刑事訴訟費用等に関する法律

刑事訴訟費用等に関する法律
(昭和四十六年四月六日法律第四十一号)


最終改正:平成三年五月一五日法律第七三号

第一条  刑事の手続における訴訟費用の範囲及び裁判所又は裁判官が行なう刑事の手続における証人、鑑定人、通訳人若しくは翻訳人(以下「証人等」と総称する。)又は弁護人に対する給付については、他の法令に定めるもののほか、この法律の定めるところによる。

第二条  刑事の手続における訴訟費用は、次に掲げるものとする。
 公判期日若しくは公判準備につき出頭させ、又は公判期日若しくは公判準備において取り調べた証人等に支給すべき旅費、日当及び宿泊料
 公判期日又は公判準備において鑑定、通訳又は翻訳をさせた鑑定人、通訳人又は翻訳人に支給すべき鑑定料、通訳料又は翻訳料及び支払い、又は償還すべき費用
 刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)第三十八条第二項 の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当、宿泊料及び報酬

第三条  証人等の旅費は、鉄道賃、船賃、路程賃及び航空賃の四種とし、鉄道賃は鉄道の便のある区間の陸路旅行に、船賃は船舶の便のある区間の水路旅行に、路程賃は鉄道の便のない区間の陸路旅行又は船舶の便のない区間の水路旅行に、航空賃は航空機を利用すべき特別の事由がある場合における航空旅行について支給する。
 鉄道賃及び船賃は旅行区間の路程に応ずる旅客運賃(はしけ賃及びさん橋賃を含むものとし、運賃に等級を設ける線路又は船舶による旅行の場合には、運賃の等級を三階級に区分するものについては中級以下で裁判所が相当と認める等級の、運賃の等級を二階級に区分するものについては裁判所が相当と認める等級の運賃)、急行料金(特別急行列車を運行する線路のある区間の旅行で片道百キロメートル以上のものには特別急行料金、普通急行列車又は準急行列車を運行する線路のある区間の旅行で片道五十キロメートル以上のものには普通急行料金又は準急行料金)並びに裁判所が支給を相当と認める特別車両料金及び特別船室料金並びに座席指定料金(座席指定料金を徴する普通急行列車を運行する線路のある区間の旅行で片道百キロメートル以上のもの又は座席指定料金を徴する船舶を運行する航路のある区間の旅行の場合の座席指定料金に限る。)によつて、路程賃は最高裁判所が定める額の範囲内において裁判所が定める額によつて、航空賃は現に支払つた旅客運賃によつて、それぞれ算定する。

第四条  証人等の日当は、出頭又は取調べ及びそれらのための旅行(以下「出頭等」という。)に必要な日数に応じて支給する。
 日当の額は、最高裁判所が定める額の範囲内において、裁判所が定める。

第五条  証人等の宿泊料は、出頭等に必要な夜数に応じて支給する。
 宿泊料の額は、最高裁判所が宿泊地を区分して定める額の範囲内において、裁判所が定める。

第六条  証人等の本邦(国家公務員等の旅費に関する法律 (昭和二十五年法律第百十四号)第二条第一項第四号 に規定する本邦をいう。以下同じ。)と外国(本邦以外の領域(公海を含む。)をいう。)との間の旅行に係る旅費、日当及び宿泊料の額については、前三条に規定する基準を参酌して、裁判所が相当と認めるところによる。

第七条  鑑定人、通訳人又は翻訳人に支給すべき鑑定料、通訳料又は翻訳料及び支払い、又は償還すべき費用の額は、裁判所が相当と認めるところによる。

第八条  刑事訴訟法第三十八条第二項 の規定により弁護人に支給すべき旅費、日当及び宿泊料については、第三条から第五条までの規定を準用する。ただし、弁護人が期日に出頭し、又は取調べ若しくは処分に立ち会つた場合に限るものとし、旅費のうち船賃の算定に係る運賃の等級については、裁判所が相当と認めるところによる。
 刑事訴訟法第三十八条第二項 の規定により弁護人に支給すべき報酬の額は、裁判所が相当と認めるところによる。

第九条  旅費(航空賃を除く。)並びに日当及び宿泊料の計算上の旅行日数は、最も経済的な通常の経路及び方法によつて旅行した場合の例により計算する。ただし、天災その他やむを得ない事情により最も経済的な通常の経路又は方法によつて旅行し難い場合には、その現によつた経路及び方法によつて計算する。

第十条  第二条に定める旅費、日当、宿泊料、鑑定料、報酬その他の給付は、裁判によつて訴訟手続が終了する場合においてはその裁判があるまでに、裁判によらないで訴訟手続が終了する場合においては訴訟費用を負担させる裁判があるまでに請求しないときは、支給しない。ただし、やむを得ない事由によりその期限内に請求することができなかつたときは、この限りでない。

第十一条  受命裁判官又は受託裁判官が証人尋問その他の手続を行なう場合には、この法律の規定(第八条第二項を除く。)による給付に関し裁判所が定めるべき事項は、当該裁判官が定める。ただし、当該裁判官が自ら定めることが相当でないと認めるときは、この限りでない。
 前項本文の規定は、受命裁判官及び受託裁判官以外の裁判官が証人尋問その他の手続を行なう場合について準用する。

第十二条  この法律に定めるもののほか、刑事の手続における証人等又は弁護人に対する裁判所の給付の実施に関して必要な事項は、最高裁判所が定める。

   附 則

 この法律は、別に法律で定める日から施行する。
   附 則 (昭和四七年六月二四日法律第一〇一号)

 この法律は、公布の日から起算して七日を経過した日から施行する。
 この法律の施行前に要した費用については、なお従前の例による。

   附 則 (昭和五四年三月三一日法律第一〇号)

 この法律は、昭和五十四年四月一日から施行する。
 この法律の施行前に要した費用については、なお従前の例による。

   附 則 (昭和六三年一二月三〇日法律第一〇八号) 抄

(施行期日等)
第一条  この法律は、公布の日から施行し、平成元年四月一日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び同日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ並びに同日以後に保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税について適用する。
 前項の規定にかかわらず、この法律のうち次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第二十条、第二十一条、第二十二条第三項、第二十三条第三項及び第四項、第二十四条第三項、第二十五条第二項から第四項まで、第二十七条から第二十九条まで、第三十一条から第四十五条まで、第四十六条(関税法第二十四条第三項第二号の改正規定に限る。)、附則第四十八条から第五十一条まで、第五十二条(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第十四条を削る改正規定を除く。)並びに附則第五十三条から第六十七条までの規定 平成元年四月一日

   附 則 (平成三年五月一五日法律第七三号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成三年十月一日から施行する。