものをいう。以下同じ。)を行おうとする者(研究開発事業を行う法人を設立しようとする者を含む。)は、研究開発事業に関する計画(以下「研究開発事業計画」という。)を作成し、農林水産省令で定めるところにより、これを農林水産大臣に提出して、その研究開発事業計画が適当である旨の認定を受けることができる。
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農林水産大臣は、第一項の認定の申請があった場合において、その研究開発事業計画が次の各号のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとする。
一
前項第一号及び第二号に掲げる事項が基本方針に照らし適切なものであること。
二
前項第二号及び第三号に掲げる事項が研究開発事業を確実に遂行するため適切なものであること。
第十二条
前条第一項の認定を受けた者(その者の設立に係る同項の法人を含む。以下「認定研究開発事業者」という。)は、当該認定に係る研究開発事業計画を変更しようとするときは、農林水産省令で定めるところにより、農林水産大臣の認定を受けなければならない。
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農林水産大臣は、認定研究開発事業者が前条第一項の認定に係る研究開発事業計画(前項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定研究開発事業計画」という。)に従って研究開発事業を行っていないと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
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前条第三項の規定は、第一項の認定について準用する。
第十三条
農林水産大臣は、認定研究開発事業計画に従って行われる研究開発事業の成果に係る出願品種(種苗法
(平成十年法律第八十三号)第四条第一項
に規定する出願品種をいい、当該認定研究開発事業計画における研究開発事業の実施期間の終了日から起算して二年以内に品種登録出願されたものに限る。以下この項において同じ。)に関する品種登録出願について、その出願者が次に掲げる者であって当該研究開発事業を行う認定研究開発事業者であるときは、政令で定めるところにより、同法第六条第一項
の規定により納付すべき出願料を軽減し、又は免除することができる。
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農林水産大臣は、認定研究開発事業計画に従って行われる研究開発事業の成果に係る登録品種(種苗法第二十条第一項
に規定する登録品種をいい、当該認定研究開発事業計画における研究開発事業の実施期間の終了日から起算して二年以内に品種登録出願されたものに限る。以下この項において同じ。)について、同法第四十五条第一項
の規定による第一年から第六年までの各年分の登録料を納付すべき者が次に掲げる者であって当該研究開発事業を行う認定研究開発事業者であるときは、政令で定めるところにより、登録料を軽減し、又は免除することができる。
一
その登録品種の育成をした者
二
その登録品種が従業者等が育成した職務育成品種であって、契約、勤務規則その他の定めによりあらかじめ使用者等が品種登録出願をすること又は従業者等がした品種登録出願の出願者の名義を使用者等に変更することが定められている場合において、その品種登録出願をした使用者等又はその従業者等がした品種登録出願の出願者の名義の変更を受けた使用者等
第十五条
国及び地方公共団体は、花きの新品種の育成及び増殖技術の高度化に関する研究開発、生産性及び品質の向上に関する研究開発、花きの品質を保持しつつ流通させるために必要な資材の開発その他花き産業の振興のために必要な研究開発(以下この条において単に「研究開発」という。)の推進及びその成果の普及並びに研究開発を行う者への支援に努めるものとする。
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国及び地方公共団体は、児童、生徒等に対する花きを活用した教育及び地域における花きを活用した取組の推進を図るため必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
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前二項に定めるもののほか、国及び地方公共団体は、花きの文化の振興を図るため、日常生活における花きの活用の促進、花きに関する伝統の継承、花きの新たな文化の創出等に対する支援、花きに関する知識等の普及その他必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
第十七条
国及び地方公共団体は、花き産業及び花きの文化の振興を図るため、花きの博覧会、展覧会、展示会、品評会その他これらに類するものの開催若しくは開催への支援又はこれらへの参加への支援に努めるものとする。
第二十条
政府は、関係行政機関(文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省その他の関係行政機関をいう。)相互の調整を行うことにより、花きの活用の総合的、一体的かつ効果的な推進を図るため、花き活用推進会議を設けるものとする。
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
附 則
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。