公衆衛生修学資金貸与法¶
公衆衛生修学資金貸与法(昭和三十二年四月十五日法律第六十五号)
最終改正:平成一一年一二月二二日法律第一六〇号
第一条
この法律は、保健所において行う公衆衛生業務の重要性にかんがみ、医師又は歯科医師たる保健所の職員の充実に資するため、医学又は歯学を専攻する者で将来保健所に勤務しようとするものに対し、修学資金を貸与することを目的とする。
第二条
政府は、学校教育法
(昭和二十二年法律第二十六号)に規定する大学(以下単に「大学」という。)の医学部又は歯学部において医学又は歯学を専攻する学生であつて、将来保健所に勤務しようとするものの申請により、その者に無利息で公衆衛生修学資金(以下「修学資金」という。)を貸与する旨の契約を結ぶことができる。
第三条
修学資金は、貸与の契約に定められた月から、大学を卒業する日の属する月までの間、毎月、政令で定める額を貸与するものとする。ただし、帰省その他特別の理由があるときは、あらかじめ、二月分又は三月分をあわせて貸与することができる。
第四条
政府は、第二条の規定により修学資金を貸与する旨の契約を結ぶ場合には、当該年度において結ばれる契約に基いて貸与すべき修学資金の総額が予算で定める金額をこえることとならないようにしなければならない。
2
前項の保証人は、修学資金の貸与を受けた者と連帯して債務を負担するものとする。
第六条
政府は、第二条の規定による契約の相手方(以下「公衆衛生修学生」という。)が次の各号の一に該当するに至つたときは、その契約を解除するものとする。
一
退学したとき。
二
心身の故障のため修学の見込がなくなつたと認められるとき。
三
学業成績が著しく不良となつたと認められるとき。
四
修学資金の貸与を受けることを辞退したとき。
五
死亡したとき。
六
その他修学資金の貸与の目的を達成する見込がなくなつたと認められるとき。
2
政府は、公衆衛生修学生が休学し、又は停学の処分を受けたときは、休学し、又は停学の処分を受けた日の属する月の翌月分から復学した日の属する月の分まで修学資金の貸与を行わないものとする。この場合において、これらの月の分としてすでに貸与された修学資金があるときは、その修学資金は、当該公衆衛生修学生が復学した日の属する月の翌月以後の分として貸与されたものとみなす。
3
政府は、公衆衛生修学生が正当の理由がなくて第十二条に規定する学業成績表の提出を行わず、又は同条に規定する健康診断を受けない場合には、修学資金の貸与を一時保留することができる。
第七条
修学資金の貸与を受けた者は、次の各号の一に該当するに至つたときは、返還の債務の免除を受けることができる。
一
大学を卒業した後、直ちに保健所の職員となり、かつ、引き続き保健所又は公衆衛生行政を所管する政令で定めるその他の機関(以下「保健所等」という。)に在職した場合において、その引き続く在職期間のうち医師又は歯科医師となつた後の期間が、修学資金の貸与を受けた期間(前条第二項の規定により貸与されなかつた修学資金に係る期間を除く。)の二分の三に相当する期間(この期間が三年に満たないときは、三年とする。)に達したとき。ただし、保健所の職員となつた日から起算して二年以内に医師又は歯科医師となつた場合に限る。
二
前号に規定する在職期間中に公務により死亡し、又は公務に起因する心身の故障のため免職されたとき。
2
前項第一号に規定する在職期間を計算する場合においては、月数によるものとし、その計算に必要な事項は、政令で定める。
3
修学資金の貸与を受けた者のうち、大学を卒業した後、直ちに保健所の職員となり、かつ、引き続き保健所等に在職した者が、保健所等の職員でなくなつた後、引き続いて医師法
(昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の二第一項
又は歯科医師法
(昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の二第一項
の規定による臨床研修(以下単に「臨床研修」という。)を行い、かつ、当該臨床研修を中止し、又は終了した後、引き続いて再び保健所等の職員となつた場合においては、その者を、先の保健所等の職員としての在職期間と後の保健所等の職員としての在職期間とを通じ、引き続き保健所等に在職した者とみなして前二項の規定を適用する。
第八条
修学資金は、次の各号に規定する場合には、政令の定めるところにより、当該各号に規定する事由が生じた日の属する月の翌月から起算して、貸与を受けた期間(第六条第二項の規定により貸与されなかつた修学資金に係る期間を除く。)の二分の一に相当する期間(第十条の規定により返還の債務の履行が猶予されたときは、この期間と当該猶予された期間とを合算した期間)内に、返還しなければならない。
一
第六条第一項の規定により、修学資金を貸与する旨の契約が解除されたとき。
二
貸与を受けた者が、大学を卒業した後、直ちに保健所の職員とならなかつたとき。
三
貸与を受けた者が、大学を卒業した後、死亡したとき(前条第一項第二号に該当するときを除く。)。
四
貸与を受けた者が、保健所等の職員でなくなつたとき(前条第一項第二号に該当するとき及び保健所等の職員でなくなつた後、引き続いて臨床研修を行なつたときを除く。)。
五
貸与を受けた者が、臨床研修を中止し、又は終了した後、引き続いて再び保健所等の職員とならなかつたとき。
六
貸与を受けた者が、保健所の職員となつた日から起算して二年以内に医師又は歯科医師とならなかつたとき。
第九条
政府は、修学資金の貸与を受けた者が、医師又は歯科医師となつた後、保健所等に、通算して修学資金の貸与を受けた期間(第六条第二項の規定により貸与されなかつた修学資金に係る期間を除く。)の二分の三に相当する期間(この期間が三年に満たないときは、三年とする。)以上在職したときは、修学資金の返還の債務(履行期が到来していないものに限る。以下同じ。)の全部を免除することができる。
2
政府は、修学資金の貸与を受けた者が、医師又は歯科医師となつた後、保健所等に、通算して三年以上在職したときは、政令の定めるところにより、修学資金の返還の債務の一部を免除することができる。
3
政府は、修学資金の貸与を受けた者が、保健所等に在職中に公務により死亡し、又は公務に起因する心身の故障のため免職されたときは、修学資金の返還の債務の全部又は一部を免除することができる。
4
第七条第二項の規定は、第一項及び第二項に規定する在職期間の計算について準用する。
第十条
政府は、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める期間、修学資金の返還の債務の履行を猶予することができる。
一
修学資金の貸与を受けた者が、医師又は歯科医師となつた後、保健所等に在職する場合 その在職する期間
二
修学資金の貸与を受けた者が、保健所等の職員でなくなつた後、引き続いて臨床研修を行なつている場合 その臨床研修を行なつている期間
三
修学資金の貸与を受けた者が、災害、疾病その他やむを得ない理由により修学資金を返還することが困難であると認められる場合 その理由が継続する期間
第十一条
修学資金の貸与を受けた者は、正当の理由がなくて修学資金を返還すべき日までにこれを返還しなかつたときは、当該返還すべき日の翌日から返還の日までの期間の日数に応じ、返還すべき額につき年十四・五パーセントの割合で計算した延滞利息を支払わなければならない。
附 則 抄
1
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和四三年五月一五日法律第四七号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から施行する。
(公衆衛生修学資金貸与法の一部改正に伴う経過措置)
7
この法律による公衆衛生修学資金貸与法の改正は、この法律による改正前の同法(次項及び附則第九項において「旧法」という。)の規定に基づき既に生じた公衆衛生修学資金(次項及び附則第九項において「修学資金」という。)の返還の債務に影響を及ぼすものではない。
8
旧法の規定に基づき修学資金の貸与を受けた者であつて、この法律の施行前に行なわれた医師国家試験に合格し、医師免許を受けたものの当該修学資金の返還については、なお従前の例による。
9
旧法の規定に基づき修学資金の貸与を受けた者であつて、この法律による改正前の医師法第十一条第一号に規定する実地修練を終了したものに対するこの法律による改正後の公衆衛生修学資金貸与法(以下この項において「新法」という。)の規定の適用については、新法第七条第一項第一号中「大学を卒業した後」とあるのは「医師法の一部を改正する法律(昭和四十三年法律第四十七号)による改正前の医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十一条第一号に規定する実地修練(以下単に「実地修練」という。)を終了した後」と、新法第七条第三項並びに第八条第二号及び第三号中「大学を卒業した後」とあるのは「実地修練を終了した後」とする。
附 則 (昭和四五年四月一日法律第一三号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。
(公衆衛生修学資金貸与法等の一部改正に伴う経過措置)
第七条
次に掲げる法律の規定に規定する延滞利息の全部又は一部で施行日前の期間に対応するものの額の計算については、なお従前の例による。
一
公衆衛生修学資金貸与法第十一条
附 則 (平成八年六月二一日法律第九二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六十日を経過した日から施行する。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。