婦人補導院法¶
婦人補導院法(昭和三十三年三月二十五日法律第十七号)
最終改正:昭和四七年七月一日法律第一一一号
2
婦人補導院は、国立とする。
2
在院者に対する生活指導は、相談、助言その他の方法により、婦人の自由と尊厳とを自覚させ、家事その他の基礎的教養を授け、その情操を豊かにさせるとともに、在院者が勤労の精神を身につけ、その他自主自立の精神を体得するように、これを指導するものとする。
3
補導は、在院者の個性、心身の状況、家庭その他の環境等を考慮して、その者に最もふさわしい方法で行わなければならない。
2
婦人補導院の長は、婦人補導院の規律上及び衛生上支障がないと認めるときは、被服、寝具、糧食又は飲料の自弁を許すことができる。
2
前項の健康診断にあたつては、婦人補導院の医師は、その診断に必要な限度において、採血その他の医学的処置をとることができる。
第八条
婦人補導院の長は、在院者の更生が妨げられ、又は婦人補導院の保安上支障が生ずると認めるときは、在院者の面会について、これを制限し、又は禁止し、及び通信について、その更生の妨げとなり、又は保安上の支障となる箇所を削除することができる。
2
婦人補導院の長は、在院者の発受する通信によつてその更生が妨げられ、又は婦人補導院の保安上支障が生ずるおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合でなければ、当該通信の内容を検査してはならない。
第十一条
婦人補導院の長は、在院者が婦人補導院において遵守すべき事項に違反したときは、次の各号に掲げる懲戒を行うことができる。
一
厳重な訓戒をすること。
二
十日をこえない期間謹慎室で反省させること。
2
前項第二号の懲戒は、情状により、その執行を猶予し、停止し、又は免除することができる。
第十二条
在院者が職業の補導を受けるに際して、負傷し、又は疾病にかかつた場合において、これによつて死亡したとき、身体に障害が残つたとき、又は退院時若しくは仮退院時までになおらないときは、法務省令の定めるところにより、手当金を与えることができる。
2
前項の手当金のうち、死亡の場合の手当金は、本人の遺族に支給し、その他の場合の手当金は、退院又は仮退院の際本人に支給する。
第十三条
婦人補導院の長は、在院者が所持し、又は在院者にあてて送付された金銭、被服その他の物を領置して、これを安全に保管しなければならない。ただし、保存の価値のない物又は保管に適しない物は、この限りでない。
2
前項ただし書に規定する物について、在院者が相当の処分をしないときは、これを売却してその代金を領置し、又は廃棄することができる。
第十四条
婦人補導院の長は、その婦人補導院の所在地を管轄する矯正管区の長の承認を経て、学校、病院、事業所、宗教団体、婦人団体又は学識経験のある者に委嘱して、在院者に対する補導に関する援助を求めることができる。
2
前項の場合において、婦人補導院の長は、在院者を事業所等にかよわせ、その他婦人補導院外で職業の補導を行うことができる。
3
婦人補導院の長は、矯正職員、警察官その他の公務員に対し、必要な援助を求めることができる。
2
保護具の使用は、婦人補導院の長の許可を受けなければ行つてはならない。ただし、緊急を要する状態にあつて、その許可を受けるいとまのないときは、この限りでない。
3
保護具は、被使用者の両手を腰部に抑止する構造のものとし、その製式は、法務省令で定める。
第十六条
在院者が逃走したときは、婦人補導院の職員は、逃走後四十八時間内に限り、これを連れ戻すことができる。婦人補導院の職員による連戻しが困難である場合において、婦人補導院の長から連戻しについて援助を求められた警察官も、同様とする。
2
在院者の逃走後四十八時間を経過したときは、検察官は、連戻収容状を発することができる。
3
前項の連戻収容状については、売春防止法第二十二条第三項
から第五項
まで及び第二十七条第五項
の規定を準用する。この場合において、同法第二十七条第五項
中「仮退院を取り消された者」とあるのは、「婦人補導院から逃走した者」と読み替えるものとする。
2
前項の子は、特に必要があると認めるときは、満一歳に至つた後も、その者に保育させることができる。
2
前項の遺留金品は、死亡の日から一年以内に同項の請求がないときは、国庫に帰属する。
3
婦人補導院に収容中に逃走した者の遺留金品は、逃走の日から一年以内に本人の居所が分明しないときは、国庫に帰属する。
2
婦人補導院の長は、在院者の処遇に関する細則を定めることができる。
附 則 抄
(施行期日)
1
この法律は、昭和三十三年四月一日から施行する。
附 則 (昭和四七年七月一日法律第一一一号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から施行する。