コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律

コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律
(昭和四十六年五月二十二日法律第六十五号)


最終改正:平成二四年三月三一日法律第一九号

第一条  この法律は、コンテナーに関する通関条約(以下「コンテナー条約」という。)及び国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)(以下「国際道路運送条約」という。)を実施するため、関税法 (昭和二十九年法律第六十一号)、関税定率法 (明治四十三年法律第五十四号)及び消費税法 (昭和六十三年法律第百八号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。

第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 コンテナー コンテナー条約第一条(b)又は国際道路運送条約第一条(C)に規定するコンテナーをいう。
 国際道路運送手帳 国際道路運送条約第五条の団体が、同条約の規定に基づき直接に又はこれと提携する団体を通じて発給する税関手続用の書類をいう。
 保証団体 第十条第一項の規定により財務大臣の認可を受けた者をいう。

第三条  コンテナー条約第二条又は第五条1の規定によりコンテナー又はコンテナー修理用の部分品につき関税及び消費税(以下「輸入税」という。)を免除する場合には、税関長は、その免除に係る輸入税の額に相当する担保を提供させることができる。

第四条  コンテナー条約第二条又は第五条1の規定により輸入税の免除を受けて輸入したコンテナー(以下「免税コンテナー」という。)又はコンテナー修理用の部分品(修理により取り外された部分品を含む。以下「免税部分品」という。)は、その輸入の許可の日から一年(一年を超えることがやむを得ないと認められる理由がある場合において、政令で定めるところにより税関長の承認を受けたときは、一年を超え、税関長が指定する期間。以下「再輸出期間」という。)内に、貨物の運送の用(免税部分品にあつては、免税コンテナーの修理の用。次条において同じ。)以外の用途に供し、又はこれに供するため譲渡してはならない。ただし、やむを得ない理由がある場合において、政令で定めるところにより税関長の承認を受けたときは、この限りでない。

第五条  次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号に該当することとなつた者から、その免除を受けた輸入税を直ちに徴収する。
 前条ただし書の承認を受けたとき、又は当該承認を受けないで同条の物品を貨物の運送の用以外の用途に供し、若しくはこれに供するため譲渡したとき。
 再輸出期間内に前条の物品を輸出しなかつたとき。
 関税定率法第十三条第七項 ただし書の規定は、前項の規定により輸入税を徴収する場合について準用する。

第六条  免税コンテナー又は免税部分品を輸入した者(その輸入後に、これらの物品の譲渡、返還又は貸与がされたときは、当該譲渡、返還又は貸与を受けた者。次項及び次条において「管理者」という。)は、政令で定めるところにより、これらの物品の管理、運用及び保管に関する事項を帳簿に記載しなければならない。
 税関長は、輸入税の徴収上必要があると認めるときは、管理者に対し、政令で定めるところにより、当該免税コンテナー又は免税部分品について、その輸出年月日及び輸出地その他必要な事項を報告させることができる。

第七条  免税コンテナー又は免税部分品について管理者が変わることとなつたときは、その変更前の管理者は、これらの物品の引渡しの日から五日を経過する日までに、変更後の管理者に対し、政令で定めるところにより、これらの物品について再輸出期間その他必要な事項を通知しなければならない。

第八条  第三条から前条までの規定は、免税コンテナーのうち、本邦において製造されたコンテナー(保税作業による製品を除く。)及び輸入税が納付された、又は納付されるべきコンテナーで、政令で定めるところによりこれらのコンテナーである旨の表示をしたものについては、適用しない。

第九条  国際道路運送手帳による担保の下で外国貨物の保税運送(関税法第六十三条第一項 に規定する運送をいう。)をしようとする者は、政令で定めるところにより、当該国際道路運送手帳につき保証団体の確認を受けなければならない。

第十条  国際道路運送条約第五条1に規定する権限を有する者となるには、財務大臣の認可を受けなければならない。
 前項の認可を受けようとする者は、申請書に、定款、事業計画書及び業務方法書その他財務省令で定める書類を添えて、これを財務大臣に提出しなければならない。
 財務大臣は、第一項の認可の申請者が次の各号に適合していると認めるときでなければ、同項の認可をしてはならない。
 国際道路運送条約第五条2に規定する国際団体に加盟している法人であること。
 前号の国際団体との間に関税及び内国消費税(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律 (昭和三十年法律第三十七号)第二条第一号 に掲げる内国消費税をいう。以下次条までにおいて同じ。)に関する保証契約を締結することが確実であること。
 関税及び内国消費税の納付その他保証団体の業務を適正に遂行するに足りる能力があること。
 保証団体は、国際道路運送手帳による担保の下で外国貨物の運送をすることにつき関税法第六十三条第一項 の承認を受けた者が、同法第六十五条第一項 及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第十一条第五項 の規定により関税及び内国消費税を徴収されることとなつたときは、その者と連帯して当該関税及び内国消費税を納付する義務を負う。
 保証団体は、第三項第二号に規定する保証契約を締結したときは、直ちに、その旨及び当該保証契約の内容を財務大臣に届け出なければならない。
 保証団体は、前項の届出をした後でなければ、国際道路運送手帳を発給してはならない。
 保証団体は、その業務を廃止しようとするときは、財務省令で定めるところにより、その旨を財務大臣に届け出なければならない。
 財務大臣は、保証団体が第三項各号の一に適合しなくなつたと認めるとき、保証団体がこの法律若しくはこの法律に基づく命令若しくはこれらに基づく処分に違反したとき、又は保証団体から前項の届出があつたときは、第一項の認可を取り消すことができる。
 前項の規定により認可が取り消された場合において、当該認可を取り消された者がその取消しの前に発給した国際道路運送手帳があるときは、当該国際道路運送手帳については、当該認可を取り消された者を保証団体とみなして、この法律を適用する。

第十一条  財務大臣は、関税及び内国消費税の保全のため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、保証団体に対し、金額及び期間を指定し、関税及び内国消費税につき担保の提供を命ずることができる。
 財務大臣は、必要があると認めるときは、前項の金額又は期間を変更することができる。
 財務大臣は、第一項の規定により担保を徴した場合において、保証団体が納付すべき関税及び内国消費税がその納期限までに完納されないときは、税関長に、その担保として提供された財産の処分その他の処分を行なわせるものとする。
 国税通則法 (昭和三十七年法律第六十六号)第五十二条 の規定は、前項の処分について準用する。

第十二条  財務大臣は、必要があると認めるときは、保証団体に対し業務若しくは財産に関し報告をさせ、又はその職員をして保証団体の事務所に立ち入り、業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない。
 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

第十三条  コンテナーにつき、コンテナー条約第七条又は国際道路運送条約第十七条2に規定する承認を受けようとする者は、政令で定めるところにより、当該コンテナーの種類、型式、記号及び番号その他政令で定める事項を記載した申請書を税関長に提出しなければならない。
 前項の承認を受けようとする者は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を、政令で定めるところにより、税関に納付しなければならない。

第十四条  コンテナー条約附属書一又は国際道路運送条約附属書六に定める技術上の条件を満たすものとして設計型式により承認されたコンテナーは、コンテナー条約第七条又は国際道路運送条約第十七条2の規定により承認されたコンテナーとみなして、これらの条約及びこの法律を適用する。
 前条の規定は、本邦においてその製造するコンテナーにつき、前項の設計型式による承認を受けようとする者について準用する。

第十五条  コンテナー条約の締約国以外の国(その国におけるコンテナーの通関上の取扱いその他の事情を勘案して政令で定める国を除く。)から輸入されるコンテナーは、締約国から輸入されるものとみなして、同条約及びこの法律を適用する。

第十六条  前各条に規定するもののほか、コンテナー条約及び国際道路運送条約並びにこの法律の実施に関し必要な事項は、政令で定める。

第十七条  第四条の規定に違反した者は、二十万円以下の罰金に処する。

第十八条  次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
 第六条第一項の規定による帳簿の記載を怠り、若しくは偽り、若しくは帳簿を隠した者又は同条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をした者
 第七条の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をした者
 第十二条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第十九条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産について、前二条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第二十条  関税法第十一章 (犯則事件の調査及び処分)の規定及び輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第二十六条 の規定は、前三条の犯則事件の調査及び処分について準用する。

   附 則

 この法律は、コンテナー条約が日本国について効力を生ずる日から施行する。ただし、その日と国際道路運送条約が日本国について効力を生ずる日とが異なるときは、同条約の実施に係る部分については、日から施行する。
   附 則 (昭和六三年一二月三〇日法律第一〇八号) 抄

(施行期日等)
第一条  この法律は、公布の日から施行し、平成元年四月一日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び同日以後に国内において事業者が行う課税仕入れ並びに同日以後に保税地域から引き取られる外国貨物に係る消費税について適用する。
 前項の規定にかかわらず、この法律のうち次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 略
 附則第二十条、第二十一条、第二十二条第三項、第二十三条第三項及び第四項、第二十四条第三項、第二十五条第二項から第四項まで、第二十七条から第二十九条まで、第三十一条から第四十五条まで、第四十六条(関税法第二十四条第三項第二号の改正規定に限る。)、附則第四十八条から第五十一条まで、第五十二条(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第十四条を削る改正規定を除く。)並びに附則第五十三条から第六十七条までの規定 平成元年四月一日

   附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。

   附 則 (平成一七年三月三一日法律第二二号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第二条の規定、第三条中関税法第三十条第一項に一号を加える改正規定、同法第四十一条の改正規定、同法第四十一条の二の改正規定(「中「当該」を「及び第三項中「当該」に改める部分に限る。)、同法第四十五条の見出し及び同条第一項の改正規定並びに同条に一項を加える改正規定、同法第六十三条第一項の改正規定、同法第六十五条第一項の改正規定及び同条に一項を加える改正規定、同法第六十七条の二の次に十条を加える改正規定、同法第六十八条第一項の改正規定、同法第七十五条の改正規定、同法第七十六条第一項の改正規定、同法第九十五条第三項の改正規定(「第七条の九第一項(帳簿の備付け等)及び前条第一項」を「第七条の九第一項及び第六十七条の六第一項(帳簿の備付け等)並びに前条第一項」に改める部分に限る。)、同法第百五条第一項第三号の改正規定並びに同法第百十五条第五号の改正規定(「第七条の九第一項」の下に「、第六十七条の六第一項」を加える部分に限る。)並びに第四条の規定並びに附則第八条(輸入品に対する内国消費税の徴収等に関する法律第六条第五項の改正規定並びに同法第十九条第一項の改正規定及び同条に一項を加える改正規定を除く。)、附則第九条、附則第十二条及び附則第十四条の規定 平成十八年三月一日

(検討)
第十七条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新関税法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成二四年三月三一日法律第一九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成二十四年四月一日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第三条  この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。次項において同じ。)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 新関税法第百十七条第二項の規定は、この法律の施行の際既にその公訴の時効が完成している罪については、適用しない。

(政令への委任)
第四条  前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

(検討)
第六条  政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新関税法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新関税法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。