裁判所法
裁判所法
(昭和二十二年四月十六日法律第五十九号)最終改正:平成二五年六月一九日法律第四八号
第一編 総則
第二編 最高裁判所
第三編 下級裁判所
第一章 高等裁判所
第二章 地方裁判所
第三章 家庭裁判所
第四章 簡易裁判所
第四編 裁判所の職員及び司法修習生
第一章 裁判官
第二章 裁判官以外の裁判所の職員
第三章 司法修習生
第五編 裁判事務の取扱
第一章 法廷
第二章 裁判所の用語
第三章 裁判の評議
第四章 裁判所の共助
第六編 司法行政
第七編 裁判所の経費
第一編 総則
第一条
(この法律の趣旨)
日本国憲法
に定める最高裁判所及び下級裁判所については、この法律の定めるところによる。
第二条
(下級裁判所)
下級裁判所は、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所とする。
○2
下級裁判所の設立、廃止及び管轄区域は、別に法律でこれを定める。
第三条
(裁判所の権限)
裁判所は、
日本国憲法
に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。
○2
前項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げない。
○3
この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。
第四条
(上級審の裁判の拘束力)
上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。
第五条
(裁判官)
最高裁判所の裁判官は、その長たる裁判官を最高裁判所長官とし、その他の裁判官を最高裁判所判事とする。
○2
下級裁判所の裁判官は、高等裁判所の長たる裁判官を高等裁判所長官とし、その他の裁判官を判事、判事補及び簡易裁判所判事とする。
○3
最高裁判所判事の員数は、十四人とし、下級裁判所の裁判官の員数は、別に法律でこれを定める。
第二編 最高裁判所
第六条
(所在地)
最高裁判所は、これを東京都に置く。
第七条
(裁判権)
最高裁判所は、左の事項について裁判権を有する。
第八条
(その他の権限)
最高裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
第九条
(大法廷・小法廷)
最高裁判所は、大法廷又は小法廷で審理及び裁判をする。
○2
大法廷は、全員の裁判官の、小法廷は、最高裁判所の定める員数の裁判官の合議体とする。但し、小法廷の裁判官の員数は、三人以上でなければならない。
○4
各合議体では、最高裁判所の定める員数の裁判官が出席すれば、審理及び裁判をすることができる。
第十条
(大法廷及び小法廷の審判)
事件を大法廷又は小法廷のいずれで取り扱うかについては、最高裁判所の定めるところによる。但し、左の場合においては、小法廷では裁判をすることができない。
一
当事者の主張に基いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを判断するとき。(意見が前に大法廷でした、その法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するとの裁判と同じであるときを除く。)
二
前号の場合を除いて、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合しないと認めるとき。
三
憲法その他の法令の解釈適用について、意見が前に最高裁判所のした裁判に反するとき。
第十一条
(裁判官の意見の表示)
裁判書には、各裁判官の意見を表示しなければならない。
第十二条
(司法行政事務)
最高裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、最高裁判所長官が、これを総括する。
○2
裁判官会議は、全員の裁判官でこれを組織し、最高裁判所長官が、その議長となる。
第十三条
(事務総局)
最高裁判所の庶務を掌らせるため、最高裁判所に事務総局を置く。
第十四条
(司法研修所)
裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習に関する事務を取り扱わせるため、最高裁判所に司法研修所を置く。
第十四条の二
(裁判所職員総合研修所)
裁判所書記官、家庭裁判所調査官その他の裁判官以外の裁判所の職員の研究及び修養に関する事務を取り扱わせるため、最高裁判所に裁判所職員総合研修所を置く。
第十四条の三
(最高裁判所図書館)
最高裁判所に国立国会図書館の支部図書館として、最高裁判所図書館を置く。
第三編 下級裁判所
第一章 高等裁判所
第十五条
(構成)
各高等裁判所は、高等裁判所長官及び相応な員数の判事でこれを構成する。
第十六条
(裁判権)
高等裁判所は、左の事項について裁判権を有する。
一
地方裁判所の第一審判決、家庭裁判所の判決及び簡易裁判所の刑事に関する判決に対する控訴
二
第七条第二号の抗告を除いて、地方裁判所及び家庭裁判所の決定及び命令並びに簡易裁判所の刑事に関する決定及び命令に対する抗告
三
刑事に関するものを除いて、地方裁判所の第二審判決及び簡易裁判所の判決に対する上告
第十七条
(その他の権限)
高等裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
第十八条
(合議制)
高等裁判所は、裁判官の合議体でその事件を取り扱う。但し、法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定があるときは、その定に従う。
○2
前項の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。但し、第十六条第四号の訴訟については、裁判官の員数は、五人とする。
第十九条
(裁判官の職務の代行)
高等裁判所は、裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その管轄区域内の地方裁判所又は家庭裁判所の判事にその高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
○2
前項の規定により当該高等裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、他の高等裁判所又はその管轄区域内の地方裁判所若しくは家庭裁判所の判事に当該高等裁判所の判事の職務を行わせることができる。
第二十条
(司法行政事務)
各高等裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、各高等裁判所長官が、これを総括する。
○2
各高等裁判所の裁判官会議は、その全員の裁判官でこれを組織し、各高等裁判所長官が、その議長となる。
第二十一条
(事務局)
各高等裁判所の庶務を掌らせるため、各高等裁判所に事務局を置く。
第二十二条
(支部)
最高裁判所は、高等裁判所の事務の一部を取り扱わせるため、その高等裁判所の管轄区域内に、高等裁判所の支部を設けることができる。
○2
最高裁判所は、高等裁判所の支部に勤務する裁判官を定める。
第二章 地方裁判所
第二十三条
(構成)
各地方裁判所は、相応な員数の判事及び判事補でこれを構成する。
第二十四条
(裁判権)
地方裁判所は、次の事項について裁判権を有する。
一
第三十三条第一項第一号の請求以外の請求に係る訴訟(第三十一条の三第一項第二号の人事訴訟を除く。)及び第三十三条第一項第一号の請求に係る訴訟のうち不動産に関する訴訟の第一審
二
第十六条第四号の罪及び罰金以下の刑に当たる罪以外の罪に係る訴訟の第一審
三
第十六条第一号の控訴を除いて、簡易裁判所の判決に対する控訴
四
第七条第二号及び第十六条第二号の抗告を除いて、簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告
第二十五条
(その他の権限)
地方裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限及び他の法律において裁判所の権限に属するものと定められた事項の中で地方裁判所以外の裁判所の権限に属させていない事項についての権限を有する。
第二十六条
(一人制・合議制)
地方裁判所は、第二項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
○2
左の事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。但し、法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定があるときは、その定に従う。
一
合議体で審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件
二
死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪(
刑法第二百三十六条
、第二百三十八条又は第二百三十九条の罪及びその未遂罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第一項若しくは第二項又は第一条ノ三の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第二条又は第三条の罪を除く。)に係る事件
三
簡易裁判所の判決に対する控訴事件並びに簡易裁判所の決定及び命令に対する抗告事件
四
その他他の法律において合議体で審理及び裁判をすべきものと定められた事件
○3
前項の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。
第二十七条
(判事補の職権の制限)
判事補は、他の法律に特別の定のある場合を除いて、一人で裁判をすることができない。
○2
判事補は、同時に二人以上合議体に加わり、又は裁判長となることができない。
第二十八条
(裁判官の職務の代行)
地方裁判所において裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その所在地を管轄する高等裁判所は、その管轄区域内の他の地方裁判所、家庭裁判所又はその高等裁判所の裁判官に当該地方裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
○2
前項の規定により当該地方裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、最高裁判所は、その地方裁判所の所在地を管轄する高等裁判所以外の高等裁判所の管轄区域内の地方裁判所、家庭裁判所又はその高等裁判所の裁判官に当該地方裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
第二十九条
(司法行政事務)
最高裁判所は、各地方裁判所の判事のうち一人に各地方裁判所長を命ずる。
○2
各地方裁判所が司法行政事務を行うのは、裁判官会議の議によるものとし、各地方裁判所長が、これを総括する。
○3
各地方裁判所の裁判官会議は、その全員の判事でこれを組織し、各地方裁判所長が、その議長となる。
第三十条
(事務局)
各地方裁判所の庶務を掌らせるため、各地方裁判所に事務局を置く。
第三十一条
(支部・出張所)
最高裁判所は、地方裁判所の事務の一部を取り扱わせるため、その地方裁判所の管轄区域内に、地方裁判所の支部又は出張所を設けることができる。
○2
最高裁判所は、地方裁判所の支部に勤務する裁判官を定める。
第三章 家庭裁判所
第三十一条の二
(構成)
各家庭裁判所は、相応な員数の判事及び判事補でこれを構成する。
第三十一条の三
(裁判権その他の権限)
家庭裁判所は、次の権限を有する。
一
家事事件手続法
(平成二十三年法律第五十二号)で定める家庭に関する事件の審判及び調停
二
人事訴訟法
(平成十五年法律第百九号)で定める人事訴訟の第一審の裁判
三
少年法
(昭和二十三年法律第百六十八号)で定める少年の保護事件の審判
○2
家庭裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
第三十一条の四
(一人制・合議制)
家庭裁判所は、審判又は裁判を行うときは、次項に規定する場合を除いて、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
○2
次に掲げる事件は、裁判官の合議体でこれを取り扱う。ただし、審判を終局させる決定並びに法廷ですべき審理及び裁判を除いて、その他の事項につき他の法律に特別の定めがあるときは、その定めに従う。
一
合議体で審判又は審理及び裁判をする旨の決定を合議体でした事件
二
他の法律において合議体で審判又は審理及び裁判をすべきものと定められた事件
○3
前項の合議体の裁判官の員数は、三人とし、そのうち一人を裁判長とする。
第三十一条の五
(地方裁判所の規定の準用)
第二十七条乃至第三十一条の規定は、家庭裁判所にこれを準用する。
第四章 簡易裁判所
第三十二条
(裁判官)
各簡易裁判所に相応な員数の簡易裁判所判事を置く。
第三十三条
(裁判権)
簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一
訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
二
罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は
刑法第百八十六条
、第二百五十二条若しくは第二百五十六条の罪に係る訴訟
○3
簡易裁判所は、前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない。
第三十四条
(その他の権限)
簡易裁判所は、この法律に定めるものの外、他の法律において特に定める権限を有する。
第三十五条
(一人制)
簡易裁判所は、一人の裁判官でその事件を取り扱う。
第三十六条
(裁判官の職務の代行)
簡易裁判所において裁判事務の取扱上さし迫つた必要があるときは、その所在地を管轄する地方裁判所は、その管轄区域内の他の簡易裁判所の裁判官又はその地方裁判所の判事に当該簡易裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
○2
前項の規定により当該簡易裁判所のさし迫つた必要をみたすことができない特別の事情があるときは、その簡易裁判所の所在地を管轄する高等裁判所は、同項に定める裁判官以外のその管轄区域内の簡易裁判所の裁判官又は地方裁判所の判事に当該簡易裁判所の裁判官の職務を行わせることができる。
第三十七条
(司法行政事務)
各簡易裁判所の司法行政事務は、簡易裁判所の裁判官が、一人のときは、その裁判官が、二人以上のときは、最高裁判所の指名する一人の裁判官がこれを掌理する。
第三十八条
(事務の移転)
簡易裁判所において特別の事情によりその事務を取り扱うことができないときは、その所在地を管轄する地方裁判所は、その管轄区域内の他の簡易裁判所に当該簡易裁判所の事務の全部又は一部を取り扱わせることができる。
第四編 裁判所の職員及び司法修習生
第一章 裁判官
第三十九条
(最高裁判所の裁判官の任免)
最高裁判所長官は、内閣の指名に基いて、天皇がこれを任命する。
○3
最高裁判所判事の任免は、天皇がこれを認証する。
○4
最高裁判所長官及び最高裁判所判事の任命は、国民の審査に関する法律の定めるところにより国民の審査に付される。
第四十条
(下級裁判所の裁判官の任免)
高等裁判所長官、判事、判事補及び簡易裁判所判事は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。
○2
高等裁判所長官の任免は、天皇がこれを認証する。
○3
第一項の裁判官は、その官に任命された日から十年を経過したときは、その任期を終えるものとし、再任されることができる。
第四十一条
(最高裁判所の裁判官の任命資格)
最高裁判所の裁判官は、識見の高い、法律の素養のある年齢四十年以上の者の中からこれを任命し、そのうち少くとも十人は、十年以上第一号及び第二号に掲げる職の一若しくは二に在つた者又は左の各号に掲げる職の一若しくは二以上に在つてその年数を通算して二十年以上になる者でなければならない。
○2
五年以上前項第一号及び第二号に掲げる職の一若しくは二に在つた者又は十年以上同項第一号から第六号までに掲げる職の一若しくは二以上に在つた者が判事補、裁判所調査官、最高裁判所事務総長、裁判所事務官、司法研修所教官、裁判所職員総合研修所教官、法務省の事務次官、法務事務官又は法務教官の職に在つたときは、その在職は、同項の規定の適用については、これを同項第三号から第六号までに掲げる職の在職とみなす。
○3
前二項の規定の適用については、第一項第三号乃至第五号及び前項に掲げる職に在つた年数は、司法修習生の修習を終えた後の年数に限り、これを当該職に在つた年数とする。
○4
三年以上第一項第六号の大学の法律学の教授又は准教授の職に在つた者が簡易裁判所判事、検察官又は弁護士の職に就いた場合においては、その簡易裁判所判事、検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数については、前項の規定は、これを適用しない。
第四十二条
(高等裁判所長官及び判事の任命資格)
高等裁判所長官及び判事は、次の各号に掲げる職の一又は二以上に在つてその年数を通算して十年以上になる者の中からこれを任命する。
五
裁判所調査官、司法研修所教官又は裁判所職員総合研修所教官
六
前条第一項第六号の大学の法律学の教授又は准教授
○2
前項の規定の適用については、三年以上同項各号に掲げる職の一又は二以上に在つた者が裁判所事務官、法務事務官又は法務教官の職に在つたときは、その在職は、これを同項各号に掲げる職の在職とみなす。
○3
前二項の規定の適用については、第一項第二号乃至第五号及び前項に掲げる職に在つた年数は、司法修習生の修習を終えた後の年数に限り、これを当該職に在つた年数とする。
○4
三年以上前条第一項第六号の大学の法律学の教授又は准教授の職に在つた者が簡易裁判所判事、検察官又は弁護士の職に就いた場合においては、その簡易裁判所判事、検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数については、前項の規定は、これを適用しない。司法修習生の修習を終えないで簡易裁判所判事又は検察官に任命された者の第六十六条の試験に合格した後の簡易裁判所判事、検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数についても、同様とする。
第四十三条
(判事補の任命資格)
判事補は、司法修習生の修習を終えた者の中からこれを任命する。
第四十四条
(簡易裁判所判事の任命資格)
簡易裁判所判事は、高等裁判所長官若しくは判事の職に在つた者又は次の各号に掲げる職の一若しくは二以上に在つてその年数を通算して三年以上になる者の中からこれを任命する。
四
裁判所調査官、裁判所事務官、司法研修所教官、裁判所職員総合研修所教官、法務事務官又は法務教官
五
第四十一条第一項第六号の大学の法律学の教授又は准教授
○2
前項の規定の適用については、同項第二号乃至第四号に掲げる職に在つた年数は、司法修習生の修習を終えた後の年数に限り、これを当該職に在つた年数とする。
○3
司法修習生の修習を終えないで検察官に任命された者の第六十六条の試験に合格した後の検察官(副検事を除く。)又は弁護士の職に在つた年数については、前項の規定は、これを適用しない。
第四十五条
(簡易裁判所判事の選考任命)
多年司法事務にたずさわり、その他簡易裁判所判事の職務に必要な学識経験のある者は、前条第一項に掲げる者に該当しないときでも、簡易裁判所判事選考委員会の選考を経て、簡易裁判所判事に任命されることができる。
○2
簡易裁判所判事選考委員会に関する規程は、最高裁判所がこれを定める。
第四十六条
(任命の欠格事由)
他の法律の定めるところにより一般の官吏に任命されることができない者の外、左の各号の一に該当する者は、これを裁判官に任命することができない。
第四十七条
(補職)
下級裁判所の裁判官の職は、最高裁判所がこれを補する。
第四十八条
(身分の保障)
裁判官は、公の弾劾又は国民の審査に関する法律による場合及び別に法律で定めるところにより心身の故障のために職務を執ることができないと裁判された場合を除いては、その意思に反して、免官、転官、転所、職務の停止又は報酬の減額をされることはない。
第四十九条
(懲戒)
裁判官は、職務上の義務に違反し、若しくは職務を怠り、又は品位を辱める行状があつたときは、別に法律で定めるところにより裁判によつて懲戒される。
第五十条
(定年)
最高裁判所の裁判官は、年齢七十年、高等裁判所、地方裁判所又は家庭裁判所の裁判官は、年齢六十五年、簡易裁判所の裁判官は、年齢七十年に達した時に退官する。
第五十一条
(報酬)
裁判官の受ける報酬については、別に法律でこれを定める。
第五十二条
(政治運動等の禁止)
裁判官は、在任中、左の行為をすることができない。
一
国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。
二
最高裁判所の許可のある場合を除いて、報酬のある他の職務に従事すること。
三
商業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
第二章 裁判官以外の裁判所の職員
第五十三条
(最高裁判所事務総長)
最高裁判所に最高裁判所事務総長一人を置く。
○2
最高裁判所事務総長は、最高裁判所長官の監督を受けて、最高裁判所の事務総局の事務を掌理し、事務総局の職員を指揮監督する。
第五十四条
(最高裁判所の裁判官の秘書官)
最高裁判所に最高裁判所長官秘書官一人及び最高裁判所判事秘書官十四人を置く。
○2
最高裁判所長官秘書官は、最高裁判所長官の、最高裁判所判事秘書官は、最高裁判所判事の命を受けて、機密に関する事務を掌る。
第五十五条
(司法研修所教官)
最高裁判所に司法研修所教官を置く。
○2
司法研修所教官は、上司の指揮を受けて、司法研修所における裁判官の研究及び修養並びに司法修習生の修習の指導をつかさどる。
第五十六条
(司法研修所長)
最高裁判所に司法研修所長を置き、司法研修所教官の中から、最高裁判所が、これを補する。
○2
司法研修所長は、最高裁判所長官の監督を受けて、司法研修所の事務を掌理し、司法研修所の職員を指揮監督する。
第五十六条の二
(裁判所職員総合研修所教官)
最高裁判所に裁判所職員総合研修所教官を置く。
○2
裁判所職員総合研修所教官は、上司の指揮を受けて、裁判所職員総合研修所における裁判所書記官、家庭裁判所調査官その他の裁判官以外の裁判所の職員の研究及び修養の指導をつかさどる。
第五十六条の三
(裁判所職員総合研修所長)
最高裁判所に裁判所職員総合研修所長を置き、裁判所職員総合研修所教官の中から、最高裁判所が、これを補する。
○2
裁判所職員総合研修所長は、最高裁判所長官の監督を受けて、裁判所職員総合研修所の事務を掌理し、裁判所職員総合研修所の職員を指揮監督する。
第五十六条の四
(最高裁判所図書館長)
最高裁判所に最高裁判所図書館長一人を置き、裁判所の職員の中からこれを命ずる。
○2
最高裁判所図書館長は、最高裁判所長官の監督を受けて最高裁判所図書館の事務を掌理し、最高裁判所図書館の職員を指揮監督する。
第五十六条の五
(高等裁判所長官秘書官)
各高等裁判所に高等裁判所長官秘書官各一人を置く。
○2
高等裁判所長官秘書官は、高等裁判所長官の命を受けて、機密に関する事務をつかさどる。
第五十七条
(裁判所調査官)
最高裁判所、各高等裁判所及び各地方裁判所に裁判所調査官を置く。
○2
裁判所調査官は、裁判官の命を受けて、事件(地方裁判所においては、知的財産又は租税に関する事件に限る。)の審理及び裁判に関して必要な調査その他他の法律において定める事務をつかさどる。
第五十八条
(裁判所事務官)
各裁判所に裁判所事務官を置く。
○2
裁判所事務官は、上司の命を受けて、裁判所の事務を掌る。
第五十九条
(事務局長)
各高等裁判所、各地方裁判所及び各家庭裁判所に事務局長を置き、裁判所事務官の中から、最高裁判所が、これを補する。
○2
各高等裁判所の事務局長は、各高等裁判所長官の、各地方裁判所の事務局長は、各地方裁判所長の、各家庭裁判所の事務局長は、各家庭裁判所長の監督を受けて、事務局の事務を掌理し、事務局の職員を指揮監督する。
第六十条
(裁判所書記官)
各裁判所に裁判所書記官を置く。
○2
裁判所書記官は、裁判所の事件に関する記録その他の書類の作成及び保管その他他の法律において定める事務を掌る。
○3
裁判所書記官は、前項の事務を掌る外、裁判所の事件に関し、裁判官の命を受けて、裁判官の行なう法令及び判例の調査その他必要な事項の調査を補助する。
○4
裁判所書記官は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。
○5
裁判所書記官は、口述の書取その他書類の作成又は変更に関して裁判官の命令を受けた場合において、その作成又は変更を正当でないと認めるときは、自己の意見を書き添えることができる。
第六十条の二
(裁判所速記官)
各裁判所に裁判所速記官を置く。
○2
裁判所速記官は、裁判所の事件に関する速記及びこれに関する事務を掌る。
○3
裁判所速記官は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。
第六十一条
(裁判所技官)
各裁判所に裁判所技官を置く。
○2
裁判所技官は、上司の命を受けて、技術を掌る。
第六十一条の二
(家庭裁判所調査官)
各家庭裁判所及び各高等裁判所に家庭裁判所調査官を置く。
○2
家庭裁判所調査官は、各家庭裁判所においては、第三十一条の三第一項第一号の審判及び調停、同項第二号の裁判(
人事訴訟法第三十二条第一項
の附帯処分についての裁判及び
同条第三項
の親権者の指定についての裁判(以下この項において「附帯処分等の裁判」という。)に限る。)並びに第三十一条の三第一項第三号の審判に必要な調査その他他の法律において定める事務を掌り、各高等裁判所においては、同項第一号の審判に係る抗告審の審理及び附帯処分等の裁判に係る控訴審の審理に必要な調査その他他の法律において定める事務を掌る。
○3
最高裁判所は、家庭裁判所調査官の中から、首席家庭裁判所調査官を命じ、調査事務の監督、関係行政機関その他の機関との連絡調整等の事務を掌らせることができる。
○4
家庭裁判所調査官は、その職務を行うについては、裁判官の命令に従う。
第六十一条の三
(家庭裁判所調査官補)
各家庭裁判所に家庭裁判所調査官補を置く。
○2
家庭裁判所調査官補は、上司の命を受けて、家庭裁判所調査官の事務を補助する。
第六十二条
(執行官)
各地方裁判所に執行官を置く。
○2
執行官に任命されるのに必要な資格に関する事項は、最高裁判所がこれを定める。
○3
執行官は、他の法律の定めるところにより裁判の執行、裁判所の発する文書の送達その他の事務を行う。
○4
執行官は、手数料を受けるものとし、その手数料が一定の額に達しないときは、国庫から補助金を受ける。
○2
廷吏は、法廷において裁判官の命ずる事務その他最高裁判所の定める事務を取り扱う。
○3
各裁判所は、執行官を用いることができないときは、その裁判所の所在地で書類を送達するために、廷吏を用いることができる。
第六十四条
(任免)
裁判官以外の裁判所の職員の任免は、最高裁判所の定めるところにより最高裁判所、各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所がこれを行う。
第六十五条
(勤務裁判所の指定)
裁判所調査官、裁判所事務官(事務局長たるものを除く。)、裁判所書記官、裁判所速記官、家庭裁判所調査官、家庭裁判所調査官補、執行官及び裁判所技官の勤務する裁判所は、最高裁判所の定めるところにより最高裁判所、各高等裁判所、各地方裁判所又は各家庭裁判所がこれを定める。
第六十五条の二
(裁判官以外の裁判所の職員に関する事項)
裁判官以外の裁判所の職員に関する事項については、この法律に定めるものの外、別に法律でこれを定める。
第三章 司法修習生
第六十六条
(採用)
司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所がこれを命ずる。
○2
前項の試験に関する事項は、別に法律でこれを定める。
第六十七条
(修習・試験)
司法修習生は、少なくとも一年間修習をした後試験に合格したときは、司法修習生の修習を終える。
○2
司法修習生は、その修習期間中、最高裁判所の定めるところにより、その修習に専念しなければならない。
○3
前項に定めるもののほか、第一項の修習及び試験に関する事項は、最高裁判所がこれを定める。
第六十七条の二
(修習資金の貸与等)
最高裁判所は、司法修習生の修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間、司法修習生に対し、その申請により、無利息で、修習資金(司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金をいう。以下この条において同じ。)を貸与するものとする。
○2
修習資金の額及び返還の期限は、最高裁判所の定めるところによる。
○3
最高裁判所は、修習資金の貸与を受けた者が災害、傷病その他やむを得ない理由により修習資金を返還することが困難となつたとき、又は修習資金の貸与を受けた者について修習資金を返還することが経済的に困難である事由として最高裁判所の定める事由があるときは、その返還の期限を猶予することができる。この場合においては、
国の債権の管理等に関する法律
(昭和三十一年法律第百十四号)
第二十六条
の規定は、適用しない。
○4
最高裁判所は、修習資金の貸与を受けた者が死亡又は精神若しくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなつたときは、その修習資金の全部又は一部の返還を免除することができる。
○5
前各項に定めるもののほか、修習資金の貸与及び返還に関し必要な事項は、最高裁判所がこれを定める。
第六十八条
(罷免)
最高裁判所は、司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは、その司法修習生を罷免することができる。
第五編 裁判事務の取扱
第一章 法廷
第六十九条
(開廷の場所)
法廷は、裁判所又は支部でこれを開く。
○2
最高裁判所は、必要と認めるときは、前項の規定にかかわらず、他の場所で法廷を開き、又はその指定する他の場所で下級裁判所に法廷を開かせることができる。
第七十条
(公開停止の手続)
裁判所は、
日本国憲法第八十二条第二項
の規定により対審を公開しないで行うには、公衆を退廷させる前に、その旨を理由とともに言い渡さなければならない。判決を言い渡すときは、再び公衆を入廷させなければならない。
第七十一条
(法廷の秩序維持)
法廷における秩序の維持は、裁判長又は開廷をした一人の裁判官がこれを行う。
○2
裁判長又は開廷をした一人の裁判官は、法廷における裁判所の職務の執行を妨げ、又は不当な行状をする者に対し、退廷を命じ、その他法廷における秩序を維持するのに必要な事項を命じ、又は処置を執ることができる。
第七十一条の二
(警察官の派出要求)
裁判長又は開廷をした一人の裁判官は、法廷における秩序を維持するため必要があると認めるときは、警視総監又は道府県警察本部長に警察官の派出を要求することができる。法廷における秩序を維持するため特に必要があると認めるときは、開廷前においてもその要求をすることができる。
○2
前項の要求により派出された警察官は、法廷における秩序の維持につき、裁判長又は一人の裁判官の指揮を受ける。
第七十二条
(法廷外における処分)
裁判所が他の法律の定めるところにより法廷外の場所で職務を行う場合において、裁判長又は一人の裁判官は、裁判所の職務の執行を妨げる者に対し、退去を命じ、その他必要な事項を命じ、又は処置を執ることができる。
○3
前二項に規定する裁判長の権限は、裁判官が他の法律の定めるところにより法廷外の場所で職務を行う場合において、その裁判官もこれを有する。
第七十三条
(審判妨害罪)
第七十一条又は前条の規定による命令に違反して裁判所又は裁判官の職務の執行を妨げた者は、これを一年以下の懲役若しくは禁錮又は千円以下の罰金に処する。
第二章 裁判所の用語
第七十四条
(裁判所の用語)
裁判所では、日本語を用いる。
第三章 裁判の評議
第七十五条
(評議の秘密)
合議体でする裁判の評議は、これを公行しない。但し、司法修習生の傍聴を許すことができる。
○2
評議は、裁判長が、これを開き、且つこれを整理する。その評議の経過並びに各裁判官の意見及びその多少の数については、この法律に特別の定がない限り、秘密を守らなければならない。
第七十六条
(意見を述べる義務)
裁判官は、評議において、その意見を述べなければならない。
第七十七条
(評決)
裁判は、最高裁判所の裁判について最高裁判所が特別の定をした場合を除いて、過半数の意見による。
○2
過半数の意見によつて裁判をする場合において、左の事項について意見が三説以上に分れ、その説が各々過半数にならないときは、裁判は、左の意見による。
一
数額については、過半数になるまで最も多額の意見の数を順次少額の意見の数に加え、その中で最も少額の意見
二
刑事については、過半数になるまで被告人に最も不利な意見の数を順次利益な意見の数に加え、その中で最も利益な意見
第七十八条
(補充裁判官)
合議体の審理が長時日にわたることの予見される場合においては、補充の裁判官が審理に立ち会い、その審理中に合議体の裁判官が審理に関与することができなくなつた場合において、あらかじめ定める順序に従い、これに代つて、その合議体に加わり審理及び裁判をすることができる。但し、補充の裁判官の員数は、合議体の裁判官の員数を越えることができない。
第四章 裁判所の共助
第七十九条
(裁判所の共助)
裁判所は、裁判事務について、互に必要な補助をする。
第六編 司法行政
第八十条
(司法行政の監督)
司法行政の監督権は、左の各号の定めるところによりこれを行う。
一
最高裁判所は、最高裁判所の職員並びに下級裁判所及びその職員を監督する。
二
各高等裁判所は、その高等裁判所の職員並びに管轄区域内の下級裁判所及びその職員を監督する。
三
各地方裁判所は、その地方裁判所の職員並びに管轄区域内の簡易裁判所及びその職員を監督する。
四
各家庭裁判所は、その家庭裁判所の職員を監督する。
五
第三十七条に規定する簡易裁判所の裁判官は、その簡易裁判所の裁判官以外の職員を監督する。
第八十一条
(監督権と裁判権との関係)
前条の監督権は、裁判官の裁判権に影響を及ぼし、又はこれを制限することはない。
第八十二条
(事務の取扱方法に対する不服)
裁判所の事務の取扱方法に対して申し立てられた不服は、第八十条の監督権によりこれを処分する。
第七編 裁判所の経費
第八十三条
(裁判所の経費)
裁判所の経費は、独立して、国の予算にこれを計上しなければならない。
○2
前項の経費中には、予備金を設けることを要する。
附 則 抄
○1
この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。
○2
裁判所構成法、裁判所構成法施行条例、判事懲戒法及び行政裁判法は、これを廃止する。
○3
最高裁判所は、当分の間、特に必要があるときは、裁判官又は検察官をもつて司法研修所教官又は裁判所職員総合研修所教官に、裁判官をもつて裁判所調査官にそれぞれ充てることができる。
○4
第六十七条の二の規定は、平成二十三年十月三十一日までの間は、適用しない。この場合において、第六十七条第二項中「最高裁判所の定めるところにより、その修習に専念しなければならない」とあるのは「国庫から一定額の給与を受ける。ただし、修習のため通常必要な期間として最高裁判所が定める期間を超える部分については、この限りでない」と、同条第三項中「前項に定めるもののほか、第一項」とあるのは「第一項」とする。
○5
第六十七条の二第一項の修習資金の貸与については、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律(平成十四年法律第百三十九号)附則第二条の規定による法曹の養成に関する制度についての検討において、司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から、法曹の養成における司法修習生の修習の位置付けを踏まえつつ、検討が行われるべきものとする。
附 則 (昭和二二年一〇月二九日法律第一二六号)
この法律は、公布の日から、これを施行する。
附 則 (昭和二二年一二月一七日法律第一九五号)
第十七条
この法律は、公布の後六十日を経過した日から、これを施行する。
第十八条
この法律施行前における司法次官、司法事務官及び司法教官の在職は、裁判所法第四十一条、第四十二条及び第四十四条並びに検察庁法第十九条の規定の適用については、夫々法務庁の各長官、法務庁事務官及び法務庁教官の在職とみなす。
附 則 (昭和二三年一月一日法律第一号)
この法律は、公布の日から、これを施行する。
附 則 (昭和二三年七月一二日法律第一四六号) 抄
第四条
この法律は、公布の日から、これを施行する。
附 則 (昭和二三年一二月二一日法律第二六〇号)
第十条
この法律は、昭和二十四年一月一日から施行する。但し、裁判所法第十四条の二、第五十六条の二、判事補の職権の特例等に関する法律第二条の二及び裁判所職員の定員に関する法律第六条の規定並びに裁判所法第十条、第六十三条第一項及び裁判所職員の定員に関する法律第四条を改正する規定は、この法律公布の日から施行する。
第十一条
第一条中裁判所法第十六条、第二十四条及び第三十三条を改正する規定は、この法律施行前に公訴の提起があつた事件については適用しない。
2
前項の事件については、改正前の規定は、この法律施行後も、なおその効力を有する。
第十二条
この法律施行前における少年審判官の在職は、この法律による改正後の裁判所法第四十一条、第四十二条及び第四十四条の規定の適用については、裁判所調査官の在職とみなす。
第十三条
少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第六十三条第二項の家庭裁判所は、同法施行の際事件が係属する少年審判所の所在地を管轄する家庭裁判所とする。
第十四条
この法律施行の際現に家事審判所に係属している事件及びこの法律による改正前の家事審判法(以下旧家事審判法という。)第四条の規定によつて地方裁判所に係属している事件は、この法律施行の日に、その家事審判所又は地方裁判所の所在地を管轄する家庭裁判所に係属したものとみなす。
2
家事審判所の審判に関する抗告事件及び旧家事審判法第四条の規定による抗告事件でこの法律施行の際現に抗告裁判所に係属しているものは、家庭裁判所の審判に関する抗告事件とみなす。
3
前二項の事件において、この法律施行前に旧家事審判法によつてした家事審判所その他の者の行為は、別段の定のある場合を除いては、改正後の家事審判法(以下新家事審判法という。)の適用については、同法によつてした行為とみなす。
第十五条
この法律施行前に確定した家事審判所の審判又は同日以前に家事審判所において成立した調停は、その家事審判所の所在地を管轄する家庭裁判所の審判又は同裁判所において成立した調停とみなす。
第十六条
この法律施行前にした行為に対する過料に関する規定の適用については、旧家事審判法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。この場合において、過料の審判は、旧家事審判法によれば権限を有すべき家事審判所の所在地を管轄する家庭裁判所が行う。
2
この法律施行前に参与員又は調停員の職にあつた者の行為に対する罰則の適用については、旧家事審判法は、この法律施行後も、なおその効力を有する。
第十七条
家事審判法施行法(昭和二十二年法律第百五十三号)によつて家事審判所の審判とみなされる裁判は、この法律施行後は、家庭裁判所の審判とみなす。
第十八条
家事審判法施行法第二十四条第二項の規定によつて管轄家事審判所に差し戻すべき事件は、この法律施行後は、管轄家庭裁判所に差し戻さなければならない。
2
前項の規定によつて差し戻した場合には、その事件において家事審判法施行法による改正前の非訟事件手続法によつてした裁判所その他の者の行為は、新家事審判法の適用については、同法によつてした行為とみなす。
第十九条
民法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第二百二十号)附則第十四条第二項又は第二十七条第三項(同法附則第二十五条第二項但書、第二十六条第二項及び第二十八条において準用する場合を含む。)の規定によつて家事審判所が行うべき審判は、この法律施行後は、家庭裁判所が行う。
附 則 (昭和二四年五月三一日法律第一三六号) 抄
1
この法律のうち、法務府設置法第十三条の七の規定は犯罪者予防更生法が施行される日から、その他の規定は昭和二十四年六月一日から施行する。
4
この法律施行前における法務庁の各長官、法務庁事務官及び法務庁教官の在職は、裁判所法第四十一条、第四十二条(判事補の職権の特例等に関する法律第一条第二項において準用する場合を含む。)及び第四十四条の規定の適用については、それぞれ法務府の各長官、法務府事務官及び法務府教官の在職とみなす。
附 則 (昭和二四年六月一日法律第一七七号)
1
この法律のうち、裁判所法第六十条、第六十条の二、及び第六十五条の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の規定は公布の日から施行する。
2
この法律の公布の日から起算して三十日を経過した際現に裁判所書記に補せられている裁判所事務官で、裁判所書記官に任命されないものは、別に辞令を発せられないときは、兼ねて裁判所書記官補に任命され、且つ、現にその者の勤務する裁判所に勤務することを命ぜられたものとみなす。
3
他の法令中「裁判所書記」とあるのは、「裁判所書記官」と読み替えるものとする。
附 則 (昭和二五年四月一四日法律第九六号)
1
この法律のうち、裁判所法第六十一条の二、第六十一条の三及び第六十五条の改正規定、検察審査会法第六条第六号の改正規定中少年調査官及び少年調査官補に関するもの並びに少年法の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の部分は公布の日から施行する。
2
この法律の公布の日から起算して三十日を経過した際現に少年保護司に補せられている裁判所事務官で、少年調査官に任命されないものは、別に辞令を発せられないときは、裁判所事務官を兼ねて少年調査官補に任命され、且つ、現にその者の勤務する裁判所に勤務することを命ぜられたものとみなす。
附 則 (昭和二五年一二月二〇日法律第二八七号)
1
この法律のうち、第三十三条の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の規定は公布の日から施行する。
2
第三十三条の改正規定の施行前に地方裁判所に訴又は公訴の提起があつた事件については、同条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 (昭和二六年三月三〇日法律第五九号)
1
この法律のうち、裁判所法第六十五条の二及び国家公務員法第二条の改正規定は昭和二十七年一月一日から、その他の規定は昭和二十六年四月一日から施行する。
2
裁判所法第三十一条の三第二項の改正規定施行前に家庭裁判所に公訴の提起があつた事件については、同項の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 (昭和二六年一二月六日法律第二九八号) 抄
1
この法律は、昭和二十七年一月一日から施行する。
附 則 (昭和二七年七月三一日法律第二六八号) 抄
1
この法律は、昭和二十七年八月一日から施行する。
3
従前の機関及び職員は、この法律に基く相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
4
この法律の施行前における法務府の各長官、法務総裁官房長、法務府事務官及び法務府教官の在職は、裁判所法第四十一条、第四十二条(判事補の職権の特例等に関する法律第一条第二項において準用する場合を含む。)及び第四十四条、検察庁法第十九条、弁護士法第五条並びに司法書士法第二条の規定の適用については、それぞれ法務省の事務次官、法務事務官及び法務教官の在職とみなす。
附 則 (昭和二九年五月二七日法律第一二六号) 抄
1
この法律は、昭和二十九年六月一日から施行する。
2
この法律の施行前に地方裁判所に訴の提起があつた事件については、第三十三条の改正規定にかかわらず、なお従前の例による。
3
当分の間、最高裁判所の規則で指定する簡易裁判所の民事訴訟に関する事務は、その所在地を管轄する地方裁判所又はその支部の所在地に設立された簡易裁判所で最高裁判所の規則で指定するものが取り扱う。
4
前項の規定により簡易裁判所が指定されたときは、その指定前に管轄簡易裁判所で受理した事件は、同項の規定にかかわらず、なおその簡易裁判所で完結する。前項の規定による指定が解除されたときも、これに準ずる。
5
各家庭裁判所は、当分の間、最高裁判所の定めるところにより、家庭裁判所調査官補に家庭裁判所調査官の職務を行わせることができる。
6
この法律の施行の際現に家事調査官、家事調査官補、少年調査官又は少年調査官補の職にある者は、別に辞令を発せられないときは、それぞれ、家事調査官及び少年調査官は家庭裁判所調査官に、家事調査官補及び少年調査官補は家庭裁判所調査官補に任命され、且つ、現にその者の勤務する裁判所に勤務することを命ぜられたものとみなす。
附 則 (昭和二九年六月八日法律第一六三号) 抄
(施行期日)
1
この法律中、第五十三条の規定は交通事件即決裁判手続法の施行の日から、その他の部分は、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号。同法附則第一項但書に係る部分を除く。)の施行の日から施行する。
附 則 (昭和三二年五月一日法律第九一号) 抄
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和三五年六月二五日法律第一〇四号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和三七年五月一六日法律第一四〇号) 抄
1
この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
附 則 (昭和三九年六月二四日法律第一一四号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
附 則 (昭和四〇年三月三一日法律第二七号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、昭和四十年四月一日から施行する。ただし、裁判所法附則の改正規定は、同年九月一日から施行する。
附 則 (昭和四一年三月三一日法律第二三号)
この法律は、昭和四十一年四月一日から施行する。
附 則 (昭和四一年七月一日法律第一一一号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
(執行吏の身分についての経過措置)
第六条
この法律の施行の際現に執行吏に任命されている者は、別に辞令を発せられないときは、執行官に任命され、かつ、現にその者の属する裁判所に勤務することを命ぜられたものとみなす。
附 則 (昭和四五年五月一八日法律第六七号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、昭和四十五年七月一日から施行する。
(経過措置)
2
この法律の施行前に地方裁判所に訴えの提起があつた事件については、この法律による改正後の裁判所法第三十三条第一項第一号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 (昭和五七年八月二四日法律第八二号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、昭和五十七年九月一日から施行する。
(経過措置)
2
この法律の施行前に地方裁判所に訴えの提起があつた事件については、なお従前の例による。
附 則 (平成七年四月一九日法律第六六号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一〇年五月六日法律第五〇号)
(施行期日)
1
この法律は、平成十一年四月一日から施行する。
(経過措置)
2
この法律の施行前に採用され、この法律の施行後も引き続き修習をする司法修習生の修習期間及び国庫から給与を受ける期間については、なお従前の例による。
附 則 (平成一二年一二月六日法律第一四二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十三年四月一日から施行する。
(検討等)
第三条
政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について国会に報告するとともに、その状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その検討の結果に基づいて法制の整備その他の所要の措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一四年一二月六日法律第一三八号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十六年一月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、それぞれ当該各号に定める日から施行する。
二
第三条及び附則第十一条の規定 平成十八年四月一日
(司法修習生の修習期間等に関する経過措置)
第十一条
第三条の規定の施行前に採用され、その施行後も引き続き修習をする司法修習生の修習期間については、なお従前の例による。
2
新法附則第二項又は前条の規定により新司法試験に合格した者とみなされた者であって、第三条の規定の施行後に採用された司法修習生については、最高裁判所の定めるところにより、同条の規定による改正後の裁判所法第六十七条第一項の修習において裁判官、検察官又は弁護士としての実務に必要な能力を十全に修得させるため、必要な修習期間の伸長その他の措置を講ずることができる。
附 則 (平成一五年七月一六日法律第一〇九号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(裁判所法の一部改正に伴う家庭裁判所調査官の事務等に関する経過措置)
第十五条
前条の規定の施行の際現に係属している婚姻の取消し及び離婚の訴えに係る訴訟については、同条の規定による改正後の裁判所法第六十一条の二第一項及び第二項の規定にかかわらず、なお従前の例による。
附 則 (平成一五年七月二五日法律第一二八号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十六年四月一日から施行する。
(簡易裁判所の管轄の拡大に伴う経過措置)
第二条
この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に地方裁判所に訴えの提起があった事件については、第一条の規定による改正後の裁判所法第三十三条第一項第一号の規定にかかわらず、なお従前の例による。
2
施行日前に司法書士又は司法書士法人がした司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条第二項に規定する簡裁訴訟代理関係業務の範囲を超える行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一六年三月三一日法律第八号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十六年四月一日から施行する。
(裁判所法等に係る資格要件に関する経過措置)
第二条
この法律の施行前における裁判所書記官研修所教官の在職は、裁判所法第四十一条、第四十二条(判事補の職権の特例等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十六号)第一条第二項において準用する場合を含む。)及び第四十四条、検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第十九条並びに弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第五条の規定の適用については、裁判所職員総合研修所教官の在職とみなす。
附 則 (平成一六年六月一八日法律第一二〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十七年四月一日から施行する。
(経過措置の原則)
- </div>
<div class=”item”><b>第二条</b>
この法律による改正後の裁判所法、民事訴訟法、民事訴訟費用等に関する法律、特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法及び著作権法の規定(罰則を除く。)は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前のこれらの法律の規定により生じた効力を妨げない。
</div>
<br> <a name=”5000000033000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成一六年一二月一〇日法律第一六三号) 抄</b></a>
<br>
<p></p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div>
<div class=”item”><b>1</b>
この法律は、平成二十二年十一月一日から施行する。
</div>
<div class=”arttitle”>(経過措置)</div>
<div class=”item”><b>2</b>
この法律の施行前に採用され、この法律の施行後も引き続き修習をする司法修習生の給与については、なお従前の例による。
</div>
<br> <a name=”5000000034000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成一七年七月一五日法律第八三号) 抄</b></a>
<br>
<p>
</p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div>
<div class=”item”><b>第一条</b>
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。
</div>
<br> <a name=”5000000035000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成一八年五月八日法律第三六号) 抄</b></a>
<br>
<p>
</p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div>
<div class=”item”><b>第一条</b>
この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。
</div>
<br> <a name=”5000000036000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二〇年六月一八日法律第七一号) 抄</b></a>
<br>
<p></p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div>
<div class=”item”><b>1</b>
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
</div>
<br> <a name=”5000000037000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二二年一二月三日法律第六四号)</b></a>
<br>
<p></p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div>
<div class=”item”><b>1</b>
この法律は、公布の日から施行する。
</div>
<div class=”arttitle”>(経過措置)</div>
<div class=”item”><b>2</b>
この法律による改正後の裁判所法(以下「新裁判所法」という。)附則第四項の規定は、平成二十二年十一月一日からこの法律の施行の日の前日までに採用された司法修習生についても、適用する。
</div>
<div class=”item”><b>3</b>
新裁判所法附則第四項に規定する日までに採用され、同日後も引き続き修習をする司法修習生の給与については、同日後においても、なお従前の例による。
</div>
<div class=”item”><b>4</b>
新裁判所法附則第四項後段の規定により読み替えて適用する裁判所法第六十七条第二項の規定による給与については、裁判所法の一部を改正する法律(平成十六年法律第百六十三号)附則第三項による改正前の裁判官の報酬等に関する法律(昭和二十三年法律第七十五号)第十四条ただし書に規定する給与の例による。
</div>
<div class=”item”><b>5</b>
この法律の施行の際、現に裁判所法第六十七条の二第一項に規定する修習資金の貸与の申請をしている司法修習生については、この法律の施行の日に同項の申請を撤回したものとみなす。
</div>
<div class=”item”><b>6</b>
附則第二項から前項までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。
</div>
<br> <a name=”5000000038000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二三年五月二五日法律第五三号)</b></a>
<br>
<p>
この法律は、新非訟事件手続法の施行の日から施行する。
<br> <a name=”5000000039000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二四年八月三日法律第五四号)</b></a>
<br>
</p><p>
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第一条中裁判所法第六十七条の二第三項の改正規定は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。
<br> <a name=”5000000040000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000”><b>附 則 (平成二五年六月一九日法律第四八号) 抄</b></a>
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</p><div class=”arttitle”>(施行期日)</div>
<div class=”item”><b>第一条</b>
この法律は、条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。
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