国民生活安定緊急措置法

国民生活安定緊急措置法
(昭和四十八年十二月二十二日法律第百二十一号)


最終改正:平成二一年六月五日法律第四九号

第一条  この法律は、物価の高騰その他の我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の価格及び需給の調整等に関する緊急措置を定め、もつて国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保することを目的とする。

第二条  政府は、この法律に規定する措置を講ずるに当たつては、国民の日常生活に不可欠な物資を優先的に確保するとともに、その価格の安定を図るよう努めなければならない。
 政府は、国民生活との関連性が高い物資及び国民経済上重要な物資の生産、輸入、流通又は在庫の状況に関し、国民生活を安定させるため、必要な情報を国民に提供するよう努めなければならない。

第三条  物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、国民生活との関連性が高い物資又は国民経済上重要な物資(以下「生活関連物資等」という。)の価格が著しく上昇し又は上昇するおそれがあるときは、政令で、当該生活関連物資等を特に価格の安定を図るべき物資として指定することができる。
 前項に規定する事態が消滅したと認められる場合には、同項の規定による指定は、解除されるものとする。

第四条  主務大臣は、前条第一項の規定による指定があつたときは、その指定された物資(以下「指定物資」という。)のうち取引数量、商慣習その他の取引事情からみて指定物資の取引の標準となるべき品目(以下「標準品目」という。)について、遅滞なく、標準価格を定めなければならない。
 標準価格は、標準品目の物資の生産若しくは輸入の事業を行う者、標準品目の物資の小売業を行う者又は標準品目の物資の販売の事業を行う者(小売業を行う者を除く。)の販売価格について定めるものとする。
 標準価格は、当該標準品目に係る指定物資の価格の安定を図ることを旨とし、標準的な生産費、輸入価格又は仕入価格に標準的な販売費用及び利潤を加えて得た額、取引の態様及び地域的事情、当該標準品目に係る指定物資の需給の見通し並びに国民生活又は国民経済に及ぼす影響を総合的に勘案して定めるものとする。
 主務大臣は、第一項の規定により標準価格を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。

第五条  主務大臣は、標準品目の物資の標準的な生産費、輸入価格若しくは仕入価格又は需給状況その他の事情に著しい変動が生じた場合において、特に必要があると認めるときは、標準価格を改定するものとする。
 標準価格は、第三条第一項の規定による指定が解除されたときは、その効力を失う。
 前条第四項の規定は、前二項の場合に準用する。

第六条  標準価格が小売業を行う者の販売価格について定められたときは、その標準価格に係る指定物資の小売業を行う者は、主務省令で定めるところにより、その標準価格及びその指定物資の販売価格を一般消費者の見やすいように表示しなければならない。
 主務大臣は、標準価格を小売業を行う者の販売価格について定めた場合において、その標準価格に係る指定物資の小売業を行う者がその標準価格又はその指定物資の販売価格を表示せず又は一般消費者の見やすいように表示していないと認めるときは、その者に対し、その標準価格又は販売価格を一般消費者の見やすいように表示すべきことを指示することができる。
 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第七条  主務大臣は、指定物資を販売する者のその指定物資の販売価格が次の各号に掲げる品目の区分に応じ当該各号に規定する価格を超えていると認めるときは、その者に対し、当該各号に規定する価格以下の価格でその指定物資を販売すべきことを指示することができる。
 標準品目 標準価格(取引の態様又は地域的事情その他の事情がその標準価格を定めるに当たつて考慮した取引の態様又は地域的事情その他の事情と異なるときは、標準価格を基準とし、その取引の態様又は地域的事情その他の事情を参酌して妥当と認められる価格。次号において同じ。)
 標準品目以外の品目 標準価格を基準とし、当該品目と標準品目との品質、寸法その他の事情の相違を参酌して妥当と認められる価格
 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第八条  第四条から前条までに規定する措置を講じてもなお指定物資の価格の安定を図ることが困難であると認められる場合において、その指定物資の価格の安定を確保することが特に必要であるときは、政令で、当該指定物資を特に価格の安定を確保すべき物資として指定することができる。
 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。

第九条  主務大臣は、前条第一項の規定による指定があつたときは、その指定された物資(以下「特定物資」という。)のうち取引数量、商慣習その他の取引事情からみて特定物資の価格の安定のためにその価格の安定を確保すべき品目(以下「特定品目」という。)について、遅滞なく、特定標準価格を定めなければならない。
 特定標準価格は、全国を通じて、又は主務大臣が定める地域ごとに定めるものとし、取引の態様その他の事情に応じて定めることができる。
 特定標準価格は、標準的な生産費、輸入価格又は仕入価格に標準的な販売費用及び適正な利潤を加えて得た額を基準とし、当該特定品目に係る特定物資の需給の見通し並びに国民生活又は国民経済に及ぼす影響を考慮して定めるものとする。この場合において、当該特定品目が標準品目であり、かつ、標準価格を特定標準価格とすることが適切と認められるときは、当該標準価格を特定標準価格として定めるものとする。
 第四条第四項の規定は、第一項の規定により特定標準価格を定めた場合に準用する。
 特定物資に関する第六条の規定の適用については、同条第一項及び第二項中「標準価格」とあるのは、「特定標準価格」とする。

第十条  主務大臣は、特定品目の物資の標準的な生産費、輸入価格若しくは仕入価格又は需給状況その他の事情に著しい変動が生じた場合において、特に必要があると認めるときは、特定標準価格を改定するものとする。
 特定標準価格は、第八条第一項の規定による指定が解除されたときは、その効力を失う。
 第四条第四項の規定は、前二項の場合に準用する。

第十一条  主務大臣は、特定品目の物資の販売をした者のその販売価格が当該販売をした物資に係る特定標準価格を超えていると認められるときは、その者に対し、当該販売価格と当該特定標準価格との差額に当該販売をした物資の数量を乗じて得た額に相当する額の課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
 前項の規定による命令を受けた者は、同項に定める課徴金を納付しなければならない。
 第一項の場合において、当該販売に係る物資が同項の特定標準価格が告示された日前において生産され、輸入され、又は仕入れられた物資で、その生産費、輸入価格又は仕入価格が当該特定標準価格を定めるに当たつて基準となつた生産費、輸入価格又は仕入価格に比し著しく高いものであることが明らかである場合その他の特別の事情がある場合であつて政令で定める場合には、主務大臣は、政令で定めるところにより、同項の課徴金を減額し、又は免除することができる。
 前二項に定めるもののほか、第一項の規定による命令の手続その他同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第十二条  主務大臣は、前条の規定による課徴金をその納期限までに納付しない者があるときは、督促状により期限を指定してこれを督促しなければならない。
 主務大臣は、前項の規定による督促をしたときは、同項の課徴金の額につき年十四・五パーセントの割合で、納期限の翌日からその納付の日までの日数により計算した延滞金を徴収することができる。
 主務大臣は、第一項の規定による督促を受けた者がその指定する期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。
 前項の規定による徴収金の先取特権の順位は、国税及び地方税に次ぐものとし、その時効については、国税の例による。

第十三条  主務大臣又はその権限の委任を受けた者は、第十一条第一項の規定による命令をしたときは、その内容を国税庁長官及び関係の地方公共団体の長に通知するものとする。
 国税庁長官又は地方公共団体の長は、その所管する機関に所属する当該職員が国税又は地方税に関する調査の際に知つた第十一条第一項の規定に該当する販売に関する事項を主務大臣に通知するものとする。

第十四条  物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が不足することにより国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがあるときは、別に法律の定めがある場合を除き、政令で、当該生活関連物資等を生産を促進すべき物資として指定することができる。
 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。

第十五条  前条第一項の規定により指定された物資の生産の事業を行う者(主務省令で定める要件に該当する者を除く。以下「生産業者」という。)は、主務省令で定めるところにより、当該物資の生産に関する計画(以下「生産計画」という。)を作成し、主務大臣に届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
 主務大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、前項の規定による届出をした生産業者に対し、その届出に係る生産計画を変更すべきことを指示することができる。
 第一項の規定による届出をした生産業者(前項の規定による指示があつた場合において、その指示に従つて生産計画の変更をしなかつた者を除く。)は、その届出に係る生産計画(第一項後段の規定による変更の届出があつたときは、その変更後のもの。以下同じ。)に沿つて前条第一項の規定により指定された物資の生産を行わなければならない。
 主務大臣は、第二項の規定による指示を受けた者がその指示に従わなかつたとき、又は前項に規定する生産業者が正当な理由なくその届出に係る生産計画に沿つて前条第一項の規定により指定された物資の生産を行わなかつたと認めるときは、その旨を公表することができる。

第十六条  物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が不足することにより国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがあり、かつ、当該生活関連物資等の輸入の促進によりこれに対処する必要があると認められるときは、政令で、当該生活関連物資等を輸入を促進すべき物資として指定することができる。
 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。

第十七条  主務大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、同項の規定により指定された物資の輸入の事業を行う者で当該物資の輸入事情を考慮して当該物資の輸入をすることができると認められるものに対し、輸入をすべき期限及び数量を定めて、当該物資の輸入をすべきことを指示することができる。
 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第十八条  主務大臣は、前条に規定する措置をもつてしては第十六条第一項に規定する事態を克服することが困難であると認めるときは、特別の法律により特別の設立行為をもつて設立された法人のうち政令で定めるものに対し、輸入をすべき期限及び数量を定めて、同項の規定により指定された物資の輸入をすべきことを指示することができる。
 前項の規定による指示を受けた法人は、当該特別の法律の規定にかかわらず、その指示を受けたところに従つて当該物資の輸入に関する業務を行うことができる。

第十九条  主務大臣は、第十七条第一項又は前条第一項の規定による指示をしようとするときは、国際的取引秩序を乱すことのないよう配意しなければならない。

第二十条  物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等のうちあらかじめその出荷を調整しなければ供給が不足する場合に対処することが困難なものにつきその供給が不足することにより国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営が著しく阻害されるおそれがあるときは、政令で、当該生活関連物資等を供給の安定を図るべき物資として指定することができる。
 第三条第二項の規定は、前項の規定による指定に準用する。

第二十一条  主務大臣は、前条第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、同項の規定により指定された物資の生産、輸入又は販売の事業を行う者に対し、保管をすべき期間及び数量を定めて、当該物資の保管をすべきことを指示することができる。
 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第二十二条  主務大臣は、特定の地域において生活関連物資等の供給が不足することにより当該地域の住民の生活の安定又は地域経済の円滑な運営が著しく阻害され又は阻害されるおそれがあり、当該地域における当該生活関連物資等の供給を緊急に増加する必要があると認めるときは、当該生活関連物資等の生産、輸入又は販売の事業を行う者に対し、売渡しをすべき期限及び数量、売渡先並びに売渡価格を定めて、当該生活関連物資等の売渡しをすべきことを指示することができる。
 主務大臣は、前項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、当該生活関連物資等の輸送の事業を行う者に対し、輸送をすべき期限、数量及び区間並びに輸送条件を定めて、当該生活関連物資等の輸送をすべきことを指示することができる。
 主務大臣は、第一項に規定する事態に対処するため特に必要があると認めるときは、当該地域において当該生活関連物資等に係る物品の保管の事業を行う者に対し、保管をすべき期間及び数量並びに保管条件を定めて、当該生活関連物資等の保管をすべきことを指示することができる。
 主務大臣は、前三項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第二十三条  物価が高騰し又は高騰するおそれがある場合において、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営を確保するため設備投資に関する需要の抑制を図る必要があると認められるときは、政令で、設備投資を抑制すべき期間として六月を下らない期間を指定することができる。

第二十四条  前条の規定により指定された期間内に建築物(建築基準法 (昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号 に規定する建築物をいい、公益上又は国民生活上必要な建築物であつて政令で定めるもの及び次条第一項の規定により届出をすべき設備投資計画に係る建築物を除く。以下同じ。)であつて、政令で定める規模以上のものの建築(移転を除く。以下同じ。)をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、工事計画を作成し、主務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 主務大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、当該建築物の建築が国民生活上又は国民経済上の緊急性その他の事情を参酌して政令で定める基準に適合しないと認めるときは、その建築をしようとする者に対し、工事計画の全部若しくは一部の実施の延期又は当該建築物の規模の縮小を指示することができる。
 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第二十五条  第二十三条の規定により指定された期間のうち主務省令で定める期間内に、次の各号に該当する設備の設置をしようとする事業者(その事業の用に供する設備に対する投資を抑制することが必要であるものとして政令で定める事業を行う者をいい、主務省令で定める要件に該当する者を除く。以下同じ。)は、主務省令で定めるところにより、設備投資計画を作成し、主務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
 直接その事業の用に供する機械、装置その他の設備の設置であること。
 当該主務省令で定める期間ごとの設備の設置に要する投資総額が政令で定める金額を超えるものであること。
 主務大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、当該設備の設置が国民生活上又は国民経済上の緊急性その他の事情を参酌して政令で定める基準に適合しないと認めるときは、当該事業者に対し、設備投資計画の全部若しくは一部の実施の延期又は当該投資総額の減少を指示することができる。
 主務大臣は、前項の規定による指示を受けた者が、正当な理由なく、その指示に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。

第二十六条  物価が著しく高騰し又は高騰するおそれがある場合において、生活関連物資等の供給が著しく不足し、かつ、その需給の均衡を回復することが相当の期間極めて困難であることにより、国民生活の安定又は国民経済の円滑な運営に重大な支障が生じ又は生ずるおそれがあると認められるときは、別に法律の定めがある場合を除き、当該生活関連物資等を政令で指定し、政令で、当該生活関連物資等の割当て若しくは配給又は当該生活関連物資等の使用若しくは譲渡若しくは譲受の制限若しくは禁止に関し必要な事項を定めることができる。
 前項の政令で定める事項は、同項に規定する事態を克服するため必要な限度を超えるものであつてはならない。

第二十七条  消費者委員会は、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、生活関連物資等の割当て又は配給その他この法律の運用に関する重要事項を調査審議する。
 消費者委員会は、前項に規定する事項に関し、内閣総理大臣又は関係各大臣に対し、意見を述べることができる。

第二十八条  政府は、おおむね六月に一回、国会に、この法律の施行の状況を報告するものとする。

第二十九条  指定物資を販売する者(主務省令で定める要件に該当する者を除く。)は、主務省令で定めるところにより、帳簿を備え、当該指定物資に係る経理に関し主務省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

第三十条  主務大臣は、第六条、第七条及び第十一条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、指定物資を販売する者に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
 主務大臣は、第十五条、第十七条、第二十一条、第二十二条、第二十四条及び第二十五条の規定の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、生活関連物資等の生産、輸入、販売若しくは輸送の事業を行う者、生活関連物資等に係る物品の保管の事業を行う者若しくは第二十四条第一項若しくは第二十五条第一項に規定する者に対し、その業務若しくは経理の状況に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 主務大臣は、第二十六条第一項の規定に基づく政令の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、同項の規定により指定された生活関連物資等の生産、輸入若しくは販売の事業を行う者その他政令で定める関係者に対し、同項に規定する事項に関し報告させ、又はその職員に、これらの者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
 第一項の規定により立入検査若しくは質問をする職員又は前二項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
 第一項から第三項までの規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

第三十一条  この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第三十二条  この法律における主務大臣及び主務省令は、政令で定める。

第三十三条  この法律による権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、地方公共団体の長が行うこととすることができる。
 この法律による権限は、政令で定めるところにより、外局の長又は地方支分部局の長に委任することができる。

第三十四条  次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
 第二十九条の規定に違反して同条に規定する事項の記載をせず、虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
 第三十条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
 第三十条第二項若しくは第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同条第二項若しくは第三項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第三十五条  第十五条第一項、第二十四条第一項又は第二十五条第一項の規定による届出をしなかつた者は、二十万円以下の罰金に処する。

第三十六条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

第三十七条  第二十六条第一項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。

   附 則 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、公布の日から施行する。

(検討)
第二条  政府は、この法律の施行後一年以内に、この法律の規定及びその実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

   附 則 (昭和五八年一二月二日法律第八〇号) 抄

(施行期日)
 この法律は、総務庁設置法(昭和五十八年法律第七十九号)の施行の日から施行する。
(経過措置)
 従前の総理府又は行政管理庁の審議会等で、次の表の上欄に掲げるもの及びその会長、委員その他の職員は、それぞれ下欄に掲げる行政機関の相当の機関及び職員となり、同一性をもつて存続するものとする。
公務員制度審議会
恩給審査会
地域改善対策協議会
青少年問題審議会
統計審議会
総務庁
国民生活安定審議会 経済企画庁
放射線審議会 科学技術庁
海外移住審議会 外務省
中央心身障害者対策協議会 厚生省
農政審議会
沿岸漁業等振興審議会
林政審議会
農林水産省
中小企業政策審議会 通商産業省
観光政策審議会 運輸省
雇用審議会 労働省

 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定めることができる。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日

(国等の事務)
第百五十九条  この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。

(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条  この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
 この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。

(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条  施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
 前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

(手数料に関する経過措置)
第百六十二条  施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第百六十三条  この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条  この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
 附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。

(検討)
第二百五十条  新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。

第二百五十一条  政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

第二百五十二条  政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(職員の身分引継ぎ)
第三条  この法律の施行の際現に従前の総理府、法務省、外務省、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、労働省、建設省又は自治省(以下この条において「従前の府省」という。)の職員(国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第八条の審議会等の会長又は委員長及び委員、中央防災会議の委員、日本工業標準調査会の会長及び委員並びに これらに類する者として政令で定めるものを除く。)である者は、別に辞令を発せられない限り、同一の勤務条件をもって、この法律の施行後の内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省若しくは環境省(以下この条において「新府省」という。)又はこれに置かれる部局若しくは機関のうち、この法律の施行の際現に当該職員が属する従前の府省又はこれに置かれる部局若しくは機関の相当の新府省又はこれに置かれる部局若しくは機関として政令で定めるものの相当の職員となるものとする。

(別に定める経過措置)
第三十条  第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

   附 則 (平成二一年六月五日法律第四九号) 抄

(施行期日)
第一条  この法律は、消費者庁及び消費者委員会設置法(平成二十一年法律第四十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 附則第九条の規定 この法律の公布の日

(罰則の適用に関する経過措置)
第八条  この法律の施行前にした行為及びこの法律の附則においてなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第九条  附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。