養鶏振興法¶
養鶏振興法(昭和三十五年四月一日法律第四十九号)
最終改正:平成一六年六月二日法律第七六号
第二条
この法律において「標準鶏」とは、次に掲げる鶏の品種であることを示す外形上の特徴で農林水産省令で定めるものを備える鶏をいう。
一
単冠白色レグホーン種
二
横はんプリマスロック種
三
単冠ロードアイランドレッド種
四
ニューハンプシャー種
五
名古屋種
六
三河種
七
その他農林水産省令で定める品種
2
この法律において「種卵」とは、鶏の雌で農林水産省令で定めるところにより継続して鶏の雄と交配可能の状態におかれたものから農林水産省令で定める期間内に生まれた卵をいう。
3
この法律において「種鶏業者」とは、種卵の生産を業とする者をいい、「ふ化業者」とは、鶏のひなの生産を業とする者をいう。
第三条
標準鶏の雄及び雌の交配に係る種卵については、その生産者は、農林水産省令で定めるところにより、その種卵又はその容器包装に、当該交配に係る雄及び雌の品種を示す農林水産省令で定める様式の表示を附することができる。
2
前項の規定による表示が附されている種卵又は当該表示がその容器包装に附されている種卵からふ化した鶏のひなについては、その生産者(そのふ化を委託した者を含む。)は、農林水産省令で定めるところにより、そのひな又はその容器包装にそのひなの品種(品種の異なる標準鶏の雄及び雌の交配に係る種卵からふ化した鶏のひなについては、その交配に係る鶏の雄及び雌の品種)を示す農林水産省令で定める様式の表示を附することができる。ふ化業者が飼養する標準鶏の雄及び雌の交配に係る種卵で同項の規定による表示が附されていないものから当該ふ化業者がふ化した鶏のひなについても、同様とする。
第四条
前条の規定による場合を除き、何人も、種卵若しくはその容器包装又は鶏のひな若しくはその容器包装に同条に規定する表示又はこれに紛らわしい表示を附してはならない。
2
前条に規定する表示の附されている容器又は包装材料は、その表示を消した後でなければ、再び種卵又は鶏のひなの容器又は包装材料として使用してはならない。ただし、その表示に係る標準鶏の雄及び雌の品種と同一の品種に属する標準鶏の雄及び雌の交配に係る種卵又はその表示に係る同条第二項に規定するひなの品種と同一の品種に係るひなの容器又は包装材料として使用する場合は、この限りでない。
2
都道府県知事は、前項の規定による申請に係る鶏について標準鶏である旨の認定をしたときは、当該鶏に農林水産省令で定める標識をつけるものとする。
2
ふ化業者は、その生産するひながひな白痢にかからないようにするため、ふ卵舎の床面を清掃の容易なコンクリート敷又は板敷とする等その事業場の施設の整備に努めなければならない。
第七条
ふ化業者は、そのすべてのふ化場(人工ふ化の方法により種卵をふ化する事業の用に供する事業場をいう。以下同じ。)が次の各号に掲げる要件に適合するときは、その住所地を管轄する都道府県知事の登録を受けることができる。
一
ふ化場の施設で農林水産省令で定めるものが農林水産省令で定める基準に適合するものであること。
二
種卵のふ化に関し農林水産省令で定める経験を有する者で種卵のふ化に常時従事するものが一人以上置かれていること。
2
ふ化業者は、前項の登録(以下「登録」という。)を受けようとするときは、次の各号に掲げる事項を記載した書類を提出しなければならない。ふ化場が当該ふ化業者の住所地の都道府県以外の都道府県の区域内にある場合には、その書類のほか当該ふ化場が前項各号に掲げる要件に適合する旨の当該ふ化場の所在地を管轄する都道府県知事の確認を受けたことを証する書面を提出しなければならない。
一
氏名及び住所(法人にあつては、その名称、住所並びにその代表者の氏名及び当該業務を執行する役員の氏名)
二
ふ化場の名称及びその所在地
三
ふ化場の施設で農林水産省令で定めるもの
四
ふ化場において種卵のふ化に常時従事する者の種卵のふ化に関する経験
五
その他農林水産省令で定める事項
3
都道府県知事は、登録の申請があつた場合において、申請者が次の各号の一に該当するときは登録を拒むことができる。
一
第十条第一項第二号、第三号又は第四号の規定により登録の取消しを受けた日から二年を経過しない者
三
法人であつてその役員のうちに前二号の一に該当する者があるもの
4
登録は、登録簿に農林水産省令で定める事項を登載して行ない、登録をしたときは、その旨を公示するものとする。
5
都道府県知事は、登録をした場合において、登録を受けたふ化業者(以下「登録ふ化業者」という。)が他の都道府県の区域内にふ化場を開設しているときは、登録簿の当該ふ化業者に係る部分の写しを当該他の都道府県の知事に送付しなければならない。
6
都道府県知事は、登録をしない旨の決定をしたときは、遅滞なく、申請者に対し、その理由を記載した文書をもつて、その旨を通知しなければならない。
第八条
登録ふ化業者が新たにふ化場を開設するときは、あらかじめ当該ふ化場が前条第一項各号の要件に適合する旨の当該ふ化場の所在地を管轄する都道府県知事の確認を受けなければならない。
2
前項の場合において、当該ふ化場が登録ふ化業者の住所地の都道府県以外の都道府県の区域内に開設されたものであるときは、同項の確認をした旨又は確認をしない旨の決定をした都道府県知事は、その旨を登録ふ化業者の住所地を管轄する都道府県知事に通知しなければならない。
第九条
登録ふ化業者は、第七条第二項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その者の住所地を管轄する都道府県知事及び当該変更に係るふ化場の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
2
登録ふ化業者が次の各号のいずれかに該当することとなつたときは、当該各号に掲げる者は、その日から二週間以内に、当該登録ふ化業者の住所地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
一
登録ふ化業者が種卵をふ化する事業を廃止したときは、その者
二
登録ふ化業者が死亡したときは、その相続人
三
登録ふ化業者が法人である場合において、合併により解散したときは合併後存続する法人又は合併により成立した法人、合併以外の理由により解散したときはその清算人(破産手続開始の決定による解散の場合にあつては破産管財人)
第十条
都道府県知事は、登録ふ化業者が次の各号の一に該当するときは、その登録を取り消すことができる。
一
ふ化場が第七条第一項各号に掲げる要件に適合しなくなつたとき。
二
新たにふ化場を開設した場合において、第八条第一項の規定による確認を受けないで当該ふ化場において種卵をふ化する事業を行なつたとき。
三
偽りその他不正な手段により確認又は登録を受けたとき。
五
第七条第三項第三号に該当するに至つたとき。
2
登録ふ化業者のふ化場が当該登録ふ化業者の住所地の都道府県以外の都道府県の区域内にある場合において、その所在地を管轄する都道府県知事は、そのふ化場につき、登録ふ化業者が前項第一号から第四号までに掲げる事由に該当すると認めるときは、その旨を登録ふ化業者の住所地を管轄する都道府県知事に通知しなければならない。
3
都道府県知事は、登録を取り消したときは、遅滞なく、当該登録の取消しを受けた者に対し、その理由を記載した文書をもつてその旨を通知するとともに公示しなければならない。
4
都道府県知事は、登録を取り消した場合において、登録の取消しを受けた者が他の都道府県の区域内にふ化場を開設しているときは、当該他の都道府県の知事に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。
第十一条
登録の有効期間は、三年とする。
2
登録及びその取消しの効力は、全都道府県に及ぶ。
第十二条
この法律に規定するもののほか、確認及び登録の手続その他確認及び登録に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
第十三条
登録ふ化業者は、農林水産省令で定めるところにより、ふ化場ごとに、その業務に関する帳簿を備え、種卵の購買及びふ化、ふ化した鶏のひなの販売並びに鶏の伝染性疾病に関する事項を記載し、かつ、これを保存しなければならない。
2
登録ふ化業者は、鶏の伝染性疾病の発生の予防又はまん延の防止のため、種卵の購買、ふ化場の施設の消毒、ふ化した鶏のひなの販売等につき充分に留意しなければならない。
2
前項の規定による場合を除き、何人も、登録ふ化業者である旨の表示若しくはこれに紛らわしい表示をし、又は登録ふ化業者のふ化場でふ化したものでない鶏のひな若しくはその容器包装に、登録ふ化業者のふ化場でふ化した鶏のひなである旨の表示若しくはこれに紛らわしい表示を附してはならない。
3
第一項に規定する表示の附されている容器又は包装材料は、その表示を消した後でなければ、当該登録ふ化業者以外のふ化業者のふ化場でふ化した鶏のひなの販売の用に供してはならない。
第十六条
都道府県知事は、この法律の施行に必要な限度において、登録ふ化業者から、その者の業務の状況に関し報告を求め、又はその職員に、その者の事務所若しくはふ化場に立ち入り、施設、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
前項の規定により職員が立入検査をする場合には、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
第十七条
削除
2
国及び都道府県は、優良な資質を備える鶏の効率的な普及を図るため、標準鶏のひな並びに標準鶏の雄及び雌の交配に係る種卵が、経験の程度、事業能力、鶏の飼養施設の状況、飼養施設における鶏の伝染性疾病の発生の状況等を勘案して適当と認める種鶏業者に対して配布されるように努めなければならない。
3
国及び都道府県は、養鶏の振興を図るため、積極的にこれに必要な試験研究及び技術の普及を行なうとともにこれらを助長するものとする。
第十九条
国及び都道府県は、種鶏業者及びふ化業者の事業場の施設の取得、改良又は復旧に要する資金の融通のあつせんをすることができる。
2
前項に規定するもののほか、国及び都道府県は、養鶏経営の改善、養鶏生産物の出荷、販売、処理、加工及び流通の改善並びに養鶏生産物の消費の増進のために必要な経費の補助又は資金の融通のあつせんその他養鶏の振興のために必要な助成をすることができる。
第二十一条
第十六条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、三万円以下の過料に処する。
附 則 抄
1
この法律は、公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。
附 則 (昭和四一年六月三〇日法律第九八号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、昭和四十一年七月一日から施行する。
附 則 (昭和五三年七月五日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第六十四条の四第一項、第六十六条、第六十七条、第六十八条第一項、第二項及び第四項、第六十九条並びに第六十九条の二第二項の改正規定、第六十九条の三の次に一条を加える改正規定、第七十条第一項及び第三項の改正規定、同条を第七十一条とする改正規定並びに第七十二条を削り、第七十一条を第七十二条とする改正規定 昭和五十四年一月一日
二
第十八条の八、第二十二条第二項及び第二十二条の三第二項の改正規定、第七十八条第六号を削る改正規定、第八十条第一号及び第八十一条の改正規定、第八十二条第二項の表の改正規定(淡水区水産研究所の項を削る部分に限る。)、第八十三条の改正規定、同条の次に一条を加える改正規定並びに第八十七条の改正規定 昭和五十四年三月三十一日までの間において、各規定につき、政令で定める日
三
第十八条第三項、第十八条の三第二項及び第二十一条第二項の改正規定 昭和五十五年三月三十一日までの間において、各規定につき、政令で定める日
附 則 (平成六年一一月一一日法律第九七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
第二十条
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為並びに附則第二条、第四条、第七条第二項、第八条、第十一条、第十二条第二項、第十三条及び第十五条第四項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における第一条、第四条、第八条、第九条、第十三条、第二十七条、第二十八条及び第三十条の規定の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十一条
附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一八五号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、第十条第二項及び附則第七条から第十条までの規定は、同日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一六年六月二日法律第七六号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
(政令への委任)
第十四条
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。