公害健康被害の補償等に関する法律
公害健康被害の補償等に関する法律
(昭和四十八年十月五日法律第百十一号)最終改正:平成二六年六月一三日法律第六九号
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 補償給付
第一節 通則(第三条―第十八条)
第二節 療養の給付及び療養費(第十九条―第二十四条)
第三節 障害補償費(第二十五条―第二十八条)
第四節 遺族補償費及び遺族補償一時金(第二十九条―第三十八条)
第五節 児童補償手当、療養手当及び葬祭料(第三十九条―第四十一条)
第六節 補償給付の制限等(第四十二条・第四十三条)
第七節 公害健康被害認定審査会(第四十四条・第四十五条)
第三章 公害保健福祉事業(第四十六条)
第四章 費用
第一節 費用の支弁及び財源(第四十七条―第五十一条)
第二節 汚染負荷量賦課金(第五十二条―第六十一条)
第三節 特定賦課金(第六十二条―第六十七条)
第四節 補則(第六十七条の二)
第五章 公害健康被害予防事業(第六十八条―第百五条)
第六章 不服申立て
第一節 認定又は補償給付の支給に関する処分に対する不服申立て(第百六条―第百八条)
第二節 賦課徴収に関する処分等に対する審査請求(第百九条・第百十条)
第三節 公害健康被害補償不服審査会
第一款 設置及び組織(第百十一条―第百二十五条)
第二款 審査請求の手続(第百二十六条―第百三十五条)
第七章 雑則(第百三十六条―第百四十四条)
第八章 罰則(第百四十五条―第百五十条)
附則
第一章 総則
第一条
この法律は、事業活動その他の人の活動に伴つて生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は水質の汚濁(水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)の影響による健康被害に係る損害を填補するための補償並びに被害者の福祉に必要な事業及び大気の汚染の影響による健康被害を予防するために必要な事業を行うことにより、健康被害に係る被害者等の迅速かつ公正な保護及び健康の確保を図ることを目的とする。
第二条
この法律において「第一種地域」とは、事業活動その他の人の活動に伴つて相当範囲にわたる著しい大気の汚染が生じ、その影響による疾病(次項に規定する疾病を除く。)が多発している地域として政令で定める地域をいう。
2
この法律において「第二種地域」とは、事業活動その他の人の活動に伴つて相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は水質の汚濁が生じ、その影響により、当該大気の汚染又は水質の汚濁の原因である物質との関係が一般的に明らかであり、かつ、当該物質によらなければかかることがない疾病が多発している地域として政令で定める地域をいう。
3
前二項の政令においては、あわせて前二項の疾病を定めなければならない。
4
環境大臣は、前三項の規定に基づく政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環境審議会並びに関係都道府県知事及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。
第二章 補償給付
第一節 通則
第三条
第一条に規定する健康被害に対する補償のため支給されるこの法律による給付(以下「補償給付」という。)は、次のとおりとする。
2
前項第二号、第三号及び第五号に掲げる補償給付は、月を単位として支給するものとし、その支払は、定期的に行なう。
第四条
第一種地域の全部又は一部を管轄する都道府県知事は、当該第一種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病にかかつていると認められる者で次の各号の一に該当するものの申請に基づき、当該疾病が当該第一種地域における大気の汚染の影響によるものである旨の認定を行なう。この場合においては、当該疾病にかかつていると認められるかどうかについては、公害健康被害認定審査会の意見をきかなければならない。
一
申請の当時当該第一種地域の区域内に住所を有しており、かつ、申請の時まで引き続き当該第一種地域の区域内に住所を有した期間(当該第一種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病と同一の疾病が同項の規定により定められた他の第一種地域の区域内に住所を有した期間を含む。以下この項において同じ。)が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上であり、又は申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて政令で定める期間内において当該第一種地域の区域内に住所を有した期間が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上である者
二
申請の当時一日のうち政令で定める時間(以下この条において「指定時間」という。)以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であり、かつ、申請の時まで引き続き一日のうち指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間(一日のうち指定時間以上の時間を当該第一種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病と同一の疾病が同項の規定により定められた他の第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間を含む。以下この項において同じ。)が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上であり、又は申請の時まで引き続く疾病の種類に応じて政令で定める期間内において一日のうち指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間が疾病の種類に応じて政令で定める期間以上である者
三
前二号に該当する者を除き、申請の当時、当該第一種地域の区域内に住所を有しており、又は指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であり、かつ、当該第一種地域の区域内に住所を有した期間と指定時間以上の時間を当該第一種地域の区域内で過ごすことが常態であつた期間とが、政令で定めるところにより、疾病の種類に応じて算定した期間以上である者
2
第二種地域の全部又は一部を管轄する都道府県知事は、当該第二種地域につき第二条第三項の規定により定められた疾病にかかつていると認められる者の申請に基づき、当該疾病が当該第二種地域に係る大気の汚染又は水質の汚濁の影響によるものである旨の認定を行なう。前項後段の規定は、この場合について準用する。
3
第一種地域又は第二種地域の全部又は一部が政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)の区域内にある場合には、その区域については、第一項又は前項の規定による都道府県知事の権限は、当該市の長が行なう。
4
都道府県知事(前項の政令で定める市にあつては、当該市の長とする。第四十五条から第四十八条まで及び第百四十三条を除き、以下同じ。)は、第一項又は第二項の認定(第六項、第十三条第二項、第四十九条第一項及び第二項、第五十二条第一項、第六十二条第一項並びに第百十九条第五項を除き、以下本則において単に「認定」という。)を行なつたときは、当該認定を受けた者(第六条の規定による申請に基づいて認定を受けた者を除き、以下「被認定者」という。)に対し、公害医療手帳を交付する。
5
認定は、その申請のあつた日にさかのぼつてその効力を生ずる。
6
第一種地域に係る被認定者は、同一の疾病については、重ねて第一項の認定を受けることができない。ただし、同一の疾病が第二条第三項の規定により定められた他の都道府県知事の管轄に属する第一種地域の区域内に住所を移し、又は一日のうち指定時間以上の時間をその区域内で過ごすことが常態となつた場合において、当該他の都道府県知事に対しその旨の届出をしたときは、当該疾病について現に受けている第一項の認定は、当該他の都道府県知事がした同項の認定とみなす。
第五条
認定の申請をした者が認定を受けないで死亡した場合において、その死亡した者が前条第一項又は第二項の規定により認定を受けることができる者であるときは、都道府県知事は、その死亡した者の第三十条第一項に規定する遺族若しくは第三十五条第一項各号に掲げる者又はその死亡した者について葬祭を行なう者の申請に基づき、その死亡した者が認定を受けることができる者であつた旨の決定を行なう。
2
前項の申請は、同項に規定する死亡した者の死亡の日から六月以内に限り、することができる。
3
第一項の決定があつたときは、同項に規定する死亡した者は、認定を受けたものとみなす。
第六条
第二条第三項の規定により定められた疾病(以下「指定疾病」という。)にかかつていると認められる者が当該指定疾病に関し認定の申請をしないで死亡した場合においては、第四条第一項中「かかつている」とあるのは「かかつていた」と、「ものの申請」とあるのは「ものの第三十条第一項に規定する遺族若しくは第三十五条第一項各号に掲げる者又はその死亡した者について葬祭を行なう者の申請」と、同項各号中「申請」とあるのは「死亡」と、同条第二項中「かかつている」とあるのは「かかつていた」と、「者の申請」とあるのは「者の第三十条第一項に規定する遺族若しくは第三十五条第一項各号に掲げる者又はその死亡した者について葬祭を行なう者の申請」と読み替えて、これらの規定を適用する。この場合において、これらの規定による認定の申請は、当該第一種地域又は第二種地域の指定の日から一年以内でその死亡の日から六月以内に限り、することができる。
第七条
認定は、指定疾病の種類に応じて政令で定める期間内に限り、その効力を有する。ただし、政令で定める指定疾病に係る認定については、この限りでない。
2
都道府県知事は、認定にあたり、有効期間が定められた指定疾病に係る被認定者の当該指定疾病が有効期間の満了前になおる見込みが少ないと認めるときは、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、前項の規定にかかわらず、別に当該認定の有効期間を定めることができる。
第八条
前条第一項又は第二項の規定により有効期間が定められた被認定者の当該認定に係る指定疾病が有効期間の満了前になおる見込みがないときは、当該被認定者は、都道府県知事に対し、認定の更新を申請することができる。
2
都道府県知事は、前項の規定による申請があつた場合において、公害健康被害認定審査会の意見をきき当該指定疾病が有効期間の満了後においても継続すると認めるときは、当該指定疾病に係る認定を更新する。
3
前条の規定は、前項の規定により更新される認定について準用する。
第八条の二
前条第一項の規定による申請をすることができる者が、災害その他やむを得ない理由により当該申請に係る認定の有効期間の満了前に当該申請をすることができなかつたときは、その者は、その理由のやんだ日から二月以内に限り、当該認定の更新を申請することができる。
2
都道府県知事は、前項の規定による申請があつた場合において、公害健康被害認定審査会の意見を聴き当該申請に係る指定疾病がその後においても継続すると認めるときは、当該申請に係る認定を更新する。この場合において、更新された認定は、前項に規定する有効期間の満了日の翌日にさかのぼつてその効力を生ずる。
3
第七条の規定は、前項の規定により更新される認定について準用する。この場合において、同条第一項中「政令で定める期間内」とあるのは、「第八条の二第一項に規定する有効期間の満了日の翌日から政令で定める期間内」と読み替えるものとする。
第九条
都道府県知事は、公害健康被害認定審査会の意見をききその認定に係る者の指定疾病がなおつたと認めるときは、認定を取り消すものとする。
第十条
補償給付の請求は、認定の申請がされた後は、認定前であつても、することができる。
2
補償給付を支給する旨の処分は、その請求のあつた日にさかのぼつてその効力を生ずる。
第十一条
定期的に行なう補償給付の支給は、その請求があつた日の属する月の翌月から始め、支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる。
2
定期的に行なう補償給付は、毎年二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の六期に、それぞれの前月及び前前月の分を支払う。ただし、前支払期月に支払うべきであつた補償給付又は支給すべき事由が消滅した場合におけるその期の補償給付は、その支払期月でない月であつても、支払うものとする。
第十二条
補償給付を受けることができる者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき補償給付でまだその者に支給していなかつたものがあるときは、その者の配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下この章において同じ。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その支給を請求することができる。
2
未支給の補償給付を受けることができる者の順位は、前項に規定する順序による。
3
未支給の補償給付を受けることができる同順位者が二人以上あるときは、その一人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
第十三条
補償給付を受けることができる者に対し、同一の事由について、損害の填補がされた場合(次条第二項に規定する場合に該当する場合を除く。)においては、都道府県知事は、その価額の限度で補償給付を支給する義務を免れる。
2
前項の規定により都道府県知事がその支給の義務を免れることとなつた補償給付が第四条第一項の認定に係るものであるときは、独立行政法人環境再生保全機構(以下「機構」という。)は、政令で定めるところにより、当該補償給付の支給の原因となつた行為に基づく損害を填補した第五十二条第一項に規定するばい煙発生施設等設置者の請求に基づき、その者に対し、その免れることとなつた補償給付の価額に相当する金額の全部又は一部を支払うことができる。
第十四条
補償給付の支給がされた場合においては、政令で定める法令の規定により同一の事由について当該補償給付に相当する給付等を支給すべき者は、その支給された補償給付の価額の限度で当該給付等を支給する義務を免れる。
2
前項の政令で定める法令の規定により同一の事由について補償給付に相当する給付等の支給がされた場合においては、都道府県知事は、政令で定めるところにより、その価額の限度で補償給付を支給する義務を免れる。この場合において、当該給付等を支給した者は、当該都道府県知事が補償給付を支給する義務を免れた価額の限度で、当該都道府県知事に対し、当該給付等の価額に相当する金額を求償することができる。
第十五条
偽りその他不正の手段により補償給付の支給を受けた者があるときは、都道府県知事は、国税徴収の例により、その者からその補償給付の支給に要した費用に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
2
前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第十六条
補償給付の支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
第十七条
租税その他の公課は、補償給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない。
第十八条
この章に定めるもののほか、認定の申請その他の補償給付に関する手続に関し必要な事項は、環境省令で定める。
第二節 療養の給付及び療養費
第十九条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者の指定疾病について、次に掲げる療養の給付を行なう。
四
居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
五
病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
2
被認定者が前項第一号から第五号までに掲げる療養の給付を受けようとするときは、自己の選定する次条に規定する公害医療機関に公害医療手帳を提示して、当該機関から受けるものとする。
第二十条
療養の給付を取り扱う者(以下「公害医療機関」という。)は、次に掲げるもの(都道府県知事に対し公害医療機関とならない旨を申し出たものを除く。)とする。
三
前二号に掲げるもののほか、病院若しくは診療所(これらに準ずるものを含む。)又は薬局であつて環境省令で定めるもの
第二十一条
公害医療機関は、環境大臣の定めるところにより、療養の給付を担当しなければならない。
2
公害医療機関は、被認定者の指定疾病についての療養の給付に関し、環境大臣又は都道府県知事の行なう指導に従わなければならない。
第二十二条
公害医療機関の診療方針及び診療報酬は、環境大臣が中央環境審議会の意見を聴いて定めるところによる。
第二十三条
公害医療機関から診療報酬の請求があつたときは、都道府県又は第四条第三項の政令で定める市は、当該請求に係る診療内容及び診療報酬を審査して、診療報酬の額を決定し、これを支払うものとする。
2
都道府県又は第四条第三項の政令で定める市は、前項の規定による審査又は支払に関する事務を政令で定める者に委託することができる。
3
第一項の規定による審査をした者は、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
第二十四条
都道府県知事は、療養の給付を行なうことが困難であると認めるとき、又は被認定者が緊急その他やむを得ない理由により公害医療機関以外の病院、診療所若しくは薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、その必要があると認めるときは、当該被認定者の請求に基づき、療養の給付に代えて、療養費を支給する。
2
都道府県知事は、被認定者が公害医療手帳を提示しないで公害医療機関から診療又は薬剤の支給を受けた場合において、公害医療手帳を提示しなかつたことが緊急その他やむを得ない理由によるものと認めるときは、当該被認定者の請求に基づき、療養の給付に代えて、療養費を支給する。
3
前二項の療養費の額は、第二十二条の規定に基づき定められた診療報酬の例により算定する。ただし、現に要した費用の額をこえることができない。
4
療養費の支給の請求は、その請求をすることができる時から二年を経過したときは、することができない。
第三節 障害補償費
第二十五条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者(政令で定める年齢に達しない者を除く。)の指定疾病による障害の程度が政令で定める障害の程度に該当するものであるときは、当該被認定者の請求に基づき、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、その障害の程度に応じた障害補償費を支給する。
2
環境大臣は、前項の障害の程度を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
第二十六条
障害補償費の額は、被認定者の障害補償標準給付基礎月額に相当する額にその者の障害の程度に応じた政令で定める率を乗じて得た額(指定疾病による障害の程度が前条第一項の政令で定める障害の程度のうち最も重度である障害の程度に該当するものである場合にあつては、その額と政令で定める介護加算額とを合算した額)とする。
2
障害補償標準給付基礎月額は、労働者の賃金水準その他の事情を考慮して、政令で定めるところにより、環境大臣が、中央環境審議会の意見を聴いて定める。
第二十七条
二以上の指定疾病に係る二以上の障害補償費を受けることができる一の被認定者に支給する当該二以上の障害補償費の額を合算した額が、当該被認定者の障害補償標準給付基礎月額(一又は二以上の指定疾病につき前条第一項の規定により介護加算額が合算された障害補償費を受けることができる者にあつては、障害補償標準給付基礎月額と同項の政令で定める介護加算額とを合算した額)をこえるときは、政令で定めるところにより、そのこえる部分に相当する額の障害補償費は、支給しない。
第二十八条
障害補償費の支給を受けている者は、当該指定疾病による障害の程度につき、指定疾病の種類に応じて政令で定める期間ごとに、都道府県知事の診査を受けなければならない。都道府県知事が、障害補償費の支給に関し特に必要があると認めて診査を受けるべき旨を命じたときも、同様とする。
2
都道府県知事は、前項の診査の結果、その者の指定疾病による障害の程度が従前の障害の程度と異なると認める場合においては、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、新たな障害の程度が第二十五条第一項の政令で定める他の障害の程度に該当するときは新たに該当するに至つた同項の政令で定める障害の程度に応じて障害補償費の額を改定し、新たな障害の程度が同項の政令で定める障害の程度に該当しないときは障害補償費の支給を打ち切るものとする。
3
障害補償費の支給を受けている者は、都道府県知事に対し、当該指定疾病による障害の程度が増進したことを理由として、障害補償費の額の改定を請求することができる。
4
前項の規定による請求があつた場合においては、都道府県知事は、その者の指定疾病による障害の程度を診査しなければならない。第二項の規定は、この場合について準用する。
5
障害補償費の額の算定の基礎となる障害補償標準給付基礎月額に変更があつたときは、障害補償費の額は、改定されるものとする。
6
第二項(第四項において準用する場合を含む。)又は前項の規定により障害補償費の額が改定されたときは、改定後の額による障害補償費の支給は、改定された日の属する月の翌月から始めるものとする。
7
障害補償費の支給を受けている者が、正当な理由がなく第一項の診査を受けなかつたときは、都道府県知事は、障害補償費の支給を一時差し止めることができる。
第四節 遺族補償費及び遺族補償一時金
第二十九条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者が当該認定に係る指定疾病に起因して死亡したときは、死亡した被認定者の遺族の請求に基づき、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、遺族補償費を支給する。
2
指定疾病にかかつている者が認定を申請しないで当該指定疾病に起因して死亡し、第六条の規定による申請に基づいて認定がされた場合において、その遺族の請求があつたときも、前項と同様とする。
3
遺族補償費の支給は、政令で定める期間を限度として行なう。
4
被認定者又は第六条の規定による申請に基づいて行なわれた認定に係る死亡者(以下「認定死亡者」という。)が二以上の指定疾病に起因して死亡したときは、当該指定疾病に係る認定を行なつた一の都道府県知事に対してのみ、遺族補償費を請求することができる。
5
二以上の指定疾病に起因して死亡した者に係る遺族補償費の支給に要する費用の支弁の方法は、政令で定める。
第三十条
遺族補償費を受けることができる遺族は、被認定者又は認定死亡者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であつて、被認定者又は認定死亡者の死亡の当時その者によつて生計を維持していたもの(死亡の当時その者によつて生計を維持していたものがないときは、認定の申請の当時その者によつて生計を維持していたもの)とする。ただし、妻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)以外の者にあつては、被認定者又は認定死亡者の死亡の時に次に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
一
夫(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)、父母又は祖父母については、六十歳以上であること。
二
子、孫又は兄弟姉妹については、十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にあること又は六十歳以上であること。
2
被認定者又は認定死亡者の死亡の時に胎児であつた子が出生したときは、前項の規定の適用については、将来に向かつて、その子は、被認定者又は認定死亡者の死亡の当時その者によつて生計を維持していた子とみなす。
3
遺族補償費を受けることができる遺族の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹の順序とする。
第三十一条
遺族補償費の額は、当該死亡した被認定者又は認定死亡者の遺族補償標準給付基礎月額に相当する額とする。
2
遺族補償標準給付基礎月額は、労働者の賃金水準、被認定者又は認定死亡者が死亡しなかつたとすれば通常支出すると見込まれる経費その他の事情を考慮して、政令で定めるところにより、環境大臣が、中央環境審議会の意見を聴いて定める。
3
遺族補償費を受けることができる同順位の遺族が二人以上ある場合における各人の遺族補償費の額は、第一項の額をその人数で除して得た額とする。
第三十二条
遺族補償費を受けることができる同順位の遺族の数に増減を生じたときは、遺族補償費の額を改定する。
2
第二十八条第五項及び第六項の規定は遺族補償標準給付基礎月額に変更があつた場合について、同項の規定は前項の規定により遺族補償費の額が改定された場合について準用する。
第三十三条
遺族補償費を受けることができる者が次の各号の一に該当するに至つたときは、その者に対する遺族補償費は、支給しない。
二
婚姻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)をしたとき。
三
直系血族又は直系姻族以外の者の養子(届出をしていないが、事実上養子縁組関係と同様の事情にある者を含む。)となつたとき。
四
離縁によつて、死亡した被認定者又は認定死亡者との親族関係が終了したとき。
五
子、孫又は兄弟姉妹にあつては、十八歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了したとき。
第三十四条
遺族補償費を受けることができる先順位者がその請求をしないで死亡した場合においては、次順位者が遺族補償費を請求することができる。前条の規定により遺族補償費が支給されないこととなつた場合において、同順位者がなくて後順位者があるときも、同様とする。
第三十五条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者が当該認定に係る指定疾病に起因して死亡した場合において、その死亡の時に遺族補償費を受けることができる遺族がないときは、次に掲げる者の請求に基づき、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、遺族補償一時金を支給する。
二
被認定者の死亡の当時その者によつて生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
三
被認定者の認定の申請の当時その者によつて生計を維持していた子、父母、孫及び祖父母
四
前二号に該当しない子、父母、孫及び祖父母並びに兄弟姉妹
2
第二十九条第二項、第四項及び第五項の規定は、遺族補償一時金の支給について準用する。
3
遺族補償費を受けていた者が、第三十三条各号の一に該当することにより遺族補償費を支給されないこととなつた場合において、他に遺族補償費を受けることができる遺族がなく、かつ、被認定者又は認定死亡者の死亡により支給された遺族補償費の額の合計額がその死亡した者について次条第一項の規定により算定した額に満たないときは、第一項各号に掲げる者の請求に基づき、遺族補償一時金を支給する。
4
遺族補償一時金を受けることができる者の順位は、第一項各号の順序により、同項第二号から第四号までに掲げる者のうちにあつては、それぞれ当該各号に掲げる順序による。
第三十六条
前条第一項の規定により支給する遺族補償一時金の額は、当該死亡した被認定者又は認定死亡者の遺族補償標準給付基礎月額に相当する額に政令で定める月数を乗じて得た額に相当する額とする。
2
前条第三項の規定により支給する遺族補償一時金の額は、当該死亡した被認定者又は認定死亡者について前項の規定により算定した額から当該被認定者又は認定死亡者の死亡により支給された遺族補償費の額の合計額を控除した額に相当する額とする。
3
第三十一条第三項の規定は、前二項の遺族補償一時金の額について準用する。
第三十七条
遺族補償費又は遺族補償一時金の支給の請求は、被認定者又は認定死亡者が死亡した時(第三十四条後段の規定による請求により支給する遺族補償費及び第三十五条第三項の規定により支給する遺族補償一時金にあつては、従前の遺族補償費を受けることができる者が第三十三条各号の一に該当するに至つた時)から二年を経過したときは、することができない。
第三十八条
遺族補償費又は遺族補償一時金は、被認定者又は認定死亡者を故意に死亡させた者には、支給しない。被認定者又は認定死亡者の死亡前に、その者の死亡によつて遺族補償費又は遺族補償一時金を受けることができる先順位又は同順位となるべき者を故意に死亡させた者についても、同様とする。
2
遺族補償費は、遺族補償費を受けることができる先順位又は同順位の者を故意に死亡させた者には、以後支給しない。
第五節 児童補償手当、療養手当及び葬祭料
第三十九条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者で第二十五条第一項の政令で定める年齢に達しないものの指定疾病による障害の程度が政令で定める障害の程度に該当するものであるときは、当該被認定者を養育している者の請求に基づき、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、その障害の程度に応じた政令で定める額(指定疾病による障害の程度が当該政令で定める障害の程度のうち最も重度である障害の程度に該当するものである場合にあつては、その額と第二十六条第一項の政令で定める介護加算額とを合算した額)の児童補償手当を支給する。
2
環境大臣は、前項の障害の程度を定める政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
3
第二十七条及び第二十八条(第五項を除く。)の規定は、児童補償手当の支給について準用する。
第四十条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者が当該認定に係る指定疾病について第十九条第一項各号に掲げる療養を受けており、かつ、その病状の程度が政令で定める病状の程度に該当するものであるときは、当該被認定者の請求に基づき、その病状の程度に応じた政令で定める額の療養手当を支給する。
2
第二十四条第四項の規定は、療養手当の支給の請求について準用する。
第四十一条
都道府県知事は、その認定に係る被認定者が当該認定に係る指定疾病に起因して死亡したときは、葬祭を行なう者の請求に基づき、政令で定める額の葬祭料を支給する。
2
第二十九条第二項、第四項及び第五項並びに第三十七条の規定は、葬祭料の支給及びその請求について準用する。
第六節 補償給付の制限等
第四十二条
被認定者又は被認定者で第二十五条第一項の政令で定める年齢に達しないものを養育している者が、正当な理由がなく療養に関する指示に従わなかつたときは、都道府県知事は、補償給付の全部又は一部を支給しないことができる。
第四十三条
都道府県知事は、第三条第一項第二号から第七号までに掲げる補償給付の額を定め、又はその額を改定するにあたり、被認定者又は認定死亡者に係る指定疾病による障害が発生し、若しくはその程度が増進したこと、指定疾病がなおらないこと又は指定疾病に起因して死亡したことにつき他の原因があると認めるときは、公害健康被害認定審査会の意見をきいて、当該他の原因を参酌することができる。
第七節 公害健康被害認定審査会
第四十四条
この法律によりその権限に属させられた事項を行なわせるため、第一種地域又は第二種地域の全部又は一部をその区域に含む都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に、公害健康被害認定審査会を置く。
第四十五条
公害健康被害認定審査会は、医学、法律学その他公害に係る健康被害の補償に関し学識経験を有する者のうちから、都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長が任命する委員をもつて組織する。
2
委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
3
第一項に定めるもののほか、公害健康被害認定審査会の組織、運営その他公害健康被害認定審査会に関し必要な事項は、都道府県又は第四条第三項の政令で定める市の条例で定める。
第三章 公害保健福祉事業
第四十六条
都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長は、指定疾病によりそこなわれた被認定者の健康を回復させ、その回復した健康を保持させ、及び増進させる等被認定者の福祉を増進し、並びに第一種地域又は第二種地域における当該地域に係る指定疾病による被害を予防するために必要なリハビリテーションに関する事業、転地療養に関する事業その他の政令で定める公害保健福祉事業を行なうものとする。
2
都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長は、前項の公害保健福祉事業を行なおうとするときは、環境大臣の承認を受けなければならない。
第四章 費用
第一節 費用の支弁及び財源
第四十七条
都道府県又は第四条第三項の政令で定める市は、次に掲げる費用を支弁する。
一
当該都道府県知事又は当該市の長が行なう補償給付の支給(第十四条第二項の規定による求償に対する支払を含む。以下この章において同じ。)に要する費用
二
この法律又はこの法律に基づく命令の規定により当該都道府県知事又は当該市の長が行なう事務の処理に要する費用
第四十八条
前条の規定により都道府県又は第四条第三項の政令で定める市が支弁する前条第一号に掲げる費用は、政令で定めるところにより、機構が当該都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に対して納付する納付金をもつて充てる。
2
都道府県知事又は第四条第三項の政令で定める市の長が第四十六条の規定に基づいて行なう公害保健福祉事業に要する費用のうちその四分の三に相当する額については、政令で定めるところにより、機構が当該都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に対して納付する納付金をもつて充てる。
第四十九条
前条の規定による納付金のうち、第四条第一項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用に充てるためのものの全部並びに第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の二については、第五十二条第一項の規定により機構が徴収する汚染負荷量賦課金のほか、別に法律で定めるところにより徴収される金員をもつて充て、第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の一については、第五十一条の規定に基づく政府の補助金をもつて充てる。
2
前条の規定による納付金のうち、第四条第二項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用に充てるためのものの全部並びに第二種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の二については、第六十二条第一項の規定により機構が徴収する特定賦課金をもつて充て、第二種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのものの三分の一については、第五十一条の規定に基づく政府の補助金をもつて充てる。
3
第一項の規定により前条の規定による納付金に充てるべき汚染負荷量賦課金及び別に法律で定めるところにより徴収される金員の配分比率は、第五十二条第一項に規定するばい煙発生施設等設置者その他の者の第一種地域に係る指定疾病に影響を与える大気の汚染の原因である物質の排出の状況その他の事情を勘案して、政令で定める。
第五十条
政府は、政令で定めるところにより、都道府県又は第四条第三項の政令で定める市に対し、第四十七条の規定により当該都道府県又は当該市が支弁する同条第二号に掲げる費用の二分の一に相当する金額を交付する。
第五十一条
政府は、機構に対し、第四十八条第二項の規定による納付金の三分の一に相当する金額を補助するものとする。
第二節 汚染負荷量賦課金
第五十二条
機構は、第四十八条の規定による納付金のうち、第四条第一項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用並びに第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行う公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのもの、第十三条第二項の規定による支払に要する費用並びに機構が行う事務の処理に要する費用(以下「補償給付支給費用等」という。)の一部に充てるため、
大気汚染防止法
(昭和四十三年法律第九十七号)
第二条第二項
に規定するばい煙発生施設が設置される工場又は事業場を設置し、又は設置していた事業者で、次に掲げるもの(以下「ばい煙発生施設等設置者」という。)から、毎年度、汚染負荷量賦課金を徴収する。
一
第一種地域に係る指定疾病に影響を与える大気の汚染の原因である政令で定める物質を排出するばい煙発生施設が設置され、かつ、最大排出ガス量が政令で定める地域の区分に応じて政令で定める量以上である工場又は事業場を、各年度(毎年四月一日から翌年三月三十一日までをいう。以下この章において同じ。)の初日において設置している事業者
二
第一種地域の指定がすべて解除された場合にあつては、その解除があつた日(以下「基準日」という。)の前日の属する年度(以下「基準年度」という。)の初日において前号の政令で定められていた物質(以下「対象物質」という。)を排出するばい煙発生施設が設置され、かつ、最大排出ガス量が基準年度の初日において同号の政令で定められていた地域の区分に応じて同号の政令で定められていた量以上であつた工場又は事業場を基準年度の初日において設置していた事業者。ただし、基準日以後も基準日前にされた第四条第一項の認定に係る被認定者及び認定死亡者(以下「既被認定者」という。)に関する補償給付支給費用等が生ずる場合に限る。
2
第一種地域の指定がすべて解除された場合において、基準日がその属する年度の初日の翌日以後の日であるときは、前項第二号に掲げるばい煙発生施設等設置者に対する同項の規定の適用については、同項中「毎年度」とあるのは、「基準日の属する年度の翌年度から毎年度」とする。
3
ばい煙発生施設等設置者は、汚染負荷量賦課金を納付する義務を負う。
第五十三条
各ばい煙発生施設等設置者から徴収する汚染負荷量賦課金の額は、次の各号に掲げるばい煙発生施設等設置者の種別に従い、当該各号に定める額とする。
一
前条第一項第一号のばい煙発生施設等設置者 当該ばい煙発生施設等設置者が排出する同号の政令で定める各物質ごとの単位排出量当たりの賦課金額に前年度の初日の属する年における年間排出量を乗じて得た額の合計額
二
前条第一項第二号のばい煙発生施設等設置者 次のイ及びロに掲げる額を合算した額
イ 対象物質ごとの単位排出量当たりの賦課金額に基準日前の既被認定者の指定疾病に影響を与えた大気の汚染の状況その他の事情を勘案して政令で定める年から基準年度の前年度の初日の属する年までの期間(以下「算定基礎期間」という。)の各年における対象物質の年間排出量を大気の汚染の状況に応じた地域の別その他の事情を勘案して政令で定めるところにより換算して得た量を累積した量(以下「累積量」という。)を乗じて得た額の合計額
ロ 基準日以後に排出される対象物質ごとの単位排出量当たりの賦課金額に前年度の初日の属する年における対象物質の年間排出量を乗じて得た額の合計額
2
前項の年間排出量の算定の方式は、環境省令で定める。
第五十四条
前条第一項第一号の単位排出量当たりの賦課金額は、第三条第一項に掲げる補償給付の種類ごとの受給者見込数及び平均受給金額の見込額その他の事項に基づき算定した補償給付支給費用等に充てるための汚染負荷量賦課金の総額として当該年度において必要であると見込まれる金額(以下「賦課金見込額」という。)のうち既被認定者以外の被認定者及び認定死亡者に関する金額とばい煙発生施設等設置者が排出する第五十二条第一項第一号の政令で定める各物質ごとの前年度の初日の属する年における総排出量とを基礎として、当該物質による大気の汚染の状況に応じた地域の別に従い、政令で定める。
2
次の各号に掲げる単位排出量当たりの賦課金額は、当該各号に掲げる事項を基礎として政令で定める。ただし、第二号に掲げる賦課金額は、同号の対象物質による大気の汚染の状況に応じた地域の別に従い定めるものとする。
一
前条第一項第二号イの単位排出量当たりの賦課金額 賦課金見込額のうち既被認定者に関する金額に既被認定者の指定疾病の状況その他の事情を勘案して政令で定める率を乗じて得た額及びばい煙発生施設等設置者が排出した算定基礎期間における対象物質ごとの総累積量
二
前条第一項第二号ロの単位排出量当たりの賦課金額 賦課金見込額のうち既被認定者に関する金額に一から前号の政令で定める率を控除して得た率を乗じて得た額及びばい煙発生施設等設置者が排出する前年度の初日の属する年における対象物質ごとの総排出量
第五十五条
ばい煙発生施設等設置者は、各年度ごとに、汚染負荷量賦課金を、環境省令で定める事項を記載した申告書に添えて、その年度の初日から四十五日以内に機構に納付しなければならない。
2
前項の申告書には、第五十二条第一項第一号の政令で定める物質又は基準日以後に排出される対象物質の年間排出量を証する書類として環境省令で定める書類を添付しなければならない。
3
機構は、ばい煙発生施設等設置者が第一項に規定する期間内に同項の申告書を提出しないとき、又は同項の申告書に環境省令で定める事項の記載の誤りがあると認めたときは、汚染負荷量賦課金の額を決定し、これをばい煙発生施設等設置者に通知する。
4
前項の規定による通知を受けたばい煙発生施設等設置者は、汚染負荷量賦課金を納付していないときは同項の規定により機構が決定した汚染負荷量賦課金の全額を、納付した汚染負荷量賦課金の額が同項の規定により機構が決定した汚染負荷量賦課金の額に足りないときはその不足額を、その通知を受けた日から十五日以内に機構に納付しなければならない。
5
ばい煙発生施設等設置者が納付した汚染負荷量賦課金の額が、第三項の規定により機構が決定した汚染負荷量賦課金の額をこえる場合には、機構は、そのこえる額について、未納の汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の徴収金がないときはこれを還付しなければならない。
第五十六条
機構は、ばい煙発生施設等設置者の申請に基づき、その者の納付すべき汚染負荷量賦課金を延納させることができる。
第五十七条
汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金を納付しない者があるときは、機構は、期限を指定して督促しなければならない。
2
前項の規定により督促するときは、機構は、納付義務者に対して督促状を発する。
3
前項の督促状により指定する第一項の期限は、督促状を発する日から起算して十日以上経過した日でなければならない。
4
機構は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定の期限までに汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金を完納しないときは、納付義務者の住所地又はその財産の所在地の市町村(特別区を含む。以下この条において同じ。)に対して、その徴収を請求することができる。
5
市町村は、前項の規定による徴収の請求を受けたときは、地方税の滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。この場合においては、機構は、徴収金額の百分の四に相当する金額を当該市町村に交付しなければならない。
6
市町村が第四項の規定による徴収の請求を受けた日から三十日以内に滞納処分に着手せず、又は九十日以内にこれを結了しないときは、機構は、環境大臣の認可を受けて、国税滞納処分の例により、滞納処分をすることができる。
第五十八条
前条第一項の規定により汚染負荷量賦課金の納付を督促したときは、機構は、その督促に係る汚染負荷量賦課金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納付期限の翌日からその完納又は財産差押えの日の前日までの日数により計算した延滞金を徴収する。ただし、督促に係る汚染負荷量賦課金の額が千円未満であるときは、この限りでない。
2
前項の場合において、汚染負荷量賦課金の額の一部につき納付があつたときは、その納付の日以降の期間に係る延滞金の額の計算の基礎となる汚染負荷量賦課金の額は、その納付のあつた汚染負荷量賦課金の額を控除した額とする。
3
延滞金の計算において、前二項の汚染負荷量賦課金の額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
4
前三項の規定によつて計算した延滞金の額に百円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。
5
延滞金は、次の各号の一に該当する場合には、徴収しない。ただし、第四号の場合には、その執行を停止し、又は猶予した期間に対応する部分の金額に限る。
一
督促状に指定した期限までに汚染負荷量賦課金を完納したとき。
二
納付義務者の住所又は居所がわからないため、公示送達の方法によつて督促したとき。
四
汚染負荷量賦課金について滞納処分の執行を停止し、又は猶予したとき。
五
汚染負荷量賦課金を納付しないことについてやむを得ない理由があると認められるとき。
第五十九条
汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとする。
第六十条
汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金は、この節に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収する。
第六十条の二
機構は、汚染負荷量賦課金の徴収に関し必要があると認めるときは、ばい煙発生施設等設置者に対し、文書その他の物件の提出を求めることができる。
第六十一条
この節に定めるもののほか、汚染負荷量賦課金その他この節の規定による徴収金に関し必要な事項は、環境省令で定める。
第三節 特定賦課金
第六十二条
機構は、第四十八条の規定による納付金のうち、第四条第二項の認定に係る被認定者及び認定死亡者に関する補償給付の支給に要する費用並びに第二種地域に係る指定疾病による被害に関して行なう公害保健福祉事業に要する費用に充てるためのもの並びに機構が行なう事務の処理に要する費用の一部に充てるため、第二種地域に係る指定疾病に影響を与える大気の汚染又は水質の汚濁の原因である物質を排出した
大気汚染防止法第二条第二項
に規定するばい煙発生施設、
同法第十七条第一項
に規定する特定施設又は
水質汚濁防止法
(昭和四十五年法律第百三十八号)
第二条第二項
に規定する特定施設の設置者(過去の設置者を含む。以下「特定施設等設置者」という。)から、毎年度、特定賦課金を徴収する。
2
特定施設等設置者は、特定賦課金を納付する義務を負う。
第六十三条
各特定施設等設置者から徴収する特定賦課金の額の算定方法は、当該第二種地域に係る指定疾病に影響を与えた大気の汚染又は水質の汚濁の原因である物質の排出量その他の事情を考慮して、政令で定める。
2
環境大臣は、前項の規定に基づき政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環境審議会の意見を聴かなければならない。
第六十四条
機構は、前条第一項の政令で定める特定賦課金の算定方法に従い、各特定施設等設置者が納付すべき特定賦課金の額を決定し、当該各特定施設等設置者に対し、その者が納付すべき特定賦課金の額及び納付すべき期限その他必要な事項を通知しなければならない。
2
前項の規定により特定賦課金の額が定められた後、特定賦課金の額を変更する必要が生じたときは、機構は、当該各特定施設等設置者が納付すべき特定賦課金の額を変更し、当該各特定施設等設置者に対し、変更後の特定賦課金の額を通知しなければならない。
3
機構は、特定施設等設置者が納付した特定賦課金の額が、前項の規定による変更後の特定賦課金の額に満たない場合には、その不足する額について、同項の規定による通知とともに納付すべき期限その他必要な事項を通知し、同項の規定による変更後の特定賦課金の額をこえる場合には、そのこえる額について、未納の特定賦課金その他この節の規定による徴収金があるときはこれに充当し、なお残余があれば還付し、未納の徴収金がないときはこれを還付しなければならない。
第六十五条
機構は、特定施設等設置者の全部又は一部から当該各特定施設等設置者が納付すべき特定賦課金について納付の方法を明らかにして共同で納付する旨の申出があり、これを承認したときは、前条第一項の規定にかかわらず、当該各特定施設等設置者に係る特定賦課金の額を定めないものとする。
2
前項の規定による承認を受けた特定施設等設置者が当該第二種地域に係る特定賦課金を納付すべき特定施設等設置者の一部であるときは、機構は、特定賦課金の額の決定に準じて、それらの特定施設等設置者が共同で納付すべき特定賦課金の額を定めなければならない。
3
第一項の規定による承認を受けた特定施設等設置者が当該第二種地域に係る特定賦課金を納付すべき特定施設等設置者の全部である場合にはその納付すべき特定賦課金の総額を、その一部である場合には前項の規定により定められた額を共同で納付したときは、当該特定施設等設置者は、その特定賦課金を納付したものとみなす。
4
前条第二項及び第三項の規定は、第二項の共同で納付すべき特定賦課金について準用する。
第六十六条
第五十六条から第六十条の二までの規定は、特定賦課金について準用する。
第六十七条
この節に定めるもののほか、特定賦課金その他この節の規定による徴収金に関し必要な事項は、環境省令で定める。
第四節 補則
第六十七条の二
環境大臣は、次の場合には、経済産業大臣に協議しなければならない。
一
第五十三条第二項、第五十五条第一項から第三項まで、第六十一条又は前条の環境省令を定めようとするとき。
第五章 公害健康被害予防事業
第六十八条
機構は、大気の汚染の影響による健康被害を予防するため、次の業務を行う。
一
大気の汚染の影響による健康被害の予防に関する調査研究、知識の普及及び研修を行うこと。
二
大気の汚染の影響による健康被害の予防に関する計画の作成、健康相談、健康診査、機能訓練又は施設若しくは機械器具の整備を行う地方公共団体(施設又は機械器具の整備を行う者に対して助成を行う地方公共団体を含む。)に対する助成金を交付すること。
第六章 不服申立て
第一節 認定又は補償給付の支給に関する処分に対する不服申立て
第百六条
認定又は補償給付の支給に関する処分に不服がある者は、その処分をした都道府県知事に対し、異議申立てをすることができる。
2
認定又は補償給付の支給に関する処分に不服がある者のする審査請求は、公害健康被害補償不服審査会に対してしなければならない。
3
第一項の異議申立て及び前項の審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
第百七条
前条第二項の審査請求については、
行政不服審査法
(昭和三十七年法律第百六十号)
第二十五条
の規定は、適用しない。
第百八条
認定又は補償給付の支給に関する処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する公害健康被害補償不服審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第二節 賦課徴収に関する処分等に対する審査請求
第百九条
この法律に基づいてした機構の処分に不服がある者は、環境大臣に対し、
行政不服審査法
による審査請求をすることができる。
第百十条
この法律に基づいて機構がした処分の取消しの訴えは、当該処分についての審査請求に対する環境大臣の裁決を経た後でなければ、提起することができない。
第三節 公害健康被害補償不服審査会
第一款 設置及び組織
第百十三条
委員は、人格が高潔であつて、公害問題に関する識見を有し、かつ、医学、法律学その他公害に係る健康被害の補償に関する学識経験を有する者のうちから、両議院の同意を得て、環境大臣が任命する。
2
委員の任期が満了し、又は欠員を生じた場合において、国会の閉会又は衆議院の解散のために両議院の同意を得ることができないときは、環境大臣は、前項の規定にかかわらず、同項に定める資格を有する者のうちから、委員を任命することができる。
3
前項の場合においては、任命後最初の国会で、両議院の事後の承認を得なければならない。この場合において、両議院の事後の承認を得られないときは、環境大臣は、その委員を罷免しなければならない。
第百十四条
委員の任期は、三年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
3
委員の任期が満了したときは、当該委員は、後任者が任命されるまで引き続きその職務を行なうものとする。
第百十六条
委員は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、在任中、その意に反して罷免されることがない。
三
審査会により、心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき、又は職務上の義務違反その他委員たるに適しない行為があると認められたとき。
第百十七条
環境大臣は、委員が前条各号の一に該当するときは、その委員を罷免しなければならない。
第百十八条
審査会に会長を置き、委員の互選によつて常勤の委員のうちからこれを定める。
3
会長に事故があるときは、あらかじめその指名する常勤の委員が、その職務を代理する。
第百十九条
審査会の会務の処理(審査請求の事件の取扱いを除く。)は、委員の全員の会議(以下この条において「委員会議」という。)の議決によるものとする。
3
委員会議は、会長及び三人以上の委員の出席がなければ、これを開き、議決をすることができない。
4
委員会議の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
5
審査会が第百十六条第三号の規定による認定をするには、前項の規定にかかわらず、出席した委員のうちの本人を除く全員の一致がなければならない。
6
会長に事故がある場合の第三項の規定の適用については、第百十八条第三項の規定により会長の職務を代理する常勤の委員は、会長とみなす。
第百十九条の二
審査会に、専門の事項を調査審議させるため、専門委員を置くことができる。
2
専門委員は、学識経験のある者のうちから、環境大臣が任命する。
3
専門委員は、当該専門の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
第百二十条
審査会は、委員のうちから審査会が指名する者三人をもつて構成する合議体で、審査請求の事件を取り扱う。
2
前項の規定にかかわらず、次の各号の一に該当する場合においては、委員の全員をもつて構成する合議体で、審査請求の事件を取り扱う。
一
前項の合議体が、法令の解釈適用について、その意見が前に審査会のした裁決に反すると認めた場合
二
前項の合議体を構成する者の意見が分かれたため、その合議体としての意見が定まらない場合
三
審査会が、委員の全員をもつて構成する合議体において審査請求事件を取り扱う旨の議決をした場合
第百二十一条
前条第一項又は第二項の各合議体を構成する者を審査員とし、うち一人を審査長とする。
2
前条第一項の合議体のうち、会長がその構成に加わるものにあつては、会長が審査長となり、その他のものにあつては、審査会の指名する委員が審査長となる。
3
前条第二項の合議体にあつては、会長が審査長となり、会長に事故があるときは、第百十八条第三項の規定により会長の職務を代理する常勤の委員が審査長となる。
第百二十二条
第百二十条第一項の合議体は、これを構成するすべての審査員の、同条第二項の合議体は、四人以上の審査員の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。
2
第百二十条第一項の合議体の議事は、その合議体を構成する審査員の過半数をもつて決する。
3
第百二十条第二項の合議体の議事は、出席した三人以上の審査員の賛成をもつて決し、可否それぞれ三人のときは、審査長の決するところによる。
第百二十三条
委員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
2
委員は、在任中、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
3
常勤の委員は、在任中、環境大臣の許可のある場合を除くほか、報酬を得て他の職務に従事し、又は営利事業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行なつてはならない。
第二款 審査請求の手続
第百二十六条
審査会は、審査請求を受理したときは、審査請求書の副本を利害関係人に送付しなければならない。
第百二十七条
審査会は、審理の期日及び場所を定め、原処分をした行政庁、審査請求人及び参加人(以下この款において「当事者」という。)に通知しなければならない。
第百二十八条
審理は、公開して行なう。ただし、当事者の申立てがあつたときは、公開しないことができる。
第百三十条
当事者及びその代理人は、審理の期日に出頭して意見を述べることができる。この場合において、当事者又はその代理人は、審査会の許可を得て、補佐人と共に出頭することができる。
第百三十一条
審査会は、審理を行なうため特に必要があると認めるときは、審査請求人に対し、認定又は補償給付の支給に係る者について、審査会の指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。
第百三十二条
審査会は、審理の期日における経過について、調書を作成しなければならない。
2
当事者及び利害関係人は、審査会の許可を得て、前項の調書を閲覧することができる。
第百三十四条
この款の規定により審査会がした処分については、
行政不服審査法
による不服申立てをすることができない。
第百三十五条
この款に定めるもののほか、審査請求の手続に関し必要な事項は、環境省令で定める。
第七章 雑則
第百三十六条
都道府県知事は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、認定又は補償給付を受け、又は受けようとする者に対し、報告又は文書その他の物件の提出を求めることができる。
第百三十七条
都道府県知事は、認定又は補償給付の支給に関し必要があると認めるときは、認定又は補償給付を受け、又は受けようとする者に対し、その認定又は補償給付の支給に係る者について、当該都道府県知事の指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。
第百三十八条
補償給付を受けることができる者が、第百三十六条の規定により報告又は文書その他の物件の提出を求められて、正当な理由がなくこれに従わず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の記載をした文書を提出し、又は正当な理由がなく前条の規定による命令に従わないときは、都道府県知事は、その者に対する補償給付を一時差し止めることができる。
第百三十九条
都道府県知事は、療養の給付に関し必要があると認めるときは、公害医療機関に対し報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を求め、公害医療機関の開設者若しくは管理者、医師、薬剤師その他の従業者に対して出頭を求め、又はその職員に、公害医療機関の施設に立ち入り、関係者に質問させ、若しくはその設備若しくは診療録、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
前項の規定により検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
3
第一項の規定による検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
4
公害医療機関が、第一項の規定により報告若しくは診療録その他の帳簿書類の提出若しくは提示を求められて、正当な理由がなくこれに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は公害医療機関の開設者若しくは管理者、医師、薬剤師その他の従業者が、同項の規定により出頭を求められて、正当な理由がなくこれに従わず、同項の規定による質問に対して、正当な理由がなく答弁せず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したときは、都道府県知事は、当該公害医療機関に対する診療報酬の支払を一時差し止めることができる。
第百四十条
都道府県知事は、認定又は補償給付(療養の給付を除く。以下この項において同じ。)の支給に関し必要があると認めるときは、当該認定の申請に係る診断又は補償給付に関する診療、薬剤の支給若しくは手当を行なつた者又はこれを使用する者に対し、その行なつた診断又は診療、薬剤の支給若しくは手当につき、報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を求め、又はその職員に質問させることができる。
2
前条第二項の規定は前項の規定による質問について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
第百四十一条
環境大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、ばい煙発生施設等設置者又は特定施設等設置者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、ばい煙発生施設等設置者若しくは特定施設等設置者の工場若しくは事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
2
第百三十九条第二項の規定は前項の規定による検査について、同条第三項の規定は前項の規定による権限について準用する。
第百四十二条
この法律又はこの法律に基づく命令に規定する期間の計算については、別段の定めがある場合を除き、
民法
の期間に関する規定を準用する。
第百四十三条
市町村長(特別区の区長を含むものとし、
地方自治法
(昭和二十二年法律第六十七号)
第二百五十二条の十九第一項
の指定都市にあつては、区長とする。)は、都道府県知事、第四条第三項の政令で定める市の長又は補償給付を受けることができる者に対し、条例で定めるところにより、認定を申請しようとする者、被認定者(死亡した者を含む。)、指定疾病にかかつていた者で認定を受けないで死亡したもの、補償給付を受けようとする者又は補償給付を受けていた者の戸籍に関し、無料で証明を行なうことができる。
第百四十三条の二
第四条第一項、第二項、第四項及び第六項、第五条第一項、第七条第二項(第八条第三項及び第八条の二第三項において準用する場合を含む。)、第八条第二項、第八条の二第二項、第九条、第十一条第二項、第十五条第一項、第十九条第一項、第二十条、第二十一条第二項、第二十四条第一項及び第二項、第二十五条第一項、第二十八条第一項から第四項まで及び第七項(第三十九条第三項において準用する場合を含み、第二十八条第二項にあつては同条第四項後段において準用する場合を含む。)、第二十九条第一項並びに同条第二項及び第四項(第三十五条第二項及び第四十一条第二項において準用する場合を含む。)、第三十五条第一項及び第三項、第三十九条第一項、第四十条第一項、第四十一条第一項、第四十二条、第四十三条、第四十六条、第百三十六条から第百三十八条まで、第百三十九条第一項及び第四項並びに第百四十条第一項の規定により都道府県又は第四条第三項の政令で定める市が処理することとされている事務は、
地方自治法第二条第九項第一号
に規定する
第一号
法定受託事務とする。
第百四十四条
この法律に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、その政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。
第八章 罰則
第百四十五条
第二十三条第三項、第四十五条第二項又は第百二十三条第一項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第百四十六条
次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一
第六十条の二(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定により文書その他の物件の提出を求められて、これに従わず、又は虚偽の記載をした文書を提出した者
二
第百三十六条の規定により報告又は文書その他の物件の提出を求められて、これに従わず、又は虚偽の報告をし、若しくは虚偽の記載をした文書を提出した者
三
第百四十条第一項の規定により報告若しくは診療録、帳簿書類その他の物件の提示を求められて、これに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による質問に対して、答弁せず、若しくは虚偽の答弁をした者
第百四十七条
第百四十一条第一項の規定により報告を求められて、これに従わず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者は、十万円以下の罰金に処する。
第百四十九条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第百四十六条第一号若しくは第三号又は第百四十七条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の刑を科する。
第百五十条
第五十七条第六項(第六十六条において準用する場合を含む。)の規定により環境大臣の認可を受けなければならない場合において、その認可を受けなかったときは、その違反行為をした機構の役員は、二十万円以下の過料に処する。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第一章、第二章第七節、第五章、第百四十五条中第四十五条第三項に係る部分、第百四十六条第一号、第百四十七条第一項、第百四十九条、第百五十条、附則第三条、附則第四条第二項、附則第五条から附則第八条まで、附則第十九条、附則第二十条及び附則第二十五条から附則第二十七条までの規定は公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から、附則第四条第一項、附則第三十条及び附則第三十一条の規定は公布の日から施行する。
(公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の廃止)
第二条
公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(昭和四十四年法律第九十号。以下「旧法」という。)は、廃止する。
(旧法の廃止に伴う経過措置)
第三条
この法律の施行の際現に旧法第三条第一項の認定を受けている者は、政令で定めるところにより、この法律による認定を受けた者とみなす。
第四条
この法律の施行の際現に旧法第三条第一項の認定の申請をしている者に対しては、従前の例によりその認定をすることができる。ただし、旧法第十三条から第十五条まで、第十八条及び第十九条の規定は、適用しない。
2
前項の認定を受けた者は、政令で定めるところにより、この法律による認定を受けた者とみなす。
3
政府は、予算の範囲内において、第一項の規定により従前の例によりその認定をすることができるとされている者の認定に関し旧法第十条の規定により都道府県が支弁する費用及び旧法第十二条の規定により都道府県が補助する費用に充てるため、当該都道府県に対し、交付金を交付するものとする。
第五条
前二条の規定によりこの法律による認定を受けた者とみなされる者の指定疾病に係る第七条第一項の規定による認定の有効期間の始期は、この法律の施行の日とする。
第六条
旧法第三条第一項の認定を受けた者及び附則第四条第一項の規定により旧法第三条第一項の規定の例による認定を受けた者についてのこの法律の施行前の医療又は介護に係る費用の支給に関しては、なお従前の例による。
第七条
旧法第三条第一項の認定を受けた者が当該認定に係る疾病に関し損害賠償その他の給付を受けた場合における旧法の規定により支給された医療費、医療手当及び介護手当の額に相当する金額の返還に関しては、なお従前の例による。
2
前項においてなお従前の例によることとされる旧法第二十九条に基づく政令の規定により旧法第二十四条の規定による返還金の一部に相当する金額の納付を受けた機構は、その額の金銭を、旧法第十六条第一項に規定する法人が存続する限りその法人に引き継ぐものとする。
第八条
この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(昭和四十九年度から平成二十九年度までの間における交付金)
第九条
昭和四十九年度から平成二十九年度までの間においては、政府は、機構に対し、各年度ごとに、第一種地域に係る指定疾病に関する第四十七条第一号に掲げる費用及び第一種地域に係る指定疾病による被害に関して行う公害保健福祉事業に要する費用に充てるための機構の納付金のうち大気の汚染の原因である物質を排出する自動車に係る分として当該年度において必要であると見込まれる金額に相当する当該年度の自動車重量税の収入見込額の一部に相当する金額を交付する。
2
昭和四十九年度から平成二十九年度までの間における第四十九条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項中「のほか、別に法律で定めるところにより徴収される金員」とあるのは「及び自動車重量税の年度ごとの収入見込額の一部に相当する金額の政府の交付金」と、同条第三項中「別に法律で定めるところにより徴収される金員」とあるのは「政府の交付金」とする。
(拠出金の事業費への充当)
第十条
機構は、独立行政法人環境再生保全機構法(平成十五年法律第四十三号。以下「機構法」という。)第十四条第一項の規定にかかわらず、当分の間、環境大臣の認可を受けて、同項に規定する大気汚染物質排出施設設置者等から拠出される拠出金の一部を第六十八条に規定する業務に要する費用に充てることができる。
2
環境大臣は、前項の認可をしようとするときは、財務大臣に協議しなければならない。
附 則 (昭和四九年六月一一日法律第八五号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和五一年三月三一日法律第八号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和五三年三月三一日法律第一〇号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和五五年三月三一日法律第一一六号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和五八年三月三一日法律第一六号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和五八年一二月二日法律第七八号)
1
この法律(第一条を除く。)は、昭和五十九年七月一日から施行する。
2
この法律の施行の日の前日において法律の規定により置かれている機関等で、この法律の施行の日以後は国家行政組織法又はこの法律による改正後の関係法律の規定に基づく政令(以下「関係政令」という。)の規定により置かれることとなるものに関し必要となる経過措置その他この法律の施行に伴う関係政令の制定又は改廃に関し必要となる経過措置は、政令で定めることができる。
附 則 (昭和六〇年三月三〇日法律第一五号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和六二年六月二日法律第四三号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、昭和六十二年十月一日から施行する。ただし、附則第九条の規定は、公害健康被害補償法の一部を改正する法律(昭和六十二年法律第九十七号)の施行の日から施行する。
附 則 (昭和六二年九月二六日法律第九七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超え六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
第二条
この法律の施行の際現に公害健康被害補償予防協会という名称を使用している者については、改正後の公害健康被害の補償等に関する法律第七十二条の規定は、この法律の施行後六月間は、適用しない。
第三条
この法律の施行の際現に公害健康被害補償予防協会の理事又は監事である者の任期については、なお従前の例による。
第四条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (昭和六三年三月三一日法律第七号)
この法律は、昭和六十三年四月一日から施行する。
附 則 (平成四年五月六日法律第三九号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成四年十月一日から施行する。
附 則 (平成五年三月三一日法律第五号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (平成五年一一月一九日法律第九二号) 抄
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (平成六年六月二九日法律第五六号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成六年十月一日から施行する。
附 則 (平成七年三月一七日法律第二六号)
1
この法律は、公布の日から施行する。ただし、第三十条第一項第二号及び第三十三条第五号の改正規定は、平成七年四月一日から施行する。
2
改正後の第八条の二の規定は、この法律の施行の日以後に生じた災害その他やむを得ない理由により第八条第一項の規定による申請をすることができなかった者について適用する。
3
前項の規定にかかわらず、平成七年の兵庫県南部地震による災害により第八条第一項の規定による申請をすることができなかった者については、改正後の第八条の二の規定を適用する。この場合においては、同条第一項中「その理由のやんだ日」とあるのは、「公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律(平成七年法律第二十六号)の施行の日」とする。
附 則 (平成九年六月二四日法律第一〇三号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条
第一条から第五条まで、第七条から第二十四条まで、第二十六条から第三十二条まで、第三十四条から第三十七条まで、第三十九条、第四十一条から第五十条まで、第五十二条から第六十四条まで及び第六十六条から第七十二条までの規定による改正後の法律の規定は、平成八年四月一日に始まる事業年度に係る当該法律の規定に規定する書類(第十八条の規定による改正後の日本輸出入銀行法第三十五条第二項及び第十九条の規定による改正後の日本開発銀行法第三十三条第二項に規定する書類のうち、平成八年四月から九月までの半期に係るものを除く。)から適用する。
2
第六条の規定による改正後の科学技術振興事業団法第三十七条第三項の規定は、同法附則第十一条に規定する事業年度に係る同項に規定する書類から適用する。
3
第三十八条の規定による改正後の農畜産業振興事業団法第三十四条第三項の規定は、同法附則第十一条に規定する事業年度に係る同項に規定する書類から適用する。
4
第四十条の規定による改正後の日本中央競馬会法第三十条第三項及び第四項の規定は、平成九年一月一日に始まる事業年度に係る同条第三項及び第四項に規定する書類から適用する。
附 則 (平成一〇年三月三一日法律第一八号)
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(国等の事務)
第百五十九条
この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条
施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2
前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条
施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2
附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条
新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条
政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条
政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二
附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日
(職員の身分引継ぎ)
第三条
この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。
(公害健康被害の補償等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二十七条
この法律の施行の際現に従前の環境庁の公害健康被害補償不服審査会の委員である者は、この法律の施行の日に、第百八十三条の規定による改正後の公害健康被害の補償等に関する法律(以下この条において「新公害健康被害補償法」という。)第百十三条第一項の規定により、環境省の公害健康被害補償不服審査会の委員として任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、新公害健康被害補償法第百十四条第一項の規定にかかわらず、同日における従前の環境庁の公害健康被害補償不服審査会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。
2
この法律の施行の際現に従前の環境庁の公害健康被害補償不服審査会の会長である者は、この法律の施行の日に、新公害健康被害補償法第百十八条第一項の規定により、環境省の公害健康被害補償不服審査会の会長に定められたものとみなす。
(別に定める経過措置)
第三十条
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。
附 則 (平成一一年一二月八日法律第一五一号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。
(経過措置)
第三条
民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第三項の規定により従前の例によることとされる準禁治産者及びその保佐人に関するこの法律による改正規定の適用については、次に掲げる改正規定を除き、なお従前の例による。
一
第四条の規定による非訟事件手続法第百三十八条の改正規定
二
第七条中公証人法第十四条及び第十六条の改正規定
三
第十四条の規定による帝都高速度交通営団法第十四条ノ六の改正規定
四
第十七条の規定による私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第三十一条の改正規定
五
第二十条中国家公務員法第五条第三項の改正規定
六
第二十八条の規定による競馬法第二十三条の十三、日本中央競馬会法第十三条、原子力委員会及び原子力安全委員会設置法第五条第四項、科学技術会議設置法第七条第四項、宇宙開発委員会設置法第七条第四項、都市計画法第七十八条第四項、北方領土問題対策協会法第十一条、地価公示法第十五条第四項、航空事故調査委員会設置法第六条第四項及び国土利用計画法第三十九条第五項の改正規定
七
第三十一条中建設業法第二十五条の四の改正規定
八
第三十二条の規定による人権擁護委員法第七条第一項の改正規定
九
第三十三条の規定による犯罪者予防更生法第八条第一項の改正規定
十
第三十五条中労働組合法第十九条の四第一項及び第十九条の七第一項の改正規定
十一
第四十四条中公職選挙法第五条の二第四項の改正規定
十二
第五十条中建築基準法第八十条の二の改正規定
十三
第五十四条中地方税法第四百二十六条の改正規定
十四
第五十五条中商品取引所法第百四十一条第一項の改正規定
十五
第五十六条中地方公務員法第九条第三項及び第八項の改正規定
十六
第六十七条中土地収用法第五十四条の改正規定
十七
第七十条の規定によるユネスコ活動に関する法律第十一条第一項、公安審査委員会設置法第七条及び社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十四条の改正規定
十八
第七十八条の規定による警察法第七条第四項及び第三十九条第二項の改正規定
十九
第八十条の規定による労働保険審査官及び労働保険審査会法第三十条、公害等調整委員会設置法第九条及び公害健康被害の補償等に関する法律第百十六条の改正規定
二十
第八十一条の規定による地方教育行政の組織及び運営に関する法律第四条第二項の改正規定
二十一
第八十四条の規定による農林漁業団体職員共済組合法第七十五条第一項の改正規定
二十二
第九十七条中公害紛争処理法第十六条第二項の改正規定
二十三
第百四条の規定による国会等の移転に関する法律第十五条第六項及び地方分権推進法第十三条第四項の改正規定
二十四
第百八条の規定による日本銀行法第二十五条第一項の改正規定
二十五
第百十条の規定による金融再生委員会設置法第九条第一号の改正規定
第四条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附 則 (平成一二年五月一九日法律第七一号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一四年八月二日法律第一〇二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十四年十月一日から施行する。
附 則 (平成一五年三月三一日法律第一七号)
この法律は、平成十六年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。ただし、附則第十九条の二の改正規定は、公布の日から施行する。
附 則 (平成一五年五月一六日法律第四三号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十八条から第二十七条まで及び第二十九条から第三十六条までの規定は、平成十六年四月一日から施行する。
(公害健康被害の補償等に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十九条
旧補償法(第七十六条及び第八十六条を除く。)の規定によりした処分、手続その他の行為は、通則法、この法律又は前条の規定による改正後の公害健康被害の補償等に関する法律中の相当する規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
(罰則の適用に関する経過措置)
第二十七条
附則第十八条及び第二十条の規定の施行前にした行為並びにこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第二十八条
附則第三条から第五条まで、第七条から第十六条まで、第十九条、第二十一条、第二十四条及び前二条に規定するもののほか、機構の設立に伴い必要な経過措置その他この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成一六年六月二日法律第七六号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、破産法(平成十六年法律第七十五号。次条第八項並びに附則第三条第八項、第五条第八項、第十六項及び第二十一項、第八条第三項並びに第十三条において「新破産法」という。)の施行の日から施行する。
(政令への委任)
第十四条
附則第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
附 則 (平成一八年二月一〇日法律第四号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十八年三月三十一日までの間において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成二〇年四月一六日法律第一三号)
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2
この法律の施行の日が平成二十年四月一日後となる場合においては、この法律による改正後の公害健康被害の補償等に関する法律第五十五条第一項の規定により汚染負荷量賦課金を納付すべきばい煙発生施設等設置者の平成二十年度における同条の規定の適用については、同条第一項中「各年度ごとに、汚染負荷量賦課金」とあるのは「汚染負荷量賦課金」と、「その年度」とあるのは「平成二十年度」と、「四十五日以内」とあるのは「四十五日にその年度の初日から公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第十三号)の施行の日の前日までの日数を加えた日数以内」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「公害健康被害の補償等に関する法律の一部を改正する法律附則第二項の規定により読み替えて適用される第一項」とする。
附 則 (平成二五年六月一四日法律第四四号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
二
第一条、第五条、第七条(消防組織法第十五条の改正規定に限る。)、第九条、第十条、第十四条(地方独立行政法人法目次の改正規定(「第六章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第五十九条―第六十七条)」を「第六章 移行型地方独立行政法人の設立に伴う措置(第五十九条―第六十七条)
第六章の二 特定地方独立行政法人から一般地方独立行政法人への移行に伴う措置(第六十七条の二―第六十七条の七)」に改める部分に限る。)、同法第八条、第五十五条及び第五十九条第一項の改正規定並びに同法第六章の次に一章を加える改正規定を除く。)、第十五条、第二十二条(民生委員法第四条の改正規定に限る。)、第三十六条、第四十条(森林法第七十条第一項の改正規定に限る。)、第五十条(建設業法第二十五条の二第一項の改正規定に限る。)、第五十一条、第五十二条(建築基準法第七十九条第一項の改正規定に限る。)、第五十三条、第六十一条(都市計画法第七十八条第二項の改正規定に限る。)、第六十二条、第六十五条(国土利用計画法第十五条第二項の改正規定を除く。)及び第七十二条の規定並びに次条、附則第三条第二項、第四条、第六条第二項及び第三項、第十三条、第十四条(地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)第百四十一条の二の次に二条を加える改正規定中第百四十一条の四に係る部分に限る。)、第十六条並びに第十八条の規定 平成二十六年四月一日
(罰則に関する経過措置)
第十条
この法律(附則第一条各号に掲げる規定にあっては、当該規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十一条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 (平成二六年五月三〇日法律第四二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成二六年六月一三日法律第六九号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の施行の日から施行する。