陪審法¶
陪審法(大正十二年四月十八日法律第五十号)
最終改正:昭和二二年四月一六日法律第六一号
第一章 総則
第二章 陪審員及陪審ノ構成
第三章 陪審手続
第一節 公判準備
第二節 公判手続及公判ノ裁判
第三節 上訴
第四章 陪審費用
第五章 罰則
第六章 補則
附則
第一条
裁判所ハ本法ノ定ムル所ニ依リ刑事事件ニ付陪審ノ評議ニ付シテ事実ノ判断ヲ為スコトヲ得
第二条
死刑又ハ無期ノ懲役若ハ禁錮ニ該ル事件ハ之ヲ陪審ノ評議ニ付ス
第三条
長期三年ヲ超ユル有期ノ懲役又ハ禁錮ニ該ル事件ニシテ地方裁判所ノ管轄ニ属スルモノニ付被告人ノ請求アリタルトキハ之ヲ陪審ノ評議ニ付ス
第五条
第三条ノ請求ハ第一回公判期日前ニ之ヲ為スヘシ但シ其ノ期日前ト雖最初ニ定メタル公判期日ノ召喚ヲ受ケタル日ヨリ十日ヲ経過シタルトキハ之ヲ為スコトヲ得ス
第六条
被告人ハ検察官ノ被告事件陳述前ハ何時ニテモ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下クルコトヲ得
○2
前項ノ場合ニ於テハ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得ス
第七条
被告人公判又ハ公判準備ニ於ケル取調ニ於テ公訴事実ヲ認メタルトキハ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得ス但シ共同被告人中公訴事実ヲ認メサル者アルトキハ此ノ限ニ在ラス
第八条
地方ノ情況ニ由リ陪審ノ評議公平ヲ失スルノ虞アルトキハ検察官ハ直近上級裁判所ニ管轄移転ノ請求ヲ為スコトヲ得
○2
公判ニ繋属スル事件ニ付前項ノ請求アリタルトキハ訴訟手続ヲ停止スヘシ
第九条
前条第一項ノ請求ヲ為スニハ理由ヲ附シタル請求書ヲ管轄裁判所ニ差出スヘシ
○2
前項ノ請求書ヲ差出スニハ管轄裁判所ニ対応スル検察庁ノ検察官ヲ経由スヘシ
○3
公判ニ繋属スル事件ニ付管轄移転ノ請求ヲ為シタルトキハ速ニ其ノ旨ヲ裁判所ニ通知シ且請求書ノ謄本ヲ被告人ニ交付スヘシ
○4
被告人ハ謄本ノ交付ヲ受ケタル日ヨリ三日内ニ意見書ヲ差出スコトヲ得
○5
管轄裁判所ハ検察官ノ意見ヲ聴キ決定ヲ為スヘシ
第十条
管轄移転ノ請求アリタルトキハ被告人ハ検察官ノ被告事件陳述後ト雖其ノ決定アル迄事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下クルコトヲ得
○2
被告人事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下ケタルニ因リ事件陪審ノ評議ニ付スヘカラサルニ至リタルトキハ検察官ノ管轄移転ノ請求ハ之ヲ取下ケタルモノト看做ス
○3
共同被告人中事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ又ハ請求ヲ取下ケタル者アルトキハ其ノ被告人ニ関スル管轄移転ノ請求ニ付亦前項ニ同シ
第十一条
上訴裁判所ニ於テハ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得ス
第十二条
陪審員ハ左ノ各号ニ該当スル者タルコトヲ要ス
一
帝国臣民タル男子ニシテ三十歳以上タルコト
二
引続キ二年以上同一市町村内ニ住居スルコト
三
引続キ二年以上直接国税三円以上ヲ納ムルコト
四
読ミ書キヲ為シ得ルコト
○2
前項第二号及第三号ノ要件ハ其ノ年九月一日ノ現在ニ依ル
第十四条
左ニ掲クル者ハ陪審員ノ職務ニ就カシムルコトヲ得ス
一
国務大臣
二
在職ノ判事、検察官、陸軍法務官、海軍法務官
三
在職ノ行政裁判所長官、行政裁判所評定官
四
在職ノ宮内官吏
五
現役ノ陸軍軍人、海軍軍人
六
在職ノ庁府県長官、郡長、島司、庁支庁長
七
在職ノ警察官吏
八
在職ノ監獄官吏
九
在職ノ裁判所書記長、裁判所書記
十
在職ノ収税官吏、税関官吏、専売官吏
十一
郵便電信電話鉄道及軌道ノ現業ニ従事スル者並船員
十二
市町村長
十三
弁護士、弁理士
十四
公証人、執達吏、代書人
十五
在職ノ小学校教員
十六
神官、神職、僧侶、諸宗教師
十七
医師、歯科医師、薬剤師
十八
学生、生徒
第十五条
陪審員ハ左ノ場合ニ於テ職務ノ執行ヨリ除斥セラルヘシ
一
陪審員被害者ナルトキ
二
陪審員私訴当事者ナルトキ
三
陪審員被告人、被害者若ハ私訴当事者ノ親族ナルトキ又ハ親族タリシトキ
四
陪審員被告人、被害者又ハ私訴当事者ノ属スル家ノ戸主又ハ家族ナルトキ
五
陪審員被告人、被害者又ハ私訴当事者ノ法定代理人、後見監督人又ハ保佐人ナルトキ
六
陪審員被告人、被害者又ハ私訴当事者ノ同居人又ハ雇人ナルトキ
七
陪審員事件ニ付告発ヲ為シタルトキ
八
陪審員事件ニ付証人又ハ鑑定人ト為リタルトキ
九
陪審員事件ニ付被告人ノ代理人、弁護人、輔佐人又ハ私訴当事者ノ代理人ト為リタルトキ
十
陪審員事件ニ付判事、検察官、司法警察官又ハ陪審員トシテ職務ヲ行ヒタルトキ
第十七条
市町村長ハ四年毎ニ陪審員資格者名簿ヲ調製シ其ノ年ノ九月一日現在ニ依リ其ノ市町村内ニ於テ資格ヲ有スル者ヲ之ニ登載スヘシ
○2
陪審員資格者名簿ニハ資格者ノ氏名、身分、職業、住居地、生年月日及納税額ヲ記載スヘシ
○3
市町村長ハ陪審員資格者名簿ノ副本ヲ調製シ之ヲ管轄区裁判所判事ニ送付スヘシ
第十八条
市町村長ハ十月一日ヨリ七日間其ノ庁ニ於テ陪審員資格者名簿ヲ縦覧ニ供スヘシ
第十九条
法律ニ違反シテ陪審員資格者名簿ニ登載セラレタル者ハ縦覧期間内及其ノ後七日内ニ市町村長ニ異議ノ申立ヲ為スコトヲ得
○2
法律ニ違反シテ陪審員資格者名簿ニ登載セラレサル者ハ前項ノ規定ニ依リ異議ノ申立ヲ為スコトヲ得
○3
異議ノ申立ハ書面ヲ以テシ其ノ理由ヲ疏明スヘシ
第二十条
市町村長異議ノ申立ヲ正当トスルトキハ遅滞ナク陪審員資格者名簿ヲ修正シ其ノ旨ヲ管轄区裁判所判事及異議申立人ニ通知スヘシ
○2
市町村長異議ノ申立ヲ不当トスルトキハ遅滞ナク意見ヲ附シ申立書ヲ管轄区裁判所判事ニ送付スヘシ
第二十一条
前条第二項ノ場合ニ於テ区裁判所判事異議ノ申立ヲ理由ナシトスルトキハ其ノ旨ヲ市町村長及異議申立人ニ通知スヘシ異議ノ申立ヲ理由アリトスルトキハ陪審員資格者名簿ヲ修正スヘキコトヲ命シ其ノ旨ヲ異議申立人ニ通知スヘシ
○2
前項ノ通知ハ異議申立書ノ送付ヲ受ケタル日ヨリ二十日内ニ之ヲ為スヘシ
第二十二条
地方裁判所長ハ陪審員資格者名簿ヲ調製スル年ノ九月一日迄ニ其ノ翌年ヨリ四年間所要ノ陪審員ノ員数ヲ定メ管轄区域内ノ市町村ニ割当テ之ヲ市町村長ニ通知スヘシ
第二十三条
市町村長前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ第二十条及第二十一条ノ規定ニ依リ整理シタル陪審員資格者名簿ニ基キ抽籖ヲ以テ前条ノ規定ニ依リ割当テラレタル員数ノ陪審員候補者ヲ選定シ陪審員候補者名簿ヲ調製スヘシ
○2
前項ノ抽籖ハ資格者三人以上ノ立会ヲ以テ之ヲ為スヘシ
○3
第十七条第二項及第三項ノ規定ハ陪審員候補者名簿ニ之ヲ準用ス
第二十四条
区裁判所判事ハ陪審員候補者ノ選定ニ関スル事務ニ付市町村長ヲ監督ス
○2
区裁判所判事ハ前項ノ事務ニ付市町村長ニ必要ナル指示ヲ為スコトヲ得
第二十五条
市町村長ハ十一月三十日迄ニ陪審員候補者名簿ヲ管轄地方裁判所長ニ送付スヘシ
○2
市町村長ハ陪審員候補者名簿ニ登載セラレタル者ニ其ノ旨ヲ通知シ且其ノ氏名ヲ告示スヘシ
第二十六条
市町村長前条ノ規定ニ依リ陪審員候補者名簿ヲ送付シタル後其ノ候補者中死亡シ若ハ国籍ヲ喪失シタル者アルトキ又ハ第十三条若ハ第十四条ノ各号ノ一ニ該当スルニ至リタル者アルトキハ市町村長ハ遅滞ナク之ヲ管轄地方裁判所長ニ通知スヘシ
第二十七条
陪審ノ評議ニ付スヘキ事件ニ付公判期日定リタルトキハ地方裁判所長ハ予メ定メタル市町村ノ順序ニ依リ各陪審員候補者名簿ヨリ一人又ハ数人ノ陪審員ヲ抽籖シ陪審員三十六人ヲ選定スヘシ
○2
前項ノ抽籖ハ裁判所書記ノ立会ヲ以テ之ヲ為スヘシ
第二十八条
陪審員トシテ呼出ニ応シタル者ハ其ノ市町村ニ於ケル陪審員候補者名簿ニ登載セラレタル者四分ノ三呼出ニ応シタル後ニ非サレハ其ノ陪審員候補者名簿調製ノ年ノ翌年ヨリ四年間再ヒ陪審員ニ選定セラルルコトナシ
第二十九条
陪審ハ十二人ノ陪審員ヲ以テ之ヲ構成ス
第三十条
陪審ハ検察官被告事件ヲ陳述スル時ヨリ裁判所書記陪審ノ答申ヲ朗読スル迄同一ノ陪審員ヲ以テ之ヲ構成スルコトヲ要ス
第三十一条
裁判長ハ事件二日以上引続キ開廷ヲ要スト思料スルトキハ十二人ノ陪審員ノ外一人又ハ数人ノ補充陪審員ヲ公判ニ立会ハシムルコトヲ得
○2
補充陪審員ハ陪審ヲ構成スヘキ陪審員疾病其ノ他ノ事由ニ因リ職務ヲ行フコト能ハサル場合ニ於テ之ニ代ルモノトス
○3
補充陪審員数人アル場合ニ於テ前項ノ職務ヲ行フハ第六十五条ノ規定ニ依リ為シタル抽籖ノ順序ニ依ル
第三十二条
同日ニ数箇ノ事件ノ公判ヲ開ク場合ニ於テハ数箇ノ事件ニ付同一ノ陪審員ヲ以テ陪審ヲ構成スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ最初ノ事件ノ取調前其ノ手続ヲ為スヘシ
第三十三条
検察官及被告人異議ナキトキハ一ノ事件ノ為構成セラレタル陪審ヲシテ同日ニ審理スヘキ他ノ事件ノ為其ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
第三十四条
陪審員ニハ勅令ノ定ムル所ニ依リ旅費、日当及止宿料ヲ給与ス
第三十五条
陪審ノ評議ニ付スヘキ事件ニ付テハ裁判長ハ公判準備期日ヲ定ムヘシ
第三十六条
被告人公判準備期日前弁護人ヲ選任セサルトキハ裁判長ハ其ノ裁判所所在地ノ弁護士中ヨリ之ヲ選任スヘシ
○2
被告人ノ利害相反セサルトキハ同一ノ弁護人ヲシテ数人ノ弁護ヲ為サシムルコトヲ得
第三十七条
公判準備期日ニハ被告人及弁護人ヲ召喚スヘシ
○2
公判準備期日ハ之ヲ検察官ニ通知スヘシ
第三十八条
召喚状ノ送達ノ日ト公判準備期日トノ間ニハ少クトモ五日ノ猶予期間ヲ存スヘシ
第三十九条
公判期日ヲ定メタル後被告人ノ請求ニ因リ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スヘキモノトシタルトキハ其ノ公判期日ヲ公判準備期日トス
第四十条
公判準備期日ニ於ケル取調ハ定数ノ判事、検察官及裁判所書記列席シテ之ヲ為ス
○2
公判準備期日ニ於テハ弁護人出頭スルニ非サレハ取調ヲ為スコトヲ得ス弁護人数人アルトキハ其ノ一人ノ出頭ヲ以テ足ル
○3
公判準備期日ニ於ケル取調ハ之ヲ公行セス
第四十一条
第二条ノ規定ニ依リ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルトキハ裁判長ハ被告人ニ対シ事件ヲ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ辞シ得ヘキ旨ヲ告知スヘシ
第四十二条
公判準備期日ニ於テハ裁判長ハ公訴事実ニ付出頭シタル被告人ヲ訊問スヘシ
○2
陪席判事ハ裁判長ニ告ケ被告人ヲ訊問スルコトヲ得
○3
検察官及弁護人ハ裁判長ノ許可ヲ受ケ被告人ヲ訊問スルコトヲ得
第四十三条
公判準備期日ニ於テハ裁判所ハ必要ナル証拠調ノ決定ヲ為スヘシ
○2
検察官、被告人及弁護人ハ証人訊問、鑑定、検証又ハ証拠物若ハ証拠書類ノ集取ヲ請求スルコトヲ得
○3
前項ノ請求ヲ却下スルトキハ裁判所ハ決定ヲ為スヘシ
第四十四条
裁判所書記ハ公判準備調書ヲ作リ公判準備期日ニ於ケル被告人ニ対スル訊問及其ノ供述、検察官被告人弁護人ノ申立、裁判所ノ裁判其ノ他一切ノ訴訟手続ヲ記載スヘシ
第四十五条
公判準備調書ニハ前条ニ規定スル事項ノ外被告事件、被告人及出頭シタル弁護人ノ氏名並手続ヲ為シタル裁判所年月日及裁判長陪席判事検察官裁判所書記ノ官氏名ヲ記載シ被告人出頭セサルトキハ其ノ旨ヲ記載スヘシ
第四十六条
公判準備調書ハ三日内ニ之ヲ整理シ裁判長及裁判所書記署名捺印スヘシ
○2
裁判長ハ署名捺印前ニ公判準備調書ヲ検閲シ意見アルトキハ其ノ旨ヲ記載スヘシ
第四十七条
検察官、被告人及弁護人ハ公判準備期日前第四十三条第二項ノ請求ヲ為スコトヲ得公判期日七日前迄亦同シ
○2
第四十三条第三項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第四十八条
裁判所公判準備期日外ニ於テ証拠決定ヲ為シタルトキハ之ヲ検察官、被告人及弁護人ニ通知スヘシ
第四十九条
公判準備期日外ニ於テ証人又ハ鑑定人ノ訊問ヲ為ストキハ被告人モ亦之ニ立会フコトヲ得
○2
裁判所外ニ於テ前項ノ手続ヲ為ストキハ拘禁セラレタル被告人ハ之ニ立会フコトヲ得ス但シ裁判所必要ト認ムルトキハ之ニ立会ハシムルコトヲ得
第五十条
前条第一項ノ手続ヲ為スヘキ日時及場所ハ被告人ニ之ヲ通知スヘシ但シ急速ヲ要スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第五十一条
公判準備中陪審ノ評議ニ付スヘカラサル事由生シタルトキハ通常ノ手続ニ従ヒ審判ヲ為スヘシ
○2
公判準備期日ニ於テ前項ノ事由生シタルトキハ其ノ期日ヲ公判期日トス但シ訴訟関係人中出頭セサル者アルトキハ此ノ限ニ在ラス
第五十二条
被告人ハ公判準備期日ニ管轄違ノ申立ヲ為スコトヲ得
○2
前項ノ申立ハ予審ヲ経タル事件ニ付テハ予審判事ニ対シテ其ノ申立ヲ為シタル場合ニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス
第五十三条
裁判所公判準備期日ニ公訴棄却又ハ管轄違ノ原由アルコトヲ認メタルトキハ決定ヲ為スヘシ
第五十四条
裁判所公判準備期日ニ免訴ノ原由アルコトヲ認メタルトキハ決定ヲ為スヘシ
○2
免訴ノ決定確定シタルトキハ同一ノ事件ニ付更ニ公訴ヲ提起スルコトヲ得ス
第五十五条
前二条ノ決定ヲ為スニハ訴訟関係人ノ意見ヲ聴クヘシ
○2
決定ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
第五十六条
第五十一条又ハ第五十三条ノ場合ニ於テ公判準備中ニ為シタル手続ハ其ノ効力ヲ失ハス
第五十七条
公判期日ニハ第二十七条ノ規定ニ依リテ選定シタル陪審員ヲ呼出スヘシ
○2
第三十八条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第五十八条
陪審員ニ対スル呼出状ニハ出頭スヘキ日時、場所及呼出ニ応セサルトキハ過料ニ処スルコトアルヘキ旨ヲ記載スヘシ
第五十九条
陪審員疾病其ノ他已ムコトヲ得サル事由ニ因リ呼出ニ応スルコト能ハサル場合ニ於テハ其ノ職務ヲ辞スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ書面ヲ以テ其ノ事由ヲ疏明スヘシ
第六十条
陪審構成ノ手続ハ判事、検察官、裁判所書記、被告人、弁護人及陪審員列席シ公判廷ニ於テ之ヲ行フ
○2
前項ノ手続ハ之ヲ公行セス
第六十一条
前条第一項ノ手続ハ陪審員二十四人以上出頭スルニ非サレハ之ヲ行フコトヲ得ス
○2
出頭シタル陪審員二十四人ニ達セサルトキハ裁判長ハ之ヲ補充スル為裁判所所在地又ハ其ノ附近ノ市町村ノ陪審員候補者名簿ヨリ抽籖ヲ以テ必要ナル員数ノ陪審員ヲ選定シ便宜ノ方法ニ依リ之ヲ呼出スヘシ
○3
前項ノ抽籖ハ裁判所書記ノ立会ヲ以テ之ヲ為スヘシ
第六十二条
陪審員二十四人以上出頭シタルトキハ裁判長ハ其ノ氏名、職業及住居地ヲ記載シタル書面ヲ示シ検察官及被告人ニ対シ陪審員中除斥セラルヘキ者アリヤ否ヲ問フヘシ
○2
裁判長ハ陪審員ニ被告人ノ氏名、職業及住居地ヲ告ケ除斥ノ原由アリヤ否ヲ問フヘシ
○3
検察官、被告人及陪審員除斥ノ原由アリトスルトキハ其ノ旨ノ申立ヲ為スヘシ
○4
除斥ノ原由アリトスルトキハ裁判所ハ決定ヲ為スヘシ
第六十三条
出頭シタル陪審員中第十二条乃至第十四条ノ規定ニ依リ陪審員タル資格ヲ有セサル者アリトスルトキハ裁判所ハ決定ヲ為スヘシ
第六十四条
検察官及被告人ハ陪審ヲ構成スヘキ陪審員及補充陪審員ノ員数ヲ超過スル員数ニ付各其ノ半数ヲ忌避スルコトヲ得忌避スルコトヲ得ヘキ人員奇数ナルトキハ被告人ハ尚一人ヲ忌避スルコトヲ得
○2
被告人数人アルトキハ忌避ハ共同シテ之ヲ行フ共同ノ方法ニ付協議整ハサルトキハ忌避ヲ行ハシムル方法ハ裁判長之ヲ定ム
第六十五条
裁判長ハ陪審員ノ氏名票ヲ抽籖函ニ入レタル後検察官及被告人ノ忌避スルコトヲ得ル員数ヲ告知スヘシ
○2
裁判長ハ氏名票ヲ一票宛抽籖函ヨリ抽出シ之ヲ読上クヘシ
○3
裁判長氏名ヲ読上ケタルトキハ検察官及被告人ハ承認又ハ忌避スル旨ヲ陳述スヘシ其ノ順序ハ検察官ヲ先ニシ被告人ヲ後ニス
○4
忌避ノ理由ハ之ヲ陳述スルコトヲ得ス
○5
次ノ氏名票ヲ抽籖函ヨリ抽出ス迄ニ陳述ヲ為ササルトキハ承認ノ陳述ヲ為シタルモノト看做ス裁判長抽籖終リタル旨ヲ宣言スル迄陳述ヲ為ササルトキ亦同シ
○6
陳述ハ次ノ氏名票ヲ抽出シタル後ハ之ヲ取消スコトヲ得ス裁判長抽籖終リタル旨ヲ宣言シタル後亦同シ
第六十六条
前条ノ手続ニ依リ陪審ヲ構成スヘキ陪審員及補充陪審員ノ数ヲ充シタルトキハ裁判長ハ抽籖終リタル旨ヲ宣言スヘシ
第六十七条
陪審ヲ構成スヘキ陪審員ハ初ニ当籖シタル十二人ヲ以テ之ニ充テ補充陪審員ハ其ノ他ノ当籖者ヲ以テ之ニ充ツ
第六十八条
陪審員ハ第六十五条ノ規定ニ依リ為シタル抽籖ノ順序ニ従ヒ著席スヘシ
第六十九条
裁判長ハ検察官ノ被告事件陳述前陪審員ニ対シ陪審員ノ心得ヲ諭告シ之ヲシテ宣誓ヲ為サシムヘシ
○2
宣誓ハ宣誓書ニ依リ之ヲ為スヘシ
○3
宣誓書ニハ良心ニ従ヒ公平誠実ニ其ノ職務ヲ行フヘキコトヲ誓フ旨ヲ記載スヘシ
○4
裁判長ハ起立シテ宣誓書ヲ朗読シ陪審員ヲシテ之ニ署名捺印セシムヘシ
第七十条
裁判長ハ陪席判事ノ一人ヲシテ被告人ノ訊問及証拠調ヲ為サシムルコトヲ得
○2
陪審員ハ裁判長ノ許可ヲ受ケ被告人、証人、鑑定人、通事及翻訳人ヲ訊問スルコトヲ得
第七十一条
証拠ハ別段ノ定アル場合ヲ除クノ外裁判所ノ直接ニ取調ヘタルモノニ限ル
第七十二条
左ニ掲クル書類図画ハ之ヲ証拠ト為スコトヲ得
一
公判準備手続ニ於テ取調ヘタル証人ノ訊問調書
二
検証、押収又ハ捜索ノ調書及之ヲ補充スル書類図画
三
公務員ノ職務ヲ以テ証明スルコトヲ得ヘキ事実ニ付公務員ノ作リタル書類
四
前号ノ事実ニ付外国ノ公務員ノ作リタル書類ニシテ其ノ真正ナルコトノ証明アルモノ
五
鑑定書又ハ鑑定調書及之ヲ補充スル書類図画
第七十三条
裁判所、予審判事、受命判事、受託判事其ノ他法令ニ依リ特別ニ裁判権ヲ有スル官署、検察官、司法警察官又ハ訴訟上ノ共助ヲ為ス外国ノ官署ノ作リタル訊問調書及之ヲ補充スル書類図画ハ左ノ場合ニ限リ之ヲ証拠ト為スコトヲ得
一
共同被告人若ハ証人死亡シタルトキ又ハ疾病其ノ他ノ事由ニ因リ之ヲ召喚シ難キトキ
二
被告人又ハ証人公判外ノ訊問ニ対シテ為シタル供述ノ重要ナル部分ヲ公判ニ於テ変更シタルトキ
三
被告人又ハ証人公判廷ニ於テ供述ヲ為ササルトキ
第七十四条
前二条ノ場合ノ外裁判外ニ於テ被告人其ノ他ノ者ノ供述ヲ録取シタル書類又ハ裁判外ニ於テ作成シタル書類図画ハ供述者若ハ作成者死亡シタルトキ又ハ疾病其ノ他ノ事由ニ因リ召喚シ難キトキニ限リ之ヲ証拠ト為スコトヲ得
第七十五条
証拠ト為スコトニ付訴訟関係人ノ異議ナキ書類図画ハ前三条ノ規定ニ拘ラス之ヲ証拠ト為スコトヲ得
第七十六条
証拠調終リタル後検察官、被告人及弁護人ハ犯罪ノ構成要素ニ関スル事実上及法律上ノ問題ノミニ付意見ヲ陳述スヘシ
○2
弁護人数人アル場合ニ於テ被告人ノ為ニスル意見ノ陳述ハ重複シテ之ヲ為スコトヲ得ス
○3
公判廷ニ現ハレサル証拠ハ之ヲ援用スルコトヲ得ス
○4
被告人又ハ弁護人ニハ最終ニ陳述スル機会ヲ与フヘシ
第七十七条
前条ノ弁論終決後裁判長ハ陪審ニ対シ犯罪ノ構成ニ関シ法律上ノ論点及問題ト為ルヘキ事実並証拠ノ要領ヲ説示シ犯罪構成事実ノ有無ヲ問ヒ評議ノ結果ヲ答申スヘキ旨ヲ命スヘシ但シ証拠ノ信否及罪責ノ有無ニ関シ意見ヲ表示スルコトヲ得ス
第七十八条
裁判長ノ説示ニ対シテハ異議ヲ申立ツルコトヲ得ス
第七十九条
裁判長ノ問ハ主問ト補問トニ区別シ陪審ニ於テ然リ又ハ然ラスト答ヘ得ヘキ文言ヲ以テ之ヲ為スヘシ
○2
主問ハ公判ニ付セラレタル犯罪構成事実ノ有無ヲ評議セシムル為之ヲ為スモノトス
○3
補問ハ公判ニ付セラレタルモノト異リタル犯罪構成事実ノ有無ヲ評議セシムル必要アリト認ムル場合ニ於テ之ヲ為スモノトス
○4
犯罪ノ成立ヲ阻却スル原由ト為ルヘキ事実ノ有無ヲ評議セシムル必要アリト認ムルトキハ其ノ問ハ他ノ問ト分別シテ之ヲ為スヘシ
第八十条
陪審員、検察官、被告人及弁護人ハ問ノ変更ノ申立ヲ為スコトヲ得
○2
前項ノ申立アリタルトキハ裁判所ハ決定ヲ為スヘシ
第八十一条
裁判長ハ問書ニ署名捺印シ之ヲ陪審ニ交付スヘシ
○2
陪審員ハ問書ノ謄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
第八十二条
裁判長ハ評議ヲ為サシムル為陪審員ヲシテ評議室ニ退カシムヘシ
○2
裁判長ハ公判廷ニ於テ示シタル証拠物及証拠書類ヲ陪審ニ交付スルコトヲ得
第八十三条
陪審員ハ裁判長ノ許可ヲ受クルニ非サレハ評議ヲ了ル前評議室ヲ出テ又ハ他人ト交通スルコトヲ得ス
○2
陪審員ニ非サル者ハ裁判長ノ許可ヲ受クルニ非サレハ評議室ニ入ルコトヲ得ス
第八十四条
陪審ノ答申前陪審員ヲシテ裁判所ヲ退出セシムル場合ニ於テハ裁判長ハ陪審員ニ対シ滞留ノ場所及他人トノ交通ニ関シ遵守スヘキ事項ヲ指示スヘシ
第八十五条
陪審員第八十三条第一項ノ規定ニ違反シタルトキ又ハ前条ノ規定ニ依リ指示セラレタル事項ヲ遵守セサルトキハ裁判所ハ其ノ陪審員ニ対シ職務ノ執行ヲ禁止スルコトヲ得
第八十六条
陪審員ハ陪審長ヲ互選スヘシ
○2
陪審長ハ議事ヲ整理ス
第八十七条
陪審ハ評議ヲ了ル前更ニ説示ヲ請求スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ公判廷ニ於テ其ノ申立ヲ為スヘシ
第八十八条
答申ハ問ニ対シ然リ又ハ然ラスノ語ヲ以テ之ヲ為スヘシ但シ問ニ掲クル事実ノ一部ヲ肯定又ハ否定スルトキハ之ニ付然リ又ハ然ラスノ語ヲ以テ答申スヘシ
第八十九条
評議ハ先ツ主問ニ付之ヲ為スヘシ
○2
主問ヲ否定シタル場合ニ於テ補問アルトキハ之ニ付評議ヲ為スヘシ
第九十条
陪審員ハ問ニ付各其ノ意見ヲ表示スヘシ
○2
陪審長ハ最後ニ其ノ意見ヲ表示スヘシ
第九十一条
犯罪構成事実ヲ肯定スルニハ陪審員ノ過半数ノ意見ニ依ルコトヲ要ス
○2
犯罪構成事実ヲ肯定スル陪審員ノ意見其ノ過半数ニ達セサルトキハ之ヲ否定シタルモノトス
第九十二条
答申ハ問書ニ記載シ陪審長署名捺印シテ之ヲ裁判長ニ提出スヘシ
○2
答申ニ不備又ハ齟齬アルトキハ裁判長ハ問書ヲ返付シ更ニ評議ヲ為シ答申ヲ訂正スヘキ旨ヲ命スヘシ
第九十三条
裁判長ハ公判廷ニ於テ裁判所書記ヲシテ問及之ニ対スル陪審ノ答申ヲ朗読セシムヘシ
第九十四条
前条ノ手続終リタルトキハ裁判長ハ陪審員ヲ退廷セシムヘシ
第九十五条
裁判所陪審ノ答申ヲ不当ト認ムルトキハ訴訟ノ如何ナル程度ニ在ルヲ問ハス決定ヲ以テ事件ヲ更ニ他ノ陪審ノ評議ニ付スルコトヲ得
第九十六条
陪審犯罪構成事実ヲ肯定スルノ答申ヲ為シタル場合ニ於テ裁判所前条ノ決定ヲ為ササルトキハ検察官ハ適用スヘキ法令及刑ニ付意見ヲ陳述スヘシ
○2
被告人及弁護人ハ意見ヲ陳述スルコトヲ得
○3
被告人又ハ弁護人ニハ最終ニ陳述スル機会ヲ与フヘシ
第九十七条
陪審ノ答申ヲ採択シテ判決ノ言渡ヲ為スニハ裁判所ハ陪審ノ評議ニ付シテ事実ノ判断ヲ為シタル旨ヲ示スヘシ
○2
有罪ノ言渡ヲ為スニハ罪ト為ルヘキ事実及法令ノ適用ヲ示スヘシ刑ノ加重減免ノ原由タル事実上ノ主張アリタルトキハ之ニ対スル判断ヲ示スヘシ
○3
無罪ノ言渡ヲ為スニハ犯罪構成事実ヲ認メサルコト又ハ被告事件罪ト為ラサルコトヲ示スヘシ
第九十八条
引続キ七日以上開廷セサリシ場合ニ於テハ公判手続ヲ更新スヘシ
○2
陪審ヲ構成スヘキ陪審員疾病其ノ他ノ事由ニ因リ職務ヲ行フコト能ハサル場合ニ於テ補充陪審員ナキトキ亦前項ニ同シ
○3
前二項ノ場合ニ於テハ新ニ陪審構成ノ手続ヲ為スヘシ
第九十九条
裁判所ハ訴訟ノ如何ナル程度ニ在ルヲ問ハス公訴棄却、管轄違又ハ免訴ノ裁判ヲ為スヘキ原由アルコトヲ認メタル場合ニ於テハ陪審ノ評議ニ付セスシテ審判ヲ為スヘシ
第百条
裁判所書記ハ陪審員ノ氏名、陪審ノ構成其ノ他陪審ニ関スル訴訟手続及裁判長ノ説示ノ要領ヲ公判調書ニ記載スヘシ
第百一条
陪審ノ答申ヲ採択シテ事実ノ判断ヲ為シタル事件ノ判決ニ対シテハ控訴ヲ為スコトヲ得ス
第百二条
陪審ノ答申ヲ採択シテ事実ノ判断ヲ為シタル事件ノ判決ニ対シテハ大審院ニ上告ヲ為スコトヲ得
第百四条
左ノ場合ニ於テハ常ニ上告ノ理由アルモノトス
一
法律ニ従ヒ陪審ヲ構成セサリシトキ
二
第十二条第一項第一号又ハ第十三条ノ規定ニ依リ陪審員タルコトヲ得サル者評議ニ関与シタルトキ但シ評議ヲ了ル前訴訟関係人異議ヲ述ヘサリシトキハ此ノ限ニ在ラス
三
法律ニ依リ職務ノ執行ヨリ除斥セラルヘキ陪審員評議ニ関与シタルトキ但シ第六十二条第三項ノ申立ヲ為ササリシトキハ此ノ限ニ在ラス
四
忌避セラレタル陪審員評議ニ関与シタルトキ但シ評議ヲ了ル前訴訟関係人異議ヲ述ヘサリシトキハ此ノ限ニ在ラス
五
裁判長ノ説示法律ニ違反シタルトキ
六
裁判長証拠トシテ説示シタルモノ法律上証拠ト為スコトヲ得サルモノナルトキ
七
裁判長法律上ノ論点ニ関シ不当ノ説示ヲ為シタルトキ
第百五条
上告裁判所原判決ヲ破毀スル場合ニ於テハ事実ノ審理ヲ為サスシテ自ラ裁判ヲ為ス場合ヲ除クノ外事件ヲ原裁判所ニ差戻シ又ハ原裁判所ト同等ナル他ノ裁判所ニ移送スヘシ
○2
破毀ノ理由ト為リタル事項陪審ノ評議ノ結果ニ影響ナキモノナルトキハ陪審ノ答申ハ其ノ効力ヲ有ス此ノ場合ニ於テハ事件ノ差戻又ハ移送ヲ受ケタル裁判所ハ答申以後ノ手続ノミヲ為スヘシ
第百七条
陪審費用ハ第三条ノ場合ニ於テ刑ノ言渡ヲ為ストキハ其ノ全部又ハ一部ヲ被告人ノ負担トス
第百八条
陪審員ハ左ノ場合ニ於テハ五百円以下ノ過料ニ処ス
一
故ナク呼出ニ応セサルトキ
二
宣誓ヲ拒ミタルトキ
三
第八十三条第一項ノ規定ニ違反シタルトキ
四
故ナク退廷シタルトキ
五
第八十四条ノ指示ニ違反シタルトキ
第百九条
陪審員評議ノ顛末又ハ各員ノ意見若ハ其ノ多少ノ数ヲ漏泄シタルトキハ千円以下ノ罰金ニ処ス
○2
前項ノ事項ヲ新聞紙其ノ他ノ出版物ニ掲載シタルトキハ新聞紙ニ在リテハ編輯人及発行人其ノ他ノ出版物ニ在リテハ著作者及発行者ヲ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第百十条
裁判長ノ許可ヲ受ケスシテ陪審ノ評議室ニ入リ又ハ陪審ノ評議ヲ了ル前裁判所内ニ於テ陪審員ト交通シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第百十一条
陪審ノ評議ニ付セラレタル事件ニ付陪審員ニ対シ請託ヲ為シ又ハ評議ヲ了ル前私ニ意見ヲ述ヘタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二千円以下ノ罰金ニ処ス
第百十二条
過料ノ裁判ハ陪審員ヲ呼出シタル裁判所検察官ノ意見ヲ聴キ決定ヲ以テ之ヲ為スヘシ
○2
前項ノ決定ニ対シテハ抗告ヲ為スコトヲ得此ノ抗告ハ執行ヲ停止スル効力ヲ有ス
○3
過料ノ裁判ノ執行ニ付テハ非訟事件手続法第二百八条
ノ規定ヲ準用ス
第百十三条
市制第六条ノ市ニ於テハ本法中市ニ関スル規定ハ区ニ、市長ニ関スル規定ハ区長ニ之ヲ適用ス
○2
町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ本法中町村ニ関スル規定ハ町村ニ準スヘキモノニ、町村長ニ関スル規定ハ町村長ニ準スヘキ者ニ之ヲ適用ス
第百十四条
第十二条ノ直接国税ノ種類ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
○1
本法施行ノ期日ハ各条ニ付勅令ヲ以テ之ヲ定ム
○2
本法施行前公判期日ノ定リタル事件ニ付テハ本法ヲ適用セス
附 則 (昭和四年四月四日法律第五一号) 抄
○1
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
附 則 (昭和一六年三月一二日法律第六二号) 抄
○1
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則 (昭和二二年四月一六日法律第六一号) 抄
第三十三条
この法律は、日本国憲法施行の日から、これを施行する。