酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律

酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律
(昭和二十九年六月十四日法律第百八十二号)


最終改正:平成二三年八月三〇日法律第一〇五号


 第一章 総則(第一条・第二条)
 第一章の二 酪農及び肉用牛生産の近代化を計画的に推進するための措置(第二条の二―第二条の六)
 第二章 集約酪農地域
  第一節 集約酪農地域の指定(第三条―第七条)
  第二節 集約酪農地域における草地の改良等(第八条・第九条)
  第三節 集約酪農地域に係る集乳施設及び乳業施設(第十条―第十七条)
 第三章 生乳等の取引(第十八条―第二十四条の二)
 第三章の二 国内産の牛乳及び乳製品の消費の増進に関する措置(第二十四条の三―第二十四条の三の四)
 第三章の三 肉用子牛の価格の安定及び牛肉の流通の合理化に関する措置(第二十四条の三の五―第二十四条の三の八)
 第四章 雑則(第二十四条の四―第二十六条)
 第五章 罰則(第二十七条―第二十九条)
 附則

   第一章 総則

第一条  この法律は、酪農及び肉用牛生産の近代化を総合的かつ計画的に推進するための措置並びに酪農適地に生乳の濃密生産団地を形成するための集約酪農地域の制度並びにこれらに関連して生乳等の取引の公正、牛乳及び乳製品の消費の増進並びに肉用子牛の価格の安定及び牛肉の流通の合理化を図るための措置を定めて、酪農及び肉用牛生産の健全な発達並びに農業経営の安定を図り、あわせて牛乳、乳製品及び牛肉の安定的な供給に資することを目的とする。

第二条  この法律において「生乳」とは、しぼつたままの牛乳(次項の農林水産省令で定める方法による処理を完了していない牛乳を含む。)をいう。
 この法律において「乳業」とは、生乳に農林水産省令で定める方法による処理をして飲用牛乳とする事業及び脱脂乳、クリーム、バター、チーズ、れん乳、粉乳又は政令で定めるその他の乳製品を製造する事業をいう。
 この法律において「草地」とは、主として家畜の放牧又はその飼料若しくは敷料の採取の目的に供される土地をいう。

   第一章の二 酪農及び肉用牛生産の近代化を計画的に推進するための措置

第二条の二  農林水産大臣は、政令で定めるところにより、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する基本的な指針
 生乳及び牛肉の需要の長期見通しに即した生乳の地域別の需要の長期見通し、生乳の地域別の生産数量の目標、牛肉の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の地域別の飼養頭数の目標
 近代的な酪農経営及び肉用牛経営の基本的指標
 集乳及び乳業の合理化並びに肉用牛及び牛肉の流通の合理化に関する基本的な事項
 その他酪農及び肉用牛生産の近代化に関する重要事項
 基本方針は、酪農の発展と肉用牛生産の発展とが密接に関連していることにかんがみ、酪農及び肉用牛生産の近代化を総合的に推進することを旨として、定めるものとする。
 農林水産大臣は、生乳又は牛肉の需給事情、農業事情その他の経済事情の変動により必要があるときは、基本方針を変更するものとする。
 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴かなければならない。
 農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

第二条の三  都道府県知事は、政令で定めるところにより、当該都道府県における酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための計画(以下「都道府県計画」という。)を作成することができる。
 都道府県計画においては、次に掲げる事項を定めるものとし、その内容は、基本方針の内容と調和するものでなければならない。
 生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標
 その区域又はその区域を分けて定める区域ごとの自然的経済的条件に応ずる近代的な酪農経営方式及び肉用牛経営方式の指標
 酪農経営及び肉用牛経営における乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大に関する事項
 飼料の自給度の向上に関する事項
 集乳及び乳業の合理化並びに肉用牛及び牛肉の流通の合理化に関する事項
 都道府県計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項を定めるよう努めるものとする。この場合において、その内容は、基本方針の内容と調和するものでなければならない。
 都道府県知事は、都道府県計画を作成しようとするときは、当該都道府県計画に定める第二項第一号に掲げる事項について、あらかじめ農林水産大臣に協議しなければならない。
 都道府県知事は、政令で定めるところにより、都道府県計画を変更することができる。この場合においては、前項の規定を準用する。
 都道府県知事は、都道府県計画を作成したときは、遅滞なく、当該計画を公表するよう努めるとともに、第二項第二号から第五号までに掲げる事項及び第三項に規定する事項に係る部分を農林水産大臣に報告しなければならない。都道府県計画を変更した場合におけるその変更の内容についても、同様とする。

第二条の四  市町村長は、次に掲げる事項が市町村における酪農及び肉用牛生産の合理的な発展を図るために必要なものとして農林水産省令で定める基準に適合する場合には、政令で定めるところにより、当該市町村における酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための計画(以下「市町村計画」という。)を作成することができる。
 その区域内における乳牛又は肉用牛の飼養頭数及び飼養密度
 その区域内の農用地等の利用に関する条件
 その区域内で生産される生乳の販売又はその区域内で飼養される肉用牛の出荷に関する条件
 市町村計画においては、次に掲げる事項を定めるものとし、その内容は、都道府県計画の内容と調和するものでなければならない。
 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標又は肉用牛の飼養頭数の目標
 その区域内の農業者の農業経営の条件に応ずる酪農経営又は肉用牛経営の改善の目標
 乳牛又は肉用牛の導入、育成その他酪農経営又は肉用牛経営における乳牛又は肉用牛の飼養規模の拡大のための措置
 草地の造成、改良及び保全、飼料作物の作付けその他飼料の自給度の向上のための措置
 生乳の生産者の共同集乳組織の整備その他集乳の合理化のための措置又は肉用牛の共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置
 市町村計画においては、前項各号に掲げる事項のほか、酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項を定めるよう努めるものとする。この場合において、その内容は、都道府県計画の内容と調和するものでなければならない。
 前条第四項から第六項までの規定は、市町村計画について準用する。この場合において、同条第四項中「第二項第一号」とあるのは「第二条の四第二項第一号」と、「農林水産大臣」とあるのは「都道府県知事」と、同条第六項中「第二項第二号」とあるのは「第二条の四第二項第二号」と、「第三項」とあるのは「同条第三項」と、「農林水産大臣」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。

第二条の五  市町村計画を作成した市町村長は、当該市町村の区域内において酪農経営又は肉用牛経営を営む者から農林水産省令で定めるところによりその作成した経営改善計画が適当である旨の認定の申請があつた場合において、その経営改善計画が市町村計画の内容に照らし適切なものであることその他の農林水産省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、その経営改善計画が適当である旨の認定をするものとする。

第二条の六  株式会社日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫は、前条の認定を受けた者に対し、その申請に基づき、株式会社日本政策金融公庫法 (平成十九年法律第五十七号)又は沖縄振興開発金融公庫法 (昭和四十七年法律第三十一号)の定めるところにより、当該認定に係る経営改善計画を実施するために必要な資金の貸付けを行うものとする。

   第二章 集約酪農地域

    第一節 集約酪農地域の指定

第三条  農林水産大臣は、その区域内の農業の発達を図るため酪農を振興することが相当と認められる一定の区域であつて、生乳の円滑な供給に資するため生乳の濃密生産団地として形成することが必要と認められるものを、その区域を管轄する都道府県知事の申請に基き、集約酪農地域として指定することができる。
 都道府県知事は、前項の申請をするには、同項の指定を受けようとする区域につき、農林水産省令で定める手続に従い、左に掲げる事項について集約酪農振興計画を定め、これを申請書に添えて、農林水産大臣に提出しなければならない。
 乳牛の飼養頭数の増加に関すること。
 飼料の自給度の向上に関すること。
 集乳及び乳業の合理化に関すること。
 その他政令で定める事項
 都道府県知事は、前項の集約酪農振興計画を定め、又は変更しようとするときは、農林水産省令で定める手続に従い、その区域内にある市町村、農業協同組合及び農業協同組合連合会並びにその区域内において乳業を行う者の意見を聞かなければならない。
 第一項の規定による指定は、その区域が近代的な酪農経営の成立及び合理的な生乳の濃密生産団地の形成のために必要な次に掲げる要件を備え、かつ、第二項の集約酪農振興計画が都道府県計画に即してその区域における酪農の振興を図るための方法として適当であると認められる場合でなければ、してはならない。
 その区域における農用地の利用状況その他乳牛の飼養に関する条件が、政令で定める基準に適合するものであること。
 その区域における生乳の生産状況、輸送条件その他その区域内で生産される生乳についての集乳及び乳業施設への供給の条件が、政令で定める基準に適合するものであること。

第四条  農林水産大臣は、都道府県知事の申請に基き、集約酪農地域の区域を変更することができる。
 前条第二項及び第四項の規定は、前項の場合に準用する。

第五条  都道府県知事は、第三条第二項の集約酪農振興計画を変更したときは、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、農林水産大臣に報告しなければならない。

第六条  農林水産大臣は、集約酪農地域が第三条第四項各号に掲げる要件を欠くに至つたときは、集約酪農地域の指定を解除しなければならない。
 農林水産大臣は、集約酪農地域について、第三条第二項の集約酪農振興計画を達成することができないと認められるとき、又はその集約酪農振興計画が、都道府県計画に即しないものとなり、若しくはその区域における酪農の振興を図るための方法として著しく不適当となるに至つたと認められるときは、都道府県知事の意見を聴き、集約酪農地域の指定を解除することができる。

第七条  第三条第一項の指定、第四条第一項の区域の変更又は前条の指定の解除は、告示してしなければならない。
 第三条第一項の規定による集約酪農地域の指定があつたときは、都道府県知事は、当該集約酪農地域についての集約酪農振興計画の概要を公告しなければならない。当該集約酪農振興計画を変更した場合におけるその変更の概要についてもまた同様とする。

    第二節 集約酪農地域における草地の改良等

第八条  国及び都道府県は、第三条第二項の集約酪農振興計画の達成のため必要があるときは、集約酪農地域の区域内にある草地につき、土地改良法 (昭和二十四年法律第百九十五号)の規定により同法第二条第二項第三号 に掲げる事業を行なうほか、その造成、改良及び災害復旧の事業並びにその保全又は利用のため必要な事業の推進を図るものとする。

第九条  集約酪農地域の区域内にある草地につき政令で定める開こん、造林その他の行為をしようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事に届け出なければならない。

    第三節 集約酪農地域に係る集乳施設及び乳業施設

第十条  集約酪農地域の区域内において、集乳施設又は乳業施設で政令で定めるもの(以下「酪農事業施設」という。)を新たに設置しようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事の承認を受けなければならない。
 都道府県知事は、前項の承認の申請が左に掲げる要件に適合していると認めるときは、同項の承認をしなければならない。
 当該酪農事業施設の設置場所がその事業の合理的な経営に適する立地条件を備えていること。
 当該酪農事業施設が効率的であり、且つ、その能力が当該集約酪農地域における生乳の供給量に応ずることができるものであること。
 当該酪農事業施設の設置によつて当該集約酪農地域の全部又は一部につき酪農事業施設が著しく過剰とならないこと。
 その他当該酪農事業施設の設置が当該集約酪農地域についての集約酪農振興計画に適合するものであること。

第十一条  第三条第一項の規定による集約酪農地域の指定があつた場合において、その指定の際現にその区域内において酪農事業施設(第十三条第一項の規定による届出がなされているものを除く。)を設置している者は、その指定があつた日から三十日以内に、農林水産省令の定めるところにより、都道府県知事に届け出なければならない。

第十二条  集約酪農地域の区域内に設置されている酪農事業施設につき農林水産省令で定める変更をしようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事の承認を受けなければならない。
 第十条第二項の規定は、前項の承認について準用する。

第十三条  集約酪農地域の周辺の地域のうち、その地域内に酪農事業施設を設置すればその酪農事業施設が輸送条件から見てその集約酪農地域の区域内の生乳の生産者の相当部分から継続して生乳の供給を受けることができると認められる地域で農林水産大臣の指定するもの(以下「指定地域」という。)の区域内において、酪農事業施設を新たに設置しようとする者は、農林水産省令で定める手続に従い、都道府県知事に届け出なければならない。指定地域の区域内に設置されている酪農事業施設につき前条第一項の農林水産省令で定める変更をしようとする者についても、同様とする。
 都道府県知事は、前項の規定による届出があつた場合において、当該集約酪農地域における生乳の生産者及び当該生乳の生産者から生乳を買い受けて乳業を行う者の経営の健全な発展に資するため必要があると認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る事項に関し、当該集約酪農地域に係る酪農事業施設の配置を適正なものとするために必要な勧告をすることができる。
 第十一条の規定は、第一項の規定による農林水産大臣の指定があつた場合において、その指定の際現にその指定地域の区域内において酪農事業施設を設置している者について準用する。

第十四条  集約酪農地域若しくは指定地域の区域内に設置されている酪農事業施設につきその事業を開始し、又は当該施設の全部若しくは一部につきその事業を廃止し、若しくは農林水産省令で定める一定期間以上継続して休止する者は、農林水産省令で定める手続に従い、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

第十五条  削除

第十六条  削除

第十七条  削除

   第三章 生乳等の取引

第十八条  生乳、脱脂乳又はクリーム(以下「生乳等」という。)を継続して供給することを目的とする生乳等の販売に関する契約(以下「生乳等取引契約」という。)については、当事者は、書面によりその存続期間、生乳等の売買価格及び数量、生乳等及びその代金の受渡の方法その他その契約並びにこれに附随する契約の内容を明らかにしなければならない。
 生乳等取引契約を結び、又はこれを変更した場合には、当事者は、前項の書面の写(変更の場合には、変更に係る部分の写)を、農林水産省令の定めるところにより、都道府県知事に提出しなければならない。但し、農業協同組合とその組合員たる生乳の生産者とが結ぶ生乳等取引契約については、この限りでない。
 都道府県知事は、前項の規定による書面の提出があつた場合において、生乳等の取引の公正を確保するため必要があると認めるときは、当該契約の当事者に対し、その内容を改善すべきことを勧告することができる。

第十九条  生乳等取引契約でその存続期間が三十日をこえるものについては、当事者は、少なくとも、その生乳等取引契約の存続期間の最初の三十日につき、生乳等の売買価格及び数量並びに生乳等及びその代金の受渡の方法を約定しておかなければならない。
 前項に規定する生乳等取引契約で、生乳等の売買価格若しくは数量又は生乳等若しくはその代金の受渡の方法がその生乳等取引契約の存続期間の一部について約定されていないものについては、当事者は、その約定されていない期間の開始する日から農林水産省令で定める一定期間前までに約定しようとする内容を明らかにして相手方に申し出て、当該期間の開始するまでに成約するように努めなければならない。

第十九条の二  前条第一項に規定する生乳等取引契約(この条の規定により締結したものとみなされる生乳等取引契約を含む。)について、当事者のいずれもが、その契約の存続期間の満了する日の翌日から農林水産省令で定める一定期間前までに、相手方に対し、更新若しくはその拒絶又は新たな生乳等取引契約の締結についての申出をしないときは、その当事者は、当該契約の存続期間の満了する日の翌日から起算して一月を経過する日までを存続期間とし、当該契約の存続期間の満了の際における生乳等の売買価格及び数量、生乳等及びその代金の受渡しの方法その他その契約の内容と同一の内容により、さらに、生乳等取引契約を締結したものとみなす。ただし、契約で、別段の定めをしたときは、その定めるところによる。

第十九条の三  農林水産大臣又は都道府県知事は、生乳の生産者を直接又は間接の構成員とし、その構成員の生産する生乳の販売事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会(以下この条において「組合等」という。)が、農林水産省令で定めるところにより、乳業を行う者に対し、案を示して生乳等取引契約又は生乳等取引契約に関する農業協同組合法 (昭和二十二年法律第百三十二号)第十条第一項第十四号 の団体協約の締結又は変更のため交渉をしたい旨の申込みをし、かつ、その申込みをした旨を農林水産大臣又は都道府県知事に申し出た場合において、生乳等の取引の公正を確保するため特に必要があると認めるときは、その乳業を行う者に対し、その生乳等取引契約又は団体協約の締結又は変更の交渉に応ずべき旨の勧告をすることができる。

第二十条  都道府県知事は、生乳等取引契約に係る紛争につき、その当事者の双方又は一方から政令で定めるところによりあっせん又は調停の申請があつた場合には、すみやかに、あっせん又は調停を行うものとする。

第二十一条  都道府県知事は、前条の調停を行う場合には、その紛争の当事者から意見を聞いて、紛争の解決に必要な調停案を作成しなければならない。
 都道府県知事は、前項の調停案を作成するため特に必要があるときは、農林水産大臣に対し、助言、資料の提示その他必要な協力を求めることができる。
 都道府県知事は、第一項の規定により当事者から意見を聴くため必要があると認めるとき、又は同項の規定により調停案を作成するため当該事案の関係者から意見を聴くことが特に必要であると認めるときは、当該当事者又は当該関係者に出頭を求めることができる。
 前項の規定により、出頭を求められた者は、政令で定めるところにより、費用の弁償を受けることができる。

第二十二条  都道府県知事は、前条第一項の調停案を作成したときは、これを当事者に示してその受諾を勧告するものとする。

第二十三条  都道府県知事は、当事者の一方又は双方が前条の規定による勧告に係る調停案を受諾することを拒否した場合において、生乳等の公正な取引を促進するため必要があると認めるときは、調停の経過及び調停案を公表することができる。

第二十四条  農林水産大臣は、生乳等取引契約に係る紛争でこれにつき都道府県知事に対し調停の申請があつたものについて当該都道府県知事からの申出があつた場合において、その申出に係る紛争の成行きによつては二以上の都道府県にわたり生乳等の取引関係に悪影響を及ぼすおそれがあるときは、その紛争の調停を農林水産大臣が行う旨の決定をすることができる。
 農林水産大臣は、前項の決定をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該申出をした都道府県知事及び当該紛争の当事者に通知しなければならない。
 都道府県知事は、前項の規定による通知を受けたときは、当該紛争に係る調停を打ち切り、すみやかに、農林水産大臣に対し、当該紛争について処理の経過を報告するとともに、関係書類を送付しなければならない。
 第二十一条第一項、第三項及び第四項、第二十二条並びに前条の規定は、第一項の規定により農林水産大臣が行う調停について準用する。

   第三章の二 国内産の牛乳及び乳製品の消費の増進に関する措置

第二十四条の三  国は、国内産の牛乳及び乳製品の消費の増進を図ることにより酪農の健全な発達に資するため、基本方針に即して、国内産の牛乳及び乳製品について、これを学校給食の用に供することを促進するほか、集団飲用を奨励し、流通の合理化を促進するための援助を行う等必要な措置を講ずるものとする。

第二十四条の三の二  農林水産大臣は、政令で定めるところにより、国内産の牛乳の消費の増進を図ることにより酪農の健全な発達に資するため、国内産の牛乳を学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)に規定する小学校及び中学校その他政令で定める学校における学校給食用として広範に供給することを目途として、国内産の牛乳の学校給食への供給に関する目標(以下「学校給食供給目標」という。)を基本方針に即して定め、これを公表しなければならない。
 農林水産大臣は、学校給食供給目標を定めようとするときは、文部科学大臣に協議しなければならない。

第二十四条の三の三  農林水産大臣は、毎年度、学校給食供給目標に即し、かつ、牛乳の需要及び供給の動向並びに前条第一項に規定する学校の幼児、児童及び生徒の数を勘案して、国内産の牛乳の学校給食への供給計画数量(以下「学校給食供給計画数量」という。)を定め、これを公表しなければならない。
 農林水産大臣は、学校給食供給計画数量を定めようとするときは、文部科学大臣に協議しなければならない。

第二十四条の三の四  国は、学校給食供給計画数量に相当する数量の国内産の牛乳の学校給食への供給の円滑化を図るため、国内産の牛乳を学校給食の用に供する事業について援助する等必要な措置を講ずるものとする。

   第三章の三 肉用子牛の価格の安定及び牛肉の流通の合理化に関する措置

第二十四条の三の五  国及び都道府県は、一般社団法人又は一般財団法人であつて肉用子牛の価格の著しい低落がその生産者の経営に及ぼす影響を緩和するための生産者補給金をその生産者に交付する事業を都道府県の区域内において行うもの(以下「都道府県肉用子牛価格安定基金協会」という。)に対し、その事業の円滑な実施のために必要な助言、指導、経費の補助その他の援助を行うように努めるものとする。

第二十四条の三の六  国は、一般社団法人又は一般財団法人であつて都道府県肉用子牛価格安定基金協会に対し生産者補給金の交付に充てるために必要な資金を貸し付ける事業その他肉用子牛の価格の安定に資するための事業を都道府県の区域を超えて行うもの(以下「全国肉用子牛価格安定基金協会」という。)に対し、その事業の円滑な実施のために必要な助言、指導その他の援助を行うように努めるものとする。

第二十四条の三の七  都道府県肉用子牛価格安定基金協会及び全国肉用子牛価格安定基金協会は、肉用子牛の価格の安定と生産の振興に資するため、前二条の事業を適正かつ確実に行うように努めなければならない。

第二十四条の三の八  国は、肉用牛生産の健全な発達に資するため、基本方針に即して、牛肉の産地処理の推進、牛肉の取引規格及び品質表示の普及その他牛肉の流通の合理化のために必要な措置を講ずるように努めるものとする。

   第四章 雑則

第二十四条の四  国は、毎年度、予算の範囲内において、市町村計画の実施及び第三条第二項の集約酪農振興計画の実施に要する経費を補助することができる。
 国及び都道府県は、市町村計画、第二条の五の認定に係る経営改善計画及び第三条第二項の集約酪農振興計画の達成のために必要な助言、指導、資金の融通のあつせんその他の援助を行うように努めるものとする。
 市町村は、第二条の五の認定に係る経営改善計画の達成のために必要な助言、指導、資金の融通のあつせんその他の援助を行うように努めるものとする。

第二十四条の五  農林水産大臣及び地方公共団体の長は、酪農及び肉用牛生産の振興に関する施策を実施するに当たつては、農林水産大臣にあつては基本方針、都道府県知事にあつては都道府県計画及び第三条第二項の集約酪農振興計画、市町村長にあつては市町村計画に即してしなければならない。

第二十五条  農林水産大臣又は都道府県知事は、この法律を施行するため必要があるときは、牛乳又は乳製品の生産、集荷、保管又は販売の事業を行う者からその業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、これらの者の事務所若しくは事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第二十六条  この法律に規定する農林水産大臣の権限は、農林水産省令で定めるところにより、その一部を地方農政局長に委任することができる。

   第五章 罰則

第二十七条  左の各号の一に該当する者は、十万円以下の過料に処する。
 第十条第一項の規定による承認を受けないで酪農事業施設を新たに設置した者
 第十二条第一項の規定による承認を受けないで酪農事業施設につき同項の農林水産省令で定める変更をした者

第二十八条  第二十五条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の過料に処する。

第二十九条  第九条、第十一条(第十三条第三項において準用する場合を含む。)、第十三条第一項若しくは第十四条の規定による届出をせず、若しくは虚偽の届出をした者又は正当な理由がなくて第二十一条第三項(第二十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定による出頭の要求に応じなかつた者は、一万円以下の過料に処する。

   附 則 抄

 この法律の施行期日は、公布の日から起算して六十日をこえない範囲内で、政令で定める。但し、第十七条第二項、第二十二条第三項、第二十六条及び次項の規定の施行期日は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内で、政令で定める。

   附 則 (昭和三四年四月一日法律第一〇〇号) 抄

 この法律は、公布の日から起算して六十日をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
 この法律の施行の際現に改正前の第十条の規定により都道府県又は市町村が行つている草地改良事業(同条第六項の災害復旧事業を含む。)については、なお従前の例による。
 この法律の施行前に改正前の第二十条の規定による申請があつた生乳等取引契約についての紛争に係るあつせんについては、なお従前の例による。

   附 則 (昭和三六年一一月一日法律第一八三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和三七年五月一日法律第一〇一号) 抄

 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄

 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 (昭和四〇年六月二日法律第一一一号) 抄

 この法律は、公布の日から起算して六月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
 この法律の施行の際現に改正前の酪農振興法(以下「旧法」という。)第三条第一項の規定により集約酪農地域として指定されている区域は、改正後の酪農振興法(以下「新法」という。)第三条第一項の規定により集約酪農地域として指定されたものとみなす。
 前項の規定により集約酪農地域として指定されたものとみなされる区域についての旧法第三条第二項の酪農振興計画は、新法第三条第二項の集約酪農振興計画とみなす。
 この法律の施行の際現に旧法第八条(旧法第十八条の三において準用する場合を含む。)の規定により行なわれている草地改良事業又は災害復旧事業については、なお従前の例による。

   附 則 (昭和四一年六月三〇日法律第九八号) 抄

(施行期日)
 この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。

   附 則 (昭和五三年七月五日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第六十四条の四第一項、第六十六条、第六十七条、第六十八条第一項、第二項及び第四項、第六十九条並びに第六十九条の二第二項の改正規定、第六十九条の三の次に一条を加える改正規定、第七十条第一項及び第三項の改正規定、同条を第七十一条とする改正規定並びに第七十二条を削り、第七十一条を第七十二条とする改正規定 昭和五十四年一月一日
 第十八条の八、第二十二条第二項及び第二十二条の三第二項の改正規定、第七十八条第六号を削る改正規定、第八十条第一号及び第八十一条の改正規定、第八十二条第二項の表の改正規定(淡水区水産研究所の項を削る部分に限る。)、第八十三条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定並びに第八十七条の改正規定 昭和五十四年三月三十一日までの間において、各規定につき、政令で定める日
 第十八条第三項、第十八条の三第二項及び第二十一条第二項の改正規定 昭和五十五年三月三十一日までの間において、各規定につき、政令で定める日

   附 則 (昭和五八年五月二〇日法律第四八号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 (昭和五八年一二月二日法律第七八号)

 この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
 この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。

   附 則 (平成六年一一月一一日法律第九七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第二十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為並びに附則第二条、第四条、第七条第二項、第八条、第十一条、第十二条第二項、第十三条及び第十五条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における第一条、第四条、第八条、第九条、第十三条、第二十七条、第二十八条及び第三十条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第二十一条  附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第八十八条  施行日前に第二百七十三条の規定による改正前の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(以下この条において「旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律」という。)第二条の三第一項又は第三項の規定による認定を受けた都道府県計画は、第二百七十三条の規定による改正後の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(以下この条において「新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律」という。)第二条の三第三項(同条第四項後段において準用する場合を含む。)の規定による協議が調った都道府県計画とみなす。
 この法律の施行の際現に旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第一項又は第三項の規定によりされている認定の申請は、新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第三項(同条第四項後段において準用する場合を含む。)の規定によりされた協議の申出とみなす。
 施行日前に旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の四第一項又は同条第三項において準用する旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第三項の規定による認定を受けた市町村計画は、新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の四第三項において準用する新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第三項(同条第四項後段において準用する場合を含む。)の規定による協議が調った市町村計画とみなす。
 この法律の施行の際現に旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の四第一項又は同条第三項において準用する旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第三項の規定によりされている認定の申請は、新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の四第三項において準用する新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第三項(同条第四項後段において準用する場合を含む。)の規定によりされた協議の申出とみなす。
 施行日前に旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第五条の規定による承認を受けた集約酪農振興計画は、新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第五条の規定による協議が調った集約酪農振興計画とみなす。
 この法律の施行の際現に旧酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第五条の規定によりされている承認の申請は、新酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第五条の規定によりされた協議の申出とみなす。

(不服申立てに関する経過措置)
第百二条  附則第百六十一条第一項の規定により上級行政庁があるものとみなして行政不服審査法の規定を適用することとされる場合における審査請求については、第二百五十二条の規定による改正前の肥料取締法第三十四条第二項の規定、第二百五十七条の規定による改正前の漁船法第二十七条の規定、第二百六十二条の規定による改正前の森林法第十条の十一の五第一項後段、第十条の十一の六第三項並びに第百九十条第三項及び第四項の規定、第二百七十三条の規定による改正前の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第十五条の規定並びに第二百七十六条の規定による改正前の家畜取引法第三十一条第一項及び第三項の規定は、施行日以後も、なおその効力を有する。

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(職員の身分引継ぎ)
第三条  この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。

(別に定める経過措置)
第三十条  第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一三年六月二九日法律第九四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十四年一月一日から施行する。

(検討)
第三十六条  政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況等を勘案し、組合員である農業者の利益の増進を図る観点から、組合の役員に関する制度の在り方、組合の事業運営の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一八年六月二日法律第五〇号) 抄

 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。
   附 則 (平成一九年五月二五日法律第五八号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十年十月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第八条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第九条  附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(調整規定)
第十条  この法律及び株式会社商工組合中央金庫法(平成十九年法律第七十四号)、株式会社日本政策投資銀行法(平成十九年法律第八十五号)又は地方公営企業等金融機構法(平成十九年法律第六十四号)に同一の法律の規定についての改正規定がある場合において、当該改正規定が同一の日に施行されるときは、当該法律の規定は、株式会社商工組合中央金庫法、株式会社日本政策投資銀行法又は地方公営企業等金融機構法によってまず改正され、次いでこの法律によって改正されるものとする。

   附 則 (平成二三年六月二四日法律第七四号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。

   附 則 (平成二三年八月三〇日法律第一〇五号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

(酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第三十九条  この法律の施行前に第六十六条の規定による改正前の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の三第三項(同条第四項後段において準用する場合を含む。)の規定により協議の申出があった都道府県計画の作成又は変更については、なお従前の例による。
 この法律の施行前に第六十六条の規定による改正前の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第二条の四第三項において準用する同法第二条の三第三項(同法第二条の四第三項において準用する同法第二条の三第四項後段において準用する場合を含む。)の規定により協議の申出があった市町村計画の作成又は変更については、なお従前の例による。
 この法律の施行の際現に第六十六条の規定による改正前の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第五条の規定によりされている協議の申出は、第六十六条の規定による改正後の酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律第五条の規定によりされた報告とみなす。

(罰則に関する経過措置)
第八十一条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第八十二条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。