大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法¶
大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法(昭和六十三年五月十七日法律第四十七号)
最終改正:平成二三年八月三〇日法律第一〇五号
第一条
この法律は、大都市地域において一の都府県の区域を超える広範な地域に及ぶ著しい住宅地需要が存していることにかんがみ、優良な宅地開発を促進するための緊急の措置を講ずることにより、良質な住宅地の円滑な供給を図り、もつて大都市地域における住民の生活の安定と当該地域の秩序ある発展に寄与することを目的とする。
第二条
この法律において「大都市地域」とは、次に掲げるものとする。
一
都の区域(特別区の存する区域に限る。)及び市町村でその区域の全部又は一部が次に掲げる区域内にあるものの区域
二
前号の区域と自然的及び社会的に密接な関係がある区域として政令で定める区域
2
この法律において「宅地開発事業」とは、宅地の造成、造成された宅地の処分及び宅地の造成と併せて整備されるべき公共施設の整備に関する事業で住宅地の供給を主たる目的として行われるもの並びにこれに附帯する事業をいう。
3
この法律において「宅地開発事業者」とは、宅地開発事業を実施する者をいう。
4
この法律において「事業区域」とは、宅地開発事業を実施する土地の区域をいう。
5
この法律において「公共施設」とは、道路、公園、下水道その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
6
この法律において「宅地」とは、建築物、工作物又はその他の施設の敷地で公共施設の用に供するもの以外のものをいう。
7
この法律において「住宅地」とは、住宅の用に供する宅地をいう。
8
この法律において「公益的施設」とは、教育施設、購買施設、集会施設、教養文化施設その他の施設で居住者の共同の福祉又は利便のため必要なものをいう。
第三条
宅地開発事業者は、大都市地域において政令で定める面積以上の事業区域を有する宅地開発事業(当該事業区域が都市計画法
(昭和四十三年法律第百号)第四条第二項
に規定する都市計画区域内にあるものに限る。)を実施しようとするときは、当該宅地開発事業ごとに宅地開発事業に関する計画(以下「宅地開発事業計画」という。)を作成し、これを国土交通大臣に提出し、当該宅地開発事業計画が優良である旨の認定を受けることができる。
2
二以上の宅地開発事業者であつて、事業区域が隣接し、又は近接する二以上の宅地開発事業に係る公共施設(主として事業区域内の一部の区域の居住者等の利用にのみ供されるものを除く。以下「主要な公共施設」という。)の整備を一体的に実施しようとするものは、共同して、一の宅地開発事業計画を作成し、前項の認定を受けることができる。
3
宅地開発事業計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一
事業区域の位置及び規模
二
宅地開発事業の実施時期
三
宅地開発事業に関する資金計画
四
住宅、公共施設、公益的施設又は業務施設の用に供する土地の配置、規模その他の良好な居住環境を形成するために必要な事項
五
造成される宅地(以下「造成宅地」という。)の処分に関する事項
六
宅地開発事業者に関する事項
七
前項の宅地開発事業計画にあつては、主要な公共施設の概要
八
その他国土交通省令で定める事項
4
宅地開発事業計画には、国土交通省令で定める図書を添付しなければならない。
5
第一項の認定(以下「計画の認定」という。)の申請は、都府県知事を経由してするものとする。
第四条
国土交通大臣は、計画の認定の申請(前条第二項の宅地開発事業計画に係るものを除く。)があつた場合において、当該申請に係る宅地開発事業計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、計画の認定をするものとする。
一
宅地開発事業計画に係る宅地開発事業が、大都市地域において、一の都府県の区域を超える広範な地域に及ぶ住宅地需要に応じ緊急に実施すべき事業として適切なものであること。
二
事業区域が、地形、交通の利便性その他の自然的及び社会的条件から宅地開発事業を実施する区域として適切な区域であること。
三
事業区域のうち住宅の用に供する土地の区域の面積が政令で定める面積以上であること。
四
住宅の用に供する造成宅地の規模が当該造成宅地に建設される住宅の戸数及び規模を勘案して国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
五
宅地の造成及び公共施設の整備に関する計画内容が次に掲げる事項を勘案して適切に定められているものであること。
イ 公共施設の適正な配置
ロ 良好な住宅市街地の景観の形成のための樹木等の保全又は植栽
ハ 高齢者、身体障害者等の公共施設の円滑な利用の確保
ニ その他良好な居住環境の確保のために必要な事項
六
政令で定める面積以上の事業区域を有する宅地開発事業については、当該事業区域における住宅市街地の早期の形成に必要な購買施設を含む一団の公益的施設の用に供する宅地が適切に確保されていること。
七
周辺の状況その他の事情から居住者の雇用機会の増大及び事業区域の昼間人口の増加に寄与する業務施設を当該事業区域内に併せて立地させる必要がある宅地開発事業として政令で定める宅地開発事業については、当該業務施設の用に供する宅地が良好な居住環境と調和しつつ適切に確保されていること。
八
宅地開発事業の実施時期に関する計画内容が当該宅地開発事業を確実に遂行するため適切なものであること。
九
造成宅地の処分価額が近傍同種の宅地の価額と均衡を失しないよう定められるものであることその他造成宅地の処分に関する計画内容が合理的なものであること。
2
国土交通大臣は、前条第二項の宅地開発事業計画について計画の認定の申請があつた場合において、当該申請に係る宅地開発事業計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、計画の認定をするものとする。
一
宅地開発事業ごとにその計画内容が前項各号に掲げる基準に適合するものであること。
二
良好な居住環境の確保及び宅地開発事業の効率的な実施を図るため、主要な公共施設の整備を特に促進する必要があること。
3
前二項に規定する基準を適用するについての必要な細目は、国土交通省令で定める。
4
第一項及び第二項の規定にかかわらず、申請者が第十五条第一項又は第二項の規定により計画の認定を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者である場合には、国土交通大臣は、計画の認定をしてはならない。
第五条
国土交通大臣は、計画の認定をしようとするときは、あらかじめ、関係都府県(事業区域の全部又は一部が地方自治法
(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項
に規定する指定都市(以下「指定都市」という。)の区域内である場合には、当該指定都市を含む。以下同じ。)の意見を聴かなければならない。
2
前項の場合において、都府県が意見を述べようとするときは、あらかじめ、関係市町村(指定都市を除く。以下同じ。)の意見を聴かなければならない。
2
前項の通知を受けた都府県は、速やかに、当該通知に係る事項を関係市町村に通知しなければならない。
第七条
計画の認定を受けた宅地開発事業者(以下「認定事業者」という。)は、当該計画の認定を受けた宅地開発事業計画(以下「認定計画」という。)を変更しようとするときは、国土交通大臣の認定を受けなければならない。ただし、変更に係る事項が政令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
2
第三条第二項及び第五項並びに前三条の規定は、前項の変更の認定の申請があつた場合について準用する。
第九条
認定事業者は、国土交通省令で定めるところにより宅地の造成及び公共施設の整備に関する工事を完了したときは、当該宅地の造成及び公共施設の整備が認定計画(第七条第一項の変更の認定があつたときは、その変更後のものをいう。以下同じ。)に適合する旨の国土交通大臣の確認を受けなければならない。
第十条
認定事業者は、造成宅地の処分をしようとする場合において、当該造成宅地が建築基準法
(昭和二十五年法律第二百一号)第六十九条
の条例で定める区域内にあり、かつ、当該造成宅地について当該認定事業者以外に同条
に規定する土地の所有者等が存しないときは、あらかじめ、建築物の敷地、位置、用途及び意匠に関する基準について、同法第七十六条の三第一項
の規定による建築協定を定めなければならない。ただし、当該造成宅地について次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、この限りでない。
一
建築基準法第六十九条
の規定による建築協定が締結されていること。
2
認定事業者は、造成宅地の処分をしようとする場合において、当該造成宅地について当該認定事業者以外に都市緑地法
(昭和四十八年法律第七十二号)第四十五条第一項
に規定する土地所有者等が存しないときは、あらかじめ、同法第五十四条第一項
の規定による緑地協定を定めなければならない。ただし、当該造成宅地について同法第四十五条第一項
の規定による緑地協定が締結されているときは、この限りでない。
2
国土交通大臣又は関係地方公共団体は、認定事業者に対して、宅地開発事業の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その実施状況について必要な報告を求めることができる。
第十三条
認定事業者の一般承継人又は認定事業者から事業区域内の土地の所有権その他当該宅地開発事業を実施する権原を取得した者は、国土交通大臣の承認を受けて、当該認定事業者が有していた計画の認定に基づく地位を承継する。
2
国土交通大臣は、次に掲げる場合には、計画の認定を取り消すことができる。
一
認定事業者が認定計画に従つて宅地開発事業を実施しないとき。
二
認定事業者が第八条又は第十一条の規定による届出をしなかつたとき。
三
認定事業者が第九条の規定による確認を受けず、又は第十条第一項の規定による建築協定若しくは同条第二項の規定による緑地協定を定めないで造成宅地を処分したとき。
四
認定事業者が国土交通大臣に対し第十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
五
認定事業者が前条の規定による国土交通大臣の処分に違反したとき。
3
第六条の規定は、国土交通大臣が、前二項の規定による取消しをした場合について準用する。
第十六条
国は、租税特別措置法
(昭和三十二年法律第二十六号)で定めるところにより、認定計画に基づく宅地開発事業の促進を図るため必要な措置を講ずるものとする。
第十八条
削除
第二十一条
削除
第二十二条
国の行政機関の長又は都府県知事は、認定計画に基づく宅地開発事業の事業区域内の土地を当該宅地開発事業の用に供するため、都市計画法
その他の法律の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該宅地開発事業の促進が図られるよう適切な配慮をするものとする。
第二十四条
この法律に定めるもののほか、計画の認定の申請、宅地の造成等の開始の届出、宅地の造成等の確認の申請、造成宅地の処分の届出等に関する手続その他この法律の実施のため必要な事項は、国土交通省令で定める。
附 則 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六条中地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)附則第三十四条の二の改正規定は、昭和六十四年四月一日から施行する。
(適用期限)
第二条
計画の認定の申請を行うことができるのは、平成十八年三月三十一日までとする。
(経過措置)
第三条
この法律の施行の際現に実施中の宅地開発事業(その事業区域が都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域内にあるものに限る。)に関する計画(以下この条において「実施中の計画」という。)は、当該宅地開発事業を実施する宅地開発事業者がこの法律の施行の日以後同日から起算して六月を経過する日までに建設大臣に提出したときは、第三条第一項に規定する宅地開発事業計画とみなす。ただし、実施中の計画を建設大臣に提出する日において当該宅地開発事業の事業区域内の土地で宅地の造成又は公共施設の整備に関する工事に着手していないものの面積の合計が政令で定める面積を下回るときは、この限りでない。
2
実施中の計画について宅地開発事業者が第三条第一項の認定を受けた場合においては、第八条の規定は、適用しない。
附 則 (平成二年六月二九日法律第六一号) 抄
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成八年三月三一日法律第一六号)
(施行期日)
1
この法律は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行する。
(経過措置)
2
この法律の施行の際現に大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法第三条第一項の認定の申請がされている宅地開発事業計画に係る同項の認定については、なお従前の例による。
附 則 (平成一一年六月一六日法律第七六号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。ただし、附則第十七条から第七十二条までの規定は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一一年七月一六日法律第八七号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一
第一条中地方自治法第二百五十条の次に五条、節名並びに二款及び款名を加える改正規定(同法第二百五十条の九第一項に係る部分(両議院の同意を得ることに係る部分に限る。)に限る。)、第四十条中自然公園法附則第九項及び第十項の改正規定(同法附則第十項に係る部分に限る。)、第二百四十四条の規定(農業改良助長法第十四条の三の改正規定に係る部分を除く。)並びに第四百七十二条の規定(市町村の合併の特例に関する法律第六条、第八条及び第十七条の改正規定に係る部分を除く。)並びに附則第七条、第十条、第十二条、第五十九条ただし書、第六十条第四項及び第五項、第七十三条、第七十七条、第百五十七条第四項から第六項まで、第百六十条、第百六十三条、第百六十四条並びに第二百二条の規定 公布の日
(国等の事務)
第百五十九条
この法律による改正前のそれぞれの法律に規定するもののほか、この法律の施行前において、地方公共団体の機関が法律又はこれに基づく政令により管理し又は執行する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務(附則第百六十一条において「国等の事務」という。)は、この法律の施行後は、地方公共団体が法律又はこれに基づく政令により当該地方公共団体の事務として処理するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
第百六十条
この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定。以下この条及び附則第百六十三条において同じ。)の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定によりされた許可等の処分その他の行為(以下この条において「処分等の行為」という。)又はこの法律の施行の際現に改正前のそれぞれの法律の規定によりされている許可等の申請その他の行為(以下この条において「申請等の行為」という。)で、この法律の施行の日においてこれらの行為に係る行政事務を行うべき者が異なることとなるものは、附則第二条から前条までの規定又は改正後のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の経過措置に関する規定に定めるものを除き、この法律の施行の日以後における改正後のそれぞれの法律の適用については、改正後のそれぞれの法律の相当規定によりされた処分等の行為又は申請等の行為とみなす。
2
この法律の施行前に改正前のそれぞれの法律の規定により国又は地方公共団体の機関に対し報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項で、この法律の施行の日前にその手続がされていないものについては、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、これを、改正後のそれぞれの法律の相当規定により国又は地方公共団体の相当の機関に対して報告、届出、提出その他の手続をしなければならない事項についてその手続がされていないものとみなして、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定を適用する。
(不服申立てに関する経過措置)
第百六十一条
施行日前にされた国等の事務に係る処分であって、当該処分をした行政庁(以下この条において「処分庁」という。)に施行日前に行政不服審査法に規定する上級行政庁(以下この条において「上級行政庁」という。)があったものについての同法による不服申立てについては、施行日以後においても、当該処分庁に引き続き上級行政庁があるものとみなして、行政不服審査法の規定を適用する。この場合において、当該処分庁の上級行政庁とみなされる行政庁は、施行日前に当該処分庁の上級行政庁であった行政庁とする。
2
前項の場合において、上級行政庁とみなされる行政庁が地方公共団体の機関であるときは、当該機関が行政不服審査法の規定により処理することとされる事務は、新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
(手数料に関する経過措置)
第百六十二条
施行日前においてこの法律による改正前のそれぞれの法律(これに基づく命令を含む。)の規定により納付すべきであった手数料については、この法律及びこれに基づく政令に別段の定めがあるもののほか、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
第百六十三条
この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(その他の経過措置の政令への委任)
第百六十四条
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
2
附則第十八条、第五十一条及び第百八十四条の規定の適用に関して必要な事項は、政令で定める。
(検討)
第二百五十条
新地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務については、できる限り新たに設けることのないようにするとともに、新地方自治法別表第一に掲げるもの及び新地方自治法に基づく政令に示すものについては、地方分権を推進する観点から検討を加え、適宜、適切な見直しを行うものとする。
第二百五十一条
政府は、地方公共団体が事務及び事業を自主的かつ自立的に執行できるよう、国と地方公共団体との役割分担に応じた地方税財源の充実確保の方途について、経済情勢の推移等を勘案しつつ検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
第二百五十二条
政府は、医療保険制度、年金制度等の改革に伴い、社会保険の事務処理の体制、これに従事する職員の在り方等について、被保険者等の利便性の確保、事務処理の効率化等の視点に立って、検討し、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。
附 則 (平成一四年七月一二日法律第八五号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一五年六月二〇日法律第一〇〇号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十六年七月一日から施行する。
附 則 (平成一六年六月一八日法律第一〇九号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一七年七月六日法律第八二号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。
附 則 (平成二三年八月三〇日法律第一〇五号) 抄
(施行期日)
第一条
この法律は、公布の日から施行する。